文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

2008年創造大賞、他各賞発表、狼編集室から詩集を出そう!

2009-03-30 (月) 21:50 by ダーザイン

現代日本最大の詩人を顕彰する、2008年創造大賞他各賞発表になりました。
2008年年間各賞
選評等は今しばらくお待ちください。

遅れに遅れ、御心配をお掛けしている、前2年の文学極道書籍化の件ですが、ようやく4月に、狼編集局への原稿引渡し作業が始まります。7月の東京ポエケットには間に合わせたいと、光冨さんと話しております。(今年のポエケットには、文学極道のブースを作って、都合がついたらダーザインも行きたいと思っております)
2008分の書籍化の連絡については、今しばらくお待ちください(前2年の本の発行をみてから、皆様方に、掲載依頼の打診をすることになると思います)。

また、実存大賞・最優秀抒情詩賞スリータイムチャンピオンである光冨郁也さんが、プロとして、編集DTPの仕事に本腰を入れるようです。また、古書店開業の準備も進めておられるようです。
老舗の雑誌社から100万金を払って詩集を出しても発行部数500部とかで、書店に並べる力はほとんどなく、文学極道に出入りしている者ならば理解するだろう、創造大賞受賞の足元にも及ばないうすっぺらい旧世界の権威の帯が付く程度の利点に100万円、150万、
もったいないですよ、そんなふうにお金を使うのは。
狼編集局の詩誌「狼」は定評のあるハイレベルな詩誌ですし、光冨郁也さんという方は、とても真面目で、信用できる人です。歴史のある詩誌「詩と思想」でも御活躍しておられます。
詩集を出そうとお考えの方は、是非、光冨さんと相談してみてください。老舗や、有名な自費出版産業よりもずっと安価に良い本を作ってくれると思います。
詩集を出しましょう! 妥当な値段で!
狼編集室
また、光冨さんの古書店はネット販売となります。開業の際は告知いたしますので、是非とも皆様、御利用ください。

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2009年2月選考雑感

2009-03-28 (土) 11:17 by a-hirakawa

今月も勉強になりました。
ありがとうございます。

今月は、

3333 : マリエロの海  ミドリ ('09/02/10 20:15:04)

3330 : (無題)  一条 ('09/02/10 00:35:36 *1)

3319 : 我儘なスイートピー その翻り加減  はなび ('09/02/06 20:50:34)

3361 : 六月の景色  がれき ('09/02/26 23:14:48 *2)

3324 : 詩人  ぱぱぱ・ららら ('09/02/09 04:30:07)

3352 : 暁の、flims  DNA ('09/02/20 15:25:57)

3349 : 恋歌連祷 11(仮題)   鈴屋 ('09/02/19 01:51:16 *1)

3323 : だんぜつの雨  ひろかわ文緒 ('09/02/09 04:00:05 *1)

3313 : 月の見えない夜に羊は消える  ぱぱぱ・ららら ('09/02/05 0:58:52)

以上、九作品が月間優良作品に選出されました。

3333 : マリエロの海  ミドリ ('09/02/10 20:15:04)
別段描写しているわけでもないのに、背景の海や港町の様子が伝わる不思議な詩であり、実存大賞を取ったときの完璧な流麗さ鋭利さとは違う道を模索し続けている作者の久々の傑作なのでは、という意見がありました。ゆっくりと可燃されていく不幸せと続く生活を抽象と具象との五感をつなぐ、手繰り寄せる単語の選択を愛らしいものにすることにより読み手を掬いあげていく見事さがある、という意見もありました。

3330 : (無題)  一条 ('09/02/10 00:35:36 *1)
この類の作品は通常、大変な瞬発力とエネルギーが必要で長続きすることが非常に難しく、一作品内でも続かず最後まで読ませることすら困難な場合がある、この作品はそういった印象を微塵も感じさせない凄絶さがある、特に最後の綴りが強烈に残る部分は唸らずにはいられない、という意見がありました。イマジネーションの炸裂による、イメージの飛躍の連続性の保持、これは作者でなければできないことであり、100年後の人達も面白いと叫ぶ作品だと感じさせるものがある、という意見もありました。

