文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

●2019年4月分選考雑感(Staff)

2019-06-07 (金) 03:42 by 文学極道スタッフ

11193 : 幻を信じよう  黒羽 黎斗 ('19/04/30 12:41:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190430_792_11193p
(一)これからが気になる作品である。現時点から言語に磨きや飛躍、比喩の上手さを獲得しているため今後が楽しみである。
(一)詩人でなくても伝わる言葉で詩的解釈が必要な表現もあり、世界観にも統一感があって読み易い仕上がりになっておりました。リフレインのパターンが変わるところも飽きが来ないように上手く運んでいると思います。

11152 : Needles  アルフ・O ('19/04/06 00:49:51 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190406_523_11152p
(一)この作者の作品を読んだときのエモさは、「アニメやゲームのキャラと良質の音楽をミックスした良質のMAD映像」を観たときのそれに近い。あるいは作者自身がそうした映像作品やコミックスや音楽などで感じたものを、詩というアイテムで再現しようとしているのではないか。作者の詩を読んだ時の高揚感は、「攻殻機動隊」において草薙素子が使用する電子ドラッグのようなものかも知れない。
(一)毒が強い作品である。詩情は感情の偏向により倍加されていく。
(一)もっと衝撃的であって良いスタイルですが、効果的な言葉の使い方をしており、安定感もあります。クサくなりがちな感情を敢えて強く押し出しているところに好感が持てます。

11166 : 解決をしたい私  イロキセイゴ ('19/04/11 22:58:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190411_575_11166p
(一)不条理劇のような展開に興味を引かれたが、少しイメージの風呂敷を広げすぎている気がする。職員室にぎっしり詰め込まれた教師たちと、バレーボールをする生徒たちの対比だけでまとめた方が良いのではないかと感じた。
(一)非常に美しいです。また、一連だけ形が異なるのが、生きていると思います。

11192 : (無題)  sibata ('19/04/29 11:02:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190429_787_11192p
(一)連想からの飛躍が見事である。
(一)時代を新しくし過ぎず、戦争後の荒廃した、リアルな近未来を感じさせるようなシーンの描き出し方が上手です。感情的になり過ぎずに希望を表現できています。

11188 : 環礁  水漏綾 ('19/04/27 02:04:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190427_761_11188p
(一)ずれて落ちたコンタクトレンズから、連が進むにつれて変化していく視覚をメインとしたイメージが心地よい。イソギンチャクとクマノミの共生関係へ持って行く流れも自然。さらに「日常を喜とした痛み」というフレーズには、目からコンタクトレンズではなく鱗が落ちる思いがした。
(一)短いなかで、きっちりとイメージが伝わってきます。

11178 : 砂場均し  南雲 安晴 ('19/04/19 06:14:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190419_695_11178p
(一)前半、美しかった。最後の結論や思ったことや比喩の先を言ってしまうことは本当に必要だったのか疑問に感じた。

11187 : 文学に包囲されている。  いけだうし。 ('19/04/26 11:12:12 *1)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190426_753_11187p
(一)一読して森見登美彦版の「山月記」を連想した。ジャニス・ジョプリンの幻の曲ではないが、生きながら文学に葬られようとしている語り手が書き続けることによって生きていこうと決意する。しかし彼にとってはその決断すらも、どこか気恥ずかしさを伴っているように見える。書くこと、書き続けることの意味について考えさせられる。
(一)「文学」へ比喩を大きく作用させていくことに成功していると思う。熱量が素晴らしい。粗削りなため「文学」という言葉を別なものに変えても良かったのかもしれないとも思う。
(一)文学のことばかり考え、何度も何をどう言い表すのかばかり考えてしまうという情景が描かれています。読み手を交錯させるところまで陥れても良かったと感じます。
人の目を気にしている語り手の姿が浮かび上がっている箇所があり、必要あるか読んでいて迷いがありましたが、最後の正直さも文学しておりました。

11190 : 先生  夢工房 ('19/04/27 17:41:21)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190427_779_11190p
(一)ピュアで良い感覚があるのですが、言葉の上手な使い方を覚えてしまっていることで情感が削がれてしまっている部分がありますので、言葉も純粋な、子どもの言葉のような方向へ磨いていくと、この詩の場合は輝くのではないかと思います。

11189 : 記憶ソーシツ探偵/犯人はオレだ  ゼッケン ('19/04/27 17:12:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190427_777_11189p
(一)エンターティメント作品として優れており面白い。タイトルに全てがあるのに読み込ませる部分がある。
(一)翻訳的で劇場型の文章。伝えることをやめない、その表明をかなり直に読者に語りかけていますが、謎めいた設定が功を奏しているかの部分については判断が難しかったです。

11184 : 前に投稿したもんだけ  玄こう ('19/04/24 22:45:33 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190424_740_11184p
(一)もう少し波があっても良かったかという感想を持ちました。
最終連の興奮状態が非常に好ましいのですが、冒頭から続いていた父との芸術についての話からの繋げ方にスムーズに乗れない感覚がありました。

11154 : 帰り道には長ネギが顔を出した買い物袋を下げて近所を歩いている  ゼッケン ('19/04/06 11:24:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190406_525_11154p
(一)ストーリー展開が巧みで読み飽きない。息子が父親の秘密に気付いた理由に説得力があり、荒唐無稽な物語をすんなりと受け入れて楽しむことができる。語り手だけでなく冷蔵庫を使う家族の、特に父親と母親の愛情が無駄のない筆致で描かれている。ブラッドベリの短編を読んだときのような、切なくも温かい余韻が残った。
(一)笑わせたり、内容的に興味を引き続けるということが、技巧だけでなく文章の中に情感を漂わせることでも成功していると思います。発想も面白いです。

11148 : 地元  コテ ('19/04/03 10:14:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190403_477_11148p
(一)エッセイに近い語りでした。小っ恥ずかしい気持ちやエピソードにもっと力を注いで味わい深さが増すのではないかという印象がありました。

11185 : 海へ  山人 ('19/04/25 06:12:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190425_745_11185p
(一)その昔、「私は貝になりたい」というドラマがあった。「生まれ変わったら、深い海の底の貝に」なりたいと望んだ主人公は、おそらくこの詩のような貝を想像していたのかも知れない。深い海底にも、テトラポットに波が打ち付ける海面近くでも、それぞれの厳しさがある。最終行の「貝の声」とは、大ハマグリの作る蜃気楼のように聞く者たちを惑わせるのではと夢想した。
(一)一文一文の強度が大きい。
(一)読んでいるうちに読み手がイメージを自分の中で発展させることを促せています。コミュニケーションや心を開くというテーマでメッセージも強く、伝えたいことがしっかりと映像になって浮かんでくるように言葉を連ねてあります。

11186 : never  山本芳香族 ('19/04/25 19:06:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190425_748_11186p
(一)表現の仕方の中で単語のチョイスやスタイルが前面に押し出されているような詩です。内容的には読み切ることが出来ませんでした。

11153 : 消失点  水漏綾 ('19/04/06 09:05:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190406_524_11153p
(一)良い意味で書き慣れている感じがある。「スーパーカー」や「割れた卵」など、陳腐になりやすい言葉を上手く活用するセンスも良い。描かれている世界の構造がしっかりしており、独特の質感も伝わってくる。
(一)音が綺麗であり、その先にある風景たちの構成が見事だと思う。惹きこまれた。
(一)構成が完璧です。表現のバランスも良いです。
(一)カウントの部分を読み切ることが出来ませんでしたが、一連目気持ちの表れが非常にスムーズで感情に訴えかけるものがありました。別れや記憶から消えてしまうことを示唆するような内容の中で「あの子」に対する深い思いが表されております。

11182 : 詩は時代に産まれ時代に死ぬ らしい  空丸ゆらぎ ('19/04/22 21:46:07)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190422_735_11182p
(一)ごちゃごちゃと考え、考え過ぎている人間の姿がもう少し表れていても良いかなと感じます。書いているうちに詩の意識よりも論じる意識の方にシフトして行ったのではないでしょうか。

11181 : 屈折率  霜田明 ('19/04/22 00:43:52 *53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190422_727_11181p
(一)年輪を重ねていくことで書けることがある詩作品の凄さに圧倒される。死という繊細な材料に向き合った力が漲っている。
(一)繰り返されているオリジナルの部分の素朴で言葉に出来ない何かを言い表しているようなところが大変に良いと感じますが、引用の素材の良さをオリジナルの部分で超えられていない感じを受けます。

11169 : トワイライトアテンダント  ゼンメツ ('19/04/13 05:35:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190413_618_11169p
(一)ありふれた題材であるが故の普遍性を利用して、語り手の記憶が読み手の中へ溶け込んでいく。誰もが通り過ぎてきた道、あるいは通り過ぎてきたように思える道。見上げた夕暮れ時の空の色も、そこに浮かぶ雲の形も、その時に感じた想いも、すべてが読み手の記憶へと変換される。それぞれのビジョンは違うけれど、確実に胸をつらぬく甘い痛み。それは技法の勝利だと考える。
(一)大人になっていくための過渡を上り続けて、ふとした合間の虚しさ。共感を持って読んだ。
(一)話し言葉を砕けた感じにすることで堅苦しさを感じさせず読み易くする工夫が為されています。この工夫によって情感が削がれている感もありますが、この語り口には可能性を感じます。

11179 : 点  黒髪 ('19/04/19 19:03:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190419_700_11179p
(一)「お菓子」が出て来た時点で成功した作品に思える。タイトルが秀逸。後半は、もっと高められたかもしれない。
(一)確実に技術を上げて来ているのを感じますが、次のハードルに差し掛かっているのも感じます。上手く言葉にできない部分が不器用さで表現に繋がっていた作風から、また発展できるところに来ています。

11163 : 悪口の詩  霜田明 ('19/04/11 12:55:19 *63)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190411_569_11163p
(一)優良にするか、どうかで迷った。出来が良いと思う。ただし長さを、もっと長くしたり短くしたりして可読性を上げることが出来る作品にも思えた。
(一)自分を見つめれば無条件に褒め称えることの罪も存在する。そのことを表現しようとする着眼点は良いと思います。この時の違和感を更に文章として文字を連ねて行くのでなく、筆者の感覚や気持ちに置き換えて表現に変えると興が乗ると思います。

11180 : 3  鴉 ('19/04/20 02:07:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190420_708_11180p
(一)作品構成と単語の出し方が非常に面白く、苦痛をも出していく作品。皮肉が効いているような作品にも見え、それこそが技法の凄さだと思う。心と直結した作品である。
(一)ビートニクに影響を受けた伝説のロックシンガーのようなスタイルの文章です。
強烈なワードが並ぶのですが、全体の印象としては弱めに留まっている感じが否めません。如何しようも無い人間の生への執着が生々しく表されるとスタイルも生かされてくるのではないか。

11158 : 虚のないもの  コテ ('19/04/08 13:52:00 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_547_11158p
(一)次々に炸裂するイマジネーションが痛快だが、バロックに関する描写にもどかしさを感じてしまうのが惜しい。
(一)情景の描写が上手いため、ここに感覚の言葉が入ってくれば更に強くなるのではないでしょうか。悪夢的な雰囲気があり、描写の仕方の印象も手伝って、映画の「マルホランド・ドライブ」を思い出しました。

11176 : gear  山人 ('19/04/18 05:37:38 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190418_678_11176p
(一)言葉に力があります。「道具」へのまなざしがとても真剣だと感じました。
(一)道具の擬人化をする方向へ絞るならば、もう少し面白く出来る方であろうと思います。道具を道具として描くならばそのことの哀愁や命のないものにも示される愛着を明確にすることでもっと効果的に表せるであろうと思います。

11172 : 寸借  屑張 ('19/04/15 06:57:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190415_641_11172p
(一)映像がつながらず、言葉の関連性を感じにくくなっているのではないかと感じます。表面的にはバラバラでも無意識の中で根底が繋がっているような表現が欲しい。

