文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

●2019年4月分選考雑感(Staff)

2019-06-07 (金) 03:42 by 文学極道スタッフ

11193 : 幻を信じよう  黒羽 黎斗 ('19/04/30 12:41:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190430_792_11193p
(一)これからが気になる作品である。現時点から言語に磨きや飛躍、比喩の上手さを獲得しているため今後が楽しみである。
(一)詩人でなくても伝わる言葉で詩的解釈が必要な表現もあり、世界観にも統一感があって読み易い仕上がりになっておりました。リフレインのパターンが変わるところも飽きが来ないように上手く運んでいると思います。

11152 : Needles  アルフ・O ('19/04/06 00:49:51 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190406_523_11152p
(一)この作者の作品を読んだときのエモさは、「アニメやゲームのキャラと良質の音楽をミックスした良質のMAD映像」を観たときのそれに近い。あるいは作者自身がそうした映像作品やコミックスや音楽などで感じたものを、詩というアイテムで再現しようとしているのではないか。作者の詩を読んだ時の高揚感は、「攻殻機動隊」において草薙素子が使用する電子ドラッグのようなものかも知れない。
(一)毒が強い作品である。詩情は感情の偏向により倍加されていく。
(一)もっと衝撃的であって良いスタイルですが、効果的な言葉の使い方をしており、安定感もあります。クサくなりがちな感情を敢えて強く押し出しているところに好感が持てます。

11166 : 解決をしたい私  イロキセイゴ ('19/04/11 22:58:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190411_575_11166p
(一)不条理劇のような展開に興味を引かれたが、少しイメージの風呂敷を広げすぎている気がする。職員室にぎっしり詰め込まれた教師たちと、バレーボールをする生徒たちの対比だけでまとめた方が良いのではないかと感じた。
(一)非常に美しいです。また、一連だけ形が異なるのが、生きていると思います。

11192 : (無題)  sibata ('19/04/29 11:02:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190429_787_11192p
(一)連想からの飛躍が見事である。
(一)時代を新しくし過ぎず、戦争後の荒廃した、リアルな近未来を感じさせるようなシーンの描き出し方が上手です。感情的になり過ぎずに希望を表現できています。

11188 : 環礁  水漏綾 ('19/04/27 02:04:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190427_761_11188p
(一)ずれて落ちたコンタクトレンズから、連が進むにつれて変化していく視覚をメインとしたイメージが心地よい。イソギンチャクとクマノミの共生関係へ持って行く流れも自然。さらに「日常を喜とした痛み」というフレーズには、目からコンタクトレンズではなく鱗が落ちる思いがした。
(一)短いなかで、きっちりとイメージが伝わってきます。

11178 : 砂場均し  南雲 安晴 ('19/04/19 06:14:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190419_695_11178p
(一)前半、美しかった。最後の結論や思ったことや比喩の先を言ってしまうことは本当に必要だったのか疑問に感じた。

11187 : 文学に包囲されている。  いけだうし。 ('19/04/26 11:12:12 *1)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190426_753_11187p
(一)一読して森見登美彦版の「山月記」を連想した。ジャニス・ジョプリンの幻の曲ではないが、生きながら文学に葬られようとしている語り手が書き続けることによって生きていこうと決意する。しかし彼にとってはその決断すらも、どこか気恥ずかしさを伴っているように見える。書くこと、書き続けることの意味について考えさせられる。
(一)「文学」へ比喩を大きく作用させていくことに成功していると思う。熱量が素晴らしい。粗削りなため「文学」という言葉を別なものに変えても良かったのかもしれないとも思う。
(一)文学のことばかり考え、何度も何をどう言い表すのかばかり考えてしまうという情景が描かれています。読み手を交錯させるところまで陥れても良かったと感じます。
人の目を気にしている語り手の姿が浮かび上がっている箇所があり、必要あるか読んでいて迷いがありましたが、最後の正直さも文学しておりました。

11190 : 先生  夢工房 ('19/04/27 17:41:21)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190427_779_11190p
(一)ピュアで良い感覚があるのですが、言葉の上手な使い方を覚えてしまっていることで情感が削がれてしまっている部分がありますので、言葉も純粋な、子どもの言葉のような方向へ磨いていくと、この詩の場合は輝くのではないかと思います。

11189 : 記憶ソーシツ探偵/犯人はオレだ  ゼッケン ('19/04/27 17:12:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190427_777_11189p
(一)エンターティメント作品として優れており面白い。タイトルに全てがあるのに読み込ませる部分がある。
(一)翻訳的で劇場型の文章。伝えることをやめない、その表明をかなり直に読者に語りかけていますが、謎めいた設定が功を奏しているかの部分については判断が難しかったです。

