文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

2015年4月分月間優良作品・次点佳作発表

2015-05-25 (月) 15:17 by 文学極道スタッフ

2015年4月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

Posted in 未分類 | Print | No Comments » | URL

2014年・年間選考雑感(浅井康弘)

2015-05-06 (水) 23:55 by 文学極道スタッフ

○新人賞 島中充

自慰、ペニス、死体、島中の作品に頻出するモチーフをあげればこのようなものだろうか。
そしてそのいずれも、存在の目的がずらされていることだろう。
自慰は
>手淫を教えられた猿は、狂ったように手淫に耽り、死んでいく
というように、明治期における「オナニー有害論」を下敷きにしながらも、それが有害/無害という軸で展開してゆくわけでもなく、また本来持っている「性欲の解消装置」としての役割をもはたしていない。

>少年は皮の被った性器を剥いた。そして、一匹の蛍を捕まえ、濡れた亀頭に点した。 「蛍」

>性に目覚める頃 解剖皿で蛙の腹を開き/手淫を覚える年齢になった
>お前が殺したのかと/そうだ 僕が殺したのだ  「沼」

また、ペニスにおいても、

>少年の性器はまだ未熟であった。 「蛍」
>私の性器はこの蓑虫のように萎えているよ。 「みのむし」

というように、自慰と並べられながらも、ファロセントリズムへとは到底向かわない。

最終的な目的が「挿入」へと向かわない、「みられるペニス」像に、詩をたしなむわたしたちがもっとも接近するのは、吉岡実だろう。

そこでは 少年が四つんばいになって/サフランを摘んでいる(略)
割れた少年の尻が夕暮れの岬で/突き出されるとき/われわれは 一茎のサフランの花の香液のしたたりを認める/波が来る 白い三角波/次に斬首された/美しい猿の首が飾られるであろう(略)
ぬれた少年の肩が支えるものは/乳母の太股であるのか/猿のかくされた陰茎であるのか(略)
サフランの花の淡い紫/招く者があるとしたら/少年は岩棚をかけおりて/数ある仮死のなかから溺死の姿を藉りる
吉岡実「サフラン摘み」

だがしかし、モチーフにおいて重なり合うことがあるとしても、島中の作品は、吉岡のようにイメージの豊饒さを伴わず、ただただ、寒く、暗い。

これをどのようにいうべきか。視姦されるに足るペニスを有しない「私」の物語であることによって、言語のファンタスマゴリーに依存する「詩」という機能を剥ぎ取ることで、作品をある種のぎこちない現実へといざなうこと、とでも?
そのような言説は必要ないだろう。

島中の作品において、イメージの豊饒さを伴わないのは、おそらくファロスとしてのペニスを有さないからではなく、外傷性の記憶を根源に有しているからではないだろうか。
作品において頻出する過去への言及。

>少年に手淫を教えたのは中学の体育教師だった
>僕たちの過ちは 中学三年生の時だった
>一九五一年、(略)その下から肉の付着している骨があらわれた。少年は姉を殺し、床下に葬っていた。

そこで語られるのは、一種の「過ち」、とりかえしのつかなさであり、その内実が「私」のなかで「解決」されていないために、いくつもの物語に変奏され「私」をおびやかしているのではないか。

>外傷性記憶は通常の成人型の記憶のように言語によって一次元的な線形の物語にコード化されない。もしされればその人が生きつつある人生物語の一部分に化してしまえるだろうに (ハーマン「心的外傷と回復」)

そして島中の作品は、その「過ち」として過去の記憶を、同じような単語や、同じような設定のなかで繰り返し語っているだけなのではないか?

「過去の過ち」を繰り返し語っている?たしかに。
だが、そこには過ちを犯してしまったという「悔恨」と、表裏一体の感情が抜け落ちてしまっている。
過ちを繰り返し語る、という行為は、悔恨を反復することで癒されるのではなく、
過ちを犯してなるものか、という「黙殺」されてしまった過去の「私」の悲鳴にも似た感情を見つけ出す行為でもあるはずではないのか。

「過ちを犯した/過ちを犯してなるものか」。この「私」が何度も遡及する過去のどこかで、拮抗していた過去の私の心の状態に、作品がたどりつけていないために島中の作品は、イメージの豊饒さを伴わないままであるのではないか。

「作品」を書くことに対して自己をみつめようとする姿勢の誠実さと、しかし、深く掘り下げることの能わない弱さ。
これが島中の特徴ではないだろうか。

○抒情詩賞 はなび  

はなび氏が初投稿されたときからの作品が持つ美しい抒情と、昨年度の作品に表出されている不安感、その両者のアンバランスさは、断絶がもたらすものなのか、それともマージナルなものなのだろうか。

>砂時計がさらさらさらさら流れているゆるやかな曲面を呈する硝子の容器の中に立ち
「水色のお弁当箱」
というように、外界から隔離された空間に「自分」を設定し、その周囲の変化を直接事故が感受できないけれども、しかし感覚的な違和感がとめどなく押し寄せてくる〈あの感じ〉をはなびはこのように表現する。