3319 : 我儘なスイートピー その翻り加減  はなび ('09/02/06 20:50:34)
目の付け所の鮮度も、作文立て組みも充分であり、新人としての良質さを確固としている、という意見がありました。一方、テーマも素材も今までに出尽くしているものであり、書き方も突き抜けているわけではないので、その上での魅力をもう一歩加味しても良いのではないか、という意見もありました。

3361 : 六月の景色  がれき ('09/02/26 23:14:48 *2)
最先鋭に埋め尽くされている中で古い様式の部類に入る作品だけれども、それだからこその良さというものが在って、剥離がない、素晴らしい、という意見がありました。連鎖の中で僅かにずらしていったり先にあるまたは内側にある言葉で範囲をくるめていっている再構成や言語化の跳躍は目を見張るものがあった、という意見もありました。一方、硬質的言語が鮮度ある視点を引っ張っていて、全面に作品の良さを出し切れていないのではないか、という意見もありました。

3324 : 詩人  ぱぱぱ・ららら ('09/02/09 04:30:07)
この作品は傑作中の傑作なのではないかと思わせられるものがありました。形骸の奥にあるもの、比喩も擦りきったものを使うことで見えてくるもの、消費の中に潜んでいるもの、多くをわざとやって高めた新時代の作品のように感じました。言葉が綴りが届くだけではなく、今まで見つくしてきたと思っていた綴りの中にまだ潜む角度があるという発見を作品で証明してしまった。素晴らしい。コンセプトを持って書いたのかどうか解りませんが、この作品が読めたことは大きかったです。説論は特に面白い、彼女のことや豚殺しのことや文学論は十分楽しめる、難を挙げるなら最初の連だろうか、最初の連の粗雑さで読むのを止められてしまう危険性があるのではないだろうか、という意見もありました。海辺を僅かで良いので、描写しても良いのではないだろうか、という意見もありました。が、選考委員が全員唸った作品でした。

3352 : 暁の、flims  DNA ('09/02/20 15:25:57)
この作者は質がブレルことがない、読ませる、とにかく好き放題に書いて欲しい、という意見がありました。

3349 : 恋歌連祷 11(仮題)   鈴屋 ('09/02/19 01:51:16 *1)
前に進んでいく作者の貴重な過程であり、結果を出せた作品だ、という意見がありました。作者の覗けない裏と読み手を繋ぐ力のある眼からの情報ではない新たな感触は実在を再認識させる力が少し弱いかもしれないけれども、作品として非常に成就を新たにしている不可思議さを持っていて、鋭い、という意見もありました。過去の作品と比べた場合どうだろうか、もう少し面持ちを成功させても良いのではないか、という意見もありました。

3323 : だんぜつの雨  ひろかわ文緒 ('09/02/09 04:00:05 *1)
作者に対しての評価は非常に高いです。作品に関して、途中までの美意識を
 /きこえますか?
以降が割礼してしまい、位置を救済しすぎているのではないか、という意見と、
 /きこえますか?
以降がないと、それまでの冗漫な文章が読後に芽吹かなかったのではないか、という意見がありました。

3313 : 月の見えない夜に羊は消える  ぱぱぱ・ららら ('09/02/05 0:58:52)
あえて既製のポエジーを廃してぶっきらぼうな言葉しか使わず、少し荒んだ生を書いているのではないだろうか、悪くない、という意見がありました。今日読んで面白い詩作品ではなく、明日読んで面白い試作品なのかもしれません。全ての言葉が手垢にまみれ過ぎていて、普通は避ける言葉ばかりを敢えて選択しているやり方は、よほどの根性がないと出来ません。形骸化の面白さ、現代詩の先を提示しているのかもしれないな、と思いました。二次創作から大傑作を紡ぎだすような新たな発見があるような気がして、今月は少し熱くなりました。思い過ごしかもしれません。楽しい誤読かもしれません。その可能性を持ち合わせた興味深い作品なんだと思います。

さて、次点佳作作品について触れていこうと思います。

3302 : 愛と歩いて、町を行く  一条 ('09/02/02 00:26:15 *2)
罠というべき張られた仕掛けは、読めば読むほど深読み出来、付随してくる情感の薄さを一蹴する立ち方が、タイトルと一文一文のループが意味を持ちもしないこともないようにあり、消費の中に埋める作品の形は、視点の疑いを早めさせていく熱がある、という意見がありました。タイトルに負けてインパクトを小さくしているのではないか、という意見もありました。
 