11147 : 模倣  ネン ('19/04/02 21:38:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190402_465_11147p
(一)言葉は簡単に使えるというメリットがあるんですが、それだけに感じてないことも思ってないことも言えてしまい、その危うさを感じます。実感の湧く言葉が増えてくれることを期待しています。

11157 : Smells Like Betrayer.  アルフ・O ('19/04/08 12:44:20 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_546_11157p
(一)作品全体に流れるヒリヒリした緊張感が伝わってくる。英語やカタカナの使い方も単なる装飾やハッタリではなく、きちんと効果が計算されている。
(一)エスプリと遒気効いた作品である。独自の世界を突き進んでおり、この作品でしか出来ないことを効果的に行っていると思う。
(一)表現・文学について語っているようにも読めます。前提のない状態で読むとわからない話になっている箇所があります。

11162 : かなわない  みちなり ('19/04/10 14:37:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190410_556_11162p
(一)出だしはとても良かったが、もう少し圧縮した方が引き締まったのではないか。平仮名にすべきだが漢字のままではと思える部分も気になった。しかし平仮名の部分はどれも光って魅力的である。
(一)一行目が良かったです。とても平凡な箇所もあるのですが、全体として見ればそれも良いかと思います。
(一)歌うことと書くことを比較し、感覚までは再現できないことへのもどかしさを凡庸な言葉で書き表してあります。凡庸ではありますが、思考の跡が見られ、文脈のおかげで最後の言葉が潔い印象になっています。
(一)心情の吐露のようなものが続いていますが、上をすっと通り過ぎていくような軽さがあります。深くしつこく胸に染み付く表現があると印象が強くなるのではないか。

11173 : オセロ  紅茶猫 ('19/04/15 10:34:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190415_642_11173p
(一)紙面などに載っているとそれなりにお洒落な文章を書ける方だと感じます。これに加えて、情感の香りのする表現まで高めて欲しい。

11160 : 過誤  卍 ('19/04/09 11:21:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190409_551_11160p
(一)読みやすく文中に自己が投影されていくことが分かる。最後もう一ひねりあっても面白かったのかもしれない。これでも十分、面白いとも思う。
(一)お話として楽しい仕上がりになっています。呪われているという設定は突拍子のないものですけれども、人が罪で罰されているのかという思考に移って行って素直さに繋がっていきます。

11170 : わたしがミイラ男だったころ  帆場 蔵人 ('19/04/13 23:43:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190413_632_11170p
(一)顔の包帯を解いていくと中は空洞という透明人間の映画を連想させるが、この詩におけるミイラ男は本当に空っぽで肉体がない。そもそも彼にとっての肉体は、包帯を巻くためだけの存在であった。そして包帯が解かれた今は何もない。ただ残っている熱や痛みや痒みといった感覚だけが、彼にとって生の証なのである。人の存在や生きるという意味について考えさせられる寓話的な詩。
(一)分かりやすい比喩が立っている。この後、作者がどうなっていくのか気になっている。
(一)ミイラとゾンビが混じっているようなところは面白さとして捉えられるか。生きているからこそ感じる苦しみを死者を使って表現しています。詩人として包帯しか見えていない人たちに、見えないはずのものを見せて頂きたいと感じます。

11159 : 舞姫。  田中宏輔 ('19/04/08 15:12:35 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_548_11159p
(一)作者の他作品ともリンクする大長編詩。「舞姫」や「リゲル星人」といった単語が解剖台の上で劇的な出会いを果たし、SFとも21st Century Schizoid Manの妄言とも解釈できる不思議な世界を構築している。「死んだ父親に、自殺した母親のことを報告する」は、同じ月に投稿された「陽の埋葬」を連想させる。このサイトにおいては少数派だろうか、もし作者の作品を読み慣れていない読者がいたら、作品中に登場する作者の名前を自分のものと置き換えてみると面白いかも知れない。
(一)圧巻としか言いようがない。途中のおならのオノマトペなどユーモアも十分に盛り込みながらの作品。

11141 : imaginary  完備 ('19/04/01 07:46:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_439_11141p
(一)いつもながら完成度が高いが、「シ」という表記はすでに鮮度を保てなくなっているのではと思う。しかし全体的な完成をからすれば気になるほどではない。最終連は文句のつけようがなく、特に最後の2行が哀しいほどに美しい。

11155 : 統一選挙  星野純平 ('19/04/08 00:51:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_544_11155p
(一)思想を表すのにもう少し覚悟が決まっているとカッコ良い詩になったのでは無いかと思います。

11156 :  橋  ( 詩人 林俊 へ の オマージュ )  玄こう ('19/04/08 03:41:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_545_11156p
(一)「立ちては」という言葉で引っ掛かりを感じました。
哲学が立ち上がりそうな寸前で立ち上がってこないもどかしさがあります。

11167 : 歩行と舞踏  atsuchan69 ('19/04/12 06:39:53)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190412_585_11167p
(一)プラスティック加工された言語の圧が見事であり平面的な立体を創出している。「がががが」の部位が上手く印象を残している。
(一)文章自体が一定の面白さを保っていますが、一行目の細やかさが持続しているともっと濃密な詩になるのでは無いか。

11164 : 88888888888888888888888888  泥棒 ('19/04/11 20:58:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190411_570_11164p
(一)親父ギャグの問題化を輪郭を立てて発していく。面白さがある。エンターテイメントに関する上質さを知り尽くしている。
(一)鬱屈したものが表されてはいるものの、大勢の人が求めるような形にはなっていないように感じられます。

11151 : 隅っこに橋がかかっていた  空丸ゆらぎ ('19/04/05 22:39:45 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190405_521_11151p
(一)橋を渡らず川を下る。
意表を突こうとする試みがある程度成功しています。
三匹の子豚の話と重なるところがありますが、勢いを感じさせる筆致を評価します。

11149 : 犯共  屑張 ('19/04/03 19:51:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190403_482_11149p
(一)イメージの連鎖が続いていく。終わることのない永遠を垣間見せていく爽快な作品。
(一)話者の生活の一部を素材に切り取って読者との距離感が一気に縮まります。全体の文章の印象が役に立っており最後の単純な呟きが効果的に響く構造が出来ています。

11145 : 宣誓  まひる ('19/04/02 05:57:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190402_457_11145p
(一)温かさが輝いている作品。比喩の跳躍を思い切って、もっと先を掴んでも良かったかもしれない。

11140 : 生活  山田はつき ('19/04/01 04:49:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_434_11140p
(一)良い詩作品である。古いモチーフと書き方が現代社会にマッチしてしまっているというプロレタリアの悲しい復権に見えます。

11142 : 誕生日  星野純平 ('19/04/01 12:25:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_440_11142p
(一)リズムが良すぎる部分が引っかかってしまった。破調を組み込んだ先に広がる作品に思えた。
(一)この言葉の切り方の絶妙なカッコよくなさが印象的でもあります。単語選びがパワフルで一つのスタイルになりそうな特殊感があります。

11146 : ひとつのロマンス  鷹枕可 ('19/04/02 17:35:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190402_462_11146p
(一)硬質な独自の世界が確立していっている。タイトルに裏切りもあり面白い。
(一)少し美しすぎたかもしれないという印象があります。

11144 : ラズベリー  泥棒 ('19/04/01 22:16:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_445_11144p
(一)比喩を意地悪く使おうと爽快に跳ねています。もう一展開あると。

11150 : 縛るほど愛が生まれる  黒髪 ('19/04/04 00:41:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190404_484_11150p
(一)やりたいことは物凄く良くわかる。そのため文章量などの見直しなどが必要に思える。
(一)読んでいて気持ちのいい作品です。突き抜けたところはありませんが、一貫して関係性について表現できています。
(一)口語的に書いてある部分はノリが良くなっていてリズミカルです。突然これが始まると印象が強くなるのでは無いかと思います。説明的な部分を省いてみると面白くなります。

11139 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/04/01 00:47:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_431_11139p
(一)死んだ魚や鸚鵡の骸骨が話をする世界でも、死んだ父と母は語らない。それは当たり前のことなのだが、実は話せないのではなく話したがらないだけなのではないか。この詩が終わったその後で、受話器の向こうから死んだ母の声が聞こえてくるかも知れない。そんな奇妙な感覚に陥る、不気味だが独特の美を感じさせる作品。
(一)瑞々しさと詩情の昇華が見事である。反復と差異の力が光る。
(一)三連目が特に良いです。現代で「電話」を上手く使うのはなかなか難しいと思いますが、それができています。

11143 : 私だった  イロキセイゴ ('19/04/01 22:11:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_444_11143p
(一)言葉の跳躍が面白い部分を保っている。今一歩のところまで来ています。
(一)ギリギリのところで不条理な文章とイメージが繋がリマセン。文章との境目でもう少し一つ一つに強烈なイメージを湧き立たせるセンテンスがあれば不条理へ持っていけるのでは無いかと思います。

Posted in 月間選考, 雑記 | Print | No Comments » | URL

●2019年3月分選考雑感(Staff)

2019-05-04 (土) 00:21 by 文学極道スタッフ

11122 : 命日  白紙 ('19/03/16 15:48:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190316_281_11122p
(一)最後の文章は作品を小さくしている。
(一)結論の部分以外は楽しく読むことができますが、全体としては神と悪魔と人間との関係、感情が短絡的に語られている部分も目につきます。短絡的であっても良いのですが、ストーリーの発想で読ませるのではないのであれば、表現の仕方の面白さがもっと必要になるのではないかと思います。
(一)「神」「天使」などのモチーフは大変危険だと思います。古典の時代から使い古されているからです。古典作品のその言葉の重みを越えられなければ、結局霞むだけなのでは。また、西洋宗教が筆者にとってもっと身近で日常的であればそこにリアリティも生まれるのではないでしょうか。

11133 : 詩 第十四  舟鷹 ('19/03/25 21:15:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190325_379_11133p
(一)空行が気になる。一つひとつ来るものはあるため、もっと形式などを整えたものも読んでみたい。
(一)比喩が別の本当の意味の単語で置き換えて読めてしまいます。昔のラブソングのような雰囲気の冒頭は好みの人には合うかもしれませんが、詩としてはまだ工夫のできる余地があると感じました。
(一)印象的な断片が光る作品であると思う。

11123 : 火は鎮むにつれ饗宴になり  屑張 ('19/03/18 00:26:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_302_11123p
(一)作品の凝集性が高い。高密度であるがリーダビリティも高い。優れた作品である。
(一)夕景から始まる火と死の物語。それぞれの短詩は共通したテーマに沿っていて良い意味で読みやすい。東京という都市の未来への不安感が国家と個人という正反対の方向へ拡散していくのを感じる。

11138 : 冬の墓  帆場 蔵人 ('19/03/30 02:26:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190330_413_11138p
(一)心地よく作品が進んでいく。悲しみを置いていく在り方が胸を打つ。
(一)辛いことや停滞したイメージに冬はよく使われますが、その対比として命の芽吹く春を描き、最終的にその春も刈り取られてしまうという展開ではありますが、対比がわかりやすいのにも関わらず結論がまだきちんと出ていないようで、更に描き切れることがあるのではないかと感じます。
(一)抒情詩として非常に美しいと感じた。
(一)最初の一行が良いです。三連目、少し力が抜けていて長いので、間延びしていると感じました。
(一)生きるということの過酷さと儚さという点においては、植物も人間も同じであると改めて考えさせられる作品。春に届かず冬に消えていく命。それは四季という単純な括りではなく、人生に例えることもできる。最終連における無情さは、しかし同時に生きることの尊さと解釈することも可能ではないだろうか。最初の2行における「枯れてゆく」の重複を、選者はマイナスポイントとした。この部分がなければ文句なく優良であった。

