文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

●「2020年・1月分選考雑感」(Staff)

2020-03-09 (月) 01:20 by 文学極道スタッフ

11691 : 展示会  イロキセイゴ ('20/01/31 23:17:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200131_939_11691p
(一)一歩間違えれば単なる「支離滅裂」で終わるかも知れぬ超現実的な内容が、要所に配置された固有名詞とクリアな語り口によって説得力を獲得している。

11673 : 降参  つぐみや ('20/01/10 21:41:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200110_749_11673p
(一)一つひとつの言葉が、新鮮さを保っている。その上での鬱屈とした悩みが光る。

11690 : 切符  南雲 安晴 ('20/01/30 20:55:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200130_928_11690p
(一)粗いけれども比喩が一貫しており作品としては成り立っている。

11682 : encore  霜田明 ('20/01/21 09:37:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200121_853_11682p
(一)作者の思想に基づく試論のようであり、深く豊かな思考を言語化化することで成立した詩とも言える。後半の3連に人間の思考の深さと自由さを感じた。
(一)詩創作における心構えは、時として自分の中に留めておくものである。作品化する内容だったのか気になる。

11688 : ダイヤモンドダスト  ネン ('20/01/27 21:57:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200127_908_11688p
(一)書きたい内容は分かる。詩の言語に転化できているか再考してみても良いのかもしれない。

11687 : うつしみ うつせみ  たなべ ('20/01/27 01:04:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200127_895_11687p
(一)言葉の鈍い重さが効果的に働いている。途中は推敲できそう。

11689 : appel  霜田明 ('20/01/28 01:38:57 *9)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200128_910_11689p
(一)関係を述べ構築していく。比喩に、もっと転じて良いと思う。

11665 : Burning petals fall into the huge well  アルフ・O ('20/01/06 00:09:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200106_695_11665p
(一)作者が描こうとしている情景みたいなものが輪郭だけ見えている感じ。あちらこちらに文章の推敲不足ではと思われる部分が目につく。最終連のオチも予定調和すぎる。第5連の「施しはもう終わりだ/あとは君らでなんとかしろ」は実に格好良い。
(一)冷徹な感情と温かい感情が交じり合っている特徴が光っている。作品が幅広くなりつつある。

11660 :  「右腕より、芽吹く」    黒羽 黎斗 ('20/01/02 02:56:41)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20200102_649_11660p
(一)タイトルから手塚治虫の「ブラック・ジャック」の名エピソードのひとつである「木の芽」を連想した。内容的にはまったく関係ないのだが、肉体から芽吹くという異物感と近いものが作品全体を覆っているように思える。解読を徹底的に拒絶しているようでありながら、いつか読み手の経験の中に気になるフレーズが芽吹いてきそうな不思議さに惹かれた。
(一)言葉が比喩としての効果と、そのものの実在の効果を互いに高め合っている。過渡期だからこそ書ける熱量を見た気がした。

11681 : 更待月  ハナビ ('20/01/17 18:52:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200117_843_11681p
(一)背徳的な匂いがする作品。全体的にセンスが良く無駄がないのだが、最初の行が入りにくい感じがする。6行目以降からエンジンがかかってきて一気に読ませる。

11685 : 違う顔  陽向 ('20/01/24 01:42:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200124_868_11685p
(一)不快感が突き刺さってくる作品である。

11667 : エスケープ  GROWW ('20/01/06 00:44:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200106_702_11667p
(一)悪くない。比喩も成立している。青臭さの良さの作品ではないと思うので、抜け出ていくと更に良くなる。

11677 : 幸福な詩人  紅茶猫 ('20/01/13 22:18:33 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200113_788_11677p
(一)初連は「幸福な詩人」というありふれた言葉を化けさせるだけの強度が足りない。だが「詩人の見る夢に蟻が一匹溺れている」というフレーズと、それに対する詩人のリアクションは面白い。後半の自由律俳句は、それぞれのまとまりに欠けていて前半部分から上手く引き継がれていない気がする。
(一)言葉の重複が多く、二連目への展開をもっと追究しても良いのかもしれないと思った。空行も再考の余地ありかもしれない。

11678 : アホの陽向  陽向 ('20/01/14 06:34:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200114_800_11678p
(一)「アホの陽向」と「僕」と「私」の使い分けが雑。「アホの陽向」と「自分」だけで描写できるはず。また最初の6行はそれぞれが上手く接続されていない。古典落語のようにとぼけた展開と最後のオチは面白い。

11683 : mk ωi 〜冬空の元で〜(次法 アンダンテ ('20/01/21 10:16:14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200121_854_11683p
(一)初連からの流れは良質であるが、そこに並ぶ連との整合性が取れていないように思える。もっと分量があった方がよい作品なのではないか。

11684 : 青と力  コテ ('20/01/22 04:52:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200122_858_11684p
(一)行の空白もだが言葉が薄い。強度を、もっと意識した方が良いと思う。
(一)空行を、もっと効果的に考えていかなければならないと思う。

11670 : あい  黒羽 黎斗 ('20/01/07 22:00:14)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20200107_719_11670p
(一)「右腕より、芽吹く」 と比べてワクワク感が薄れている気がする。「盲導犬の頬の中/誕生日は縮こまって廊下に立った」のように魅力的なフレーズもあるのだが。最終連は実に良い。
(一)文章から熱が溢れ出して来ている。技術などの問題を越えるものはある。音のみを重視していないか疑うこと、連をもっと対象化していくこと、言葉を等身大にしていくことなど、もっと心掛けていくべきことがあると思う。

11679 : 黄泉  まひる ('20/01/15 19:25:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200115_817_11679p
(一)一連目の在り方が高められていく二連目からを見たかった。最終行にかけてパワーダウンしている感が否めない。

11680 : さんぽ  田中恭平 ('20/01/16 06:27:51 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200116_824_11680p
(一)「ミルキーウェイのさんぼ」や「えいえんのいちご畑」は当たり前過ぎる。40年以上前に発表された松村雄策の「苺畑のヒッチハイカー」という曲では、苺をすべて潰して畑を血の海にしてしまう。この時点で、ストロベリーフィールズは永遠ではないという視点が生まれている。最終連は皮肉か語り手の本音か。そして、この詩に関しては第2連が一番光っている。
(一)ゆるやかに書けている。作品の質を上げるために冒険をしても良いとも思った。

11674 : 星言葉  kale ('20/01/11 23:59:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200111_757_11674p
(一)初連、第6連、第7連には既視感があるが、それを差し引いても支持できる熱量を感じる。第3連は「月に吠えらんねえ」へと続いている抒情があるが、表現としては陳腐さと紙一重の危うさも秘めていると思う。これは他の連における「父さん」という単語の使用も同様である。個人的には第2連を最も評価したい。
(一)以前までにあった作風であり、まねぶ詩作品として高い位置にあるのかもしれない。二連目が、まだまだフォルムを向上させることが出来そう。

11672 : 死んだ目で食べる  ネン ('20/01/08 21:31:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200108_732_11672p
(一)親からの性的虐待を想像させる初連から第3連までの流れは良いのだが、最終連で上手くオチていない。字数をまとめるという制限のために無理をしている感じがする。
(一)よく出来ている。一連目は上手いが後半は、広がりが足りない。

11675 : 誰  イロキセイゴ ('20/01/11 23:59:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200111_758_11675p
(一)上手く着地できている。タイトルの折り込み方も上手い。

11676 : 県境  山人 ('20/01/13 13:13:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200113_774_11676p
(一)この作品の中で最も詩と呼べる部分は第5連なのだが、実は単なる散文にしか見えない他の連もまた(読み手の年齢や経験などに左右されやすいかも知れないが)、十分な詩情を含んでいる。この作者の特徴と魅力はその部分によるものが大きい。

11671 : 失踪ノート  鈴木歯車 ('20/01/08 00:09:07)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200108_720_11671p
(一)非常に惜しい感じがする。第2連の「いや」や第3連の「しかし」を使わない表現であったら完璧だったと思う。「追憶の町」の「追憶」は必要ないはず。最終連の終わり方は相変わらず上手い。
(一)上手い作品だと思う。一連目の長さと最終行の長さの比重がつりあっていたら、もっと良くなったと思う。

11666 : ●お料理教師の失恋●  らどみ ('20/01/06 00:11:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200106_696_11666p
(一)本文がタイトルの説明だけで終わっている。「あああ、」という感情をきちんと言語化するところから始めてみるべきではないだろうか。
(一)分かりやすい作品である。こういう作品が、悪いとは思わない。

11664 : 詩の日めくり 二〇一七年九月一日─三十一日  田中宏輔 ('20/01/06 00:05:12 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200106_694_11664p
(一)詩作品や様々な走り書きなどが渾然一体となって詩情を醸し出している。「ノイローゼ占い。」や美輪明宏(「美輪明弘」は誤り)の言葉が引用されているメモなどが特に面白かった。
(一)自分から発信していく言葉との中での、情感が見事に結ばれていく。上手い。
生活との詩への変化が抜群。

11669 : 言いなり  いまり ('20/01/06 17:40:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200106_709_11669p
(一)タイトルも本文も実にエロい。褒め言葉としてエロい。上品でセンスのあるエロさ。「あずまんが大王」の にゃも先生風に言えば「エロエロよーっ!」という感じである。それでいて詩作品としてもしっかり成立している。小説でも詩でも性愛をテーマにした作品はその辺の匙加減が難しいものだが、この作品は文句ない出来である。
(一)最初の連は面白い。最後まで初連を超えていけていないと思う。

11663 : ミネラルショップの片隅で。  湯煙 ('20/01/04 14:55:53 *15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200104_678_11663p
(一)鯨の耳石をテーマにした作品としては、昨年の夏に発表された帆場蔵人氏の「眩暈」がある。今回の作品では、同じ題材で左耳の聴力を失った語り手の物語を紡いでいる。「(ーーー治療は不要です」の一行は、単なる逃避や誤魔化しではなく視点の変換による救済なのかも知れない。   
(一)迫力がある。魂を削り出して創作した作品。こういう作品こそ評価されて良いと思った。最後の文献はwiki以外から持って来た方が良いと思う。

11657 : 存在の冬空(察法 アンダンテ ('20/01/01 01:58:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200101_627_11657p
(一)各連がそれぞれ質の高い短詩として成立しており、全体的なバランスも良い。古典から英語まで読み手に教養が求められるが、予備知識がなくても視覚的に心地よいというのは作者の力量によるものであろう。
(一)綴りが上手いけれども、ひとつ一つが甘さも持っている。「詩」を出すときは慎重に運んでいった方が良い。

11656 : 詩の日めくり 二〇一七年八月一日─三十一日  田中宏輔 ('20/01/01 00:39:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20200101_624_11656p
(一)今月投稿された「詩の日めくり」は2編だが、こちらの方が濃密で読み応えがあった。覚え書きとしてのメモがそのまま詩になっている、あるいは詩になっていく。生活が詩と一体化している。
(一)詩人の日常のことから詩作品の昇華まで幅広く、人間という作品になっている。作者にしか書けない独自の作品という強さを思い知らされた。

11659 : 点  いまり ('20/01/01 16:57:01)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20200101_635_11659p
(一)短い中にもきちんと物語が成立している。ただ、そのストーリーは見慣れた感じがあり物足りなさを感じる。
(一)言葉の流れが上手い。けれども跳躍が弱く、比喩が予想を超えて来ない。

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●「2019年・12月分選考雑感」(Staff)

2020-02-03 (月) 17:47 by 文学極道スタッフ

11644 : 、、という、かなしみ  玄こう ('19/12/27 22:11:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191227_541_11644p
(一)記号や文章のザッピングが効果的ではないかもしれません。中核にある本質は、読むべき熱があるため勿体ないと感じました。
(一)エッセイでも良いか?とは思いますが、味わいと親しみを感じさせる文章。とても素直に書いてあるのが伝わってくるためか、好感を持って読むことができます。