3335 : 「 トカゲの日。 」  PULL. ('09/02/11 22:51:33)
文章のもつれは全くなく、空気感の醸し出し方も見事、ただし、どうしても最後にかけて想定内にある部位は削いでいて、先への余韻は突いていかないのではないか、もう一歩の盛り上がりを作っていうともっと引き込めたのではないか、という意見がありました。もう少し作品に遊びがあっても良いかもしれない、少し今回はまとまりすぎていて余波や別方向への働きかけが全くないかもしれない、それでも良いのかもしれないが、空気感の作り出しが見事なだけに先を期待してしまう、という意見もありました。

3347 : リリーフ  れつら ('09/02/17 17:16:33)
地味な作品であり、珍しくもないけれども、実はかなり高度な技術を駆使して軽妙な物にしている部分が印象的だった、説教されたように痛かったが読後感は良い、という意見がありました。

3353 : ヒヤシンス  丸山雅史 ('09/02/20 22:52:42 *8)
修正されて、かなり良くなったが、まだ伸びしろがあるのではないか、という意見がありました。感動できる作品なので、もっと時間をかけても良いのではないか、という意見もありました。

3318 : 街灯が途切れたさきには  犀樹西人 ('09/02/06 03:16:19)
特にいうことのないポエムだけれども、ちゃんと読ませうる方向へ仕上がっている、という意見がありました。改行した方が良質さが伸びた作品なのではないか、という意見もありました。全く新しさは無いですし、とある自由律俳句に詠われた感受そのままだったりもするのですが、小ささが作者の手の中にある燈芯へ共感を惹きつける重量を得ているようにも思えます。視覚を押し出していながら聴覚に記憶があり、時間の経過と感情の変化を数で遠のかせていく哀寂は、それなりのものがあって、それなりでそれなりのそれなりさがそれなりにそれなりを伸ばしていると思えます。ここから踏ん張って欲しいです。伸びやかに壊しても良いのかもしれません。

3358 : 枕返し  右肩 ('09/02/25 02:51:53)
乱れはないけれども、評を書く作者に感じられる魅力というものが作品になると影を潜めるのは何故だろう、頭で書きすぎなのではないか、という意見がありました。

3329 : 鶏頭  ゆえづ ('09/02/10 00:24:14)
指していることに対してタイトルが悪すぎるのではないか、という意見がありました。作者の綴りはいつも舞っています。鈍色に再構成していきながら感触の通じるものを絶対とするあり方は、汚物の中にも必ず救済と純白を入れるような白濁を醸しています。これからも楽しみです。

3337 : カセット(4:06+∞)  丸山雅史 ('09/02/12 03:43:59 *2)
悪くはなく、下手だけれども読んで損した気分にはならない、ただしそこに留まってしまう、という意見がありました。自嘲気味でありながらも自己への愛が切なく伝わり、文章のあまり巧くない部分がダサさを加味しているように感じ、作者にしか書けない独特な作品という意味ではとても貴重なもので寄り添いたくなるような感動さえ起こります。「サンデーモーニング」を読み返してみてください。一体誰があの詩にここまでの物語が付随していると気付いたでしょうか。
付随した作品の方が面白いような気がするのはどういうわけでしょうか。卑怯な気もしますが、嘘でも、この物語が詩作品的な感情を成り立たせる作者の迷い、その迷える揺らぎがそのまま伝わるので、真似できない変な作品になっているような気にさせられます。自分のことを書くリストカットとしての詩作品が多い中で、リストカットとしての作品投稿が多い中で、そういう場所にはない自分を見つめた自分の作品、これは貴重なものだと思えます。そんなに貴重でもないようにも思えます。どこへ行きたいのかよくわからないところがまた良いのかもしれません。

3307 : ままごと  古月 ('09/02/02 18:16:38)
遊びという有限に無為の枠だけがありどこまでも高みへ押し上げられていく中での僅かな感触は「飴玉」という無くなる物質で味という不確かさを記憶に残し包んでいくが、
 もしかしたら名前なんて 最初からなかったのかもしれない