>とにかくまったくしゅるいを異にしていることに鈍感になるということがゆるされる日常のなかで ひとりとは言わず なんにんものおとこのこのやおんなのこ あかんぼうたちが爆発して今日もあちこちに転がっているのだとすれば  「水色のお弁当箱」

>飛行機がおちて 恋人たちが死んで たくさんの供花が今日もあちこちに転がっているのだとすれば  「水色のお弁当箱」

瞬時に気づくのは「だとすれば」という仮定をわざわざつけなくても、現に「なんにんものおとこのこのやおんなのこ あかんぼうたちが爆発して今日もあちこちに転がっている」し、あまりにその数が多すぎて、もはやなんのために「爆発」があるのかすらわからなくなってきている、ということである。
「たくさんの供花が今日もあちこちに転がっている」ことは、「外界と接している」2015年の日本において普通である。
わたしたちはそのような風景を見慣れているのであり、その風景にたいして「だとすれば」という仮定をつけるひとがいるならば、それは一種の「あがき」としてである。
わたしたちは、自分が住んでいる世界は「あかんぼうたちが爆発して今日もあちこちに転が」ることがない平和な世界であるかもしれない、というような。
そう考えるまでに、わたしたちは自らの世界を「擁護」したくなってしまう気持ちにさせられている。
なぜなら、ただでさえ毎日
>ことばの通じないしつこい宿屋の勧誘やら物売りやらにつきまとわれ歩き疲れてそのうえ空腹で爆発しそうな怒り 「水色のお弁当箱」

を押し付けられてしまっているのだから。「だとしたら」という仮定ではなく、事実として。

だからこそ、わたしたちは擁護しなくてはならない。
「あかんぼうたちが爆発して今日もあちこちに転が」ることがない平和な世界であるかもしれないということを。
あまりに平和と現実は乖離しすぎていて、「平和なんかない」という事実から目を背けてウソを突き通すことができるまでに、「空腹で爆発しそうな怒り」を押し付けられてしまっているのだから。

「硝子の容器の中に立」つ、ということは恐ろしい。外界/内界と設定することで、現実の世界を一時的に無効化し、「だとしたら」という仮定を挿入することで、リアルで惨めな世界のなかに「ウソ」を生じさせる。それが結果として、世界が惨めである時に、それを見ないことで自発的に「世界の惨めさ」を強化してしまうことにしかならない。
ここでは、作品のなかに抒情を導きいれる工夫をやめはしない姿勢はあるのだが、それは以前からのはなび氏の獲得してきた抒情を問い直す程度に相対化されず、断絶しているようにもおもえる。

だが、はなび氏の抒情はこのような「単純」なものに変容してしまったのだろうか。

>モールをあるいていると
>いつまでもモールが続いていて
>でられない  「モール」

この作品では、「消費」がその振る舞いをみせる舞台=「モール」が織りなす空間と
その空間に身を滑り込ませることの意味をもう一度私たちに問いかける作品になっている

この習作的な作品は、
>クリスマスセールに行ったまま/くびにぶらさがった/名札がきゅうに/さかさになって  「モール」
というように、やはり「不安」が前面に押し出されているのだが、
そこでは、「広告が啓示する消費」という舞台=モールと、その舞台に身をとおじる私、その二者のせめぎあいという図式でない。
(かぎりなくファスト化してゆく郊外のモールにおいては、たしかに「消費」をあおるため、私たちの不安解消のために単純にマーケティング設計されている。(痩せなければ愛されない、買い替えなければ時代遅れになる、だからその不安を解消するために買いなさい)そのことはたしかに不気味で「不安」であるのだが)
ここでは、逆に「消費」にさらされる不安を前提としながら、「消費」を自己の中にとりこむことで、「不気味だ」と「消費」を二元論化し批判してしまう心性を抑え、「不安ですが、それが何か?」という位置を先どりしようとする

>映画館ではおそろしいくらい古い映画が上映されていて
>女たちはしろく 男たちはくろかった
>しずかに湿って響くのを/官能的と感じて  「モール」

ここでは、
現実の世界を一時的に無効化することなく、世界が惨めであることと並列できるなにかを書こうとする場所が確保できるのかもしれない、とおもわせる何かがある。

>それは/ある種の/結界かもしれない   「モール」

と、「結界」という名指せることのない場所ではあるのだが、抒情がそぎ落とされてしまうような「不安さ」のただなかにあって、「官能」を感受させるなにかを名指すことができることがあるのならば、それはやはり、以前のはなび氏の持っていた抒情に近接しているのではないか、と期待させるものではないだろうか。