11137 : コテツ  玄こう ('19/03/29 21:59:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190329_406_11137p
(一)音の流れが印象的である。
(一)音、オノマトペと意味の関係は形式として読者に衝撃と影響を与えるもの、途中のフレーズにも心打つものがありますが、これを全体へ拡げて欲しいと感じました。

11136 : 文学が襲いかかってくる。  いけだうし。 ('19/03/29 10:45:02 *1)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190329_400_11136p
(一)いろんなところに文学が潜んでいて発見すると影響を受けそうになる、誘惑に負けそうな自分の弱さまでも一歩手前まで見つめています。感情の言葉に流されて心情の吐露に陥っているような説得力に欠けているところがあります。
(一)「文学が襲い掛かってくる」いいフレーズだが、文学の暴力というもう少し押しが欲しかった。ただ、「バイトを休むのも文学が襲い掛かってくるからである」というくだりは、非常に人間的であり狂おしいほど好きです。

11135 : 泡  イロキセイゴ ('19/03/28 02:01:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190328_389_11135p
(一)私には掴むことが出来ず、読み込んでみても強く訴えるものが見つけられませんでした。

11108 : 開拓村  山人 ('19/03/07 06:02:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190307_143_11108p
(一)描写が上手く黎美であり臭気に満たされた現実世界が立ち上がってくる。眼前にあるかのようだ。
(一)きちがいのようになどのインパクトのある言葉をパターン化して出すという技がこの場合詩の質を落とす方に働いてしまっているようで残念です。使い方に依っては面白いものになる筈ですので自然に発せられているともっと素敵です。
次の段階へのステップかなという印象です。
(一)詩情は表面的に装飾された言葉ではなく、リアルによって立ち上がる。そのことを緻密な筆致で描き出していると思う。
(一)他の作品と同様にノンフィクションとして読んだが、仮にフィクションであってもその価値が損なわれることのない内容である。開拓者の悲惨な物語は数多くあるが、本作においては単なる嘆きに終わらず最終行を選んだ所に作者の年輪を感じた。

11134 : 朝、ホオジロは鳴いていた  山人 ('19/03/26 06:59:16 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190326_380_11134p
(一)作者の作品として一歩、先へと踏み出していった作品である。難解な部位と実存の融合。
(一)春の狂乱。凄まじい命の勢いを感じること。移り変わる不安定さや痛みを実感出来るよう、分かり易く描くことに成功しています。
(一)季節の描写が非常に美しい。第二連が秀逸。
(一)「発狂」という単語をこれだけ連呼すれば普通は安っぽい作品になってしまうのだが、この詩においては「父」の飲酒行為とそれに前後する心の動きを圧倒的な迫力でむしろ必要な配列だと納得してしまう。「リノニュームから逃れたところに田園はある」等、作者の技巧的な成長を感じさせられた。このレベルを継続していけるのか注目していきたい。

11129 : ラーメンと日本人  atsuchan69 ('19/03/21 12:49:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190321_337_11129p
(一)ラーメンというグローバル化していく概念と食から日本を見いだしていく問題作。ユーモアも炸裂している。
(一)ストーリーの繋がりは曖昧ですが、文章から滲み出る温かみのようなものは有ります。
対比が少々安直に感じられます。今一つ文化についても深味が欲しいところです。
(一)読み物として面白い。最初の「お前はもう死んでいた」で引き込まれる。ずるい。ただ、日本の魂であるとか、そういったものを表現するのであれば、安直と言わざるを得ない部分がある。第一連ですでに詩の核を見せてしまっているので、後の展開ではだらけてしまった印象。
(一)ラーメンもカレーも他国の食文化が日本特有の進化を遂げたものであるが、この詩においてはアメリカナイズされたはずのラーメンが新しいタイプの「日本的ラーメン」になり、それを愛するアメリカ人が自らを「日本人」だと言う。一見、日本文化の勝利かと思えるが実際は「日本」や「日本人」そのものが曖昧な存在となり、他国の文化に吸収されて変質しているという2回転捻ったオチが面白い。

11127 : 進学や就職  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/03/20 00:09:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190320_318_11127p
(一)胸を打たれた。エンタメテイストではなく作者の内面と距離が近い作品。綴りも丁寧である。
(一)受け身でありながら扇情的でもある言葉の選択によって、意見的な印象が強めに感じられます。
(一)まんまである。まんまであるから、そこが良い。胸の奥の軋りを感じる。
ご就職おめでとうございます。あなたの明日に幸あらんことを祈っています。
(一)浜田省吾が「MONEY」を歌っていた頃には、まだ都会に夢を見る余地があった。現代ではこの詩のように「少しでもマシな方へ移動する」という程度の「張りぼて」になってしまっている。それがこの国の現状であり、その事実がこの詩に説得力を持たせている。

11103 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/03/04 22:19:51 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_091_11103p
(一)ゲシュタルト崩壊していく作品の世界が、美しく花開いていく。
(一)古き佳き言葉を新しい形式に流し込むことによってまた別の新しい好感覚を導き出そうとする形の詩となっています。古の怪談話のような印象があります。
(一)水というものの美しさとある種の恐ろしさを巧みに表現している。視覚的イメージだけではなく、張り詰めた沈黙と時折それを破る微かな水音まで伝わってくるようである。作品の向こうに神的なものの存在を感じる。

11130 : 詩 第二十一  舟鷹 ('19/03/21 15:15:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190321_340_11130p
(一)神というワードが大きすぎる印象。君との落差が上手く利用できていないのではないか。個人的な孤独感と世界を想う時の孤独感、そのどちらをも表現しようとしたのだとすれば更なる深い考察と洞察が必要に感じます。

11131 : strip trip !  白犬 ('19/03/21 18:31:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190321_343_11131p
(一)作品が、纏ってきている。以前は自己を全て出し尽くしているから詩情はあるけれども断片的になっていた。詩篇になっている。
(一)このテキストは朗読すると一味違うであろうと想像させるものがありますが、テキストのみで読ませるにはパンチが弱いかもしれません。描き出そうとするイメージがありがちになっていないか、色っぽさを表現する際の言い回しに癖が付いていないか確認するともう一回り面白い詩が書けそうです。
(一)詩としての体裁が整っている分、ひりひりした剥き出しの情熱や毒素が少し薄まっている気がする。最終行にもう少し工夫がほしい。でも方向性は間違っていないと思う。

11132 : 霞を求める眼  横山不飛 ('19/03/23 04:46:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190323_360_11132p
(一)雨水の雫が落ちた瞬間を写真のように捉えている詩ですが、もっと自身の感覚に起こったことを書き込んで良いと思います。

11128 : 花  水漏 綾 ('19/03/20 20:47:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190320_327_11128p
(一)小品として美しい作品。優しい慈愛に満ち溢れている。
(一)与える印象よりもっと自分勝手に書いてみると面白い書き手ではないでしょうか。
思い方や感性に光るものを感じます。
(一)生活の中の命を浮き上がらせる静謐な筆致。連の切り替わりがページをめくるよう。
(一)テーマを明確にして、長すぎず簡潔に表現できているのが良かったです。私と花という関係性がありながら、目指すものが孤独であるという点も面白かったです。
(一)無駄がなく美しい言葉選びによって、語り手と一緒に心地よい空間にいる気持ちになれる。ただ出だしが良かった分だけ後半がやや失速しているように感じる。最終連は最初の4行だけにするか、最後の4行を残すなら表現にもう少し工夫がほしい。

11116 : 百年前の夜か、千年後の朝に、姉を殺す。  泥棒 ('19/03/13 13:07:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190313_216_11116p
(一)リズムが非常に軽快。読んでいて楽しくなる身体反応に近いリズムをした作品であり、並べられている言葉も興を醒めさせない具合になっています。
意味で内容を追うより、それを超えて単語の連なりとリズムで一定の刺激を得られる面白さがあります。
(一)展開の美しさが際立つ。言葉数は決して多くないが、だからこそそれが余白を語らせているように感じる。
「四月にカーディガンをかける」ここに慈しみすら感じた。

11110 : アナウンス  拓馬 ('19/03/08 15:29:47)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190308_157_11110p
(一)現代美術のように後から後から衝撃を持って心を締め上げてくる。巧みな作品でありエスプリも効いている。
(一)一つでは物足りないので、いくつかオリジナルのセンテンスも含めてこのようなものを連ねて行ってみると良いのではないか。

11125 : (無題)  まひる ('19/03/18 12:23:55)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_306_11125p
(一)分かりやすく纏まっている。ここから先が必要かもしれない。
(一)まだ思想、思いが強く出すぎていて詩の言葉とは異なると感じます。ボタンを押す本人の恐怖をもっと。

11126 : 土の下と上 〜何のことやら〜  空丸ゆらぎ ('19/03/18 23:30:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_310_11126p
(一)#の使用と形式が面白い。始まりを、もっと気を付けるか長めに取ると更に面白いかもしれないとも思った。
(一)表現したいことがあり、そこから逸れずに詩全体を纏めることが出来ているのではないか。人目を惹く文体を導き出すセンスがあるように感じられる。意図的に感ぜられる部分が全くないと感じさせることが出来れば更に魅力が増す。
(一)知性を感じる筆致である。展開しているようであって冒頭のメッセージから揺らがない。視点は常に定まっている。そういった意味ではミニマルの途中のような作品であると感じた。
(一)実験的で面白いが、それ以上の何かが足りないように思える。技巧、ストーリー、詩情、何でも良いからどこか突出した部分がほしかった。

11106 : 蛙の交尾  星野純平 ('19/03/05 22:28:15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190305_106_11106p
(一)一見凡庸ですが言葉を飾るよりも熱情をストレートに表現する言葉を使うことで情熱的な作品になっていると感じます。適した表現の仕方を選択したのかは不明ですが表現と言葉の在り方の一致。
(一)愛とはシンプルなものである。最後の鳴き声が全体に響き渡り、命と心、存在の軽妙さを表しているように感じた。

11124 : 都市標本『現在形』  鷹枕可 ('19/03/18 04:47:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_305_11124p
(一)標本という冠を付けることによって成功した作品。作者自身の難しさを、そのままに包括してラミネート加工を施してある。
(一)纏まりで考えると惜しいものがあります。単語の作り方には文脈の中でみても面白いところがあります。
(一)昭和詩が持つ独特の文学的空気が漂う良作。突き詰めてほしい。大変美味でした。

11112 : 死体がみつかる  宮永 ('19/03/09 20:01:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190309_167_11112p
(一)優良や佳作という概念を、越えている作品である。抒情的で美しい。一単体の作品として完成度も高い。
(一)改行の仕方やリズム、最終の言葉のパンチ力など褒められるところが沢山あります。ただまだ深く入って来ないところもあります。ダメな人間と言うにはダメなところに衝撃が足りなかったり等。
(一)幼い頃の失敗や挫折。隠したかった秘密を暴かれてしまったというトラウマ。それが「死体」という形で夢に現れる。誰でも心の中にいくつかの死体を埋めているから、最終連の恐怖が生々しい夢のように迫ってくる。

11119 : あ る く や よ い     玄こう ('19/03/14 21:11:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190314_247_11119p
(一)最終連の畳み掛ける良さがそれまでの謎かけのような文章から効果的であったのか、判断が付けにくく、しかし最終連の春の土の肥えてゆくようなイメージは炸裂しています。汚い語感の単語を使うことによって春の強い力がより鮮明に表れています。
(一)最後の連で春が猛烈に芽吹き、殴りかかってきた。

11118 : 衝動  まひる ('19/03/14 16:45:08)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190314_240_11118p
(一)将来、傑作を書くのではないかと少しだけ期待してしまう真っすぐな作品。書き続けて欲しい。
(一)情熱や衝動が本当に失くなってしまったのか想像させられました。最後の正直な吐露によって希望が残され、救われている作品。最後に吐露を乗せたことも力量のうちとして評価します。