11184 : 前に投稿したもんだけ  玄こう ('19/04/24 22:45:33 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190424_740_11184p
(一)もう少し波があっても良かったかという感想を持ちました。
最終連の興奮状態が非常に好ましいのですが、冒頭から続いていた父との芸術についての話からの繋げ方にスムーズに乗れない感覚がありました。

11154 : 帰り道には長ネギが顔を出した買い物袋を下げて近所を歩いている  ゼッケン ('19/04/06 11:24:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190406_525_11154p
(一)ストーリー展開が巧みで読み飽きない。息子が父親の秘密に気付いた理由に説得力があり、荒唐無稽な物語をすんなりと受け入れて楽しむことができる。語り手だけでなく冷蔵庫を使う家族の、特に父親と母親の愛情が無駄のない筆致で描かれている。ブラッドベリの短編を読んだときのような、切なくも温かい余韻が残った。
(一)笑わせたり、内容的に興味を引き続けるということが、技巧だけでなく文章の中に情感を漂わせることでも成功していると思います。発想も面白いです。

11148 : 地元  コテ ('19/04/03 10:14:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190403_477_11148p
(一)エッセイに近い語りでした。小っ恥ずかしい気持ちやエピソードにもっと力を注いで味わい深さが増すのではないかという印象がありました。

11185 : 海へ  山人 ('19/04/25 06:12:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190425_745_11185p
(一)その昔、「私は貝になりたい」というドラマがあった。「生まれ変わったら、深い海の底の貝に」なりたいと望んだ主人公は、おそらくこの詩のような貝を想像していたのかも知れない。深い海底にも、テトラポットに波が打ち付ける海面近くでも、それぞれの厳しさがある。最終行の「貝の声」とは、大ハマグリの作る蜃気楼のように聞く者たちを惑わせるのではと夢想した。
(一)一文一文の強度が大きい。
(一)読んでいるうちに読み手がイメージを自分の中で発展させることを促せています。コミュニケーションや心を開くというテーマでメッセージも強く、伝えたいことがしっかりと映像になって浮かんでくるように言葉を連ねてあります。

11186 : never  山本芳香族 ('19/04/25 19:06:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190425_748_11186p
(一)表現の仕方の中で単語のチョイスやスタイルが前面に押し出されているような詩です。内容的には読み切ることが出来ませんでした。

11153 : 消失点  水漏綾 ('19/04/06 09:05:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190406_524_11153p
(一)良い意味で書き慣れている感じがある。「スーパーカー」や「割れた卵」など、陳腐になりやすい言葉を上手く活用するセンスも良い。描かれている世界の構造がしっかりしており、独特の質感も伝わってくる。
(一)音が綺麗であり、その先にある風景たちの構成が見事だと思う。惹きこまれた。
(一)構成が完璧です。表現のバランスも良いです。
(一)カウントの部分を読み切ることが出来ませんでしたが、一連目気持ちの表れが非常にスムーズで感情に訴えかけるものがありました。別れや記憶から消えてしまうことを示唆するような内容の中で「あの子」に対する深い思いが表されております。

11182 : 詩は時代に産まれ時代に死ぬ らしい  空丸ゆらぎ ('19/04/22 21:46:07)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190422_735_11182p
(一)ごちゃごちゃと考え、考え過ぎている人間の姿がもう少し表れていても良いかなと感じます。書いているうちに詩の意識よりも論じる意識の方にシフトして行ったのではないでしょうか。

11181 : 屈折率  霜田明 ('19/04/22 00:43:52 *53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190422_727_11181p
(一)年輪を重ねていくことで書けることがある詩作品の凄さに圧倒される。死という繊細な材料に向き合った力が漲っている。
(一)繰り返されているオリジナルの部分の素朴で言葉に出来ない何かを言い表しているようなところが大変に良いと感じますが、引用の素材の良さをオリジナルの部分で超えられていない感じを受けます。

11169 : トワイライトアテンダント  ゼンメツ ('19/04/13 05:35:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190413_618_11169p
(一)ありふれた題材であるが故の普遍性を利用して、語り手の記憶が読み手の中へ溶け込んでいく。誰もが通り過ぎてきた道、あるいは通り過ぎてきたように思える道。見上げた夕暮れ時の空の色も、そこに浮かぶ雲の形も、その時に感じた想いも、すべてが読み手の記憶へと変換される。それぞれのビジョンは違うけれど、確実に胸をつらぬく甘い痛み。それは技法の勝利だと考える。
(一)大人になっていくための過渡を上り続けて、ふとした合間の虚しさ。共感を持って読んだ。
(一)話し言葉を砕けた感じにすることで堅苦しさを感じさせず読み易くする工夫が為されています。この工夫によって情感が削がれている感もありますが、この語り口には可能性を感じます。