Posted in 未分類 | Print | No Comments » | URL

「2014年・年間選考経過」

「2014年・年間選考経過」

2014年 年間各賞

 文学極道「2014年間各賞」は2014年に「文学極道詩投稿掲示板」へと投稿された作品のうち月間優良作品に選出された117作品・次点佳作に選出された136作品、71名の作者を対象として、委員スタッフによって1月26日から3月31日の期間に選考会を開催し審議の結果、上記ページの通り決定いたしました。
 創造大賞には選考推薦として挙がった「該当者なし」「田中宏輔」「zero」「阿ト理恵」各氏の内、最終選考対象となった「田中宏輔」「zero」「阿ト理恵」各氏について議論が深められ「田中宏輔」氏の受賞ならびに「zero」「阿ト理恵」各氏の次点が決定いたしました。田中宏輔氏の作品へは、文学史おおげさに言うと人類の歴史に触れさせられると同時に作者の人生を併走する読書と言葉に触れさせられ読者への問いかけも見事であり圧倒的という意見、昨年と比較し新しい「何か」を創造したとは言い難いという厳しい意見、本質的に抱える「作品」を描く操作性の展開が批評性を自ら纏い新たな境地へとなど達しているなど賛否両論が寄せられました。田中氏は作品「IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─」 への文学とは言葉とは何かという究極の問いに可視化された共有財産とディノテ―ションの再生出を通し詩論作品へ顔貌を見出していく拡張性に感嘆以上の感動が駆動しているという意見や、作品「ATOM HEART MOTHER。──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して」への自作と過去から形づくられた先人の綴りや自己の人生を極めて冷徹に眼差していくと共に枠組みを示し纏ってしまう批評を解読し新たなる詩情へ昇華していくことが発見として立ち上がり傑作として姿を現しているという意見、作品「陽の埋葬」(1月投稿分)への三島と飛行船のラストで少し弱まっていった感が否めないが前半から中盤にかけての気持ち悪いほどの凄味は驚愕させられたとの意見、作品「HELLO IT’S ME。」への作者それぞれ個々の生が逆説的に迫ってくる作品であり2014年に投稿された私詩史の英語タイトルと日本語タイトルの技法を合体をさせた一連の作品群が思考を辿っていったときに引用部分の作者たちが咀嚼され消化され吸収されていることと対応関係にある傑出が往還している/読解とは何かということに関して自己へと問いかけられた気がしたという意見などから最終的に5年連続5回目の創造大賞受賞が決定いたしました。また「5年連続5回目の創造大賞受賞」ということについて議論が深められ、氏の「殿堂入り」が決定いたしました。今後、田中宏輔氏が投稿した作品は月間選考を経た上で「一条」氏と共に「殿堂入り」として年間大賞に掲載されることになります。また今後の年間選考では「殿堂入り」の作者二人に関しては創造大賞など各賞の選考対象とはなりませんが、各投稿作品は「年間最優秀作品賞」の選考対象にはなり得ることが決定いたしました。zero氏、阿ト理恵氏に関しても強く創造大賞へと推す声が寄せられたこと、次点というのは苦渋の決断であったこと、また来年度以降の創造大賞を獲得するに違いない声があったこと、それらを含め選考内で賛否が入り乱れたことを付記しておきます。
最優秀抒情詩賞には選考推薦として挙がった「zero」「前田ふむふむ」「はなび」「紅月」「村田麻衣子」「sample」「Migikata」各氏の内、最終選考対象となった「zero」「はなび」「村田麻衣子」各氏について議論が深められ「zero」「はなび」各氏の受賞が決定いたしました。zero氏には、古風だからこそ作者の現代が描かれていく構造になっており歴史を繋げ先端で展開されていく生活上を詩という営為に実践する見事さと美があるという意見などが寄せられ、作品「」「」の評価が高かったことから、はなび氏は作品「水色のお弁当箱」などの評価が高かったことから、それぞれ受賞決定となりました。
 実存大賞には選考推薦として挙がった「田中宏輔」「村田麻衣子」「前田ふむふむ」「島中 充」「zero」「new order」「山人」各氏の内、最終選考対象となった「村田麻衣子」「前田ふむふむ」「島中 充」各氏について議論が深められ「村田麻衣子」「前田ふむふむ」各氏の受賞が決定いたしました。村田麻衣子氏には、節を産みだしていくポートレート化と精神のボーダーレス化が昇華を見せており天才なのかもしれないと思ったという意見などが寄せられ、作品「street#tube」の乾き方や作品「籠のない日」の評価が高かったことから、前田ふむふむ氏には、自分独自の作風を切磋琢磨して追究し成功している数少ない作者の一人であり一作一作が現代詩のレベルを引き上げているという意見や、完成された世界観で重厚な綴りが展開されていく中で四という構成の発展を用いるなど冒険もしており内部世界を外界に転じる創世が見習いたくなるほどの筆力で行われているという意見、本来ならば「創造大賞」に推すべきなのかもしれないが前年の圧倒に比べると質的に少し弱いと思ってしまったという厳しい意見などが寄せられ、作品「静かな氾濫をこえて―四つの断章」や「廃船――夜明けのとき」の評価が非常に高かったことから、それぞれ受賞決定となりました。