  /そんな遊びです
最終二連はあまり必要に感じられない、もっと良い先があったかもしれない、という意見がありました。

惜しくも選からは漏れましたが、その他、以下に挙げる作品が注目されていました。

3357 : gloom3  5or6 ('09/02/25 01:05:15)
読み物としてまとまっているけれども、残らないことと後をひかないという欠点は大きすぎるのではないか、という意見がありました。

3343 : 人間恐怖  古月 ('09/02/16 15:46:02)
作りは純粋で良質な部位もあるが、過渡期を作品の中で魅力を削ぐ方向でやっているように感じられる、魅力の加味と塩梅をもう少し考えて欲しい、タイトルは最低の部類に感じる、という意見がありました。

3327 : 世界の涯  Anonymous ('09/02/09 22:23:51) 
 物語れる過去の一切を忘れてきてしまっていた。
 あたりまえだ。
 すべてをすっかり覚えたままだれが世界の涯、
 に辿り着けるというのか。
だけに焦点を当てて書いても面白かったのかもしれない、作者は説明的で輪郭を作って中身がありふれすぎている、掴めそうな良質は、しかし確かにある、という意見がありました。

3345 : 怠惰  菊西夕座 ('09/02/16 21:21:37 *2)
この怠惰感は貴重、もう少しコントラストを出しても良いとも思う、悪くはない、怠惰なわけだし、という意見がありました。もう少し肩の力を抜かれても良いのかもしれません。もっと怠惰でもよいのかもしれません。跳躍力というか暴走癖のある作者の良さがもっともっと伸びやかに魅せられる箇所は確かにあるはずです。

3310 : カンナ  結城 森 ('09/02/02 23:26:20 *1)
作者は上手くなっている、けれども構造と情感の足りなさが後半にかけてどうしても目立ってしまう、惜しい、という意見がありました。内容は悪くないのに文体の冗漫さで損をしている、全編に渡り、手直ししたくなる、という意見もありました。実際に選考の際に、こう書けばよかったのではないか、というリトライが為されたり、注目を集めはしていました。

3332 : 聖レイン  榊 一威 ('09/02/10 14:59:08 *1)
作者の作品はいつも、次点にしようか迷う、今回の作品はエンディングが寸足らずだったのではないか、という意見がありました。

3304 : 赤い実  桜井 ('09/02/02 02:16:59)
悪くない、表現の細部に気を配り、瑞々しさを心がけていくともっと良くなるのではないか、
 天の方では
 雲一つなく見ていたが
 小さな赤い実
 少しはそれに 気付いたろうか
この連で終えるのはあまりに勿体無いのではないだろうか、三連目まで適度な緊張感もあり写実的でありながら精神に刺さる棘を確かめていく作業が捉えられていてとても良い、だが四連目突如として視界は開け、自身の身から赤い実への思いへと転化しすぎていて、裾を広げるのではなく投げ捨てた印象すら殴っているように思える、という意見がありました。

3355 : 沈丁花  はるらん ('09/02/23 15:41:17)
 ひとつおき、咲かぬもの
 またその先の
 沈丁花は花ひらき

 同じ場所で
 同じ陽射しを
 浴びながら
 花ひらくもの
 咲けないもの

 どうして?と
 瞳で聞く私に
 振り向いたあなたは
 それには答えず
 みんな連れてゆく、と

 静かに笑ったのでした
良質なので、もっと絞って表出させ奥まで誘うことは可能に感じる、もっと素晴らしい位置に辿りつけたのではないだろうか、という意見がありました。

3336 :  八雲神社  吉井 ('09/02/12 01:45:18)

3348 : 崩れゆく輪の中で  京 ('09/02/18 09:03:28)

3356 : 青空は蝶の羽根のように  草野大悟 ('09/02/23 21:09:04)

以上です。

#年間各賞、ほぼ決定しています。現在微調整中ですので、もう少々お待ちください。

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2月分月間優良作品・次点佳作発表

2009-03-20 (金) 00:08 by ダーザイン

2月分月間優良作品・次点佳作 発表になりました。

また、新世紀日本詩文壇の最高峰、第4回目となる、「創造大賞」他各賞の発表、近日中に行われます。お待ちください。
第4回目となった今年も、傑作投稿いただき、投稿者の皆様には大変感謝しております。
また、日々、良いレスを入れてくださっている皆様にも、言葉に尽くせぬ感謝をしております。
双方向のメディアが成功したのは、貴殿らのおかげです。深謝、深謝