11649 : 冷たいぬくもり  まひる ('19/12/30 09:11:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_590_11649p
(一)言語を研ぎ澄ませるように意識しても良いのかもしれません。

11655 : 三つのもの  イロキセイゴ ('19/12/31 23:17:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191231_623_11655p
(一)無茶苦茶のようなのに何か目を惹きつけられる魅力があるのは、同じ単語を何度も何度も使うことでそこへの執着のような、読者に安心感を持たせる効果が出せているからかもしれません。内容と改行の仕方、単語の繰り返しの頻度やタイミングが良い調和を感じさせて面白くなっています。

11650 : 花戦争  kale ('19/12/30 09:59:14)
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(一)初連の出来が非常に良い。硬質な中に不在が、出没してくる上手い構成である。二連目が効果的に働いていたかどうか気になった。思い切って別の詩に分けても良かったのかもしれない。
(一)雰囲気のある文章を紡げる力があります。内容の美しさとフォルムがこの文章の醍醐味かなと思います。
(一)美しく質感を持ったイメージの洪水に圧倒される。特に第2連は文字の間から色彩が飛び出してくるかのようである。

11603 : 木洩日  たこ吉 ('19/12/06 16:56:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191206_196_11603p
(一)「ねぇ」などの置き方が、なかなか難しい。作品自体は良質だけれども、素材を活かしきれていないのではないか。書き続けて欲しい。
(一)木洩日の表現に工夫が見られ、それは成功している。その一方で「肉の器」や「極楽浄土」といった古臭い表現が気になった。描こうとした世界がとても荘厳で美しいものであることは良く分かる。このまま進めば、作者はとても崇高な境地に至るのではという期待がある。

11654 : れいぷ&しふぉん  白犬 ('19/12/31 21:04:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191231_617_11654p
(一)作者の持ち味が存分に活かされている作品。暴力的な猥雑さと静謐なイメージが溶け合って読むものの脳内へ心地よく拡散していく。独りよがりで終わらず、他者へ伝えようとする工夫がきちんとされていると感じた。

11653 : ありあまる時の聲  アルフ・O ('19/12/30 22:36:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_608_11653p
(一)怒りと負の感情が、細部から溢れ出してくる快作である。
(一)リフレインとリズミカルな言葉の使い方が、表現したい内容と相性良く、かっこよく決まっています。言葉が気持ちに届きやすい効果も出ていると思います。後半に冷静さか、出だしと丁度同じくらいのテンションが保てているととても良いのではないか。
(一)まだ時間をたっぷり持っている者にしか書けない詩ではないだろうか。高揚感と倦怠感の狭間を揺らぐ魔法少女たちの会話劇として読んだ。過去のと自分の知識にすがる老人たちには解読不能な詩である。

11652 : dick  完備 ('19/12/30 22:27:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_607_11652p
(一)行間が上手い。作品が読み手を選別することなく、惹きつけていく。
(一)衝撃的なことを想起させる記述だと思います。このままシンプルさを保ちつつ、暖簾に腕押しのような虚しさが顕著にできるのではないか。
(一)文章としては非常に読みやすいが読み手の解読を拒んでいる、あるいは試しているようで面白い。コメント欄が活発なのも、読み手の想像力を刺激する力を持った作品であることの証明だと感じた。

11600 : 盗掘  鷹枕可 ('19/12/05 17:45:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191205_188_11600p
(一)冒険している所に未来を感じた。最初の平仮名のみの部位、可能性を感じる。後の二連と併せて評価できるが、平仮名と漢字の更なる混淆も作者の筆で読んでみたい。
(一)平仮名パートでのスタートは面白い。ただ、それ以降の流れからも物語が見えてこない。タイトルによる期待を本文が受け止めきれていないと感じる。

11651 : 絶景#2  左部右人 ('19/12/30 21:39:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_605_11651p
(一)震災や炎上のことが、描かれているように思った。最後にかけての詰めが甘く思える。

11630 : コツカ  湯煙 ('19/12/21 18:53:20 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_441_11630p
(一)文章の少なさが詩情の少なさになっていると思っています。改善点が、あるのではないでしょうか。
(一)一体何が聞こえたのか、謎めいた簡単な言葉が興味を最後まで保たせます。核心を突くピリッとしたものがこれに一つ入っていると凄いのではないか。

11634 : めぐる ポプラ  宮永 ('19/12/24 22:40:44 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191224_489_11634p
(一)胸を締め付けられる。作品として言葉が貧弱とも思える少なさではあるのに、ストレートな詩情と背景に驚かされ感動してしまった。ただし賞向けの作品ではないのかもしれない。
(一)どことなく寂しい気持ちや失うこと、別れなどを示唆してあり、その気持ちも感じさせることができます。しかし凝縮させることも、強烈に印象づけることもできる余地が残っている文章でもあると思います。
(一)技巧的には問題ないのだが、ポプラの描写と祖父に関する記述が上手く繋がっていない印象がある。これが上手くいけばもっと良い作品になったはず。

11622 : てんとうむしよ  たこ吉 ('19/12/17 20:20:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_359_11622p
(一)最終連にかけての広がりが素晴らしい。そう考えていくと一連目や二連目は、これで良かったのだろうかと思う。
(一)童話的な文章で純粋さが際立っています。言葉選びも完全に幼いわけではなく、きちんと作品として世界観に繋がっています。
(一)宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や「春と修羅」につながるイメージが散りばめられた、優しい口調でありながら厳しい内容の詩。手法として斬新なものではないが、こういうスタイルの作品も評価されるべきだと考える。

11648 : すべて  らどみ ('19/12/30 00:48:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_578_11648p
(一)詩人を作中に出すのは、もう少し慎重になっても良いと思います。

11628 : アルチュセールに  霜田明 ('19/12/20 02:37:34 *11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191220_418_11628p
(一)短い詩ではあるが無駄も不足もなく、初連から引き込まれる見事な構成。アルチュセールという名前から豊かな教養のある読み手はより深く読み込むことも可能だろうが、彼のことを知らない者でも一編の美しい作品として楽しむことができる。

11621 : 星狩り  山人 ('19/12/17 18:11:01 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_357_11621p
(一)作品は大変、抒情的である。後一歩感を持ってしまう。
(一)求める意味での「欲しがり」とタイトルがかかっていたらとても意味も深まるし、良いタイトルです。なにかアドベンチャーな感じもして雰囲気もとても良く、記述がもっと細かくして、この世界が構築されていくのを見守りたい気持ちがしました。
(一)坂田靖子のマンガには、この作品とよく似た内容のものがいくつかある。小品として上手くまとまっているが、イメージに斬新さがない。

11613 : 櫻の樹  鷹枕可 ('19/12/12 16:21:07 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191212_294_11613p
(一)漢字だけの独自の世界から抜け出して、新しい世界へと飛び出した記念碑的作品。
(一)老桜をモチーフに季節の移ろいや人生の儚さを静かな筆致で描き出している。間に挟まれる口語との組み合わせも面白い。

11611 : 祈りを、届けたい  北 ('19/12/10 22:45:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_264_11611p
(一)文章が上手いため皮肉に特化していることが残念。
(一)「人生のタイムラグでは、真心が、魂に対しての、抵抗を止められないでいる。」というのは句読点の切実さも含めて名言では無いかと思います。この流れで生まれた言葉なのかと思うと他の部分も空白というには勿体無いような気持ちになります。

11631 : 背後で葉が揺れていた  空丸 ('19/12/21 22:45:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_448_11631p
(一)始まりから掴んでいくものがあります。各小作品の連結も上手いと思いました。最後の一行は、もっと他のものがあったように思えます。
(一)初恋の連の「呪いだ」にパンチが効いています。テーマがごちゃ混ぜになっているようにも見えるので、すっきりさせるともっと強烈に響く詩ではないかと思いました。

11633 : 農民詩人   山人 ('19/12/23 20:11:49 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191223_476_11633p
(一)描写も、しっかりとしている力作だと思います。詩人を詩の中で描くということは、非常に難しいことだと思いました。
(一)岡部清という詩人を紹介する内容は評価したいが、彼を知らない人間には分かりにくいかも知れない。最終連の終わり方が唐突で、もう少し詩作品としてのドラマがほしかった。

11632 : 冬四景  紅茶猫 ('19/12/23 00:18:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191223_465_11632p
(一)それぞれの描写が上手く、みぞれの概念などを再考させていきます。構成も上手いのではないでしょうか。

11607 : 早退  まどろみ区域 ('19/12/09 13:11:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_246_11607p
(一)構成としては間違っていない。ただ、まだ技術的な部分が不足している。筆力を高めれば、この長さで間違いなく書きたいことを表現できるはず。

11629 : 死んで  夢うつつ ('19/12/21 12:04:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_434_11629p
(一)文章の流れの上手さは感じる。そこからの羽ばたきを更に見たい。
(一)単語の強さによって作品の内容の強化をしている手法なので、単語の印象ばかり強くなって逆に届かなくなってしまう現象が起こっている詩ではないかと思います。

11620 : 改行  黒羽 黎斗 ('19/12/17 01:02:42)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_347_11620p
(一)テスト用紙に思いを書いていた頃が、生々しく蘇ってくる。最後の一行が沁みてくる。
しかしながら連毎のバランスに再考の余地がある。一連目と、最後の空行が多い状態を、
他の詩作品などを読むことで身に付けていくと、もっと伸びると思う。
(一)頭脳の明晰さと繊細さを筆者に感じることによって文章自体のいんしょうがとても良くなってしまうのですが、この表現は一つの通過点なのだろうと感じつつ読んだ部分もありました。
一)言葉と誠実に向き合おうとする作者の姿勢が感じられる。作り方が丁寧で勢いに任せず、黙々と詩を練り上げていったのではないだろうか。赤で始まって緑で終わる構成も見事。

11625 : 夢の映像  st ('19/12/19 01:27:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191219_397_11625p
(一)小作品としては上手く、まとまっている。作品集の中にあると輝く作品に思える。

11610 : 光  にゃおす ('19/12/10 18:39:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_258_11610p
(一)上手い。作品の中で硬質に輝く文が際立っている。ただし途中の一文になってしまっているところなどが、あまり効果的ではない。
(一)言葉の選び方と組み立て方が実に巧みで隙が無い。花壇に埋めた乳歯から花開く永久歯への流れや「ツツジを咥えてしんだ子供、」といった描写から、作者の技量の高さや知識の豊富さが感じされる。所々で飛躍するイメージも面白い。

11614 : 大樹の陰  宮永 ('19/12/13 17:12:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191213_299_11614p
(一)ポプラの描写と心理描写の折り込みが光る。名作なのでは。
(一)嵐に蹂躙されるポプラの描写が巧みで、読む者に様々な連想を促している。その一方で「ポプラ」の連呼が気になった。「その木」や「木」に置き換えられる部分もあるはずである。最終行は「瞬間」を上手く切り取っており素晴らしい。

11618 : フィクション  にゃおす ('19/12/16 21:49:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_344_11618p
(一)悪くない作品。タイトルの選択が勿体ない。
(一)深いところ、深い言い方で表現されていて、それが伝わってくる箇所があります。完全な自然さは人間にはとても難しくかえって不自然を感じようとすればいくらでもそのように捉えられる部分も言い表されていて、そんな思考に人を導くだけの力や問題提起は上手に出来ていると思いました。

11616 : 磁場を形成する羽根  アルフ・O ('19/12/16 00:46:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_330_11616p
(一)嫌味さや怒りを書かせたら、一番の書き手に思える。ある程度の作風が出来上がっているので、ここからどのような膨らみを持たせていくのか気になる。
(一)全体的に安定しているのだが、「魔法」が続くことで言葉の魔力が薄れてしまっていると感じた。「這うように魔法を滑らせ」は「這うように滑らせ」でも意味は通じるしリズムも整うはず。

11624 : Join  鴉 ('19/12/18 02:17:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191218_368_11624p
(一)硬質な言葉の中に深い絶望と怒りと悲しみがある。それが分かるという凄さ。