新人賞には該当者6名の中から「阿ト理恵」「島中 充」「MANITOU」「エルク」各氏について議論が深められ「阿ト理恵」「島中 充」各氏の受賞ならびに「MANITOU」「エルク」各氏の次点が決定いたしました。阿ト理恵氏には、日本語とは何か言語とはいったいなんなのか音韻とは単語とは詩とはなんなのかという問いに日本語の枠組みを捉え直し解体し再生していく在り方で答えており非常に解りやすい言葉で書かれているからこそ認知された言語と意味が攪拌されていく素晴らしさがあるという意見、童謡や言葉あそびの新たな歴史となる重要な作者だという意見などが寄せられ、作品「ちょっとちがうとだいぶちがう」「はじまらないと」の評価が高かったことから、島中 充氏には、古風な作法の作品が提示していく直喩と対称性のあり方などが現代においても未だ作用可能性を抱いていることに多くを教えられたという意見が寄せられ、作品「ピーコ」「白鱗」の評価が高かったことから、それぞれ受賞決定となりました。MANITOU氏には、カメレオン文学とでも言えるような徹底的に自己ではない同化を取り入れていくことで作品に表層的深度を纏わせておりポップとも違う独特の第三次展開を引き起こしているという意見などが寄せられ、作品「 グラウンド・ゼロ」の評価が高かったことから、エルク氏には、作品完成度が非常に高く作品をもっともっと読みたいと思わさせられる勉強になる作者である、という意見が寄せられ、作品「今日を、捧ぐ」の評価が高かったことから、それぞれ次点決定となりました。
 エンターテイメント賞には選考推薦として挙がった「該当者なし」「はかいし」「ヌンチャク」「お化け」「MANITOU」「アラガイ」各氏の内、最終選考対象となった「該当者なし」「はかいし」「ヌンチャク」「お化け」各氏について議論が深められ「はかいし」氏の受賞ならびに「ヌンチャク」氏の次点が決定いたしました。はかいし氏には、作品への情熱が確かに存在しているが未だ自作の確固たる作風を確立することに対し模索中である姿勢を逆手に取り作風の往還を提示することで現時点での自己と作品との共生と共鳴を可能にしているという意見が寄せられ、作品「ハンドジャンプ」「大洪水」「祝祭」の評価が高かったことから受賞決定となり、ヌンチャク氏は投稿者に迷惑をかけてトラブルを起こし続けていたりアルコールに飲まれ酔っぱらって書き込みを続ける愚行が大変多く見受けられるもののエンターテイメントに関し自覚ある作者として作品と書き込みの方向性が一貫されていたことの評価がそれなりに高かったことから次点決定となりました。
 レッサー賞には選考推薦として挙がった「zero」「前田ふむふむ」「case」「水野英一」各氏の内、最終選考対象となった「case」「水野 英一」各氏について議論が深められ「case」「水野 英一」各氏の受賞が決定いたしました。case氏には、ジャンルによって読み解く得意・不得意が顕著であり作品自体にある良さではない部分に焦点を当て作品個体の良さを見えにくくさせる傾向が時折見られるものの様々な作品へと多く向き合い一定以上の構造を読み説いていることは大きな意味があるという意見、作者には作品も投稿して欲しいという意見などがあり、水野 英一氏には、レッサーとして飛びぬけた存在であり真摯に読み物として学術的にも向き合えるだけの評論を心掛けている点が非常に素晴らしい一作いっさくへのレスが間に合わなかったりレス数も極端に少なくなってしまっているが少なさに見合った質のレスを入れているという意見、フォーラムなどを活用してログに流れてしまった作品への評も是非書いていって欲しい存在であるという意見などがあり、それぞれ受賞が決定いたしました。
 文学極道年間最優秀作品賞には選考推薦として挙がった数作品の中から特に「no title」(紅月)、「HELLO IT'S ME」(田中宏輔)、「シャルロットの庭*」(fiorina)、「あなたの春の一日」(鈴屋)、「陽の埋葬」(田中宏輔)、「ATOM HEART MOTHER。──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して」(田中宏輔)、「IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─」(田中宏輔) 、「お化けになりたい女の子のはなし」(熊谷)、「籠のない日」(村田麻衣子) 、「花は甚だしい」  (明日花ちゃん)について議論が深められ、「no title」(紅月)「HELLO IT'S ME」(田中宏輔)「シャルロットの庭*」(fiorina)各作品の受賞ならびに「あなたの春の一日」(鈴屋)「ATOM HEART MOTHER。──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して」(田中宏輔)各作品の次点が決定いたしました。受賞した三作品に関しては「美」について数多くの意見が交わされ各種のアプローチ方法に関しても多くの讃美の意見が寄せられました。また「no title」(紅月)には構造を見ていくシミュラークル作品として高い位置にあるという意見などが寄せられました。
 最後に本賞受賞には至らなかったけれども十二分な磁場を示した作品と作者を各選考委員それぞれが推薦し選考委員特別賞が決定いたしました。本賞受賞者などの選考を進めていく際、いずれの作者も自身の作風を持ち推し進め深めていて議論対象となるだけの強度を作品で示しており文学極道の選考がなくとも評価が伴わなくとも自作を究めていくだろうと思わせられたことが印象的でした。「sample」氏には、 文字のコラージュのように体温なく遂行していき相反する感情が裂け目のように浮き上がっていく構造への意見などが寄せられ、 「熊谷」氏には、流用の詩学を体現していると清々しさへの意見が寄せられ、「山人」氏には、 作品ごとの出来にムラがあるが方向性をきちんと見出している数少ない作者という意見が寄せられ、「破片」氏には、一作いっさくが力作であり多彩な作風を使いこなしていて器用さを見せつけられる一方スタイルや作者自身の独自性が見えにくいがそこを提示した時には誰をも寄せ付けない抜きんでた存在となるように思うという意見などが寄せられ、「やなりり」氏には、使いふるされているはずの比喩素材と古風な作風が今現在においても有用であることを証明している作品に驚かされた作者の作風は決して新しいと言えず埋もれてしまいがちかもしれないがだからこそ力量が見え確かな力に支えられ現代を包み込ものではないか、という意見などが寄せられました。選考委員一同、大変勉強させていただきました。素晴らしい作品の投稿に感謝いたします。