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角田寿星(Canopus)さん、詩集発売。

2009-03-10 (火) 15:16 by a-hirakawa

フォーラムの方に記事投稿がありました。

角田寿星(Canopus)です。
一〇〇〇番出版より、1st詩集「たたかえ!Mr.チャボ」発売しました。
今までの作品に加筆修正を一部行いました。
うれしい附録は怪獣詩集5篇。

ええと、何を書いていいかわかりませんが、
紀伊国屋新宿本店と、アマゾンで購入可能です。

ぼくの連絡先は以下のとおり。
toshiyukiK715@hotmail.com

... [文学極道] フォーラム - Canopus 「角田寿星1st詩集。」
(2009.03.05 Thu 11:00)
より引用

Canopus (角田寿星)さんの作品は、
http://bungoku.jp/monthly/?name=Canopus%20%81i%8ap%93c%8e%f5%90%af%81j
です。
2005年文学極道選考委員特別賞(Aya-Maidz. 選)
2006年文学極道実存大賞 
2007年文学極道最優秀レッサー賞次点/エンターテインメント賞次点

是非、お買い求めください。

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2009年1月選考雑感

2009-03-02 (月) 14:20 by a-hirakawa

今月も勉強になりました。
ありがとうございます。

選考の際、印象的な意見がありましたので、ここに特記させてください。

・冒頭を大事にしていない作品が多い。インパクトという意味ではなく、詩の入り口で魅力ある香りをただよわせようと意識しているだろう作品がほとんど無かったように思う。詩は全体だというのはもちろんだが、それでも玄関は大事。もっと読む者を惹きつける言葉の力が欲しい。

・熟語の多用により、詩の言葉が説明に成り下がっている作品が少なくなかった。言葉で綴る限り、詩の魅力は内実だけでは足りない。これは本当に声を大にして言いたい、便利なものに安易に、もしくは無意識に頼りすぎるなと言いたい。

文学極道は誰でも作品を投稿することが出来ます。投稿することは推敲前に反応を見るための手段に過ぎないという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、忘れないようにしないといけません。推敲していき段階を経て最終的に作品として立脚するとしても、発表した時点でそれは取り返しのつかない現代詩です。
合評の前に今一度の覚悟を作品に作者に負わせてみましょう。自戒も含め記しておきます。
(もちろん気楽に大傑作を書いて気負いなく発表しても構わないと思います。また、ネットだからといって最先鋭である必要はありません。媒体の可能性を広義的に解釈して何でもありで臨んでも良いのかな、と感じています。)

さて、今月は、

3291 : 給水塔の上で  鈴屋 ('09/01/27 00:15:33)

3246 : 夏の隙間で  草笛 ('09/01/07 23:38:08) 

3245 : ホーキンスさん  一条 ('09/01/07 19:26:52 *1)

3240 : まるで魚のように(PCで見てください。)  水瀬史樹 ('09/01/05 18:22:30) 

以上、四作品が月間優良作品に選出されました。

3291 : 給水塔の上で  鈴屋 ('09/01/27 00:15:33)
作者の意識の働き方は戦後すぐの現代詩から変わらない部位もあるように感じられますが、それを時代の中にある自己へと調弦している確かさへ結び、つながる作品の魅力は流動的に濾過され加味されているように思えます。不安の表層として死せる生として女を燃やしている、この超現実の完全なる内外界は塩梅が良く、昇華されていて、読み手の意識を摘んでいるぎこちなさの巧さがある、という意見がありました。漫画では比喩的表現が進化し、「おやすみプンプン」などストーリーの新鮮さよりも魅せ方にこだわる作品が台頭してきたが、詩ではその方法はありふれている、その上で、筆の使い方、やり方、素材の活かし方が上手い、という意見もありました。着目はいいと思うが印象の先へ向かえているかというと今一歩なのではないか、という意見もありました。

3246 : 夏の隙間で  草笛 ('09/01/07 23:38:08) 
この作者の登場が今月の収穫かもしれない、という意見がありました。父のえくぼの引力が大きく働いています。甘い卵焼きは一方的な愛情でまちがった表現の仕方の表層でしょうか。拙いところがまた味わい深いです。事象と心象がうまく絡んでいて、このギコギコとした愛と、情と、他者との隙間にただよう闇、圧倒的な、わからなさともいうべきもの、余白ともいえるものがよい、という意見もありました。