11619 : (無題)  陽向 ('19/12/16 22:05:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_345_11619p
(一)文章として上手には見えないのかも知れませんが、葛藤や自分の中で暴れる自分のようなものがとても表されています。

11623 : 666  白紙 ('19/12/17 21:17:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_361_11623p
(一)文章は上手い。どこか宗教的でありながら、よくある話でもある。もう少し作品として上向きに出来たように思える。

11615 : 便箋と海  GROWW ('19/12/13 18:55:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191213_302_11615p
(一)硬質な言葉での展開が、しっとりと広がっていく。奥行きが、もっと獲得出来そう。
(一)森見登美彦の「きつねのはなし」に収録された「水神」の海洋版のような不思議さがある。この詩の方は小説とは正反対に明るいイメージではあるが、最終4行で海洋汚染を暗示する終わり方をしているのがユニーク。

11609 : 燦爛  青リンゴ ('19/12/10 16:13:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_256_11609p
(一)皮肉を効かせてあるのですが、この場合は率直な気持ちの滲み出ている印象がどこかにあって憎めない文章になっています。
(一)淡々とした語り口が読む者を無理なく作品へ引き込んでいる。ただ第4連だけが全体から浮いている印象がある。

11604 : 嘘  ネン ('19/12/07 16:16:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191207_221_11604p
(一)説明文のようになっている。
(一)「耳栓代わりのイヤフォン」の段階で読もうとする意欲を削がれてしまった。使われている言葉もテーマも既視感があり過ぎる。

11612 : 無題  kei ('19/12/11 15:58:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191211_279_11612p
(一)「終わりの無い世界」「新世界」「祈り有る世界」と既視感のある「世界」の連発で、宗教団体のパンフレットを読んでいるような気分になる。作者だけが満足していて、読み手に何かを伝えようという意欲が感じられない。

11608 : 反顧  コテ ('19/12/09 21:58:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_251_11608p
(一)悪くないと思いました。その上で、二連との呼応を考えてみると面白さが際立つのではないかと感じました。
(一)作品集の中に潜んでいたりするとなんだこれはと目を惹くのではないかとおもいます。筆者が様々な書き方に挑んでいるところを評価します。

11599 : 更衣室  青リンゴ ('19/12/04 17:44:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191204_178_11599p
(一)切ない思いを、書き綴ることに成功している。ただし作り物感があり、そこから脱却しなければいけないと思った。
(一)途中までは面白く読めたが、パターン化した各連の流れで大体のオチが見えてしまっている。特に最終連は「夢の中へ」や「あなた色に染める」といった表現が古すぎて蛇足に感じた。

11606 : 詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日  田中宏輔 ('19/12/09 01:20:25 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_240_11606p
(一)抜群に面白い。「おやすみ、グッジョッブ」が作品の長さを感じさせない作用を働かせている。日記と再構成と詩が麗らかに咲く見事さを思った。
(一)この作品も日記であると同時に優れた詩でありエッセイである。あと数年で還暦という年齢になった詩人の、若い頃と現在の心理的な変化に関する記述の隙間から見える寂しさや達観が心にしみる。

11605 : 冬空の窓の下  アンダンテ ('19/12/09 00:10:30 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_239_11605p
(一)難解さと新しさの中に分かりやすさを入れ込んでいくことで面白い作品となっている。平仮名の部位を、上手く行間へと落とし込んだことで成功したように思える。
(一)このパートだけでは本当の評価は出来ないかも知れないが、新たな表現を貪欲に追求する姿勢には頭が下がる。

11601 : 人影  陽向 ('19/12/05 18:44:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191205_190_11601p
(一)コメント欄でも指摘されているように、1行目の輝きが2行目の平凡さで弱まってしまっている。しかし自分の言葉で語られた作品であり、作者の技量が活かされている。この方向で進んでほしい。

11597 : えにしの行方  まひる ('19/12/02 15:48:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_144_11597p
(一)上手いのだけれども、ありきたりになっていないかどうか。
(一)「あなた」と「わたし」が「君」と「僕」になる理由がわからない。「恋心」という言葉の選択にも首をかしげてしまう。作者の情熱は伝わってくるのだが、表現方法の古さで空回りしていると感じた。特に最後の2行は悪い意味でストレートすぎる。

11589 : 冬そらの下で  アンダンテ ('19/12/02 00:10:14 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_108_11589p
(一)一文いちぶんが輝いている。悲壮感がある苦痛と核にある悪が響いてくる作品である。
(一)冬の情景が的確な単語の選択と組み合わせによって美しく紡がれていく。短い中にも次々とイメージが現れては光り輝いて遠ざかる様は見事。

11598 : この世界を離れて  atsuchan69 ('19/12/03 05:11:45)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191203_159_11598p
(一)力作であることは間違いない。中盤の膨らみは、これで本当に充分だろうか。
(一)詩というよりは小説に近い構成だが、長さがまったく気にならない物語には間違いなく詩情が溢れている。それぞれが訳ありの過去を持つ旅芸人夫婦や彼らと出会う人々のドラマを、子どもである語り手の視点で鮮やかに描き出している。古い洋画の旅情と日本映画の抒情が混じり合い、切なくも美しいストーリーを描き出している。

11593 : 語り  霜田明 ('19/12/02 04:29:33 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_123_11593p
(一)思いを消化できずに綴っている作品である。詩情の漂いが、もっと上を向いていけそうでもある。
(一)一連とても良い言葉の連なりで、二連の途中から説明のようになってきてしまい、とても勿体無いところがあります。一連の後半は語っているようでも前半とのバランスがとても取れていてすんなりと入ってきます。
(一)初連の輝きからスタートして、だんだんと失速してしまっている。それはこの作品で描かれる作者の男性観と女性観に原因があるのではないか。また、悪い意味で力を抜きすぎているようにも感じた。

11596 : れっつ’ず Reiwa Street  北 ('19/12/02 14:21:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_141_11596p
(一)良い意味で洋楽の日本語訳のような斬新さがある。作者の世界的な視野によって描かれた物語には眩暈を伴うほどのスピード感があり、人間たちの凄まじいエネルギーを感じる。ただ最終連の終わり方では、そこまでの流れを受け止めきれていないと感じた。

11595 : 神によりかくされた次元  st ('19/12/02 08:52:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_135_11595p
(一)作品が行間に頼り過ぎている感がある。一文一文が、もっと伸びられるのではないか。

11590 : 詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日  田中宏輔 ('19/12/02 01:20:44 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_113_11590p
(一)六月の三十一日が存在している面白さ。最後の日に、詩人による詩への恐怖を語っていくというパンチラインの強さがある。それまでの日付の一つひとつが輝いていている。
(一)ただ日記のように続いているだけでなく、きちんと説得力のある力加減で箴言が忍ばせてあるところに読み応えがあって、肩透かしがありません。
(一)前回に引き続き、日記であると同時に詩であり詩論でもあるユニークな作品となっている。様々な書籍に対する作者の視点が面白く、また勉強になる部分も多い。

11591 : なんでもかんでも凍結します。  アラメルモ ('19/12/02 01:55:13 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_114_11591p
(一)作品として締まりがなく、集中力に欠けている。
(一)反応も含めて芸術と呼ぶのか、難しく考えすぎましたので、この作品単体に目を凝らそうとすると、その中で何を主題にするのか、芯のところが掴めないままでした。
(一)批判精神を込めた詩は単体の詩としても成立するほどの強度を持つことが求められる。この作品の昭和的センスと下品さでは批判以前の愚痴でしかない。こういう作品だからこそ手を抜くべきではない。

11592 : 凍結  本田憲嵩 ('19/12/02 03:39:55 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_117_11592p
(一)初連や二連目のカタカナが浮いている。後半にかけて集中力が続いておらず、空行に頼りすぎているため前半との釣り合いが取れていない。抒情があるだけに勿体ない。
(一)使う言葉をもっと追求できる気がしました。追求することによってオリジナリティを築きつつ、筆者にしか成し得ない表現が出来る箇所が多く見られる作品です。
(一)3年前に現代詩フォーラムへ投稿した作品の再投稿だが、この頃の方が確実に上手い。ただ「虹色の色あい」という表現や「色あい」の重なりに詰めの甘さを感じる。凍結という現象を温度と時間の両面から描いて静かな詩的世界を構築している。

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●「2019年11月分選考雑感」(Staff)

2020-01-11 (土) 12:18 by 文学極道スタッフ

11579 : The Variance  アルフ・O ('19/11/25 12:24:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191125_998_11579p
(一)この短い中で、それも「女神」という錆びやすい単語を用いながら詩作品として成立させている技量を評価したい。特に最後の「未完成な全ての門を閉じる」は読む者に神話的な視界を与えてくれている。
(ー)モチーフとしてまとまっていて素敵なところもあるので、作品として昇華できますように。シチュエーションは想像出来るようなものに仕上がっていると思います。
(ー)凝縮された怒りと皮肉。それは自己自身への鏡でもあるのだろうか。濁りが拡がる。

11587 : 光  いまり ('19/11/30 14:59:47)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191130_057_11587p
(一)とても読みやすく内容が素直に心へ入ってくる。ただ、その入りやすさが物足りなさでもある。物語の内容や構成が狙いすぎている印象があり、悪い意味で書き慣れている感じになっている。もう少し読み手に想像する余地を与えると良いかも知れない。
(ー)終盤へいくにつれてボーカロイドの歌の歌詞のような印象があります。新しいのかもしれません。センテンスの美しいところがあるのですが、熱量の割には冗長な部分も散見されます。
(ー)生と死の在り方が、輝いている。しかし一連目と二連目の対比で広がっていた世界が、後半になればなるほど凡庸になっていると気付く。フォルムは良いので、長さで損をし見誤ってしまったのではないか。

11582 : プロテスト(Sober)  ゆうみ ('19/11/27 14:22:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191127_031_11582p
(一)現在の文学極道の現状に対する批判と思われる。この作品や作者のコメントにある通り、一部の勘違いした人間によって傷ついた者が去って行き、傷つけた者は平然と居座っている。あるいは、立ち去るふりをしてしばらくすると何食わぬ顔で戻ってくる。この状況は何とかしないといけないだろう。一方、詩作品としてはメッセージ性を優先した結果として佳作レベルの内容である。
(ー)最終連が詩的です。その他の主張の部分は非常にはっきりと言い表されていますが、疲れ呆れた人がそれを言葉にするのは何故なのか、その辺りを掘り起こして書いてみて欲しいです。

11586 : 沈黙  山人 ('19/11/30 07:42:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191130_054_11586p
(一)描こうとしている空気というか情景は理解できるが、「沈黙」を使いすぎている。最近の作者は同じ単語を必要以上に繰り返す傾向があるが、逆効果になっていると思う。
(ー)石と重なる男の憂鬱を幻想的な風景で表現されています。落ち着かない気持ちや焦り、その先に絶望を感じて立ち止まる。その思考の流れを言わずとも表しています。
(ー)話すことが出来なかった重みが、弱音と混交していく。石の比喩は使い古されたものであるが古さを使いこなせている。

11588 : 今夜  イロキセイゴ ('19/11/30 22:52:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191130_066_11588p
(ー)イメージをばらけさせていることは理解できたのですが、情感には近付いていない。遠ざける手法として読者に需要の高いものかどうか。
(ー)ザッピングされていく言葉が、まとまり始めている感触を持った。もう一歩なのだろう。

11555 : 三日月  ネン ('19/11/12 21:26:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191112_817_11555p
(ー)幼い詩のようなものだと感じます。幼さが味なのかとも思うのですが、言葉をお洒落にしようとしてはいないか、それによって損なわれたものはないか、見つめ直してみると更に面白くなると思います。
(ー)小さく、まとまっているが更なる破裂が必要なのではないか。