11121 : 「猫」  アラメルモ ('19/03/16 01:00:38 *15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190316_273_11121p
(一)センスの光っている部分もあり、文章の上手さも理解できてはいましたが、読み方の糸口が最後まで見つけられませんでした。
(一)非常に美しいイメージとセンテンスの配列。ファンタジックな夢の中で、老いた猫の見る幸福な家族。美しくも儚い。
(一)淡々としていますが、随所に気になる表現が出てきます。読んでいて楽しいです。

11120 : you need love?  白犬 ('19/03/15 15:07:29 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190315_266_11120p
(一)テンションが良い。消えてゆくイメージ。blueの血というのは嘘くさいものですが、そこから嘘の文章への繋がりは説得力があります。良い塩梅で言葉を連ねテンションを高めてありました。
(一)むちゃくちゃかっこいい。ハードロックの歌詞として耳から聞きたい。

11100 : Sylvie with the light brown hair  深尾貞一郎 ('19/03/04 00:01:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_077_11100p
(一)形式などに美がある。
(一)難しい詩ではありませんが、何処か新しい感覚があります。終わり方など読者に世界観を残しイメージを持続させる効果があります。リフレインが効果的だったかは不明。意識の逸れてしまうような単語があると目に付く程度には読者を集中させる力があります。
(一)過度なイメージの装飾はなく、階段を下りてゆくだけのシンプルな構造は遺伝子を遡ってゆくよう。

11105 : 雪 2019  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/03/05 02:50:27 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190305_096_11105p
(一)単語と単語の関係、情景と情景の繋がり、これらが悉く遮断されている風に読めますが読者の気を散らしてしまう方に働いてしまっていないか。
(一)雪の白と斎場の壁の黒、そして焼かれた仏様やマルボロの灰……と、そこまで作者が意識していたかどうかは不明だが、喫煙という行為の終わりに漂う無常感が良い。最終2行の「明日も」の重複は不要だと判断した。

11115 : screen  完備 ('19/03/12 21:04:30 *10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190312_205_11115p
(一)上手い。言語とヴィジョンの取捨選択に迷いがない。

11117 : いつも。あの人。向こう側にすわってる。  屑張 ('19/03/13 21:53:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190313_224_11117p
(一)タイトル良いです。心の中の呟きや内緒話の良さがありますが、いくら読もうとしても核心が出て来ないもどかしさもありました。
(一)単語の羅列が美しく、それでいて空間は透明に広がっている。

11113 : 自転車  水漏 綾 ('19/03/12 00:13:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190312_192_11113p
(一)分かりやすい表現の中で、ちょっとした捻りを加えて行っている。作品として上へと向上している。
(一)前半が詩のようで、後半がその設定を使った理論のようになっている為、読者がいるようでいない印象。
(一)第二連で自転車そのものとしての存在、三連ではそれを漕ぐ人への視点の切り替わりが素晴らしい。爽やかで、それでいて微かな疲労と悲しみに満ちた愛のヴィジョンだと感じた。
(一)概念的な部分、表現的な部分、共にとても良いです。きっちりまとまっているし、考えさせられます。
(一)最初は「上手く書けているな」くらいだったのが「じごくの道」からハッとさせられて、そのまま最終連で投げ技をくらい地面に叩きつけられる感覚。谷山浩子的な狂気を含んだ愛を感じる。

11114 : Artery&Vein  鴉 ('19/03/12 18:21:17)  
URI: bungoku.jp/ebbs/20190312_196_11114p
(一)技巧として正しく真っ直ぐに構成されている。言語芸術とは何かを運動の中から捉え直している。
(一)ダークファンタジーな詩。性愛や恋の暗い部分がテーマになっているとして見ると胸の苦しさやもどかしさが比喩として見えて来ます。
(一)抜群に切れのある筆致。要所要所に仕掛けられたレトリックが弾けている。

11111 : キャベツ君  atsuchan69 ('19/03/08 21:23:31 *1)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190308_159_11111p
(一)作品の世界の中での展開が絵本のように面白く動いていく。作者の最近の作品は、非常に面白い。
(一)キャベツ君がきゃべちきゃべちと言っている方が弾き語りよりも選挙よりもゴスロリ少女の朗読よりも人の興味を引いて面白くなってしまうということが、そのままでなくあくまで詩としてきちんと昇華できています。皮肉で本当のことをズバリ上手に表現できており痛快。
(一)キャベツ君の独自言語が可愛い。「ぎゃべつんぱぉ!」で笑ってしまった。
社会の在り方をやさしく提示しているよう。

11107 : 闇の静物史_1:贋物について  鷹枕可 ('19/03/06 13:58:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190306_122_11107p
(一)読み応えがあり独自の世界観を貫き通していることに創作としての輝きを見る。
(一)独自のスタイルであり戦争を思わせる記述や険しい語りはこのスタイルと調和しているのですが、衝撃が物足りませんでした。
(一)作者でなければ描けない世界観と手法は健在であり、難解な単語やオリジナルな組み合わせが読み進める妨げとならないことに驚かされる。

11093 : Future  深尾貞一郎 ('19/03/01 00:01:00 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_010_11093p
(一)純粋に面白い。現実世界を昇華させていく新たな形式である。
(一)引用元の説得力の足りない部分。この人でなければ発さなかったであろう言葉を見つけるのが難しかったのではないかと感じました。

11095 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/03/01 00:06:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_013_11095p
(一)作者の中では短い詩篇に分類されるため興味を惹かれた。高密度に凝縮されており、うなってしまう。
(一)イマジネーションが炸裂しています。ゲーテのファウストからの引用をモチーフにすることで更に詩の面白さが補強されています。リズムも勢いも面白味を感じさせるものとして作用しており均整が取れています。
(一)生に付きまとい、時としてその道の上に大きく四肢を広げる死のヴィジョン。三途の川でしょうかね。文句のつけようがありません。
(一)星を吸い込んでは吐き出すイソギンチャクというイメージは、坂田靖子の「星食い」の世界に通じる硬質の美しさがある。作者オリジナルの部分と引用部分の調和も見事。

11099 : グローバリズム孤児  星野純平 ('19/03/01 07:59:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_031_11099p
(一)錯乱していく方向を含めて内面と世界を攪拌していく面白い作品。

11109 : 働くにはいい日  黒髪 ('19/03/07 18:50:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190307_146_11109p
(一)音が良い。そして素直。一方で比喩を、もう少し使って良いとも思う。
(一)ピュアな視線が詩に表れています。言葉のリズムを整えるということをしているのですが態とらしさの無いところが良い。もっと言葉を深めて行けると感じます。
(一)タイトルから第一連の流れは最高だったが、最後の連が蛇足のような気がした。必要なかったのかもしれない。

11104 : 朝  ネン ('19/03/04 22:47:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_093_11104p
(一)真っすぐに書いていき詩と向き合っている。あと一歩だけれども具現化されている。
(一)意識が表層から離れていないまま書いている感があります。

11102 : 目次  空丸ゆらぎ ('19/03/04 20:40:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_086_11102p
(一)最後の方にかけて上手くまとまっていっている。始まり方が、もう一歩に思える。
(一)芯のある詩です。絶望を現実の中で自身の心でありのままに捉えて言葉に変えることに成功しています。何気ない力強さが希望を感じさせ、姿勢のあるメッセージが込められています。

11101 : 芸術論  コテ ('19/03/04 03:32:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_081_11101p
(一)芸術の中で芸術を考察し、体現する際のもう一歩の工夫が欲しいと感じた。
(一)真面目な語りです。芸術について考え始めたり、芸術的なことをしたいと思い始めた人などにとって、一度は考えたり提示していくことが大切なお話。強引な部分もありますので、その点でこの評価です。

11098 : memories  完備 ('19/03/01 07:25:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_029_11098p
(一)視覚にまつわる失念との切ない思い。恐怖と諦観が漂い必死な希望も見える。
(一)優良でも良いのではないかと迷いました。三連目四連目、確かにあるけれども誰も言わないしかし良くあること、読者を安心させるような記述があり、七連目は文章の切り方が内容とマッチして辿々しく何とか大切なことを話しているようなリズムになっており非常に効果的です。
(一)読み進めて行きたくなる作品でした。多くのことを書き足さないことで、伝えたいものが伝わりやすくなっていると感じます。
(一)「あの頃」を振り返るというスタイルの詩は多いが、この作品は単なる自分語りにならず語り手の感情が自然に染みこんでくる気持ちになる。手術をすればクリアな視界を取り戻せるのに、もう少し今の状態で友だちを見ていたいというのは進行性の病を持つ者にとっては複雑な気持ちになるが理解は出来る。

11097 : 光  黒髪 ('19/03/01 06:05:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_027_11097p
(一)良質で光り輝く言葉を用いている。更に独自の比喩が欲しいと思う。

11096 : 湖畔に住んだ最後の二人  コテ ('19/03/01 04:24:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_025_11096p
(一)作者の作品として一番、今までで良いと思った。綴りが丁寧になっている。アウトラインも上手く伝わってくる。

Posted in 月間選考, 雑記 | Print | No Comments » | URL

●2019年2月分選考雑感(Staff)

2019-04-29 (月) 00:52 by 文学極道スタッフ

11092 : イオン  イロキセイゴ ('19/02/28 23:59:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190228_009_11092p
(一)詩的構造が、あと一歩かもしれない。もう少しで傑作に転びそう。単語の選択の仕方を見守っていきたい。

11074 : locally  完備 ('19/02/14 22:26:01 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190214_837_11074p
(一)技術的に優れているので、梅の花とその周囲の状況が視覚的に浮かび上がる。また、その情景が自己の記憶であるかのように感じさせる表現力と叙情性もある。
(一)一つひとつの綴りが美しいです。人間としての情感が詩へと昇華されている。

11091 : 春の性癖  泥棒 ('19/02/28 23:30:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190228_006_11091p
(一)春のザワザワしていく喧騒を皮肉交じりに書いていく。ユーモアと遒気光る。

11090 : 祈り  渡辺長吉 ('19/02/28 12:30:37)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190228_997_11090p
(一)この作品は素直に祈りが綴られている。ただし文学作品としての独自の輝きが、もう少し欲しいと思った。

11067 : Underground Broadcast  アルフ・O ('19/02/12 21:40:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_804_11067p
(一)作風が揺るぎない上に内容もさらに洗練されたものになってきている。イラストなら一瞬で認識できる美学を詩というジャンルで表現しつづける情熱を評価したい。
(一)恐ろしいほど攻撃的な作品。この言葉が突き刺さってくる。触れたら怪我をしてしまいそうな鋭利さ。

11073 : (無題)  鈴木歯車 ('19/02/14 17:50:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190214_833_11073p
(一)惜しい作品だと思った。着眼点や綴り方と跳ね方は上手い。ただ粗削りな部分があり、その先が見えているため、どんどんと前に進んで欲しいと思った。

11089 : どうしようもない夜に書いた二篇の詩のようなもの  山人 ('19/02/27 00:46:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190227_977_11089p
(一)途中まで良い作品だと思った。最後の「詩」という言葉が出てくることで、小さくまとまってしまった感がある。勿体ないと思う。
(一)人間の、どうしようもなさが寄り添いたくなるように綴られている。作品に「詩」を出す必要はあったのだろうか。ない方が広がりを持ったのではないだろうか。
(一)二篇の関係がちょうどよいです。欲求が静かに立ち現れてくる様子も、よく表現されています。「世界中が空っぽのような夜」という一文は、もう少し深い表現ができれば、と感じました。

11059 : 翡翠のペンダントをつけて  深尾貞一郎 ('19/02/09 06:19:21 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190209_733_11059p
(一)この表現方法で描き出された世界には、なぜか懐かしさを伴った良い意味での既視感がある。作品を読んで感じる感覚は恐怖や嫌悪も含めて自分の体験ではないかと錯覚する。
(一)言葉の結晶が眩く発光を続けている。作者の作品の中では最高峰に位置しているように思えた。
(一)静かで深く、読み応えのある作品です。読むほどに不安になっていくのですが、その不安を暴き出された快感もあります。