11179 : 点  黒髪 ('19/04/19 19:03:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190419_700_11179p
(一)「お菓子」が出て来た時点で成功した作品に思える。タイトルが秀逸。後半は、もっと高められたかもしれない。
(一)確実に技術を上げて来ているのを感じますが、次のハードルに差し掛かっているのも感じます。上手く言葉にできない部分が不器用さで表現に繋がっていた作風から、また発展できるところに来ています。

11163 : 悪口の詩  霜田明 ('19/04/11 12:55:19 *63)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190411_569_11163p
(一)優良にするか、どうかで迷った。出来が良いと思う。ただし長さを、もっと長くしたり短くしたりして可読性を上げることが出来る作品にも思えた。
(一)自分を見つめれば無条件に褒め称えることの罪も存在する。そのことを表現しようとする着眼点は良いと思います。この時の違和感を更に文章として文字を連ねて行くのでなく、筆者の感覚や気持ちに置き換えて表現に変えると興が乗ると思います。

11180 : 3  鴉 ('19/04/20 02:07:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190420_708_11180p
(一)作品構成と単語の出し方が非常に面白く、苦痛をも出していく作品。皮肉が効いているような作品にも見え、それこそが技法の凄さだと思う。心と直結した作品である。
(一)ビートニクに影響を受けた伝説のロックシンガーのようなスタイルの文章です。
強烈なワードが並ぶのですが、全体の印象としては弱めに留まっている感じが否めません。如何しようも無い人間の生への執着が生々しく表されるとスタイルも生かされてくるのではないか。

11158 : 虚のないもの  コテ ('19/04/08 13:52:00 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_547_11158p
(一)次々に炸裂するイマジネーションが痛快だが、バロックに関する描写にもどかしさを感じてしまうのが惜しい。
(一)情景の描写が上手いため、ここに感覚の言葉が入ってくれば更に強くなるのではないでしょうか。悪夢的な雰囲気があり、描写の仕方の印象も手伝って、映画の「マルホランド・ドライブ」を思い出しました。

11176 : gear  山人 ('19/04/18 05:37:38 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190418_678_11176p
(一)言葉に力があります。「道具」へのまなざしがとても真剣だと感じました。
(一)道具の擬人化をする方向へ絞るならば、もう少し面白く出来る方であろうと思います。道具を道具として描くならばそのことの哀愁や命のないものにも示される愛着を明確にすることでもっと効果的に表せるであろうと思います。

11172 : 寸借  屑張 ('19/04/15 06:57:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190415_641_11172p
(一)映像がつながらず、言葉の関連性を感じにくくなっているのではないかと感じます。表面的にはバラバラでも無意識の中で根底が繋がっているような表現が欲しい。

11147 : 模倣  ネン ('19/04/02 21:38:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190402_465_11147p
(一)言葉は簡単に使えるというメリットがあるんですが、それだけに感じてないことも思ってないことも言えてしまい、その危うさを感じます。実感の湧く言葉が増えてくれることを期待しています。

11157 : Smells Like Betrayer.  アルフ・O ('19/04/08 12:44:20 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_546_11157p
(一)作品全体に流れるヒリヒリした緊張感が伝わってくる。英語やカタカナの使い方も単なる装飾やハッタリではなく、きちんと効果が計算されている。
(一)エスプリと遒気効いた作品である。独自の世界を突き進んでおり、この作品でしか出来ないことを効果的に行っていると思う。
(一)表現・文学について語っているようにも読めます。前提のない状態で読むとわからない話になっている箇所があります。

11162 : かなわない  みちなり ('19/04/10 14:37:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190410_556_11162p
(一)出だしはとても良かったが、もう少し圧縮した方が引き締まったのではないか。平仮名にすべきだが漢字のままではと思える部分も気になった。しかし平仮名の部分はどれも光って魅力的である。
(一)一行目が良かったです。とても平凡な箇所もあるのですが、全体として見ればそれも良いかと思います。
(一)歌うことと書くことを比較し、感覚までは再現できないことへのもどかしさを凡庸な言葉で書き表してあります。凡庸ではありますが、思考の跡が見られ、文脈のおかげで最後の言葉が潔い印象になっています。
(一)心情の吐露のようなものが続いていますが、上をすっと通り過ぎていくような軽さがあります。深くしつこく胸に染み付く表現があると印象が強くなるのではないか。

