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阿ト理恵 - 2014年分

選出作品 (投稿日時順 / 全6作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


メランコリーは絶滅危惧いぬ種です。

  阿ト理恵



しとしとしろんのあめがふるいきどおりをひるまずはしりさったほうにおかど(き)ちがいなメランコリーがいました。


かかわりたくなかったのですが、かま(わ)れてしまいまして、詩人のみょうちきりんの(あ)くび、ますますながくなってゆき、メランコリーはさもありなんさもありなんのこれしきにちぢんで消えようとしてるとこと。


シのシャープはドじゃない

  阿ト理恵



おまけにドのフラットはシでもないのでだまされつづけてしまいました

いちにち一mmだけうかれて

境界線をわたしの輪郭とするならば

いつでもつながってしまうことに

とりあえず
とりあわず

平温でいましょう

かってないいぶんちがいちってあいにくのはれのひ

ならない音のこうふくをきる。のたちわるい類のわたしたちってありえないわよ、まみれなくたって、できました、やりました、もめました、ぶちました、やめました。もうフランソワ・トリュフォーの映画なんてみないことにした。は、やはり、さよならの有効期限なんか三秒になるので、なんで愉しいのかわかんないって云いながら、そのととのえ方、きゅう(と)けいをす(て)きす(て)きす(て)て、ひらがなぼやけるくらいのぞむほどにのどはかわいていないのぞまれているわりにのぞかれてもいない、たわけた正三角関係だって云われて、わたしは彼女にしたたかにしたたる彼女はしたがる彼はしたがって彼女はわたしと彼にしたがうしかない、それぞれが三分の位置がわからないというせきららせきららせきらら

ねえ、どこからが空?

口+口+口は目
見た目も口がみっつ
足がはえた程度と見られがち
まあ、いまさらおもいのたけをぶつけるってのもいいかなって
まさかはなしたいことばかりだったなんてね
かなわないな
かまわないでおかえり
耳の穴
しこうよりクオリティをのむ
あさひさしこみたつはるに

さてと、わたし
たちとはさよならするよおやすみまたねようはワンセグみてぐだぐだしてるまにまに真実はさま(よ)っているらしく、

きゅうくつ脱いでしまおうか


街に雨ふる、が続くが

  阿ト理恵


休む、があったのか確かめるまでもなく木曜日、水、土を買う。少しばかり角度をあげた目に、つゆのくうはくの月、まち針でとめてみる。あられもなく空気が濃くなりましたね。すきとおる酸素も買いたいとの願いもむなしく、ふ確かなはりとこしがきゃしゃのまんまプラトニックふりかけドンと12段のぼりきったさきのドアをあけた部屋で空となって、空回りするくらいあかるくふるまったら子供っぽい雨粒が、ぽちゃん。ブリキのバケツ、またぎます。またきます。と、ぽちゃん。かわいい音もだちに囲まれているきみの背中に句点をうって、いるような、ぽちゃん。このおとし所に撃たれ、ふるためにやむ。それって、すでに決めてたこと。 きゅうくつたいくつうっくつどうくつそうくつひくつりくつこねくりまわし煮つめたくすりわらうスプーン山盛りいっぱい混ぜるな危険は、ふる(え)方をまちがえて、うらにわのあじさいはみどりからみどりから白どまり。きみをひらがなのようにしあわせにする、と、ほんのひとこと、ほんのりひとりつぶやいたら、うろこがはえてきてしまいました。


ちょっとちがうとだいぶちがう

  阿ト理恵



おやすみの日の午後は元気が天気に左右され、カスタネット休んで休んで、ととのえかたやらとらえかたにも、にごり「ゆ」だくだく。ずいぶん近いとちょっと誓うはいきているしいしきしてるしさるものはおあずけされてねこにこんばんはひとしくなればひとこいしくおもいつめくさとりだして問題はいかにしてやまいだれなく暮らしてゆこうかと。あまりにも夏めいて、いろばかがいろばなきかせいろきらい、せんすをあおぐ。あをあをとあらしのあとにあおぐそらへ水彩を部屋から放ち、ぐれてやるからくれてやるって、きみのはじめてがわたしでいいにきまってる。純粋な鈍器でなぐったとしてもアルマンのざらついたアルシャ紙には群青なんかつかわない、とわとわとちかわない、青にむれたくないから、でもでもでくつがえるわたしのいらないいろミスリードつけた青をきりはなしたいろなどみつからなくってもそこはこそっとひっくりかえしてみる。


はじまらないと

  阿ト理恵

きゅるきゅるのきのうまでのしあがりは透明とびっきりのご注文はうさぎですか?ご注目はなかのひとだからやさしいやさいだけ召しあがるんだな、で、すでにしないとできないとでられないとしらないとしねないとかさねないとかわさないとよばないとよどめないとわからないとわかってないとわかりたくもないとなれないとなりたくもないとくれないとくずれないとこたえないとこごえないときづかないときずつかないとおとさないとおとなしくないとつたえないとつたわらないとならべないとなくならないとなくさないとかざらないとかぎらないとあげないとあがらないとあそばないとそれないとそがれないとくだらないところがらないとまぜないとまざらないとならないとさわがないとさわれないとあやしくないとあやされないとあわせないといやされないとおもしろくないとうつくしくないとつくれないとつくさなさいといけないとがんばらないとかわいくないとさみしくないとあいせないとかよわくないといじらしくないといじられないとゆるせないとゆらせないとたのしくないとたのめないとなさけないとなかないとながれないとなじめないとかなわないといわないとはじまらないとないとな、で、アンモナイトみたくまるまる、で、そこはなんとかいかがなものかよりすぐりTHEざざざん少女を首になる夜か/しらん恋か/しらん胸か/しらん手か/しらん指かしらんらんキッチンで耳をすますフランスパンつかみどころのあるところの流儀のすべてはオールを漕ぎ意図せずともドロップアウトはかいじゅうするのどうして/どうしても/どうしたら最後の生物として出逢えるのわたしたち。


ねごとねこごと・あ・ら・Modeチョコレート

  阿ト理恵

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はじまりの風をつかまえられたなら飛ばそうパラソルチョコレート

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気配消す秋のじんちでじーんとなしてねとじーんとしとねしとね

この星のいちぶぶんでいいんだよね微熱を微風がさらうならば

めくるめくつなぎ目の芽よその先にそっぽむく猫のしっぽはシグナル

ぼくらがここにいることのわけとかはみんなちがってみんなかっこいい

う〜らららぼくとうででもくみながらぽけっとティッシュとばしませんか

どれどれみつけてまたたいてまた(が)ないひをたたんでまだ愛してる

とりつくろうためにふくろにおしこむそのよこしまよ、わたしがすくう

文学極道

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