11047 : 樽のなかの夢  帆場 蔵人 ('19/02/04 23:23:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_626_11047p
(一)樽やその中の果実が何を意味するのか、考えるのが楽しくなる作品。樽は母親の子宮なのか、それとも食虫植物のような罠なのか。読み手の心理状態によって解釈は様々であろう。
(一)まとまっている小品。吸い込まれる詩情がある。

11077 : 冬の午後、町内  ゼッケン ('19/02/16 16:40:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190216_859_11077p
(一)復讐に繋がっていく陰鬱さが光る作品。プロットと練られてはいない文体がマッチしている奇妙さがある。
(一)ストーリーは面白いのだがアイデアとしては真新しいものではなく、詩としては研磨が足りていないと感じた。特に「復讐」という単語は使わない方が良かったのではないか

11035 : i got it  白犬 ('19/02/01 02:19:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_548_11035p
(一)言葉の綴り一つひとつは良いと思う。あとは改行の仕方や空白の入れ方が、どのような効果を持っているのかを客観的に見ていく必要性があると思います。

11068 : 未来の痛みをめしあがれ  泥棒 ('19/02/13 17:05:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190213_815_11068p
(一)個人的には村上春樹とか出てくるとそれだけでお腹がいっぱいになりがちなのだが、この詩では良い配分で使われていると感じた。最終連が特に顕著だが、詩として纏まりすぎている気がしないでもない。
(一)メタ的な構造で進んでいく詩作品。現実世界の、もはや上澄みとなってしまった傷というものと泥濘にフォーカスしてクールに進めていく。

11086 : あれがあれであれがあれだ  青島空 ('19/02/22 22:14:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190222_939_11086p
(一)軽妙な語り口でありながら内容が微妙に重い。そのアンバランスが面白い。ただ最後の着地はもう少しひねりがほしかった。あれをこれしてそれをなにな感じにすればあれだったかも知れない。
(一)鮮烈な言葉で綴られている。誰しもが共感する内容である。比喩に転化していく在り方を更に伸ばしていくと良いのかもしれない。

11087 : イモリ  イロキセイゴ ('19/02/23 23:48:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190223_958_11087p
(一)跳躍が面白さを放っている。けれども、もっと行数を重ねて良いかもしれない。もっと面白くなるはず。

11065 : るる  ゼンメツ ('19/02/12 01:59:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_790_11065p
(一)風邪を引いて高熱が出ている状況での、幻覚に近い奇妙な精神状態が巧みに表現されている。「くしゃみ3回、ルル3錠」とか知らなくても楽しめるというか、むしろ知らない方が先入観に囚われなくて良いかも知れない。かぐや様が熱にうなされている時の可愛さに通じるものがある。
(一)薬剤としての「るる」や他の意味の「るる」の混在が高め合っていく。
(一)この文体では、この長さがちょうどいいと思います。私と対象との関係がよく描かれており、引き込まれます。

11064 : 花  kale ('19/02/12 01:00:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_787_11064p
(一)それぞれの作品が高め合っているけれどもムラがある。特に最後の作品は、本当に、この一なのか気になった。

11085 : 天文潮検 鈴木 海飛 ('19/02/22 20:49:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190222_938_11085p
(一)「うさぎがはねる/しらなみおどる」という表現は、「この世界の片隅に」とかでも分かるように昔からある表現なので新鮮味が感じられない。ただ全体的な語り口は、良い意味での古さを伴った個性が感じられる。

11066 : 一人を考え独りとなる為に  鷹枕可 ('19/02/12 12:04:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_800_11066p
(一)この作者の詩はバロック絵画のような印象を受けるものが多い。陰影に富んだ独特の世界観は時としてマンネリに陥る危険と背中合わせではあるが、今作を見る限りその心配は杞憂であると感じる。「死」をテーマにした詩は安っぽいものになる場合が少なくないが、この作品ではその重さをしっかりとした土台が支えている。
(一)作品の独自性が光る。曲げない意志があり、それは向上へと直結している。

11069 : スペイン  深尾貞一郎 ('19/02/13 21:41:11 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190213_818_11069p
(一)文章の切れは光っている。質を上げるために、もう一工夫の味わいを出していくことも必要に思える。

11071 : 犬  黒髪 ('19/02/13 22:58:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190213_821_11071p
(一)つげ義春のエッセイを詩に変換したような寂寥感。文字通り犬のように彷徨い歩く語り手の孤独と焦燥が胸を打つ。
(一)切ない綴りが続く。作者の中では一番の作品となっているのでは、と思う。

11080 : さよならフォルマッジョ  帆場 蔵人 ('19/02/18 01:06:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190218_886_11080p
(一)「蛆」だけ気になった。その部位を別の言葉に変えたら更に独自性がある作品へと変容したと思う。チーズとの距離感があり面白い作品だと思う。

11079 : 田中のバカヤロー  鈴木歯車 ('19/02/18 00:09:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190218_885_11079p
(一)テーマにも表現方法にも目を見張るほどの新鮮味はないが、決して無視することができない痛みがあるのも事実。個人的には最初の行をラストに持ってきた方が良かったように思う。
(一)後味の悪さが光る。文中の速度を操っていく在り方が巧い。

11082 : 水門の休日  Javelin ('19/02/18 12:04:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190218_901_11082p
(一)情景描写がとても良いです。もう一歩踏み込んで描ければ、とも思います。

11075 : 友の詩  spector ('19/02/15 15:02:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190215_848_11075p
(一)はじめはメタな詩作品かと思ったが、そうではなく真っ直ぐな詩として進んでいった。最後の一行などが狭くしていると思った。

11060 : 虹  紅茶猫 ('19/02/09 17:57:33 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190209_739_11060p
(一)一つ目の詩作品が順番なども含めて、ここなのだろうか、と気になった。

11062 : ことばの序破Q  atsuchan69 ('19/02/11 13:24:42)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190211_774_11062p
(一)魚の調理との比喩化が達成されている。ことばという題材そのものを扱うには勿体ない文体に思えた。

11055 : 姉妹たちに #2  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/02/07 16:02:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190207_697_11055p
(一)最後の連が効果を持てていたかどうか。途中までは非常に良い作品だと思った。

11038 : なんて、おもってもいないわ。  環希 帆乃未 ('19/02/01 18:33:36 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_564_11038p
(一)あと一歩のメタ作品に思える。

11061 : sweet erotica  白犬 ('19/02/11 00:38:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190211_759_11061p
(一)空行は、もっと洗練することも出来るとは思った。しかし荒々しさと繊細さが上手く高め合っている作品。

11043 : white  完備 ('19/02/04 00:40:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_611_11043p
(一)胸に沁みる作品。上手い。

11045 : 偶然を登る枯れ葉  鷹枕可 ('19/02/04 19:15:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_616_11045p
(一)短い作品だけれども、作品の濃縮度が高い。独自性も光っている。

11044 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/02/04 00:56:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_612_11044p
(一)この作者の詩は世間一般の「常識」からすれば、「猥褻」とか「不潔」といったレッテルが貼られるような内容のものが少なくない。しかし実際に読んでみると、単に奇をてらったものではなく計算や必然の結果であることがわかる。以前にも書いた記憶があるが、ジャン・ジュネの小説のように悪徳や背徳の裏返しとしての神聖さすら感じられる。この詩は、そういった作者の技量が特に感じられる作品である。
(一)今までの『陽の埋葬』のイメージを変化させており驚かさせられた。音にこだわっており一気呵成に読まさせられる。抜群に上手い。

11042 : 泡沫の蝶  環希 帆乃未 ('19/02/04 00:31:17 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_610_11042p
(一)綴りが粗くオノマトペが効果を、もっと持てるところで留まっている。作者は、もっと上手いと思っている。

11034 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/02/01 00:01:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_545_11034p
(一)描かれている情景やシチュエーションは良くあるものである。たとえば三善英史の「雨」など、昔から様々なジャンルに存在している。それでも最後まで読ませるのは作者の力量であろう。最終連に向かっていく言葉と意味のモーフィングが見事である。
(一)最初のまとまりと最後のまとまりの構成が見事。中間が見事に作品を向上させていく。
上質な作品である。

11040 : ついてくるからついていく  玄こう ('19/02/01 23:29:37 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_576_11040p
(一)作品が優しく昇華されていく。人間とは何かの根源と、自分自身とは一体なんなのかを突き詰めていった素直な作品。
(一)一連目がとても良いです。言葉の連なり、変化が心地よいです。また、最終連も一連目とのかかわりを考えて読むと味わい深いです。ただ、表現が大げさになりすぎているとも思います。

11036 : 割れ胡桃  土御門宮彦麻呂 ('19/02/01 03:24:50)  
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_550_11036p
(一)荒々しいが作品構成として前に出ていっている。最終連が丁寧だと、もっと良いと思った。

Posted in 月間選考, 雑記 | Print | No Comments » | URL

●2019年1月分・月間選考雑感(Staff)

2019-04-25 (木) 01:43 by 文学極道スタッフ

11029 : 姉妹たちに  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/01/31 02:54:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190131_517_11029p
(一)アニメ「ケムリクサ」の二次創作詩。内容を知っているとその考察力に感心するが、知らなければ逆に制約なくイメージできるかも知れない。作品と切り離した詩として読んでも、骨格がしっかりしているので強度を失わない。
(一)癒し系としての力があります。
世界観空気感を醸し出し、改行が空気感に作用。表現そのものが植物的であると、樹というものを使って伝えてきます。

11033 : ちんちんのポジションを気にしながら、  泥棒 ('19/01/31 23:58:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190131_544_11033p
(一)天国と地獄という本来なら対局にあるはずの場が、実は紙一重の位置関係にあるのではないかという発想の転換が面白い。語り手のちんポジは、果たして天国と地獄どちらに位置しているのだろうか。
(一)とても笑わせていただけました。
男の哀愁をあたり一面に放射しつつ、その反響で実像を結んでいる。
(一)いきなり気になるような言葉から入って来、何でもない生き物としての感覚を上手く表現している箇所、普通の語りっぽい言葉で読み手に親近感を与えつつ中だるみはしていません。

11028 : 茂り始める初夏  イロキセイゴ ('19/01/31 01:04:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190131_514_11028p
(一)クロウカードを調べてようやく、ガーター勲章やタオイズムが出て来た理由がわかりました。勢いの良いところがあるので、口調と文節に一貫するイメージがあるかを突き詰めたり、心情の部分がもっと情熱的だとぼんやり見過ごせないものになったのではないか。

11030 : 台所の廃墟  帆場 蔵人 ('19/01/31 09:07:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190131_523_11030p
(一)叔母の形見分けでたくさんのピクルスの瓶と犬の首輪を選んだ語り手。それぞれの瓶を「王族の墓」と表現する視点と、それを使い犬の首輪で輪投げをするという行動がユニーク。主の居なくなった台所の廃墟を歩く猫。叔母と犬は死の世界、語り手と猫は生の世界に隔てられている。台所という日常的な場が、その2つの世界の境界線になっている。詩人の目を持っていなければ書けない作品だと思う。
(一)一連目が説明になってしまっていないかどうか。他の連とのバランスが悪いことが非常に気になった。瓶と廃墟の比喩は面白く立ち上がっていた。
(一)古めかしい中に比較的新しい単語が入っていたり、バランス良いと思います。懐古趣味的世界観を表すことと亡くなった人物への大袈裟でない感傷で、亡くなった人の部屋に漂う哀愁がさっぱりと出ています。