スタッフ一同

Posted in 未分類 | Print | No Comments » | URL

2015年3月分月間選考雑感(スタッフ)

2015-05-01 (金) 00:15 by 文学極道スタッフ

14.7938 : 物語の物語の物語  Migikata ('15/03/02 00:47:53 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150302_416_7938p
(1)ああ、面白かったです。パラレルワールドの旅行記みたい。
 ルポのような語り口で読んでいくうちに引き込まれました。

8.7982 : 蒼い微光  前田ふむふむ ('15/03/30 14:19:56 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150330_026_7982p
(1)比喩の多さは相変わらずですが、とても響きました。
 一連で肉体的な言葉と河を同時に扱って追憶を表しているのが、作者の技量と人柄を感じさせてくれます。

25.7961 : 群像  飯沼ふるい ('15/03/10 21:03:56 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150310_632_7961p
(1)最後はちょっと風呂敷をむりやり畳み掛けたみたいで蛇足に感じましたが、楽しく読ませてもらいました。
 こういう夢の断片をつなげたような作品に感じる浮遊感がなかった代わりに手触りや匂いや音、色めきに確かに触れる事が出来ました。

11.7936 : 受粉。  田中宏輔 ('15/03/02 00:11:29 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150302_413_7936p
(1)燃えるって親和性ありますねぇ。面白かった!

37.7939 : 雨の日  zero ('15/03/02 01:34:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150302_418_7939p
(1)いいですね。
 雨の日に自分1人ですごしていること、そしてそれを隅々まで楽しんでいることが伝わってきました。それを読者である自分は覗き見させてもらったようです。最後で同じ虹が見られたら良かったなぁと思わずにはいられません。

44.7958 : 嘘つき  島中 充 ('15/03/09 21:36:40 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_601_7958p
(1)いいですね、なんだかくよくよしているのが見えてきました。
 少年の頃の嘘と大人になってからの嘘の質が違うのが悲しいですね。
 重大ではないところが良いのかもしれませんが、例えば子どもの頃の一連にも「警察」という単語を出すよう構築しても良かったのかもしれませんよ。世の母というものは「警察」という単語を疑いもなく使うものですし、世の子どもの「警察」というものは大人とは違うものでしょうから。

43.7951 : 話の途中で、タバコがなくなった。  田中宏輔 ('15/03/09 00:00:44 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_575_7951p
(1)他の作品と比べるとあきらかにお筆先なのにこういうの書けるんだなぁって羨ましいです。
 恋人の顔の下りは無理矢理感があって、評がわれそうなところ。わたしはこの作者らしくて好きですが、これが作者の代表作になるかと言われたら疑問符をつけざるをえません。

27.7963 : 姉のネーミングセンスについて、  泥棒 ('15/03/12 19:56:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150312_686_7963p
(1)ライトノベルの世界観を持ってきた感じがしますが、完成度は高いです。
 鉄塔に注目させたいのなら「わっしょい、おいで!」の前にもう一つ配置が必要なのかも。

52.7935 : 都市のような罠  リンネ ('15/03/02 00:06:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150302_411_7935p
(1)タイトルがハードルを上げ過ぎているのではないでしょうか。そのため最後が、もう少しやりようがあったのでは、という感覚を抱かせてします。ただ、やりたいことは伝わりますし出来てもいます。昇華されています。最後を是非、推敲されて欲しいです。

26.7959 : 詩  zero ('15/03/10 02:21:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150310_606_7959p
(1)壮大なたとえ話ですね。このダサさはあえてやっているのかと考え込んでしまいました。