11577 : (無題)  mmnkt ('19/11/23 12:34:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191123_965_11577p
(ー)題材は大変面白く、読ませる力もあるものです。内容としては数学の∴のような展開で、環境とはどうしようもないものだという感じのものです。何か単純なことを複雑に表している感じは否めません。
(ー)分かりやすい内容が分かりやすい対比で書かれている。言葉の重複が、本当に必要なのかどうかを考え言葉を吟味していくことが必要に思える。

11583 : ナッツ売りの子猫  鶲原ナゴミ ('19/11/27 19:15:18 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191127_034_11583p
(一)童話的というか谷山浩子的なメルヘンを感じる作品。技術的にも書き慣れている感じだが、中盤の改行や文字の散らばりにあまり必然性が感じられない。前後の完成度を考えると逆効果になっていると感じた。
(ー)語りかけ方、展開、フォルム、言葉選び、すべて工夫をしているところがきちんとありますが、これらが融合して心に語り掛ける奇跡が起こっているかというと、何かが詰め込まれていないようです。
(ー)柔らかい言葉と世界観は面白い。中盤で変化を持たせていることも伝わってくる。終盤が、果たしてどうだったのか。小さく、まとめてしまってはいないか。

11584 : 12時  チェンチ ('19/11/28 01:58:17)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191128_039_11584p
(一)「いっつも」と「いつも」の繰り返しは必要だろうか。基本的な表現力は持っているようだが、この詩に関してはイメージが悪い意味で散らばってしまっている。
(ー)テーマは共感を誘いますし、伝えたい気持ちもかんじられます。まだそれを余すところなく表す術がたくさん見つかると思います。

11567 : Contradictory equilibrium  鴉 ('19/11/19 00:00:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191119_899_11567p
(一)イメージを視覚化できそうでできない。しかし読んでいる時はそれに気付かず、完全に視覚化できたと思いながら違和感に悩まされるのが逆に面白い。
(ー)爆発的というわけではありませんが、敢えて感情を抑えてシンプルに纏めた文章が上質な味を出しています。世界観がきちんと表れている上、やり過ぎるでもなくとても良いバランスです。
(ー)分かりやすい表現の中で、中途を埋めていく行間の働きが上手く精神を揺らしていく。作者の作品の中で、変化が現れたことに興味深く読んだ。転機となる作品なのだろうか。

11576 : label  完備 ('19/11/23 08:17:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191123_953_11576p
(一)言葉の選択と構成に無駄がない。特に「近眼」としての視点による印象派に関する記述がユニーク。
(ー)終わり方がとても上手です。魅力の部分を考えて読んでみましたが、残像のような写真が撮れたときにこのような風景が見られるのか、パズルのように謎めいていて、もっとハッキリした部分があっても良いかもしれません。
(ー)上手い。モネと言えば白内障である。霞んでいく世界への深い悲しみと恐怖、そこを受け入れる愛が見える。

11564 : あまりに恥を感じている  霜田明 ('19/11/18 00:24:04 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191118_883_11564p
(一)「強情」という言葉から人と人の繋がりについて考えさせられる作品。語り手の話術に引き込まれる部分がある一方で、初連と最終連の対比はやや新鮮味に欠ける。第3連の明快かつかっこいいスタイルが全編を貫けば、もっと面白くなると思う。
(ー)語られている内容は率直さのあるものです。改行はしてあるものの、場面の変わることは少なく、地続きの文章の繋がりが強いため、改行と、強情さ故に恥じ入っても消えないところの表現の強さ、行き場の無い怒りがそのまま表現になることを更に求めます。

11573 : ミツバ  コテ ('19/11/22 10:36:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191122_946_11573p
(ー)文体と内容のコンビネーションが成立していて読み易く、内省的な語り方も腹を立てて筆を取った理由も含めてきちんと表現されています。言葉の常識から外れた部分も魅力的で、面白い単語やセンテンスが今後の作品にも活きてきそうです。
(一)初連や最終連などは読みごたえがあった。しかし、それを良質なものとするだけの構成が足りていないと思う。中盤のダレを見つめることが大事である。

11562 : 幸福  青リンゴ ('19/11/16 14:20:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191116_860_11562p
(ー)大事なことを言っている部分は確かにあると思います。投げる形の前にこれについて書けるところがもっとあったのではないかと感じました。

11561 : 淡雪の『』  みちなり ('19/11/15 21:32:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191115_850_11561p
(ー)単純なようであっても、熱があり、浅いようで深いところがあります。最後をこれで締めるよりも冒頭に持って来た方がグッと来たかもしれません。
(一)絵本や、お伽話としての面白さがある。読み進めていく時に、だんだんと想像の範囲内であることが分かってしまうため注意が必要だと思った。

11578 : 嫁の絵  イロキセイゴ ('19/11/23 23:53:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191123_968_11578p
(ー)「分からぬまま」という部分に引っ掛かりを感じますが、何か伝わるものがあります。言葉の選択は素敵なので、色濃く伝わる方法を追求していってみて欲しいと思います。

11581 : あざらし  屑張 ('19/11/26 12:59:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191126_011_11581p
(ー)何を表しているのかいまいち掴めなかったのですが、途中に挟まった「あざらしさん」の子どもっぽい文章とのコントラストが決まっていて、大変魅力的でした。
(一)一連目からの綴りが面白く、惹きこまれる。途中からの転調が作為を大きく意識させることが勿体ないと思う。

11572 : 忘失  鷹枕可 ('19/11/21 15:43:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191121_938_11572p
(一)相変わらず個性的なスタイルを維持している。方向性も間違っていない。ただ、作風がある程度固定されてくると粗も目立ってくる。たとえば「空という絨緞」といった、どこかで見たような表現が出てくると採点も厳しくなってしまう。
(ー)テーマも文章もタイトルも統一感があってはっきりとしているため、良いです。しかし淡々とした中に浮き出るはずの情感は殺され気味です。造語化を説明されていることによってイメージがくっきりとして、親切さを感じますし、作品の一部として効果的な印象がありました。
(一)悲しさが充溢しており、作品世界の立方を独特の言語が促していく。分かりやすさへと傾く必要があったのかは疑問が残った。

11569 : 絶景  左部右人 ('19/11/20 00:07:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191120_923_11569p
(一)情景描写が巧みで引き込まれる。その一方で「痙攣する指先」や「明々と照らされた」の繰り返しは逆効果になっていると感じた。「明々と照らされた」でまとめたいのであれば、最後を「照らされているのだろう/明々と」にした方が良かったのではないだろうか。
(ー)しんとした風景描写の中に、小さく灯る生命の温もりが強調され非常に美しくて、人々の孤独感に寄り添い、価値あるものとしてのその孤独感を払拭してくれるものが何なのかを提示してあります。良作だと思います。
(一)「のように」は必要ないくらいの比喩としての文章を書く力があると思った。最後も、もう少し何かあったのではないか。

11558 : 神秘体験  陽向 ('19/11/13 12:10:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_823_11558p
(一)相変わらず宗教の悪い面がモロに出てしまっている。単なる事実の羅列、個人的感想、そして悟ったと錯覚した者特有の独り善がりな自説の展開。最終行の結論も含めて、詩作品として成立していない。詩を書くのに必要な基本的技能をきちんと持っていると思われるのに、もう何年も同じ所で足踏みしているように見える。可能であれば宗教から離れた視点で書いてみてはどうだろうか。
(ー)冒頭良いのですが、幼さが攻撃的思考に悪い方向に作用している感があります。しかし「不機嫌な思考」が体現されているとすれば良いものでもあります。最終の結論がもっと活かされて欲しいと感じました。

11568 : 海潮と紫  陽向 ('19/11/19 20:04:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191119_915_11568p
(ー)この歌の歌詞のような文章は、なかなかに自分の素直な状態を全面に押し出す方向としては、人が恥ずかしいと思ってしないようなことをしてでも思い切り表す方向に働いているとおもいますので、注目致します。

11574 : Paralyzed  アルフ・O ('19/11/22 21:49:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191122_949_11574p
(一)この作者の実績を考えると、今回の「根性焼き」や「地獄行きの切符」といった表現にどうしても首をかしげてしまう。
(ー)言い分というものが十分に発揮されているために中身があり、一定の普遍性の扉をあけるところまで昇華されています。自分に置き換えても感じることの出来る文章でした。
(ー)メタ的な視点が光る。猛毒と達観に徹しようとして作者自身が巻き込まれている作品のあきらめが漂っている。

11551 : 寿限無  まひる ('19/11/11 13:15:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191111_804_11551p
(ー)無気力の中に気力があり、無気力の描写がシンプルにして大変伝わり易いです。冒頭二行の表現力を評価します。

11571 : (無題)  ライ麦 ('19/11/20 15:38:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191120_929_11571p
(ー)スタイルを大切にしすぎて表現が足りなくなっている感じがします。
(一)発想は面白い。それを使いこなせたら非常に良い作品になると思う。

11570 : (無題)  まほと ('19/11/20 15:35:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191120_928_11570p
(ー)おしゃれな言葉の中に、これを響かせるための苦悩がまだ感じられず、それが加わればもっと読まれるものになるのではないかとおもいます。

11559 : Minor�・a  北 ('19/11/13 17:41:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_825_11559p
(一)迷いなく一気に描かれた水墨画のように、強烈なイメージが次々に飛び出してくる。ブラッドベリの「死者の日」にも似た、光と影が鮮やかに交錯する展開は最後まで迷いがなく読む者を飽きさせない。
(ー)三行目から五行目、九行目から十一行目が光っています。十三行目からの三行は、言い方によってもっと切迫するところがあり、十六行目から十九行目でまた光り、二十四行目からの七行で花開きます。省けるところもあるとおもいますが、光るところがたくさん見つけられる文章でもあります。

11565 : 羽  青リンゴ ('19/11/18 17:49:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191118_894_11565p
(ー)良い線を行っているところもあるのですが、最後は感情が飛躍しすぎたでしょうか。 もっと深いところへ落とせそうです。
(ー)分かりやすい言葉が作品を立てていく。最後も面白い。初連からの流れを、更に充足させて欲しい。

11557 : 量子の彼方  st ('19/11/13 06:43:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_820_11557p
(一)量子力学に関する考察を詩に変換する試みは面白く、コメント欄で指摘されているようにビートルズの「ハロー・グッドバイ」を連想させる。作者がこの曲を意識していなかったというのが面白いが、内容的にややシンプルすぎて物足りなさを感じる。最終行の後に、敢えて作者自身の考えを聞きたかった。
(ー)凡庸な言葉はときに物凄い力を発揮するものですが、この場合言わんとしていることが力強い気持ちで紡がれていることが伝わるにもかかわらず、冒頭で、よくある詩なのかと誤解されてしまいそうなところがあって、それが払拭できないまま終わってしまうところが残念です。

11563 : 水底  山人 ('19/11/16 19:59:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191116_865_11563p
(一)言葉というものに対するユニークな考察が面白いが、初連の「浮かんでは漂う」や最終連の終わり方などにそれぞれ違和感がある。もう少し粘り強く練り込んでほしかった。
(ー)綺麗にしすぎたか。海の中のイメージはとても上手です。見えないものたち、発掘されていないものたちへの望みなどもっと強めでも良いと感じました。
(一)分かりやすく、構造も上手い。最終連で凡庸さに留まってしまった感がある。その言葉を出すことは本当に適切なのかどうか考える必要がある。

11552 : a  霜田明 ('19/11/12 01:45:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191112_812_11552p
(一)ユニークな発想による流れるような展開は面白いのだが、「青い魚」に関する描写が童話の「青い鳥」への連想を振り切らせるほどの強度を持っていない。全体的に練り込みが足りないという印象。
(ー)口語が効果的でないかもしれません。調整してみると更に良い文章になるであろうと思います。

11556 : けものみち  宮永 ('19/11/13 04:53:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_819_11556p
(一)発想が面白くて「となりのトトロ」のワンシーンを観ているような楽しさがある。ただ「みっしり」や「楽しく懐かしい」など、表現がありきたりな部分があるのが残念。最後の「あそこにけものみちがあった。」は余韻のある素敵な終わり方。
(一)作品の凝集性が高い。作品構成と言語の引っかかりが過去の作品とも一味ちがい、輝いている。