11027 : そこには戻れないが、どこかには帰る。  空丸ゆらぎ ('19/01/29 21:30:34 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190129_493_11027p
(一)「回転」、「流転」、「反転」をテーマに展開する3編の詩。構成に工夫が見られ、ちょうど良い歯ごたえになっている。宇宙飛行士の部分は人によって評価が分かれるかも知れない。
(一)三連画のように結びつきが振りあがっていく。書き言葉を直接だしていくことに関して上手く作品を、まとめている。
(一)まずタイトルに深みを感じさせます。
小タイトルも普遍的メッセージを感じさせるものです。
2連目の流転は分かりやすく書いてはあるけれども説明的ではなくて、詩の文章になっています。気になりつつわからないままのものがあり、最終連で何か違ったまま断定されるような若々しさ。修正前も熱気を感じさせるものです。

11032 : ●月〇日  山人 ('19/01/31 16:00:07 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190131_534_11032p
(一)実存としての編み方が立脚している。上手い。
(一)出だしは凡庸ではあるけれどもインパクトがあり、途中の口語も何気なくて良い印象です。共感を呼ぶフレーズもあり説明的になっている箇所もあります。
彼女らの存在が謎なまま終わり、ここで表現しているところの何なのかについて、想像を促す記述が少なく、掴み所がありません。

11019 : 円形劇場  鷹枕可 ('19/01/24 09:44:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190124_407_11019p
(一)鷹枕可さんの作品は漢字の多用もあり一見すると読みにくく、内容も難解であると感じる人が多いのではないだろうか。それでも四苦八苦してながら最後まで読んでしまうのは、作品の個性と力量ゆえだろう。
(一)作者の作品は独自路線を走っており心地良い。
(一)1連目、エヴァンゲリオンの世界のようなものを連想しますが、単語の連なり方イメージが想起できず。しかしところどころにあるあるのような、わかると言いたいようなイメージが配置されています。短い時間で気付かされることは難しい。

11012 : 変なおじさん  自由美学 ('19/01/18 05:37:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190118_318_11012p
(一)タイトルで自嘲的に作品を進めていっており、だからこそ綿密に紡がれた自己の駄目な部位が詩として昇華されていく。名作かもしれない。心を掴まれた。
(一)共感を呼ぶ素直な吐露や情景描写は良く、おじさんのキャラクターも良いですが、急な展開で置いて行かれます。

11020 : 削って削って削って削って削っても私が私が私が私が私  泥棒 ('19/01/24 15:07:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190124_412_11020p
(一)初読時は特定の投稿者を皮肉ったものかと思ったのだが、実際は読み手だけでなく作者ですら語り手の中に含まれていることに気付いた。創作だけでなく批評やそれに対する返信など、すべてにおいて肥大気味の自意識が見え隠れしている。そのことを思い出させてくれる作品。読みにくい文字配列にも関わらず、最後まで一気に読ませてきちんとオチを持ってくる文章力も評価したい。
(一)自我意識が肥大した部位を突いてくる皮肉を描き出している。巧いしエンタメに富んでいる。
(一)問題提起として読みやすい。手紙のようなスタイルは読む人が受け取りやすい効果があり、途中から笑わそうとするような要素もあります。理解できるとは言い切れないものをテーマにし、負けないゲームをしかけるため、振り回されることを楽しむことができれば。

11013 : ミセモノ  井上 紅華音 ('19/01/19 15:57:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190119_362_11013p
(一)比喩に昇華されきった作品。更なる踏み込みが大切かもしれない。
(一)マザーグースや数え歌のように見るとリズムがあり面白いですが、世界観の設定がはっきりとしていない印象がありました。

11018 : Good-bye  鴉 ('19/01/23 23:39:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190123_406_11018p
(一)個人的にこういう難解な詩は好みなのだが、難解な中にもひとつの方向性が示されていなければならないと考えている。この作品は各フレーズが魅力的なのだが、それぞれが勝手な方を向いてしまって統一感に欠けるのが残念。
(一)手法と技巧が、しっかりとした手腕によって結実している。
(一)タイトルから、孤独と孤独を癒す関係とその終わりに導かれるように詩が続きます。
言葉の並びが非常に美しい連がありましたが、イメージははっきりとはしない。
最終連は突然雰囲気の違うようなイメージになりますが、全体的には生を感じさせます。

11025 : 嘘  kale ('19/01/28 14:52:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190128_467_11025p
(一)悪くないと思う。最後の連が、もっと上へと行けるのではないか、と思った。
(一)抒情的な空間を、一言一言区切るような語り口で切り取っている。
(一)演歌的悲しい詩ですが、全体で分かりやすく、小さいドラマのようになっています。
状況を見て、感覚を楽しめれば。

11021 : 『蟲』  尾田和彦 ('19/01/25 20:17:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190125_422_11021p
(一)実存がある詩である。これこそが詩なのでは、と思ってしまった。
(一)紋切口調が諸処に置いてありますが、説得力にはつながっています。
身近な出来事も配置して、日常生活に心情や考え事のようなつぶやきも足すことで、文章を身近に感じさせます。最終的に感情的な部分が出て来ますが、化けると熱い詩の予感がします。

11016 : 藍色ドライ・シロップ  鈴木歯車 ('19/01/22 20:08:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190122_393_11016p
(一)選者の世代だとN.S.Pの歌詞などにある微かな病的さや、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」のラストなんかを想像する。青春は青い春と書くが、この詩においては藍色の冬といったところか。スピッツなどイメージを特定する単語を出してしまったのが残念。
(一)「,」を「、」もの方が良いかもしれないと思う。ただし、その細かなところを省いても丁寧に紡がれている良作だと思う。
(一)陰鬱な空気を纏いつつ、清涼感を感じる作品である。口語体の形をとりつつ、句読点で変化をつける。
美しい作品。
(一)圧倒的熱のなさ。時代の一つの様態と云えばそうです。悪い意味とは限らず、青臭さ、現代の若者の感性も感じます。

10993 : つきみるつきみつきみは  まじまっ ('19/01/10 03:34:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190110_004_10993p
(一)この作品もタイミング的に特定の投稿者を意識したものかと思ったが、内容的にはそうではないようだ。少女、あるいは若い女性と月、子宮、堕胎といった組み合わせから、性的なイメージが立ち上がってくる。語り手と「もう1人の人物」の関係性から色々と不穏な妄想が膨らんでいく。描写力も文句ない。
(一)12chの部分など上手い。
(一)ひらがなの多さは、柔らかく女性的な印象も持たせますので、文章から発せられる薄いピンク色のような空気とのバランスも良いです。女性的な雰囲気で終わっているため、刺しに来る箇所が欲しくなります。

11022 : 意見と豚  反 ('19/01/25 21:38:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190125_424_11022p
(一)意見を言わなくなっている人への意見、演説という形になっています。
自らの深みをここに足して行って頂きたい。

11024 : RE:123123123  123123123 ('19/01/26 14:09:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190126_432_11024p
(一)不快感を与えることに成功している。気怠い消費財になっている(一)メタな詩なのかもしれない。
対話形式で読みやすくはなっています。内容はネットで詩を書いている人がこじらせた状態を「体現」している。そういう読み方をすれば、有意義かもしれません。

11000 : 檻  まじまっ ('19/01/14 00:07:06 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_162_11000p
(一)一読して頭に浮かんだのは「慰安婦」という言葉だった。あるいはそう誤読させるための罠が仕掛けられていたのかも知れない。そもそも「ぺぶ」という人物は本当に存在していたのか。そんなことまで考えてしまうほど、この詩には仕掛けがいっぱい隠されているような気がする。それは、わくわくする仕掛けである。
(一)国を対象化しており美しさと悲しさが詩情を持って立ち上がる。
(一) 素直に上手いと思う。テンポも歯切れがよく、人物が「意識を持って」動いている。
長い文面であるが、読者を引き込むだけの筆力を感じる。
(一)シモの話をしている文章です。暗い感じの、アゴタ・クリストフの小説のような世界観があり、文章は上手ですがそれだけにハードルが上がります。感動とか、心が動くとかいうものではありませんが、文章の一つのスタイルとしては味が強めですので、影響力を持てる可能性が隠れています。

11023 : ありふれた邪神  響真 ('19/01/25 22:32:14)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190125_427_11023p
(一)幼さ、弱っている。好んでくれる相手から去ったり、好んでくれる相手を邪険に扱うことができる。愛されているから、執着されているから持つことができる残虐性を表しています。
このテーマにはもう少し深度が必要かとおもいます。

11017 : (無題)  玄こう ('19/01/22 21:51:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190122_394_11017p
(一)純粋に美しい。自然の描写が風のように駆け抜けてゆく。
(一)非常に美しい。雰囲気、空気を醸し出すための文章。ことんと上品に置かれた言葉。

11004 : flight  白犬 ('19/01/14 20:27:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_207_11004p
(一)作者独特の世界観が美しいが、最後の部分がオチ的にも表現的にも平凡なのが惜しい。好きなものだけでなく、色々なものを吸収すると良いのではないだろうか。
(一)筆者の作品は歌詞の構造をテンポよく組み込んでゆくのが上手いと思う。詩的文面の中にアクセントとしてリズムが浮かび上がり、ロックの炎がチラチラと燃えている。

11005 : やわらかいおり  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/01/15 06:31:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190115_242_11005p
(一)自らの身体から出た、「スライム」という柔らかい牢獄に包まれるという発想はいかにも作者らしい。表現は文句ないのだが、基本となる設定はやや新鮮みに欠ける。
(一)作為的でありながら作者の素直な部分が染み出しており作品にかける思いすら前に出てくる。良作。
(一)冒頭の強さがいい。鬱屈した哀愁の中にありながら、自らの化身であるスライムを指先でつついている。それは肉体的対話のようである。
(一)とじこめられなさそうなタイトル。二連は余興的。自分の孤独感から身を守るための心理的作用を起こす人間の心情が物質的に不思議に書き表されている様子が不思議。

10978 : ニューヨーク天神駅「2002年金星または人類は衰退しました」  オオサカダニケ ('19/01/01 11:16:00)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_706_10978p
(一)言い方が面白かったり、言い切る口調に疑いを感じさせたり、する箇所がありますが、訴える文としては共感性に欠ける部分があります。

10989 : 昨日の夜の絶望  いけだうし ('19/01/08 00:05:20 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190108_898_10989p
(一)男子学生のダサいとも言える哀愁が見事に具現化されている作品。読んでいて惹きこまれる。
(一)眠れない人のあるある話から始まりますが、ペットの悪口を言い、ペットからいつの間にかそれが彼女になり、最後の落とし方はどうだろうかと思いますが、心情、話の流れなど、目を惹くものがありました。

11011 : 窓に夕日の反射するアパートに帰宅する  ゼッケン ('19/01/17 19:27:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190117_301_11011p
(一)児童虐待をテーマにした詩だが、単なる告発や倫理観の押し付けではなく「親になれなかった親」の心理状態まで踏み込んでいるのが良い。またギャグとシリアスのバランスも絶妙。あと蛇足ながら付け加えさせてもらえば私は選考に参加した時点で(中略)なので今回の評価は忖度の結果とかではないということを、はっきりと伝えておきたい(鼻息
(一)世相を反映しながらエンターテイメントへと昇華していく作品。苦々しさの先にある作品の奥深さが光る。
(一)生活感あるノスタルジックな題名から、意外なぶっちゃけ、非常に大掛かりなシーンで描かれておりスケールも大きく、技術のある書き方です。こんな児童相談所があったらびっくりという内容で、物語や演出としてとても上手です。影響を与えるならもう一声。

11010 : 自称詩人の詩(うた)  田中恭平 ('19/01/17 10:08:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190117_294_11010p
(一)作品自体は良質なのに「自称詩人」を冠の一部に被せてしまうことで狭めてしまっている。
勿体ないと思う。
(一)語り口と情景のバランスが良く、与える印象がきちんとあることも感じ取れます。
深いところや、当たり前だけれども共感を呼ぶ言葉などが主張しすぎず並んでいます。