15.7976 : amaoto  山人 ('15/03/25 18:17:32 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150325_949_7976p
(1)視点の定まらなさが魅力としては機能していません。
 雨に打たれるガードレールの蔓草から、人の顔へ、そして背中へ、水滴の中に入って雨に戻る
 五行目までは緊迫感があって読まされました。もしかしたらここで一旦改行を入れてもよいのかも?
 六行目以降は作者は天地人をカメラに捉えてインサートとして私、雨/念仏を入れているのでしょうが、実はズームアップとダウンが間断なく繰り返されています。水滴超アップのスローモーションまで入ってくるし、読み手の頭の中がけっこう忙しいんですね。そこで「ゆったりと活動していた」とまとめられてしまい、うーん、そうだったの? という気持ちに。

48.7942 : カントリー・ロード  少年B ('15/03/03 12:11:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150303_432_7942p
 (1)ここまでのダサさを描き切るのは脅威だとすら思ってしまいます。主題への向き合い方に迫力を感じます。

(2)ぱっと読んで都会からの転校生(男児、これは重要な情報)が田舎に馴染めなくてうっすらとしたいじめにあって下校途中にお漏らししちゃって、でも雨が降って良かったねって時に野良犬に吠えられて男児は犬になった気分で(田舎者は言葉が通じない)虹がかかって駆け出した。
 っていう筋なんですがなんでこんなに読みにくいんでしょう?
 非常に少年漫画的な世界なので、自分になじみがないからか。
 作者はわりと登場人物にたいして距離をとっていると思うのですが、主人公はもう少し書き込んであげてもいいのではないかと思います。犬になるのとか、分かるんだけど、するっと読めない。

49.7944 : 稜線のラクダ  山人 ('15/03/05 05:02:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150305_463_7944p
(1)>私は 稜線のラクダを悲しそうに見つめている
 この部分が一連が天地人を同一に扱っていることを端的に表していていると思いました。
 そうしますと、「晴れるだろうか」のリフレイン部分は独立させた方がより効果的ですし、二連目でもっと内面に、具体的に言うと悲しさの理由に迫ってくるような作りの方がいいのかな、と。
 作業ダンプの登場が唐突、時間の推移を表す意図であれば何処かでふれておいた方が親切ですし、夕闇によって表されていますので必要がないかと。
 ここまで書いて思いましたが、はじめ作中主体はダンプのガラス越しにらくだを見ていて、ダンプがどいた後は隔てるものなく自然と向き合ったのかもしれませんね。その読み方が素敵で好きですが、これはやはり想像力による誤読の可能性が高いです。

16.7980 : 請求  ゼッケン ('15/03/28 12:37:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150328_994_7980p
(1)あう、悲しくなってしまいました。
 治療費=罪=罰ということなのかなー。
 最終連は公式の説明みたいで筆が走りすぎたのかな、という印象を持ちました。

22.7971 : 三月十九日ポタウさん  お化け ('15/03/20 18:39:49 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150320_897_7971p
(1)読んだ時の印象が野生爆弾の「概念」というコントを見た時とそっくりでした。なんじゃーこりゃーー。
 知っている言葉で知らない事を語られるとどきどきします。妖怪が生まれるところを見たようなどきどきです。面白かった。

29.7946 : 違反といいねのカオス花盛りです  北 ('15/03/06 11:19:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150306_473_7946p
 (1)たどたどしい文体の流れが、ゆるやかにはいかない世相の寓意に一役買っています。インターネットの部分を比喩に昇華した方が含意のある作品になったように思えます。

(2)上手い事良いですね。ナイスですね。
 でもタイトルで落ちを言ってしまっているのがなぁ。
 三連目までは枕で、つつつ、と落語家のような下からくる語り口で油断させて四連目で本題かと思ったらまだ枕だったみたいな。ほんとうコネタは上手だと思うんですけどね。

7.7983 : 葬送  相沢才永 ('15/03/30 19:23:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150330_039_7983p
(1)のっぴきならない雰囲気だけ読み取れました。

1.7981 : 「春」  今井桃子 ('15/03/30 05:28:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150330_023_7981p
(1)旧仮名遣いの世界観を外すと、とても素直な詩になっています。
たくさん書いて比喩や綴りで世界観を出して行けるようになると素晴らしい作品を書くようになるかもしれません。

(2)もうすこし読んでみたいです。

2.7986 : (無題)  イロキセイゴ ('15/03/31 23:50:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150331_055_7986p
(1)やっていらっしゃる事は面白いと思っているし、応援していますが今作も読み下しの羅列。
 句を繋いでさらに自作にしようという試みというのは面白いですが、これはやはりある意味でデリカシーのないことだと思うんですね。
 葬の列と原爆ドームを繋げるあたりはノーデリカシーがすぎます。

3.7969 : メコン川  ちょび ('15/03/17 23:58:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150317_875_7969p
(1)リズムが訛っていて取っ付きにくいかな。
 ご本人も力技と仰っていますので、もう少し捻ってまた読ませていただきたいです。

4.7985 : 画家  マグロ ('15/03/31 21:02:10)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150331_052_7985p
(1)とても良い筆致です。構成と主題から見て連ごとの跳ね方、もう一歩すすめそうです。 