11541 : 詩の日めくり 二〇一七年五月一日─三十一日  田中宏輔 ('19/11/04 01:16:41 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191104_730_11541p
(一)作者の創作の秘密を垣間見ることができる作品。日記自体が詩として成立していることに驚かされるが、例えば「曲がった真珠の指輪」に「ああ、バロックだな。」という言葉が出てくる作者の教養と詩才ゆえであろう。
(一)甚大な量を、あっという間に読ませてしまう不思議な筆致。言葉と生き方に揺れながら、芯と軸をはっきりと保って、その上での次の日の展開に惹きこまれてしまう。

11554 : 幽霊たち  田中恭平 ('19/11/12 16:23:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191112_814_11554p
(一)アルコールやドラッグの影響を受けているかのような文字列は、作者の深淵にある思考の断片たちを垣間見せてくれる。「ビートニク」という言葉がこの詩を解読するヒントかも知れないし、同時にこの詩を一定のレベルに押さえつけている理由かも知れない。

11560 : 幻  atsuchan69 ('19/11/14 10:45:59 *2)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191114_834_11560p
(一)タイトル、内容共にもう一工夫ほしい。また改行や読点の付け方に必然性が感じられない部分が多い。
(一)合間に汗を引いていくような改行の仕方が面白い。言葉の跳躍を、もっと行っても良いのではないだろうか。

11548 : 玄関で脱いでしまった靴のせいで 足に傷をおう  村田 麻衣子 ('19/11/09 07:15:36 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191109_779_11548p
(一)傷つけ合う日常の、見えない傷と伝わらない痛みを巧みに描き出している。すれ違う心の哀しさが最終連できらきらと結晶化して読む者の心にも痛みに似た美しい【余韻】を残す。
(ー)とても力を感じますし、文章能力の高さも感じます。順番(展開の仕方)的にひっかかるものがありましたが、謎めいた部分や突拍子もない比喩も目を惹きますし、情感にも繋がっています。
(一)中間にあるカレンダーと白昼夢への接近が、作品を引き締めている。血液に込められた生死や歴史、DNAの連続が子どもへの思いも希望だけではないものへ進めている。

11547 : ゴリラ  北 ('19/11/08 17:07:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191108_773_11547p
(ー)怒りの文章というのは魅力があって、途中に出てくる比喩や脈絡なく出てくる言葉が勢いに乗っていはします。ただし大抵言葉を扱うのに長けている方々が怒ればこのくらいには暴走出来てしまう節はありますから、一息入れて底の底の方から湧き上がるようにと望みます。
(ー)言葉の流れが面白さを孕んでいる。ここから始まる起点に思える。

11534 : あっ  監獄 ('19/11/01 12:35:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_694_11534p
(一)書かれた時期と内容的にニコ生中に富士山で滑落死した件をテーマにしているものと思われるが、最初の「あっ 滑る 雲海へ chill あっ」以降は映像をそのまま言語化したレベルで終わってしまっている。
(ー)発想と語りのバランスが面白いです。タイトルと一行目はもっと目を惹く書き方ができると思います。それから、とてつもなく高いところから落下している描写から、実際には滑っただけで命の危機に面しているという描写への切り替えのときにスケールが縮小されたかのような印象が斬新です。少しコミカルな空気もあります。

11544 : 季、順にうつるから。  HN ('19/11/05 06:49:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191105_739_11544p
(一)雪、花、海といった季節の表現と跳躍が新鮮な驚きをもたらしている。人によって狂っていく環境とその末路を描いているようにも解釈できるが、どのように受け取っても作品の鮮やかさが褪せることはないだろう。最後のまとめ方も上手い。
(ー)五連は句読点で区切らない勢いを取って変化があっても良かったかとおもうくらい勢いがあります。全体的に美しくシンプルにまとめられていて、優しさの部分を匂わせる筆致に特徴があります。存在の消え入る誰か一人の意識や心情が、受け入れるだけでなく顕であるところが魅力です。
(ー)柔らかな分かりやすい言葉で脱臼を行うことに成功している類まれなる作品に思える。不可思議なタイトルと、昇華されていく感性が光る。

11550 : 星  黒羽 黎斗 ('19/11/09 18:17:22)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191109_785_11550p
(一)ひとつひとつの言葉がとても力強く若さに満ちている。ただ、それぞれの連のつながりが甘くて全体のバランスを崩している印象がある。もう少し結合部を強化して物語として完成させてほしい。
(一)熱量が伝わってくる作品だ。初連が一番、良く熱も漲っているため他の連も引き上げる必要がある。連毎の行数なども考えながら推敲していくと、もっと良い作品になる。

11549 : 或る虜囚に捕われた獄舎  鷹枕可 ('19/11/09 16:07:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191109_784_11549p
(一)アウシュビッツや総統地下壕を連想させるイメージから、格調高い文体はさらに深い領域へと読者を誘っていく。「永遠」という言葉が決して陳腐になることのない最終連の素晴らしさは特筆に値する。
(一)硬質な単語選択が自己の世界と詩への構築を見事なまでに編み出していく。眩い。

11532 : ロー、ローラ、ロリータ!  田中宏輔 ('19/11/01 00:34:47 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_684_11532p
(一)ルイス・キャロルのアリスとウラジーミル・ナボコフのロリータをモチーフに、新しい物語を紡ぎ出している。際どい内容でありながら文学的な品格を失わないのは、間違いなく作者の技量によるものである。物語部分の展開にはそれほど驚きがないが、作品全体としては語り手のエゴと少女の虚実両方に潜む魅力を上手く描き出している。
(一)「アリス」と「ロリータ」から何倍もの世界観を構築した。その手腕が、先ずは見事である。綴られていく豊穣でありながら、怖ろしさが立ち上がる作品。

11533 : mother of all scale  アンダンテ ('19/11/01 01:54:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_685_11533p
(ー)興味を惹かれる構成であり、読みごたえもある。あと一歩が足りない。
(一)言語の強度が光る。脱臼させながらの硬質な瞬きが、とても心地よい。

11546 : 善い人  いまり ('19/11/08 07:29:59)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191108_763_11546p
(一)それぞれの連のイメージ自体が弱く、全体的に見てもバラバラな印象を受ける。このスタイルで書くのであれば、もっと言葉を研ぎ澄ませる工夫が必要だと思う。
(ー)短い言葉で大切な核心を突く力があります。見た目もよく、言葉も面白く、意味や空気感を持たせることに成功しています。
(ー)分かりやすさが、ギリギリのラインで良質な詩情へと広がっていく。小品が、それぞれ高め合っている。ひょっとしたら傑作なのかもしれない。

11545 : i am you  白犬 ('19/11/06 03:08:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191106_750_11545p
(一)作者の成長が感じられる作品。最初から最後まで筆に迷いがなく、作者が伝えたいイメージを的確に文字へ変換している。愛や存在というものについて、美しく切ない言葉を結晶のように紡ぎ出している。「悲しかった が少し 消えて 幸せ って 思う」というフレーズだけでも、この詩の魅力が伝わってくる。
(ー)フィクションでも現実でもないような、自らの頭の中の誰かに向かって言葉を連ねているような、どこか実体の無さが寂しく、貴方というものに実体を持たせる形式を探ってみて欲しい。そうすれば単語の力に生々しさの部分を頼らずに激しく大きな愛が体現されるテキストになってくるのではないかと期待しています。
(ー)言葉が細断化されています。その上での物語の煌めきが皮膚感を伴い、発されていきます。

11536 : せっくす  ネン ('19/11/01 22:01:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_701_11536p
(一)初連はとても良いのだが、その後にどんどん失速していくのが惜しい。

11537 : ダウンロード・スクリプト  st ('19/11/02 11:09:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191102_709_11537p 
(一)アイデアは面白いのだが、詩作品として考えると文章部分が弱いと感じた。
(一)インパクトはある。一連目や最終連などは空白も含めて、もっと整えて差異を出して良いと思った。

11538 : 星の楽譜  紅茶猫 ('19/11/02 12:47:39 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191102_712_11538p
(一)それぞれの連のイメージは良いのだが、全体的に見るとまとまりに欠けて魅力が半減してしまうのが残念。難解な中にも作品を貫く芯が必要ではないだろうか。

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●「2019年9月分選考雑感」(Staff)

2019-11-16 (土) 01:58 by 文学極道スタッフ

11478 : 公園  イロキセイゴ ('19/09/30 23:15:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190930_279_11478p
(一)跳躍が面白くある。イマージュの連想が一つの芯を持つと、詩的幅を持つと思う。
(一)出だしからしばらくとても良いと思うのですが、途中から文章になりすぎている部分がパンチを弱めてしまったのか。完全に意味不明にするというのではなく、含蓄があって尚且つ筆者の使う独特な言葉の選び方とバランスが取れていると良いと思います。

11471 : 清水のあるところ  山人 ('19/09/28 05:55:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190928_226_11471p
(一)フキの葉を器に清水を飲むシーンなど、描写が実に巧みで温度や匂いや味がそのまま伝わってくる。優れた散文詩だが、最後に物足りなさを感じた。
(一)重厚感があり、生活の泥くさい部分を美しさへ焦点化していく。最後の収まりを意識し過ぎた部分が、急に思える。
(一)描写が泥臭さがあり、とても上手い。初連と最終連の差は、作者も気付いていると思うが再考が必要だと思う。

11474 : 期待  右左 ('19/09/30 08:18:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190930_252_11474p
(一)二行詩の部位は、非常に面白い。タイトルが凡庸になっている。
(一)これが同じテーマもしくは世界観の連作の一部などであればまた意味合いが異なって来るとおもいますが、この作品だけの場合は断片的であるため、物足りなさがあります。

11477 : フレア  まひる ('19/09/30 21:09:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190930_270_11477p
(一)言葉選びが、まだまだ甘く感じる。研ぎ澄まされた感性はあるので勿体ない。
(一)瑞々しさがある。ここから、どのように作品が展開していくか気になる。
(一)感情的になった部分が先に来て、ここが目立つ部分でもありますが、詩を稚拙な印象にしてしまっている箇所でもあります。正直な心情の吐露は胸を打つところもありますので、導入や感情の言葉がどうにかできないかと悩みます。

11476 : 最後の最期  曇天十也 ('19/09/30 21:05:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190930_268_11476p
(一)最終連など良いところが多いのだが、「ナイフ」や「呪い」といった言葉選びの平凡さが惜しい。
(一)説明的な部位が続くことが残念に思えた。ただし最後の連が惹きつけられる。
(一)良いフレーズもあり、もっと良くできそうなフレーズもあります。無意識か、意識的にか、文章を整えようとした箇所があり、ここのところで情感が損なわれてしまっている可能性があります。

11470 : 私たちの小さな戦争  左部右人 ('19/09/28 02:48:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190928_224_11470p
(一)最初から最後まで一気に読まされた。技巧的にも非の打ち所がない。詩を書くこと、生きるということ、そして両者の関わりなどについて考えさせられた。
(一)隠喩的な作品である。この文章の動きが、もっと躍動的であったり比喩を飛ばしていっても良いと思いました。
(一)工夫が、随所に見られる。読ませる工夫と、そこからの綴りが上手い。連毎、工夫以外の言葉の綴りに意識を集中させていくと面白さは増すと思う。
(一)情熱的であり、人についても語れており、語りたい気持ちが溢れる筆致を評価いたします。

11475 : 白い棟の群れで  鈴木歯車 ('19/09/30 11:00:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190930_256_11475p
(一)読んでいると言葉の美しさが心に染みてくるのを感じる。透明感のある視覚的イメージが迫ってくる。詩という物の力と可能性を証明している傑作。
(一)文章の構成に視覚的な美しさもあり、後半へと繋がっていく感覚が圧巻である。第一連を、より強度の高い言葉から始めると傑作になるかもしれない。
(一)言語の揺蕩う結晶化が美として作用している。改行や空白の部位にセンスが光る。