11003 : 個人  反 ('19/01/14 14:23:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_197_11003p
(一)良い考えのとっかかりをしていると感じさせられます。自分へのメッセージのようなニュアンスがあると説得力が増すでしょう。突き抜ける姿勢で破り切るまで。

11006 : 怖がらないで  黒髪 ('19/01/15 06:42:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190115_244_11006p
(一)個人的な感想ではあるが作者はとてもゆるやかに、しかし確実に成長するタイプだと思う。今回、その成果がはっきりと現れたと言える。「書けないやつはどれだけ努力してもダメ」という意見もあるようだが、こういう実例を見れば「そんなことはない」という気になる。この感覚を忘れずに書き続けてほしいと願う。
(一)素直で腹を割った率直な言葉遣いが見る人に警戒心を与えない効果を持っています。
急な語りかけは目を引き、説教臭さや演説臭さがなくなっています。
言葉がストレートすぎて捻くれている人が見ると小っ恥ずかしいような印象もあります。

10986 : 偶像(眠りにつくための覚書)  アラメルモ ('19/01/07 04:25:57 *15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190107_861_10986p
(一)大作であり作者の作品として高い位置にある。このスタイルで何作か書いていって欲しいと思った。
(一)描写が上手く、人の中での重いテーマに対峙する気持ちの文章を講じることが出来ています。呼びかけや語り口調も効果的になっている。

11008 : 銀白の鱗  は ('19/01/16 01:32:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190116_266_11008p
(一)人に心を許させる、なつっこい文章。はぐれ者、変わった人、アウェーでありつつ、普通の人の感傷のような文章。最後に脱力して凡庸な結論に陥ってしまった感があります。

10996 : rivers  完備 ('19/01/12 00:14:04 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_099_10996p
(一)この詩における「ラブソング」は「最終兵器彼女」の最終話におけるそれと同じ意味と重さを持つのではないかと考えた。読んでいるとDonovanの「The River Song」が頭の中で流れはじめた。次に読むとドアーズの「水晶の舟」が聞こえた。どもる、どもらない。記憶と忘却。川面と川底。色褪せてしまった、あるいは永遠に色褪せない、恋。作者の力量が遺憾なく発揮された作品。特に最終連の美しさは特筆に値する。
(一)短い言葉でスタイルよくして詩として昇華されている。上手い。
(一)やさしい言葉を使ってストレートな表現をすると陳腐になりがちですが、これは上品にしっかりと情感があります。

10997 : (無題)  あーちゃ ('19/01/12 00:53:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_104_10997p
(一)オマージュするにはオリジナルとの熱量が圧倒的に異なってしまうのを、署名によって適当にカバーしている作品。

10998 : 普通に暴力と  黒髪 ('19/01/12 04:33:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_111_10998p
(一)比喩として昇華されていた以前の詩作品を懐かしく思います。もっと跳ねても良いかも。
(一)詩情と言葉のバランス。独特の言葉の切れ方が良く作用しています。ところどころ理屈が強引で説得力に欠けますが、独自の書き方。真っ直ぐさを感じられます。

11001 : オリオンを超えて  朝資 ('19/01/14 00:14:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_166_11001p
(一)とても上質で上手い。三文目が更に飛躍できそう。
(一)落とし所がロマンチックすぎるために前の二行が勿体無いことになっています。

10994 : Alone and satisfy  青島空 ('19/01/10 23:10:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190110_056_10994p
(一)分かるという感覚が充溢している。若さのまま、このまま書き続けて欲しいと思う。
(一)情景を浮かぶように描くのが細密で上手です。
布団がもっと強烈に来てくれると面白く、情感も盛り上がりそうです。

10992 : 不純のスープ  帆場 蔵人 ('19/01/09 23:39:16 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190109_991_10992p
(一)詩的純度の高い作品である。ただし「"」で区切られる「私」という存在を、もっと滑らかに出来たのかもしれない。
(一)安直かとおもう表現もありましたが、殴り合う激しい愛を描くには適切なものなのではないかと思わされました。スープ作りのリフレインもとても面白いのですが、もっとスープを迸らせることができるのではないか。

10999 : 月刊詩  紅茶猫 ('19/01/12 18:22:51 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_119_10999p
(一)「詩」という単語を使ってしまう際の脆さを同時に抱えてしまっている作品である。これまでの形式と同等の在り方の作品を模索していく過渡期なのかもしれない。

11002 : 好きなもの(2004)  中田満帆 ('19/01/14 00:30:13)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_170_11002p
(一)2004年の「なにもかもに孤立したい/なにもかもを敵にしてやりたい」と、2019年の「いずれにせよ、ぼくはあたらしい詩を書くつもりだ」という言葉を個人的に支持したい。作者に関しては成長より熟成という言葉が似合う気がする。この荒削りな手法を信じてこれからもサイクロン号で突っ走ってほしい。
(一)文章表現が独自のものであり読みやすい。その上で更に先へと行けそうでもある。

10995 : (無題)  コテ ('19/01/11 04:13:03)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190111_082_10995p
(一) 「小石」と「エッチ」という言葉の選択に驚きを隠せない。

10977 : 全ての読み手へ  環希 帆乃未 ('19/01/01 00:24:06 *64)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_684_10977p
(一)構成の仕方が上手い。最後まで平面性の中に存在している状態が続いているようにも思える。しかし、それも上手く作用している。

10985 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/01/07 02:28:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190107_859_10985p
(一)作者の筆力に変わりはなく、相変わらずのクオリティを保っている。だが同名の連作として考えると今回は少し驚きが足りない気がした。
(一)精巧な文章の綴りが実話をも全て詩として昇華されていってしまう美しさ。麗しさがあります。

10990 : アポロン  朝資 ('19/01/09 02:08:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190109_964_10990p
(一)体言止めの多さが非常に気になる。もう少し言葉の現代性を持って行って良いと思う。

10984 : 詩的殺人事件  松本義明 ('19/01/07 01:55:42 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190107_858_10984p
(一)もう一歩、工夫が必要に思える。

10981 : echo  完備 ('19/01/03 01:26:41 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190103_755_10981p
(一)タイトルのエコーは本文の内容から「胎児エコー検査」のことだと勝手に読んだ。その上で胎児にとって悪影響を与える「タバコ」の意味についても色々と考えさせられた。位相ゆえに噛み合わない会話。書き出しと最終連のセンスが光る。
(一)傑作である。人間の光と闇を淡々と書いている。

10983 : 居ない  玄こう ('19/01/04 01:40:38 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190104_798_10983p
(一)ある日、いきなり居なくなった近所の犬。おそらくは虐待されていたのであろう犬と語り手の関係が切ない。「したるみず」が「したたるみず」の間違いでなければ方言なのだろうか。
(一)描写も丁寧であり、最後のまとまりへと流れ込むテクニックも見事。あと二連目が気になった。

10976 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/01/01 00:03:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_683_10976p
(一)作者はすでに他人が簡単に真似できない技法を確立している。この作品などが良い例だが、やはり創作者にはインプット(教養)が重要であるということをあらためて認識させられた。美しい文体は読んでいて勉強になる。
(一)()からのフォルムと旧仮名遣いが「。」の引用にまで繋がっていき大傑作となっています。技巧も上手く詩情の放たれ方も見事。

10982 : 善悪の相続  コテ ('19/01/03 09:33:01)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190103_764_10982p
(一)序文のようなものを一歩、前に進めて行ったほうが良い。『戒と律』は読みごたえがあった。

10979 : the play  白犬 ('19/01/01 12:34:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_722_10979p
(一)作者独特の世界観が美しいが、最後の部分がオチ的にも表現的にも平凡なのが惜しい。好きなものだけでなく、もう少し多様なものを吸収すると良いのではないだろうか。
(一)一行空白に慎重になっても良いのかもしれない。言葉の新鮮さが刺さってくる。

Posted in 月間選考, 雑記 | Print | No Comments » | URL

●2018年11月分選考雑感(Staff)

2018-12-28 (金) 00:50 by 文学極道スタッフ

10921 : 奉公記  南雲 安晴 ('18/11/30 23:54:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181130_923_10921p
(一)導入とそれが示唆するメッセージ性がある作品だが、少しばかり拍子抜けしてしまった。メッセージのさらなる強化が欲しい。
(一)分かりやすい内容。構成も上手いかもしれない。演説になってしまっていないかどうか。もう少し比喩化できるのではないか。

10920 : 感じ  イロキセイゴ ('18/11/30 21:20:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181130_919_10920p
(一)感覚を拡張を持った言語で表現できていると思う。

10917 : 嫌になるくらい陳腐な恋、でも僕が陳腐だから  いけだうし ('18/11/27 07:08:07 *4)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181127_870_10917p
(一)内容はともかくタイトルが出オチというか、あざとさを感じる。でも後半はけっこう良い。特に「AIみたいな愛情」というフレーズは個人的にツボ。
(一)2の方は無くても作品として立脚していると思った。

10916 : たったひとりで伸びていったクレーンへと捧げる詩  渡辺八畳@祝儀敷 ('18/11/27 04:49:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181127_867_10916p
(一)「青空へまっすぐ伸びるクレーンのアーム」というビジュアルが鮮やかに浮かび上がる。青空を殺し新たな神になるという、神殺しの物語。「白痴」という言葉を普通に使っているのも良い。ただ「あの子は全くの白痴なんです」の部分は別の表現の方が良いと感じた。ドラマチックかつスピード感があり、最後まで一気に読ませる技量がある。
(一)とても丁寧な比喩で描かれているし、映像的な美しさも強い。筆者のこれまでの作品の中では、奇をてらおうとした作品より素直に好感が持てる。

10912 : 騒ぐ言葉  atsuchan69 ('18/11/23 07:31:38)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181123_798_10912p
(一)「部屋中を這い回る声」がミキサーのパンポットを調整して行われるパンニングのように、言語だけでリアルに表現されている。言葉の内容は英国調に統一した方が良かった気もするが、こういう俗っぽいものを混じらせるのもありかも知れない。とにかく作者の技術力を評価したい。
(一)滑らかな流れで構築されていく詩の豊穣な世界。
(一)非常に惜しいとしか言いようがない。文末処理がもう少し丁寧であれば優良に推していたと思う。

10915 : 情動  anko ('18/11/26 23:30:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181126_859_10915p
(一)「五月の嗚咽/六月の慟哭/七月の告別」という部分はがちょっとありきたりで残念だが、全体的に若々しい情熱を感じる。
(一)導入部分は非常に巧みだと感じたが、「狂う」「赤いドレス」などの安直な比喩がもったいないと感じた。

10918 : BLUE  青島空 ('18/11/27 09:44:54 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181127_872_10918p
(一)初連が少しまとまりきらない印象。第2連のテンションで最後まで走りきってくれればと思う。
(一)二連目まで良い流れで詩が続いていく。最終連を更に広がりが持てるかもしれない。またタイトルが勿体ないと思った。単語選択は重要だと思う。作者は、すぐに傑作を書くと思う。

10913 : 氷塊をみがいて流す  トビラ ('18/11/23 16:01:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181123_800_10913p
(一)タイトルにもなっている語り手の執拗な行為が、読み手の心の奥にある不安のようなものを刺激する。この反復が催眠術のような力を持ち、こちらに迫ってくる。

10903 : Out of the Blue  氷魚 ('18/11/17 18:50:34 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181117_651_10903p
(一)良くも悪くも安定している感。語り手、どれだけマゼンタ好きなんだよという感じ。それなのに強調されているのは青色系。小魚の群れのように目まぐるしく移動する言葉たち。最終行の抒情プラスおとぼけも良い。
(一)伸びやかな作品です。内面が柔らかに描かれている。粗さも含めて十分に気になった。
(一)配色センスを感じる。色言語がそれ以外の言葉からそれそのものの色を想起させる機能を持っている。