(2)ユーモラス。「だろうよ」三連続はクダ巻き親父の様で、良い効果を生んでると思いました。

5.7984 : Private Military Contractor  atsuchan69 ('15/03/31 00:08:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150331_042_7984p
(1)大人のためのひらがなって感じがして面白かったです。この面白いはちょっと良くない意味も含まれています。子どもを偽装するギマンみたいなことまで考えてしまったので。

6.7953 : viraga  lalita ('15/03/09 09:11:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_581_7953p
(1)サンスクリット語のマントラは知っておりますが、読んで、頭の中で響かせて、読んだところで伝わってくるものは「サイケなひとのやべぇ頭の中の断片」でしかありません。
 読者を自分のみに限定して書くのは良くないと思います。
 自分の知っている事を全く知らない人のことを少しでも考えてから書く事をお勧めします。

9.7973 : COUPABLE IDEA  相沢才永 ('15/03/21 19:31:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150321_915_7973p
 (1)観念を体現している作品にしては珍しく徹底していてリーダビリティもあります。ここから飛ばすふくらみを持ったレトリックにしていくと、
筆圧が、より高い位置で昇華されるのではないでしょうか。次作も楽しみです。

(2)ほんとうにこんなアジ文が書きたいのかしらん。
 苛立の相手に言いたかった事がフレーズとして凝縮されるうちに拡散するというわけの分からない事になっています。

10.7977 : 嘘の煮込み  マグロ ('15/03/25 22:19:59)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150325_961_7977p
(1)これは何についての詩なんだろうかと考えています。
 個人的なことでも、社会的なことでもなんでも良いんですが、苛つき少々ユーモア2さじ諦観を最後に振りかけました。みたいなまとめ方で作者の立ち位置が分からない。ぐるぐるしてる人なんだったら、吉兆のささやき女将に勝つくらいの気持ちが必要だと思います。例えが古くてごめんなさい。

12.7975 : 漠然と  イロキセイゴ ('15/03/24 23:34:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150324_943_7975p
(1)ごめんなさい、ギブアップです。
 何を言っているのか全く分かりません。もう少し読者におもねってみてもいいのでは?

13.7978 : 増殖をタタッ切りて  遼旅 ('15/03/26 16:22:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150326_970_7978p
(1)発想はとても面白いと思いますが、それ一本で押し切れるほどのものかなぁと疑問です。後半に連れて言葉すくなになっていきますが。書き込みが足りないことで想像力のある読者は美しい誤読を誘われるでしょうね。

17.7972 : にくしみ(要冷蔵)  はかいし ('15/03/21 10:32:15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150321_909_7972p
(1)なるほどなるほどなるほどなっ。が出てきました。
 にくしみを表現してるのかと思いますが街中で叫んでいる人を見た時ほどの毛穴が開く感じがないです。まぁ作り物ですからね。ほいで、統合役がいないと、見せるものにならないと思います。

18.7970 : 恋の季節  鵜戸口利明 ('15/03/18 18:31:55)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150318_887_7970p
(1)よかったすね。
 恋の季節が別名発情の季節ということを作者は知っていて、あえてやっているのでしょうが歌謡曲の切り貼り感がすごいのはなんとかなりませんか。

19.7979 : 恋の壁  鵜戸口利明 ('15/03/27 14:35:34)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150327_985_7979p
(1)恋の詩は直接的表現で昇華することは非常に難しいです。一番、力量が問われますし力量の不足が見えやすくなります。
見えてよいだけの力量をお持ちか考えていただけたら、と思います。

(2)恋に翻弄されていますね。お幸せに。
 智恵子抄を読んだとき、こんな風に思って欲しいと憧れましたけど、この作品はあんまり憧れませんでした。
 違いは明らかで、恋に引っ掛けて結局のところ自分を歌っているからなんですね。詩の中で他者と出会っていない。もちろんそれは詩作として悪い事ではないし、勝手に壁作ってその前で歌っているひとをみたら、応援したくはなりますけどね。

20.7974 : (無題)  Lisaco ('15/03/24 10:47:26 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150324_928_7974p
(1)一連、二連、四連と降ってくるものが、三連のみで発するものが扱われています。
 空から降ってくるもの/世界(あるいは他者)の構図は少し飽きたな、ってところもあるのですが全編ひらがなの効果もあって透明感のある生まれる前の世界という感じ。
 ひらがなの多用は賛否分かれやすいところだと思いますが、とても読みやすく構成されている印象を受けました。

21.7967 : どうにもならない夜  駄目人間 ('15/03/16 01:39:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150316_841_7967p
(1)これはライフログですね。
 作者はこういうどうしようもない夜に詩を読んで心を調律したことがないのでしょうか。台所のしじみを思った事は? 去っていった人たちの声を聞いた事は?
 文字で書いた「状況」に共感するのは近しい、優しい人だけだと思いますよ。
 「気持ち」「感情」を掘り下げて書いてみてはいかがでしょうか。