11173 : オセロ  紅茶猫 ('19/04/15 10:34:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190415_642_11173p
(一)紙面などに載っているとそれなりにお洒落な文章を書ける方だと感じます。これに加えて、情感の香りのする表現まで高めて欲しい。

11160 : 過誤  卍 ('19/04/09 11:21:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190409_551_11160p
(一)読みやすく文中に自己が投影されていくことが分かる。最後もう一ひねりあっても面白かったのかもしれない。これでも十分、面白いとも思う。
(一)お話として楽しい仕上がりになっています。呪われているという設定は突拍子のないものですけれども、人が罪で罰されているのかという思考に移って行って素直さに繋がっていきます。

11170 : わたしがミイラ男だったころ  帆場 蔵人 ('19/04/13 23:43:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190413_632_11170p
(一)顔の包帯を解いていくと中は空洞という透明人間の映画を連想させるが、この詩におけるミイラ男は本当に空っぽで肉体がない。そもそも彼にとっての肉体は、包帯を巻くためだけの存在であった。そして包帯が解かれた今は何もない。ただ残っている熱や痛みや痒みといった感覚だけが、彼にとって生の証なのである。人の存在や生きるという意味について考えさせられる寓話的な詩。
(一)分かりやすい比喩が立っている。この後、作者がどうなっていくのか気になっている。
(一)ミイラとゾンビが混じっているようなところは面白さとして捉えられるか。生きているからこそ感じる苦しみを死者を使って表現しています。詩人として包帯しか見えていない人たちに、見えないはずのものを見せて頂きたいと感じます。

11159 : 舞姫。  田中宏輔 ('19/04/08 15:12:35 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_548_11159p
(一)作者の他作品ともリンクする大長編詩。「舞姫」や「リゲル星人」といった単語が解剖台の上で劇的な出会いを果たし、SFとも21st Century Schizoid Manの妄言とも解釈できる不思議な世界を構築している。「死んだ父親に、自殺した母親のことを報告する」は、同じ月に投稿された「陽の埋葬」を連想させる。このサイトにおいては少数派だろうか、もし作者の作品を読み慣れていない読者がいたら、作品中に登場する作者の名前を自分のものと置き換えてみると面白いかも知れない。
(一)圧巻としか言いようがない。途中のおならのオノマトペなどユーモアも十分に盛り込みながらの作品。

11141 : imaginary  完備 ('19/04/01 07:46:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_439_11141p
(一)いつもながら完成度が高いが、「シ」という表記はすでに鮮度を保てなくなっているのではと思う。しかし全体的な完成をからすれば気になるほどではない。最終連は文句のつけようがなく、特に最後の2行が哀しいほどに美しい。

11155 : 統一選挙  星野純平 ('19/04/08 00:51:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_544_11155p
(一)思想を表すのにもう少し覚悟が決まっているとカッコ良い詩になったのでは無いかと思います。

11156 :  橋  ( 詩人 林俊 へ の オマージュ )  玄こう ('19/04/08 03:41:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190408_545_11156p
(一)「立ちては」という言葉で引っ掛かりを感じました。
哲学が立ち上がりそうな寸前で立ち上がってこないもどかしさがあります。

11167 : 歩行と舞踏  atsuchan69 ('19/04/12 06:39:53)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190412_585_11167p
(一)プラスティック加工された言語の圧が見事であり平面的な立体を創出している。「がががが」の部位が上手く印象を残している。
(一)文章自体が一定の面白さを保っていますが、一行目の細やかさが持続しているともっと濃密な詩になるのでは無いか。

11164 : 88888888888888888888888888  泥棒 ('19/04/11 20:58:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190411_570_11164p
(一)親父ギャグの問題化を輪郭を立てて発していく。面白さがある。エンターテイメントに関する上質さを知り尽くしている。
(一)鬱屈したものが表されてはいるものの、大勢の人が求めるような形にはなっていないように感じられます。

11151 : 隅っこに橋がかかっていた  空丸ゆらぎ ('19/04/05 22:39:45 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190405_521_11151p
(一)橋を渡らず川を下る。
意表を突こうとする試みがある程度成功しています。
三匹の子豚の話と重なるところがありますが、勢いを感じさせる筆致を評価します。