11453 : 終活  ネン ('19/09/14 20:17:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190914_080_11453p
(一)タイトルと内容がマッチしており色々と考えさせられる作品。ただ最終連が弱い。
(一)言葉の平易さが、音を整えていくが詩的抒情を少なくしている。一語で良いので硬質な言葉があるとアクセントが付くのではないか。「終活」という言葉は面白いと思う。

11468 : mother of all scale  アンダンテ ('19/09/27 15:29:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190927_191_11468p
(一)短詩の中では一際、目を引く作品である。小さな裏切りが、たくさんある。

11463 : 列車  たこ吉(たこ) ('19/09/20 01:30:50 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190920_134_11463p
(一)語彙の少なさと平易さが、そのまま詩の少なさに繋がっているため注意する必要がある。
(一)時刻表のような書き方をしている部分がとても印象的でイマジネーションに火をつけます。ここをもっと活用すると他の部分の詩として書かれた言葉よりも人を刺激する存在感が出るのではないかと感じる着想でした。

11473 : うそ  よんじゅう ('19/09/28 22:43:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190928_242_11473p
(一)詩作品そして一定のレベルはクリアしていると感じる。ただ最終連の繰り返しなど技巧的な部分をもう少し工夫してほしい。
(一)初連が一番、良いと思う。そのため全体を押し上げている。タイトルは、このままで良いのだろうか。
(一)上手さを感じる。センスもある。タイトルや最終行など何故わざとのように、低い場所へと進んでいるのかが謎である。
(一)元来文章を書くことが上手な方であると思います。意味がわからなくても読ませる力があります。内容をもっと濃くして良かったのでは無いかと思います。

11455 : 星と傘  まひる ('19/09/16 04:37:45 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190916_095_11455p
(一)萩尾望都の「フレア・スター・ペティコート」を連想する内容で期待したのだが、彼女の言葉が予想の範囲内だったのが残念。それ以外の詩的イメージは実に良い。
(一)中盤の飛躍の在り方が、面白い。収集がついていない部分が面白いので、これからどうなるのか気になる。
(一)海外の文学を感じるような文体は良いですが、共感を呼び起こすほどかというとそうでもありません。話の場面の設定と、セリフが表していることの調和が取れているともっと引き込めたのでは無いかと思います。

11469 : Fanfare stomps and landslides will occur  アルフ・O ('19/09/27 22:41:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190927_203_11469p
(一)英語と日本語の部分が途中から乖離していくのが面白い。ただ詩としては物足りなさを感じる。
(一)多言語で作成していくことによって高め合っているかどうか判断が非常に難しい。日本語部位は、平易で足りないように思えた。
(一)英語の部分が効果的であるかないか判断がつきませんが、味付けとして有用な部分もあるのかな、と選考しながらも迷いがありました。日本語だけであっても海外のロックバンドの歌詞カードを読んだ時のような雰囲気があり、ブラックな雰囲気はもっとウィットの富んだものになるととても良いのでは無いかと思います。

11458 : Blue moment  鴉 ('19/09/17 16:03:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190917_105_11458p
(一)イメージの飛躍が豪快で読んでいて楽しくなる。こういう手法はパーツ選びを間違えると悲惨なことになるが、この作品に関してはまったく危なげがなかった。
(一)一連目から抜群に上手い。技巧へと丁寧に乗りながら、自分自身の単語現出を探究していっている。
(一)一連目好きでした。進むにつれて別物なのかと感じるようになってきました。全体的な文字の並びはおしゃれに整っていて、元々の文章の成立させ方も個性的です。

11454 : 目の前に、僕と私  黒羽 黎斗 ('19/09/14 21:47:03)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190914_083_11454p
(一)もう少し削れる部分があるのではないだろうか。最終連が良いだけにそこへ至る道筋を整理してほしかった。
(一)初連の熱が、突き放している部分もあり最後まで読み手を引っ張っていく。最後の二行は、もっと質量ともに上へ行けそうである。
(一)言葉の選び方が非常に丁寧で組み合わせももう基本的に通常よりも上手くできる方であると思います。読み手への開示と対峙の方向性を模索して工夫するとまたかなり上達されるのでは無いかという予感がします。

11465 : 観覧車&メリーゴーラウンド  白犬 ('19/09/23 00:43:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190923_156_11465p
(一)正直、読む人を選ぶ作品だと思う。犬とか凛として時雨とかが好きな人には、たまらない世界だろう。混沌と猥雑さの中に光る美学を感じる。
(一)インパクトのある綴りが、断絶している分節と結合していこうとする力の中で独自の世界を獲得していく。
(一)最初のインパクトが最後まで意識を続けさせていく。細断された言語の在り方が印象的。その上で、もっと先へと行ける可能性を秘めていると思う。
(一)頑張って残酷にしたところに引っ掛かりがあります。言葉のバランスと響きとリズムが表現をしたいことと合致していて素敵です。何を表しているのかわからずとも味わいの出せる箇所というのが見当たります。ここが行ければ元々印象の強い作品であるため、もっと読みがいのあるものにできると思います。

11464 : ひかりのこ  鈴木歯車 ('19/09/20 10:53:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190920_136_11464p
(一)「横断歩道をきちんと渡って 戦争に行ったっきりの」という部分に作者の才能を感じる。ただ最終連が弱い。特に「生まれ変わって」の次に「しらむ空にむかって」という繋ぎ方はリズムを崩してしまっていると思う。
(一)上手く現代性を示唆しながら編まれている。最後の文章、終わりを意識しすぎていて広がりが足りない。
(一)テーマが名もなき人が命を落としたときに名前ではなく数字として計上されてしまうところに世間の冷たさを感じるというものになっています。一連で惹きつける力がもっとあると思います。削いだり入れ替えるところを作って磨くなど、発見の仕方が大変良いと思いますので、磨けると思います。

11457 : 九月三日に  朝顔 ('19/09/16 18:36:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190916_098_11457p
(一)凝集されている情報が、作品として形となっている。更なる一歩を踏み出せそう。

11467 : 処女懐胎  鷹枕可 ('19/09/23 03:13:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190923_161_11467p
(一)このスタイルで書き続けるだけでかなりの技量を必要とするだろう。作者独自の世界はこの作品でも健在で、重厚かつ美的センス溢れる物語を構築している。
(一)漢字の凝集した作品であり、作者独自の世界観を存分に発揮している。最後まで、集中力を続けさせていく技術が兼ね備えられている。
(一)世界の中にある凝集性を打ち出していく在り方は、情感を沸騰させていく。唯一とも言える独自の在り方と追求に目を奪われる。
(一)社会的メッセージをせずにそれを感じさせるということは適わないものかと考えていました。無理に熟語に置き換えて短くしている大切なイメージなどは無いか、そのあたりを端的に心や感覚で読み解くことが難しい内容です。

11461 : 夏のはらわた  山人 ('19/09/17 23:00:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190917_113_11461p
(一)連毎の良さと、一つの作品としての良さが一致していない。
(一)二連目素敵です。全体的には露骨であったり、不自然さを感じる箇所もあります。そういった部分の出て来る箇所が違うと驚きの違いがあったりもするのかもしれません。

11462 : 雲上館 遺された殴り書き  帆場蔵人 ('19/09/18 02:38:07)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190918_118_11462p
(一)クローズド・ミステリーの要素を盛り込んだユニークな作品。連毎の面白みに欠けていることが勿体なく思える。
(一)タイトルが面白いです。内容は閉じこもって閉鎖的になること=外部を締め出してしまうことの恐ろしさが書かれていると思うのですが、ここに記されていることの背後にあるひっそりとした怒りのようなものを、もっと如実に出来ないか、考えさせられます。

11456 : 湖畔にて  いまり ('19/09/16 09:16:33)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190916_097_11456p
(一)最後の二連は、必要だったのであろうか。そこが無ければ良質であり、作品として高い位置にあったのではないか。
(一)カラーがはっきりしているため、好みの方もいらっしゃるかもしれません。言葉によるキャラクター設定がはっきりしているためか、生身の部分が感じられにくい言葉の綴りになっていて、自然さの逆を行っています。

11460 : 実況Take5  ゆうみ ('19/09/17 21:30:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190917_110_11460p
(一)面白い跳ねていく言葉の中であるが、連の摩擦が起こっていないように思える。
(一)よくある様子を再現してあるかも知れませんが、目の付け所と、言葉に普段するほどでも無いと人が思いがちなところを砕けた表現で伝えてあり、コミカルでもあり、何を言っているかわからないような大切なことを言っているような面白さがあります。

11426 : さびしさに  水漏綾 ('19/09/02 00:54:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190902_839_11426p
(一)哀愁が漂っている。詩に関して、甘さが今回は目立った。
(一)出だしの掴み方の部分ですが、受容的よりも自分印象で言葉が始まって良かったかも知れません。全体的に上手で不自然さを感じる箇所もなく、最終は言い得ている感もありますので、もっと凝らして引き寄せられる作品だと思います。

11435 : あなたの水の眼  ゴロキ ('19/09/03 19:42:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_867_11435p
(一)薄めていった文体の淡さが光っている。適度な濁点が、あった方が映えるのかもしれない。
(一)何故か集中していないか、文章に出てくる単語には統一感があるにもかかわらず、言葉の激しさ程には心臓に食い込んで来るまでには行かない苦しさを感じます。

11445 : 散乱  曇天十也 ('19/09/07 07:31:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190907_951_11445p
(一)この作品は、もっと量的な部位を考えていった方が面白みを増したと思う。面白いだけに少なさと詩情の足りなさが直結していることが、やはり勿体ない。
(一)すごく惜しいところで外しているのではないか。真っ直ぐに行ってよかった部分とひねって良かった部分が微妙に食い違っていてもどかしいような気がします。

11446 : 負の光輪。  田中宏輔 ('19/09/09 00:01:55 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190909_971_11446p
(一)この作品は20年以上前にSF小説として発表されたものらしい。従ってこれを詩作品とすべきかどうか個人的には疑問である。ただ文学作品としての完成度が高く、主人公の罪悪感とそこからの解放は「エクソシスト」を読み終えた時の感動を思い出させた。
(一)圧巻である。引用部位も含めて作品の輝きが、これほどまでに放たれる在り方に芸術が持つ未来の光を見た。

11452 : ベール  霜田明 ('19/09/13 21:00:22 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190913_069_11452p
(一)三連目の良質さが、さらなるものを求めてしまう。前2連での重量が、もっと高められそうだ。
(一)「ひとが身体に結び付けられてしまう」様子が言葉になって出てこないかという試みを繰り返し、実践して下さったならば、それは本当に面白くいものになるであろうと期待しています。

11434 : 激しい雨がふる 他二編  田中恭平 ('19/09/03 18:13:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_865_11434p
(一)終わりにかけて、どんどんと良くなり情感が溢れていく。最初の連から、最初の作品から言葉と人間を打ち出せていたら作中での高まりは違ったものとなっていたのではないか。
(一)言葉は平易で読みやすいのですがインパクトとしては弱くなっているようです。これは意味の広い言葉が多い所為でぼやけた部分があるのではないかと思います。

11449 : (無題)  gokigenhonpo ('19/09/10 02:36:47)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190910_003_11449p
(一)概念が舞っている。
(一)寧ろこの空白よりも、お経のように仕上げてしまった方が、読み物としては面白かったかもしれません。覚悟のようなものを感じられますので、それをエネルギッシュに、エネルギー自体が行から滲み出るようにまだ出来るのでは無いか。