23.7941 : 混じり気  遼旅 ('15/03/03 11:48:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150303_431_7941p
(1)独りよがりの観念の羅列、何の事をいっているか全く分かりませんでした。

24.7968 : Mi gata se llama negra.  北 ('15/03/17 19:48:48 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150317_862_7968p
(1)真木蔵人に韻の踏み方を習った方がいいのかも。
 マザーグースみたいな、語学の教材になるような雰囲気を目指して書かれたのかなもしれませんね。日本語部分はとくに見るべきところが見当たりませんでした。

30.7954 : 冷えていく鉄  はかいし ('15/03/09 11:00:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_584_7954p
(1)固い文に間違ってコピペしたような文章を入れ込ませるのは面白い試みだと思いますが、まだ形として整っていない印象です。

31.7952 : 白樺の馬車  ちょび ('15/03/09 01:12:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_578_7952p
(1)多分この言語世界をおもしろがれる人は多くいるのだと思いますが乗り切れませんでした。

32.7956 : 散歩  駄目人間 ('15/03/09 15:38:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_592_7956p
(1)三連目に「そういう言葉が聞きたいんだ」ってありますよね。
 そういう詩を書いてみたらどうでしょう。

33.7947 : 何もかもを恐れた裏側  陽向 ('15/03/07 00:04:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150307_490_7947p
(1)デイビットリンチ占いみたいですね。
 とりあえず出てくる人を1人に限定してみてはどうでしょうか。

34.7966 : 実行力  こひもともひこ ('15/03/14 19:54:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150314_774_7966p
(1)ライフログ。詩としての完成度はありません。選考の対象外です。

36.7962 : 揺れる液体  たゆや ('15/03/11 19:52:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150311_648_7962p
(1)もう少し細部を整えていけば強度のある傑作へなっていけそうです。
繊細さが荒削りな部分を目立たせていますので推敲した後の作品を見てみたいです。

(2)あなたがいて誰かがいて、話者がいるという作りになっていますが、話者が勝手に盛り上がっているので、読み手は三者の誰に対しても同化できません。同化出来る詩が良い詩とはもちろん限りませんが目を引かないのは作品がかわいそうかなって。

38.7965 : 一昨日の佳延  陽向 ('15/03/13 19:40:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150313_726_7965p
(1)一人称の揺らぎが効果的ではありません、混乱するだけ。
 「心情は不安定」の内訳が「苛立」と「無気力」というのは雑な束ね方だと思いますよ。

39.7949 : 夕暮れ  蛍狐 ('15/03/07 22:54:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150307_515_7949p
(1)夕暮れというのは取り扱いが注意な語句です。
 詩的喚起力がありますが、それだけに積み重ねられてきたイメージがあります。

40.7950 : からっぽくん  まにまに ('15/03/07 23:06:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150307_517_7950p
(1)カオナシだよなぁ、と思って読みました。
 設定もそっくり。
 説教臭いのをリズムだったり、飛躍だったりで脱臭できるんじゃないかなぁという印象です。

41.7957 : 蛇口公園  そーきょく ('15/03/09 15:38:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_593_7957p
(1)自由律俳句の連作として扱いますが、違ったらごめんなさい。
 どの句も視点が低くてとても好感を持ちました。公園が遊園地みたいですね。
 7句目と8句目はダンスィ俳句って言う感じ、楽しかったです。

42.7960 : ずれている  赤青黄 ('15/03/10 16:28:02 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150310_620_7960p
(1)傾いてくる作者を、読者は受け止めるものではないですよ。
 でも、こっちに向かって倒れてくる人を見たような気になったのは初めてです。
 もうすこし引いた視点が必要なのかもしれません。

46.7955 : 啓蟄  まにまに ('15/03/09 11:26:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150309_585_7955p
(1)文語がわからないなりにもテーマとリズムの良さに惹かれました。
 リビドーという単語はさて、どうでしょう。効果に疑問符をつけておきます。

47.7945 : 危険区域(近づかないで)  お化け ('15/03/06 07:07:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150306_469_7945p
(1)タイトルにセンスがないです。

(2)えすおーえすがひとつ、えすおーえすがふたつ、えすおーえすがみっつ
 えすおーえすがひとつ、えすおーえすがふたつ、えすおーえすがみっつ
 えすおーえすがひとつ、えすおーえすがふたつ、えすおーえすがみっつがみっつ
 みっつがみっつがみっつ
 といったふうに楽しみました。眠れない夜に読みたいと思います。

50.7943 : 丘の上の比喩  泥棒 ('15/03/04 16:46:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150304_456_7943p
(1)軽さを徹底的に利用し成功している作品です。

(2) 笹井宏之というひとの短歌で
「ねえ、気づいたら暗喩ばかりの中庭でなわとびをとびつづけているの」
 というのがあって、これは創作活動中の体感がよくあらわれているって思います。
 この作品の中ではアクロバティックな分、見えない部分が多くなってしまった印象を受けました。

Posted in 未分類 | Print | No Comments » | URL