3245 : ホーキンスさん  一条 ('09/01/07 19:26:52 *1)
は、さすが一条様式の妙は魅力的で有無を言わさず掴まれてしまう、という意見がありました。ただ推敲前の方がすきだった、という意見もありました。一条さんの作品を読むと、突き放しかたが痛快だなーといつもおもう、自身をも突き放してるんじゃないかと時々おもうほど、音読するとなぜか気持ちよかった、という意見もありました。

3240 : まるで魚のように(PCで見てください。)  水瀬史樹 ('09/01/05 18:22:30) 
核ではなくひろがりを味わうものとして、成功しているとおもう、という意見がありました。
少しありがちな作品形態であり、さらに、期待しないで読んでしまうだけの作品の見た目であり、ハードルを下げに下げて読ませて、少しの良さを大きい良質さへと転換していく不思議なヘタウマな作品だと思う、という意見もありました。このヘタウマさは貴重で、この枠組みの作品としては最も追究されている印象を持ちもし、
 なまあ さひに 
など、少し無理があるものの、
 なまあ  くびに  

 しろい  くびに  
などの語彙を変えているところが良質さをもたらしているのかもしれず、完璧に作られていないところが作品を高めたのではないか、という意見もありました。
偶然の産物かもしれないけれども貴重な作品だと思います。

さて、次点佳作作品について触れていこうと思います。

3287 : la respiration d'un dormeur 寝息  はなび ('09/01/26 06:06:06)
は、私は読める域に達しているだけでもラブポエムとして凄いのかもしれないと感じ、誰でも出来そうでなかなかできないことをやっているという理由から優良へと推したのですが、”できそうで、未だできてない”というくらいの完成度であり、ちょっと心許なさが作品の立脚を引っ張っているという理由から次点に留まりました。悪くない、草を食む牛の夢を見る男を「ゆめのないおとこ」とするあたり的確で面白い(作者のコメントを読むと“無邪気”という言葉が出てきたりして、作者の真意は感じた方向とは違うものかもしれない)、反芻ばかりする者の、後ろ向きなさま、「とりになったゆめをみてる/わたし」と、自分を鳥に見立てたところはいまいちイメージをとり難い、ただ、この詩のバランスだとそれ以上を書き増すと説明過多になってしまうだろうし、バランスとしては現状がギリギリの線かとも感じる、これは私見ですが、女性が自身に鳥をイメージするとき、男性のそれ(解放、孤高)と比べて滑稽度や醜さが増す傾向を感じることが多い、という意見もありました。もう一歩という気もする詩、ここから突き抜けるとなると台無しになってしまう気もする、漂っている単体です。

3249 : 冬の散歩道  ゆえづ ('09/01/12 01:02:22)
には、十代の通過儀礼というでもいうべきありふれたテーマだが言葉は作者のものにしっかりなっている、という意見がありました。2連1行目に違和感を感じた、「私達は十六」ではあまりに説明的、それを想像させるものを別の言葉運びで作中に溶け込ませたほうがよいのではないだろうか、という意見もありました。作者の詩人としての可能性と力量、萌芽が見事でありこれからの作品も楽しみになった、という意見もありました。

3263 : 今日、私の日本語から一切のかなしみがほろびる  祝祭 ('09/01/15 10:51:50) 
かなしみに対する祝祭さんのまなざしを買いたい、「もう言葉しかそこにない、という悲しみ」という視点、その消滅をさらに言語化するという試み。幾重もの層を見るようで興味深い、という意見がありました。なんだかんだで残る作品、雰囲気の異質さから来るものなのか、こびりつく点、粘着力には目を見張るものがある、という意見もありました。

3238 : 見出された室内  午睡機械 ('09/01/03 20:52:14) 
澄んでいる作為が前面にあり、意識を掴んでいきます。とても良質だが、作者の他作品を考えると習作感が強いのではないか、という意見がありました。

3268 : ミクララムラハウスのこと  はなび ('09/01/17 08:13:24)
単純に悪くない、作者の伸び方と共に馴染んでいる作品の伸びしろが残されている部分がまた良いのかもしれない、という意見がありました。面白いが、本人がつくりあげたい表現の過程というか、途上の作品であるように思え、実験的印象が勝る、という意見もありました。