11447 : 過ぎ去りし夏の夜 「琵琶湖疎水趨勢詩會」  北 ('19/09/09 19:46:08 *26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190909_987_11447p
(一)Wikipediaのハイパーリンクが、作品に馴染んでいるのかどうか判断が難しい。作品の中で、前半の部位が高い位置にあるため、そこを回収していく詩情を後半に綴り上げていくと傑作になるのかもしれない。
(一)難しいものが好きな人は言葉だけでも喜びそうな作品ですが、読み込むことが出来ず、掴み所を逃しました。解説の部分は力の入っていない感じで好ましく読めました。

11451 : バルバラと二つの窓  鷹枕可 ('19/09/10 22:17:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190910_018_11451p
(一)二連目に入るまでの流れや、二連目の内実から一気にトーンダウンしてしまったと思う。

11450 : 君と揺れていたい  いまり ('19/09/10 18:52:25)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190910_011_11450p
(一)緩やかな言葉で、綴られている恋愛の言葉。集中して掘り下げた部位が、文字だけの中にあるとテキストとして立ってくると思う。
(一)あともう少し、気持ちや描写を掘り下げてみると頷く人も多い作品になると感じます。

11440 : This Is My Truth.zip  アルフ・O ('19/09/04 22:26:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190904_902_11440p
(一)怨念に満ちている言葉が強く響いている。タイトルとの相性も良い。
(一)現実に発すると喧嘩になってしまうような台詞ですが、詩として書くことによって誰かに言っているのではなく表現として捉えてもらえるという塩梅を心得た上で書かれているのではないかと感じます。良いところに着目していると思いました。

11448 : シャングリラから出た復活の勅令  海日秋斗 ('19/09/09 20:36:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190909_988_11448p
(一)破砕していく断片化された言葉が、不可思議な重力を持つ。
(一)「人は本当にわかってるときしかわかることはできないこともわかる」ということをわかっている人も意外にいることもわかる。と言いたくなるくらいにここのインパクトは強いです。全体がこのくらいに的を得てなおかつややこしければ、人に見せる意義も生まれそうです。

11430 : 僕らはみんな(僕だけ)(誰も)  蒼井椛 ('19/09/02 22:17:32 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190902_846_11430p
(一)続いていく思考と過渡期のものが綴りとして、きちんと現出している。ここからという感覚もある。書き続けて欲しい。
(一)逆説の繰り返しが理論武装と人に攻め入らせない体制を整えようとする熱につながっており、正しいも誤りも好き嫌いも除いて考えれば人の取りがちな一つの姿勢としてよく表れていると思います。

11442 : でたらめ  よんじゅう ('19/09/05 21:00:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190905_926_11442p
(一)音が綺麗に流れている。言葉の跳躍が面白いので、タイトルの「でたらめ」が削いでいると思う。
(一)良いフレーズはあるのですが、情感の勢いの良さにつながっているかというとそこまでは繋がっていないため、この作品はもっと勢いあって良かったのでは無いかと感じます。

11443 : あの夜  いけだうし。 ('19/09/05 22:58:04 *2)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190905_930_11443p
(一)言葉への真摯な姿勢が見えている。非常に真っ直ぐである。ここから表現へと、どのように消化していけるか楽しみに思う。
(一)「つまり、なりふりかまったのだ。」という一文が非常に良いため、このくらいの開示的なものが連続すると凄いことになるのでは無いかという予感がします。最後の一文も率直で良いです。

11428 : 不実の詩  霜田明 ('19/09/02 08:39:38 *11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190902_842_11428p
(一)詩の中で詩を語ることは、本当に難しいことだと改めて思わさせられる作品である。「不実」に込められている情感を、真っ直ぐ出しているために困難な作品となっているのではないか。
(一)理論になってしまってはいますが、非常に人の態度というものを真面目に観察して、鋭い目線を持っていると思います。文章で自身をもっとぶっちゃけてしまうとその鋭さが財産になってくるのでは無いか。

11437 : 夜の夢  atsuchan69 ('19/09/03 22:22:02)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_871_11437p
(一)懐かしい童話を読んでいるような気持ちになる作品。ただ構成からある程度のオチが見えてしまう。読み手の予想を覆す意外性を獲得できていないと感じた。
(一)生死を叩いていく構成が、効きすぎているように感じる。
(一)表現の重複がときに面白いですが、印象があまりに重複して読み手を退屈させる危険も孕んでおり、効果的でない部分もあります。リアリティのある文章がこの中に組み込まれているとぐんと面白いのでは無いでしょうか。

11444 : 背広の男  ネン ('19/09/06 22:21:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190906_947_11444p
(一)悲しさや怒りが、きちんと書けているが習作に留まっているように思える。
(一)もっとイメージを強烈に打ち出して行くことで昇華できる言葉がたくさん含まれた文章だと思います。

11441 : スペアタイヤ  南雲 安晴 ('19/09/05 19:47:54 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190905_921_11441p
(一)スペアタイヤがメインからスペアになった経緯を寓話形式で読ませるのが面白い。途中で息切れしそうな部分もあるが、まとめの上手さとアイデアを評価したい。
(一)寓意に富んでいて分かりやすい。もう少し、複雑化していても読者はついて来れると思った。
(一)冗長になっている部分もありはしますが、三連目まで光る描写がきちんと入っていたために、語りの部分に入っても読むことができました。内容も客観的に人を頷かせるものがありました。

11432 : 母参道  北 ('19/09/03 03:55:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_854_11432p
(一)物心つく前に自分を捨て、今は生きているのかもわからない母親に対する語り手の複雑な思いと、祈りにも似た諦念が心を打つ。おそらくは「参道」と「産道」をかけているのであろうが、生と死の交差する道は人生の道そのものでもあると感じた。
(一)捨てられてしまったことや自身の体にある記憶を、ひとつひとつ単語選びを丁寧に行い情感を昇華させていく作品として作り上げている。感慨を持って差し出された作品の大きさが、広がりを持って羽ばたいていく。非常に心に残った作品。
(一)お母さんは産んでも産まなくてもお母さんという感じがすればそれはお母さんなのだというような、母性そのものをお母さんと呼ぶために、言葉を尽くされているような捉え方をすると非常に面白い作品であると思います。

11424 : 2019年8月6日、朝。  田中宏輔 ('19/09/02 00:01:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190902_836_11424p
(一)「小鳥たち」という単語だけでも何気なく空気感があり、これだけでも力があることは判りますが、足りているかといえば足りない気持ちがあります。

11439 : 立秋  朝顔 ('19/09/04 08:05:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190904_883_11439p
(一)秋の日常をシンプルな言葉で描いた佳作。洗濯物を畳むように心の中へしまい込まれていく想い出たち。ベテランの力量を感じるが、タイトルと「鱗雲」はどちらかを違う表現にしてほしかった。
(一)写生が為されており、心情の挟み込みと余韻が風雅である。
(一)動作の説明部分から情感をなくし、洋服などではなくて「想い出」という単語を急に出すことで非常に人の心を動かす効果がある書き方をされていると思います。初めからの描写の部分でこの急な言葉の変化の部分まで付き合ってくれる方がいるかというところで、描写を現時点より魅力的にすることは可能であると思います。

11433 : 悲しみの花  コテ ('19/09/03 11:45:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_861_11433p
(一)最後が、上手い。初連が読みにくさがあるため再考が必要に思える。作者の成長速度が速いということを感じる作品であった。
(一)もう一つ深く踏み込んだところでこの熱がもっと届きやすくなると思います。難しく語ることで熱だけが残ってしまっている印象です。

11429 : 夏の角  帆場蔵人 ('19/09/02 22:08:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190902_845_11429p
(一)比喩と単語選びが、もう一歩のところがあると思う。描きたいことは、きっちりと描けている。

11438 : ピノキオ  gokigenhonpo ('19/09/04 04:43:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190904_875_11438p
(一)一行空けが、果たして効果的であるのかどうかを見極めていく必要があると思う。
(一)結論に深みもあってとても良いところに向かっていると思います。三連目からの勢いが良いですが出だしが弱めなのでこのあたりのアプローチについて考えてみるとより伝わってくるものがあるのかなと思います。

11436 : I love you  鴉 ('19/09/03 19:55:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_868_11436p
(一)シュールな絵画を見るような不思議さの中に引き込まれる。短いながら良くまとまっており、最終連の終わり方も見事。
(一)技法に忠実であった在り方から、情感を放出させる在り方へと膨らませていっている。作者の突き放しながら芸術を探究していく信念に惹きつけられる。だからこそ作品も輝いている。
(一)ダリの絵のような空間が言葉によって演出できており、フォルムも素敵です。

11425 : 安らぎの十字架  海日秋斗 ('19/09/02 00:25:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190902_837_11425p
(一)導入の分かりやすさから、細切れな思考の断片へと繋がっていく不可思議な作品である。
長さなどは適切であるか考えても良いかもしれない。

11431 : mother of all scale  アンダンテ ('19/09/03 03:25:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190903_853_11431p
(一)短詩の中でも異彩な魅力がある。無駄が一切ない。
(一)フォルムが美しく、分かりやすい導入から新しい構築世界へと連れて行くことに成功している。何篇か書いていく中で、形態を極めそうな予感に満ちている。
(一)こうすると、どうしても音楽のことが頭に浮かんでしまい、越えられない何かがそこにあるような気持ちがしてきますが、越えられないことはない、まずそのアイデアを試そうとする姿勢が大切なのだとも感じました。

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●「2019年8月分月間選考雑感(Staff)」

2019-10-24 (木) 23:56 by 文学極道スタッフ

11419 : a boy  白犬 ('19/08/30 00:24:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190830_795_11419p
(一)空白が、もっと効果を考えながら構成することも出来たと思う。先月は、空白との構成で高め合っている作品となっていた。そこにヒントがあるような気がする。
(一)少年の描写から宇宙的なイメージの広がりを見せる展開はスピード感に溢れ、最後まで一気に読まされる。表現方法に豊かさがあり作者の成長を感じる。

11422 : 赤い口紅  コテ ('19/08/31 09:01:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190831_818_11422p
(一)音が、とても良い作品である。視覚的にも整っており作者の作品としては、今までで一番よいと思った。

11414 : 沈黙  曇天十也 ('19/08/26 06:45:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190826_742_11414p
(一)言語の選択が、あと一歩だと思う。オノマトペは面白い。

11377 : メドの赤い屋根の家  atsuchan69 ('19/08/07 06:52:59)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190807_496_11377p
(一)よく出来ている作品だと思う。作風が表層的にも見える。

11398 : Tag, You're It  アルフ・O ('19/08/17 00:12:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190817_615_11398p
(一)粘着質に捕らわれていく悪意の充満を、作品の中で発信していく。詩情を得ていく屈折が美しく苦しい。
(一)相変わらず挑戦的かつ挑発的な作風。ネット時代の代表的な詩風であり、そのまま紙媒体でも通用する技量を感じる。ラストは肉体へ作用してくるような錯覚に陥る。

11403 : 目さえない青  いけだうし。 ('19/08/20 23:19:45 *18)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190820_665_11403p
(一)思春期からの性到達の混濁が上手く描かれてはいる。けれども粗いままであり、その先の感覚を詩として掴む種のままであるように思えた。
(一)作者が述べているように歌詞としての構造を持った詩。「文学擬人化シリーズ」のひとつだが、これまでの作品と比べるとインパクトに欠ける気がする。歌詞としてなら文句ないのだが。

11418 : 分断  霜田明 ('19/08/29 18:30:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190829_786_11418p
(一)後半にかけて、どんどんと良質な作品になっていく。前半が説明的であることが気にかかる。

11421 : 編み物  鈴木歯車 ('19/08/30 02:12:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190830_802_11421p
(一)軽さもあるけれども読みごたえがある。散文とは違う詩文の良さを、いかんなく発揮している作品である。
(一)読み進めるほどに狂気が深まっていくのを感じるのだが、狂っているのは編み物の人なのか語り手なのか。単純明快なようでいて、読み終えるとその判断がつきにくいことに気付く。読むものを不安にさせる点で優れていると感じた。