10914 : きみのやわらかな  白犬 ('18/11/24 23:51:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181124_818_10914p
(一)いつもの毒気が少し抜けている感じで、それが良い方向に作用している。あと、もう少しでスタイルが確立されそうな予感。
(一)筆者の「美」への希求が、現実とリンクされはじめたように感じる。これまでは現実と創作がどこか乖離したような印象を受けていたが、ここにきて耽美な言い回しが叙事的なリアリティを持ち始めたのではないだろうか。言葉が想像から抜き出たというか、これは筆者にしかできない試みであるように感じる。

10909 : Evil Holy Raspberry  アルフ・O ('18/11/19 21:39:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_723_10909p
(一)短いながらも淫靡さと神々しさが入り交じった高揚感が心地よい。セリフだけにしたことで、よりシャープな感じになっている。考えるな、感じろ系の傑作。
(一)会話の文を主体とするフォーマットとしている作品では一番、輝いている。更なる先が気になる。

10907 : footprints  完備 ('18/11/19 00:07:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_705_10907p
(一)あきれるほど無駄がなく、短いながらも大切なパーツはすべて収まっているという感じ。マイスリーという言葉が、かろうじて語り手を地上につなぎ止めているように思える。それが救いか絶望か、読み手によって見え方が違うかも知れない。
(一)短いセンテンスが効果的に働いている。
(一)>あなたのくれた比喩でない不等式を証明できないままカルバリの丘に立てる
これを読むに、やっぱり固有名詞を入れるタイミングのセンスが絶妙だと思う。別作品の「大阪湾」も絶妙なタイミングでぶっこんでたけど、この「カルバリの丘」の位置も最高だと思う。

10910 : 光滲/Blau syndrome/  kale ('18/11/21 22:36:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181121_771_10910p
(一)タイトルが的確かつ読み手に対して親切。光というものの表現と取り扱いに作者の技量を感じる。後半の構成が特に美しい。

10873 : 何も知らないけど  黒髪 ('18/11/05 09:23:49 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_985_10873p
(一)基礎力は非常に高い作者だと思うが、自己の持つメッセージ(主張、思想、思い)をもう少し俯瞰的に提示してほしかった。

10908 : 耳鳴りの羽音  帆場 蔵人 ('18/11/19 06:24:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_712_10908p
(一)蜂を用いた描写は志賀直哉の「城の崎にて」を連想させる。淡々とした中に作者の死生観がはっきりと刻み込まれている。少し描写が冗長なのが惜しい。

10898 : 一)読んでいて不快な気持ちになりました。 書ける書けない以前の問題で、読んだ人がどういう気持ちになるかという配慮に欠けた文章は作品として絶対に認めたくありません。  いかいか ('18/11/13 23:16:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181113_526_10898p
(一)運営批判は上等ですが、「面白い作品」で覆してほしい。
我々が黙ってしまうような作品をお待ちしております。

10892 : 海水浴場から帰って  南雲 安晴 ('18/11/12 21:20:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181112_478_10892p
(一)丁寧で面白く読めた。気になる作品である。

10911 : 吸血蝶を呑む  鷹枕可 ('18/11/22 19:55:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181122_782_10911p
(一)印象的な造語も含め、作者が独特のスタイルと美学を手に入れたことを確信させる作品。個人の生死にとどまらず、模造された歴史の中での国家と戦争の記録ではないかという気がしてならない。
(一)更なるブラッシュアップが、かかった作者の最新の形式。圧倒的な美である。

10883 : Violet pumps, stompin' the floor  アルフ・O ('18/11/07 20:18:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181107_250_10883p
(一)安定飛行と思われるいつものスタイルなのだが、なぜか読んでいて説明できないもやもや感があった。作者自身を作品から完全に切り離せていないような、そんな感覚がつきまとう。
(一)詩的構造の中で女性言葉になる部位などが映えています。更なる発展を見せていきます。
(一)(……ド畜生、
(LEDで失明するくらいなら
(流砂に眼球ごとくれてやる。
非常に秀逸!

10888 : 8月31日  青島空 ('18/11/09 11:48:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181109_376_10888p
(一)書き始めの良さがある。内実にある光と不安が同居して輝いている。

10891 : かたぶく、かたむく(「古今和歌集」巻第8/離別歌より)  中田満帆 ('18/11/12 12:01:03 *3)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181112_470_10891p
(一)筆者の失望と諦め、客観と主観、混然一体となっている『ある意味では』意欲作。本人は否定するだろうが、わずかにもなければ書けないし投稿できない。その点は高く評価したい。

10901 : Lapse  泥棒 ('18/11/15 19:18:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181115_613_10901p
(一)長い空白の溜めの後の「めっさ深くて」で笑ってしまった。その後に続く連が少し硬さを感じてしまったので惜しい。「めっさ」がポップな口語体だと感じたので、軽い言葉で静謐さを纏めてほしかった。

10865 : 戦艦パラダイス号  atsuchan69 ('18/11/03 08:58:24)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181103_826_10865p
(一)物語として大変おもしろいのだが、詩作品としては詩情というか詩であることの必然性に欠ける気がする。

10906 : 月精(あるいは湿原精)  本田憲嵩 ('18/11/19 00:05:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_704_10906p
(一)潤沢な詩文が流麗に綴られている。作者の上手さが光る。

10896 : 落葉の色  松本義明 ('18/11/13 18:13:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181113_512_10896p
(一)流れと引っかかりが非常に綺麗。巧い作品。
(一)傑作。切れ味も鋭く、無駄な言葉が一つもない。そぎ落とされ、研磨された日本刀のような作品。

10905 : たとえ偽りに終わったとしても  三浦果実 ('18/11/17 23:48:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181117_658_10905p
(一)詩を愛しているのに詩に愛されていない人っていますよね。他人事ではない気がします。この作者も、なぜか詩に愛されていないと思えてしまいます。それは単に技術だけの問題なのか。ただ、この作品に関しては単なる哀しい自分史に終わらない、作者の決意のようなものが感じられます。

10900 : 不在を訪ね歩いて  空丸ゆらぎ ('18/11/14 22:56:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181114_582_10900p
(一)途中の感覚が、まさに不在。この立方は見事である。更なる実在を対比させていけたらと思った。

10897 : 正風亭  つきみ ('18/11/13 20:06:59 *84)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181113_518_10897p
(一)基本的な技術があるのでこの長さでも何とか最後まで読みきれた。しかし、それでも長く感じる。物理的な長さだけでなく、作者自身はテクニックだと思っているであろう構成が無駄に長く感じさせている気がする。もう少し読みやすさを工夫してほしい。
(一)圧倒的な傑作である。
(一)文句なく上手い。長い文面を一気に読ませるよう、丁寧なオノマトペが組み込まれている。料理の描写も細かいが、レシピだろうかと思ってしまう。どうせなら次回はぜひ、クックパッドに載せるようなレシピ詩を読んでみたいと思う。

10868 : いつまでもあいさつをしてゆく「上段スマフォ版。下段パソコン版」  つきみ ('18/11/05 02:16:29 *683)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_956_10868p
(一)単なる実験作品に終わらず内容も含めて完成度が高い。端末による見え方の違いの問題が、いまだに解決されていないのが残念。そのことに対して誠実に対応している作者の姿勢も評価したい。
(一)抜群に上手い。うますぎて不気味なくらい上手い。視覚的なデザイン性の高さが、女性的な受動を縁取っている。
(一)もしかしたら世の中には色んな作品があるのかもしれないけど、これは既存のロックというジャンルという意味ではなくて、主流に対して起こるカウンターパンチ的な意味合いとしてのロック魂を感じた。この新しい文体がどうなっていくのか見るのが楽しみです。

10881 : あらかじめ、喪われた《角》へ。  なゆた創 ('18/11/07 08:28:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181107_192_10881p
(一)詩としての完成度は問題ないが、どうしてもスタイルに既視感がある。そのことは作者自身も自覚しているのではないだろうか。

10890 : ポエムでチクショー  イグサ太夫 ('18/11/10 07:10:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181110_427_10890p
(一)エンタメとして非常に酷くて楽しい作品だと思う。酷さが良い。

10870 : unconfessed  完備 ('18/11/05 07:20:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_969_10870p
(一)正直、ここまできっちり書かれると「大変よくできました」的なことしか言えない。本当に美味いものは「美味い!」しか言えない的な。決して選者の語彙力の問題ではない。そういうことにしておいてください。
(一)一連目が気になる。
(一)一番良かった箇所は、大阪湾という固有名詞をこのタイミングで入れた一連。
最初に、>踏み切りのむこう平凡な交差点に海を探している
と海を出しておいて、後になってそれが大阪湾だと読者に認識させることで、読み手は一気に抽象的な概念から現実的な場所に意識が飛びます。ここの読み手に対する意識の動かし方は上手いなあと思いました。

10879 : 死物  鷹枕可 ('18/11/06 11:36:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181106_115_10879p
(一)この作品は存在の死の鏡であるように思える。

10878 : 夢魔  氷魚 ('18/11/06 00:38:19 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181106_086_10878p
(一)一連目からの流れが美しい。最後を引き上げている。

10882 : 隔離病棟/見世物小屋  いかいか ('18/11/07 12:41:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181107_207_10882p
(一)「しね」という言葉はネットにおいて使用頻度の多い言葉だからなのか、どうにも薄っぺらいのにとても棘のあるので、個人的に使うのが苦手としている言葉のひとつ。それをさらっと「死ね」じゃなくてひらがなの「しね」を文中に組み込んできていて、文章全体から漂うぼんやりと霞ががかっている世界観を壊さずに、読み手の現実世界を壊す一言としてきちんと機能していて、正しい「しね」の使い方を垣間見たような気がしました。

10877 : ケルンのよかマンボウ。あるいは 神は 徘徊する 金魚の群れ。  田中宏輔 ('18/11/05 19:45:36 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_038_10877p
(一)この作者の膨大な読書量の成果の1つと言える作品。まるで尽きることのない泉のように言葉が湧き出してきて、詩という器を観たし溢れ出している。たぶん見当違いだろうが、タイトルがデヴィッド・ボウイの「屈折する星くずの上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」を連想させる。
(一)こんなにも独自の世界を構築し展開していく磁場が凄い。惹きこまれて読み進められた。
(一)相変わらず長い。長すぎるくらいに長い。だがそれが癖になる。「読んでやったぞ」という爽快な読後感がある。

10875 : 義母  北 ('18/11/05 17:33:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_022_10875p
(一)義母という存在に対する語り手の複雑な感情は、おそらく本人にも咀嚼しきれていないのではないかと思われる。イメージは豊富だが、少し散らばりすぎてしまったのが残念。
(一)包み込むような父母の情と悲哀が漂っている。とても人間的だと思う。

10884 : 灰  紅茶猫 ('18/11/08 09:40:33 *21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181108_306_10884p
(一)詩の中で詩を出されると身構えてしまう。が、この作品は、そのハードルを越えていっていると思います。

10863 : 月精  本田憲嵩 ('18/11/02 12:23:31 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181102_733_10863p
(一)近代詩の良さを得ている作品。空白が作為的に見えすぎてしまうところが惜しいと思った。

10856 : 寛解  北 ('18/11/01 00:31:14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181101_533_10856p
(一)文章の濃密さが非常に素晴らしい。後半が、もう一展開あっても良かったのかもしれない。

10872 : スカースデイルあるいは世界の終わり  オオサカダニケ ('18/11/05 09:08:55)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_981_10872p
(一)テクスト本文は力がある。タイトルは本当に、これで良いのだろうか。

10855 : Mr. Bojangles。  田中宏輔 ('18/11/01 00:01:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181101_529_10855p
(一)これまで本の宇宙を旅してきた作者による、書物や読書という行為に対する解釈がユニーク。本を読み続けることによって、語り手は言語的進化を遂げたのだろうか。ラストの蜜に対する説明は、実に上手いまとめ方だと思う。

Posted in 月間選考, 雑記 | Print | No Comments » | URL