3252 : 砂漠の魚影(或いは「父のこと」)  右肩良久 ('09/01/12 09:58:17)
作者は詩人ではないかもしれないが最後まで丁寧に書れている、
  二、人々が魚を食し、僕が魚を食する
は特に印象的だが、
  三、命題
でラインが落とされていることが残念、という意見がありました。

3285 : 罪滅ぼし  丸山雅史 ('09/01/24 03:24:05 *8)
作品内で自分を殺していき、救済していくことは自己肯定でもあり、それをダサく非常にダサく行えていることにより感情へと訴えるものが出てきていて、これは貴重なのではないか、という意見がありました。

3273 : 闇よ  小禽 ('09/01/19 16:35:26)
未だにこの形式の作品を書いている作者に拍手したい、新しさはかけっらも無いけれどその分真実はあるかもしれない、という意見がありました。小禽さんは過去3作とも短詩で文体もさほど変化がないが、どれも別人が書いたような印象だ、文面以上に深度を測りかねる位置で、もがいている、そんなことを感じる、この作品は佳作には届かないようにも思える、けれど、どう動いてくるか、あと10作くらいは作者として先行きを見続けてみたい、という意見もありました。

3269 : 幸子ちゃん  しょう子 ('09/01/17 17:10:29)
前を見て羽ばたこうとしている子どもの姿を書くには、歯車が回らない激するものをもう一点入れても良かったように感じる、これはこれで良い作品であり、書かないことでの哀切さがある、という意見がありました。(自閉症という)存在を最後の二連が綺麗にまとめ過ぎているように思える、けれどもそれでも良いのかもしれない、裾がある作品に感じる、という意見もありました。

3274 : 「またね」  ミドリ ('09/01/19 19:10:52)
旬が過ぎた後の上質さがあり、素直に良かった、という意見がありました。

3260 : ラオ君  一条 ('09/01/14 17:52:48 *2)
適当さのように感じられるものが悪くない方向に進んでいるのは不思議であり、作品として強い、という意見がありました。「空虚」の深度に違いはあれ、”ジャンル一条”は健在、という意見もありました。

3271 : A Daydream of Jumpin' Jack  午睡機械 ('09/01/19 13:05:38)
丁寧に紡がれている、あまり面白い内容ではないが、それはそれでまた別の話だ、という意見がありました。作品を作ることに苦悩することが前に出てしまう作者の作品よりも、詩が匂いたつ作者の作品に期待したい思いがある、という意見もありました。

3297 : クマのヘンドリックの「才能」  ミドリ ('09/01/29 23:49:44 *1)
差別の悲しさあり、下ネタあり、と、ミドリさんの作品はBL系の上質な作品の作りと通じるものがあるような気がする、という意見がありました。
 鋭く毒を吐いた
これを書いてしまうのはこの作品上どうだろうか、という意見もありました。

3239 :     冬  吉井 ('09/01/03 23:26:45)
作者は上手い、無意識の中の非合理が隠遁する超現実の萌芽を、なんて言葉はどうでもよくなる列製された配置からの乾いた息に惹かれる部分がある、という意見がありました。床を這う湯気が倒れている妻の背中を濡らす、背中を濡らしているからこの素朴な筆致は成功しているように思えた、一連、というか一作品、短い中に盛りだくさんで、しかし決して読みにくくなく、小腹をすかせていくように突いていく印象が幻想をつかませ、満腹にはなれないし、ここからもう少し読みたいような気もするが、それはそれで魅力がある、という意見もありました。 IIの精神病みはありきたりだが、そこに魅力もある、惹かれるが、惹き込まれはしなかったように思える、という意見もありました。

惜しくも選からは漏れましたが、その他、以下に挙げる作品が注目されていました。

3283 : 走馬灯  時渡友音 ('09/01/23 16:03:07)
これからの作品に期待を抱いてしまう作品であり、作者だ、という意見がありました。悪い背伸びをすることなく自身の言葉を探し、等身大の言葉運びで書かれているだろうことは伝わってきて、その点では好感があるが、まだそこ止まりではないだろうか、という意見もありました。タイトルの時点で内容や進行のほとんどを予想できてしまい、またその点で良い意味での裏切りもないので、そういった面から読後の充足感に対してもっと疑ってもよいのではないだろうか、「走馬灯」という言葉の古さだけが理由ではないように思える、という意見もありました。気になる作者だという意見では一致していたので、これからの作品に無理せず臨んでいって欲しいです。