11420 : 兄さん兄さん  イロキセイゴ ('19/08/30 00:55:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190830_796_11420p
(一)言葉の流れが跳躍を持ってはいるけれども、不鮮明さが前に立っている。

11370 : サンダーソニア  ネン ('19/08/05 21:55:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190805_473_11370p
(一)死と救済、深めていく言語選択が更に可能だったように思える。

11411 : 綺麗な花  蒼井椛 ('19/08/26 00:42:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190826_737_11411p
(一)余白があることは、分かる。自由律俳句などの一行の詩情を更に読んだりすると、一行への感覚が捉え直されていくかもしれない。

11415 : 褐色のおんなのこ  田中恭平 ('19/08/26 11:44:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190826_745_11415p
(一)圧が強い作品である。その上で編み込んでいく丁寧さを持ったら、更に上質さを増すと思う。素材と組み立て方は上手い。

11412 : 野紺菊  山人 ('19/08/26 06:26:11 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190826_740_11412p
(一)優良か次点かに迷った。優れている描写と内面との紡ぎ上げで成立させている作品。最後の言葉が残る。書き込まれた作品よりも、改行が作者には活きるのかもしれないと思わさせられレた。しかし三連目が、もっと充実していたら、ということも感じた。

11409 : てんごく  水漏綾 ('19/08/24 19:27:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190824_717_11409p
(一)上質な綴りではあるが、展開が単調に思える。「てんごく」という平仮名が、もっと効果的に作用できる詩に思える。
(一)全体的には安定感があり作者の技量の高さが伺えるのだが、ホームレスの連だけが少し安易だと感じた。

11413 : 死と乙女  st ('19/08/26 06:39:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190826_741_11413p
(一)言葉と空白が上手く作用していくために、もう一歩の更なる客観視が必要なのではないだろうか。

11408 : 日記の詩  霜田明 ('19/08/24 17:03:27 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190824_715_11408p
(一)日記と詩との対象化をしていくことで、客観的に心を見つめ直している。作品が更に後半で立方させることが出来そう。

11407 : 時をあやつる女神  st ('19/08/23 03:49:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190823_697_11407p
(一)空白が、ひょっとすると詩情を削いでいるかもしれない。再考の余地があると思う。

11400 : 雨  水漏綾 ('19/08/17 19:30:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190817_623_11400p
(一)美術室という舞台設定、石鹸のにおい、降り続ける雨といった設定は良いのだが、描写のもたつきが見受けられる。後半が顕著だが、基本的な筆力があるのに一部の表現が物足りない。

11388 : 雨降り  宮永 ('19/08/10 20:36:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190810_541_11388p
(一)平凡な文章に擬態している不思議な効果を、持った作品。最後の連で技巧に気付かさせられて驚く。
(一)作者は創作時に観ていないと言っていたが、「天気の子」を連想させる内容。これからもずっと雨が降り続けるような、今の時代を象徴しているかのように感じられる作品。一種のSFのように、この詩の世界でも雨は降り続けて新しい姿へ変化していくのだろうか。最終連におけるおばあちゃんの言葉はユーモラスであるが、どこか啓示的でもある。

11405 : absolute darkness  海日秋斗 ('19/08/21 20:41:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190821_678_11405p
(一)「ごめんけど」で始まる詩作品というのは新しく面白い。行替えの位置や空白を丹念に意識すると、もっと上質さが湧いたと思う。

11392 : 草原で  右左 ('19/08/13 18:25:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190813_575_11392p
(一)希死念慮と対応させていく描写が、艶めかしく神秘的である。希死念慮を言葉として出さなくても良かったのかもしれない。
(一)子ども時代に昼寝から目覚めて、いきなり自分と世界を再認識するということがあります。この詩もそんな体験を描いたものだと思います。内容的に共感できますが、「突然!」がちょっと唐突に感じました。

11374 : ひまわり  たこ吉(たこ) ('19/08/06 21:27:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190806_490_11374p
(一)一行ということの意味を考えた。鮮烈な詩行を改行で描くことと、一行で描くことでは明らかに一行で成すことの方が難しい。敢えて一行を選んだことから、効果が生まれるはずである。言葉の選択を、もう少し前へと進ませられたのではないかと感じる。

11401 : 貝殻の秘愛  ゴロキ ('19/08/19 01:08:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190819_647_11401p
(一)文章は非常に上手い。純愛と貝殻のイメージが、過去の詩芸術を乗り越えて行けるかどうか、どの方向で成し遂げられるか再考と推敲をしてみても良いのかもしれない。
(一)男女の愛を下品になることなく描いている。表現方法自体は巧みだが単語レベルでやや新鮮みに欠ける。

11399 : 夏の記し(三編)  帆場蔵人 ('19/08/17 03:51:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190817_617_11399p
(一)音が非常に高い位置で進み、視覚的な展開と観念とが交差していく。最後の一文まで楽しめる切なさを孕んだ作品でもある。
(一)夏を描いた詩としては非常に完成度が高い。的確に選ばれた言葉によって構成されたイメージは実に豊かで、鮮やかな情景だけでなく空気まで伝わってくる気がする。最後のパートによるまとめ方も上手い。

11396 : 魚  山人 ('19/08/16 06:47:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190816_605_11396p
(一)最終行が、もう少し上に行けると思いました。
(一)語り手の閉塞感や無力感を魚という存在に託した詩。その内容には共感を覚えるが、目を開けたままの魚の描写が前半と後半に2回出てきているのが少しくどく感じた。

11393 : 拝啓砂澤ビッキ様  まひる ('19/08/13 22:00:43 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190813_579_11393p
(一)分かりやすい比喩で構成されている。次作も読みたいと思った。
(一)砂澤ビッキの名前を出したことで、どうしても彼の作品に対して詩の内容が弱く感じてしまう。テーマそのものは魅力的なので、もっと表現を工夫してほしい。

11395 : 耳をピンと立てた君は大きくなった  空丸 ('19/08/14 22:58:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190814_597_11395p
(一)構成は良い。文章の凝集性を高めていくと傑作になるのではないか。
(一)前半はブツ切りにされたイメージたちが絡み合い不思議な疾走感があるのだが、後半になってネタ切れ感が出てきてしまっているのが惜しい。

11389 : 恒転  曇天十也 ('19/08/12 06:52:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190812_564_11389p
(一)暖かみのあるのユーモアが良い。「ジリジリ 陽炎」「ポツポツ 雨垂れ」「クルクル 風車」は、それぞれ1回ずつの方がリズム的に良かったのではないか。

11376 : ぬけがら  青島空 ('19/08/07 00:18:33 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190807_492_11376p
(一)分かりやすい比喩だけれども、今しか書けないであろう年月との文字が力を持つ。独自の視点を探すと良作になると思う。

11394 : 静かなダンスによる生活  ゆうみ ('19/08/14 00:13:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190814_582_11394p
(一)言葉のセンスは随一なのではないか。まとまりがないが、これが統一感を持ったら、どちらに転ぶのか分からずにいる。

11390 : てんとうむし  たこ吉(たこ) ('19/08/12 08:02:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190812_566_11390p
(一)柔らかい作品である。イマージュを飛ばしていく在り方が鮮明。しかし、それでも最終二行に妥協が見える。
(一)最初から最後まで言葉の選択にいっさいの無駄や不足がなく、非常に完成度が高い。テントウ虫という小さな存在から宇宙規模へ感動が膨張していく。本当に見事です。

11379 : はじまり  田中恭平 ('19/08/08 09:38:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190808_505_11379p
(一)美しく、難解で、物悲しい。それぞれの連にはつながりがないように思えるが、違和感なく読み進めることができる。これは作者の力量によるものだろう。最終連のまとめ方も良い。

11384 : ポエティカルポリティクス、ある種のオマージュ  玄こう ('19/08/09 22:09:23 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190809_526_11384p
(一)面白くなり始めた時に、「つづく」の言葉で終わってしまった。勿体ないと思った。

11380 : リクリエーション  ゆうみ ('19/08/08 16:13:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190808_507_11380p
(一)理屈を超えていく展開が心地よく発火をもたらす。タイトルを感覚から離していくと効果が出たと思う。

11373 : 乱反射していた。  黒羽 黎斗 ('19/08/06 17:15:07)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190806_487_11373p
(一)「5秒前」のフレーズが残るため、繰り返す際には差異が必要だったようにも思える。丹念に粗さを抱えながら練られた言葉が躍動している。

11383 : めざめ  左部右人 ('19/08/09 12:38:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190809_522_11383p
(一)連毎の呼応が丁寧に作られている。最終行を、まとめ過ぎてしまった感もある。

11385 : □■  湯煙 ('19/08/10 00:34:02 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190810_528_11385p
(一)作品が為そうとしたかったことは為せている。意味もある。
それは優良や次点の枠とは関係ないものではあるが、続けて欲しいと思う。

11386 : 春も秋も  鷹枕可 ('19/08/10 03:26:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190810_531_11386p
(一)振り切った作風の追求を、他の物の追随を許さず行っていく。最終行の柔らかさが効果的であったかどうか。
(一)終わってしまったもの、過ぎていたものたちへの美しいレクイエム。抒情と退廃の中間地点に位置している愛の詩と言えるだろう。

11363 : 肋骨  アルフ・O ('19/08/02 22:48:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190802_408_11363p
(一)悪意や怨念が間接的に渦巻いている。直情的だが、煙に巻いている情感がある。
(一)作者独特の美学に磨きがかかり、短い中にもセンスの良い物語が展開される。最後の一行まで隙がない。

11366 : うしのナニー  camel ('19/08/05 06:48:49)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190805_460_11366p
(一)生と死を描き出している。文章の巧さは、更に磨いていけそうだけれども食物となったナニーの凄惨な感覚を導き出していることは評価されて良いと思った。
(一)食事、セックス、出産といった行為を並べて見せることで、読み手をドキリとさせることに成功している。生々しい描写ではあるが不快感はなく、最終連の謎めいた終わり方が想像力をかき立てる。

11365 : 小羊のメアリーちゃん。  田中宏輔 ('19/08/05 02:19:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190805_457_11365p
(一)「かわいい」という言葉の奥深さに気付かさせられる。あり得ない話の展開を身近に思わせてしまう強度がある。

11369 : 夜景かご  はにゃらす ('19/08/05 20:05:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190805_469_11369p

11368 : 背中の躍動について  右左 ('19/08/05 18:36:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190805_467_11368p
(一)文中の熱気に興奮してしまった。自分自身が熱狂することを丹念に、見つめ描き出すことは困難な道のりであるに違いない。それを見事に行い、興奮の坩堝へと誘っていく。これこそ美である。

11367 : 壊れてしまうのかな?  みちなり ('19/08/05 17:40:47 *2)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190805_466_11367p
(一)丁寧に書かれている。壊れる、と、シャボン玉を全く新しい比喩にしていくことが必要かもしれない。

11357 : 水没都市。  田中宏輔 ('19/08/01 00:17:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190801_353_11357p
(一)連の中で展開されていく不可思議な世界が詩情を構築していく。皆が体験していた世界に穴をあけていく上質さ。
(一)半ば水に浸かった教室で普通に授業を続けている教師の融通のきかない様子が、ユーモラスではあるが同時に不気味さを感じる。この設定でもう少し物語を展開させてほしかった。

11364 : 誓い  みちなり ('19/08/03 18:07:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190803_427_11364p
(一)丁寧に書かれていることは分かる。表層的であり一歩、奥へと進んでいるのかどうか気になった。

11362 : a  湯煙 ('19/08/02 21:49:53 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190802_406_11362p
(一)空白と言語の噛み合いが独特で、新しい作品として存在感を示している。初連が、留まっているように思える。

11361 : 叛分子、記憶  鷹枕可 ('19/08/02 21:47:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190802_405_11361p
(一)作品の圧力が強い。作用していく言語の昇華がヌメリを持っている。
(一)権力による暗黒の近未来を作者の個性的な筆致で描き出している。作者のメッセージは書かれていることとは真逆であると感じた。

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