3253 : 無題  京 ('09/01/12 10:09:10 *1)
ラストの失速がもったいなかった、随所にひかる表現があり今後に期待、パソコンで詩作する人特有の漢字表記がやや気になった、その漢字を、その文字を使うことが本当に適切か、否か、もうすこし意識的になってみるといいと思う、という意見がありました。悪くない、方向性は良質、他者の死を境に生が掘り起こされて自らと自らを作った時間の流れを空間の隙間隙間との記憶に見つめている、[]の言葉の重複をもう少し補ったり、語の付きを定かにしたり、 []の良さを深めたりしても良かったかもしれない、[]、[]で作品の緊張感というか高さが変わる、本筋からの昇華だからといって油断しているように感じる、最後の締めの文章はありきたりすぎる、[]も[]くらいの熱量を見せても良かったかもしれない、という意見がありました。

3299 : 断編―骨の魚  田崎 ('09/01/31 02:12:22)

3281 : ゆらぎ  ともの ('09/01/22 00:10:33)
内実は大いに買う、一貫して作中に続く揺れも、そういった揺れを形式でも試みたのだろうか、もしくは、この形式での緩急は朗読を強く意識して作られた文字列だろうか、ただここは散文でいくか行分けでいくか、どちらかにしたほうがよかったように思う、という意見がありました。「呼吸をする」の連からは良いが、それまでの冗長さはあまり突かないのではないだろうか、作者の魅力である素朴な感性、素朴な純とした作品は無為に壊されてきていて代用が利くものになってしまっては悲しいのではないだろうか、視点の素朴さを日常の狂気に晒してそれを作品にするには代用の利くスピードでは難しいのかもしれない、という意見もありました。

3272 : (無題)  薛茵('09/01/19 14:13:39)
切実さとそれらしさの間にある印象、読み進めるための魅力がもうすこし欲しい、という意見がありました。暗喩であるにしてもないにしても途中までは面白く、感情的に切れをなくしてしまう尾が気になる、という意見もありました。

3236 : うまれるまえに  ひろかわ文緒 ('09/01/01 06:34:08)
もうすこし読み続けたい、うまくいけば化けるタイプだと思う、という意見がありました。悪くない、書きすぎのところをどうにかしてほしい、一・二文、削れば優良でも良いかもしれない、という意見もありました。作者に惹きつけられるけれども予感にまだ留まっている感触でしょうか。これから先が気になります。

3250 : (無題)  桜井 ('09/01/12 04:23:01)
閉じるにしろ、豊かな閉じかたがあるとおもう、これはまだそれに遠い、もうすこし書きこんでほしい、と淡い期待とともに感じる、という意見がありました。無題ではないほうがよいかもしれない、兎は月を想起させていく、暗喩の作品にも取れるが、作者は素直に書いているようだ、短い中に同じ文章が何度もある点など、拡げられなくなっていってしまい、小さく留めているところが気になる、という意見もありました。

3237 : 無題  雨宮 ('09/01/02 09:57:30 *1)
緩やかなこと自体はそれでいいと思うが、それならそれで静かに訴えるために言葉の力が欲しい、この詩にはそれがない、という意見がありました。

3259 : 約束の地  はるらん ('09/01/14 01:34:39 *4)
日本の茶の間から、爆撃戦の被害者という立ち位置で綴ることの意味、作者の普段からのストーリー気質が悪い意味で表出したように思う、この題材で挑むべくする意義が作者にあったのだとは思うが、立ち位置が間違っているように感じるため上澄みにもなり得ていない、という意見がありました。四連が書き変えられても、もう一歩の感が否めない、という意見もありました。

3251 : 黒猫、土鍋、レコードプレーヤー  ぱぱぱ・ららら ('09/01/12 09:27:42)

3294 : 「姥捨山日記」抄2 〜雨水の日の夜〜  右肩良久 ('09/01/28 02:01:43)
惹きこまれる有精の打点が鈍い、前回に比べての失速感は否めない、という意見がありました。

以上です。

現在、年間各賞選考中です。
発表までしばらくお待ちください。

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