11149 : 犯共  屑張 ('19/04/03 19:51:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190403_482_11149p
(一)イメージの連鎖が続いていく。終わることのない永遠を垣間見せていく爽快な作品。
(一)話者の生活の一部を素材に切り取って読者との距離感が一気に縮まります。全体の文章の印象が役に立っており最後の単純な呟きが効果的に響く構造が出来ています。

11145 : 宣誓  まひる ('19/04/02 05:57:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190402_457_11145p
(一)温かさが輝いている作品。比喩の跳躍を思い切って、もっと先を掴んでも良かったかもしれない。

11140 : 生活  山田はつき ('19/04/01 04:49:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_434_11140p
(一)良い詩作品である。古いモチーフと書き方が現代社会にマッチしてしまっているというプロレタリアの悲しい復権に見えます。

11142 : 誕生日  星野純平 ('19/04/01 12:25:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_440_11142p
(一)リズムが良すぎる部分が引っかかってしまった。破調を組み込んだ先に広がる作品に思えた。
(一)この言葉の切り方の絶妙なカッコよくなさが印象的でもあります。単語選びがパワフルで一つのスタイルになりそうな特殊感があります。

11146 : ひとつのロマンス  鷹枕可 ('19/04/02 17:35:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190402_462_11146p
(一)硬質な独自の世界が確立していっている。タイトルに裏切りもあり面白い。
(一)少し美しすぎたかもしれないという印象があります。

11144 : ラズベリー  泥棒 ('19/04/01 22:16:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_445_11144p
(一)比喩を意地悪く使おうと爽快に跳ねています。もう一展開あると。

11150 : 縛るほど愛が生まれる  黒髪 ('19/04/04 00:41:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190404_484_11150p
(一)やりたいことは物凄く良くわかる。そのため文章量などの見直しなどが必要に思える。
(一)読んでいて気持ちのいい作品です。突き抜けたところはありませんが、一貫して関係性について表現できています。
(一)口語的に書いてある部分はノリが良くなっていてリズミカルです。突然これが始まると印象が強くなるのでは無いかと思います。説明的な部分を省いてみると面白くなります。

11139 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/04/01 00:47:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_431_11139p
(一)死んだ魚や鸚鵡の骸骨が話をする世界でも、死んだ父と母は語らない。それは当たり前のことなのだが、実は話せないのではなく話したがらないだけなのではないか。この詩が終わったその後で、受話器の向こうから死んだ母の声が聞こえてくるかも知れない。そんな奇妙な感覚に陥る、不気味だが独特の美を感じさせる作品。
(一)瑞々しさと詩情の昇華が見事である。反復と差異の力が光る。
(一)三連目が特に良いです。現代で「電話」を上手く使うのはなかなか難しいと思いますが、それができています。

11143 : 私だった  イロキセイゴ ('19/04/01 22:11:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190401_444_11143p
(一)言葉の跳躍が面白い部分を保っている。今一歩のところまで来ています。
(一)ギリギリのところで不条理な文章とイメージが繋がリマセン。文章との境目でもう少し一つ一つに強烈なイメージを湧き立たせるセンテンスがあれば不条理へ持っていけるのでは無いかと思います。

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●2019年4月分月間優良作品・次点佳作発表

2019-05-30 (木) 02:01 by 文学極道スタッフ

2019年4月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

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●2019年3月分選考雑感(Staff)

2019-05-04 (土) 00:21 by 文学極道スタッフ

11122 : 命日  白紙 ('19/03/16 15:48:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190316_281_11122p
(一)最後の文章は作品を小さくしている。
(一)結論の部分以外は楽しく読むことができますが、全体としては神と悪魔と人間との関係、感情が短絡的に語られている部分も目につきます。短絡的であっても良いのですが、ストーリーの発想で読ませるのではないのであれば、表現の仕方の面白さがもっと必要になるのではないかと思います。
(一)「神」「天使」などのモチーフは大変危険だと思います。古典の時代から使い古されているからです。古典作品のその言葉の重みを越えられなければ、結局霞むだけなのでは。また、西洋宗教が筆者にとってもっと身近で日常的であればそこにリアリティも生まれるのではないでしょうか。

11133 : 詩 第十四  舟鷹 ('19/03/25 21:15:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190325_379_11133p
(一)空行が気になる。一つひとつ来るものはあるため、もっと形式などを整えたものも読んでみたい。
(一)比喩が別の本当の意味の単語で置き換えて読めてしまいます。昔のラブソングのような雰囲気の冒頭は好みの人には合うかもしれませんが、詩としてはまだ工夫のできる余地があると感じました。
(一)印象的な断片が光る作品であると思う。

11123 : 火は鎮むにつれ饗宴になり  屑張 ('19/03/18 00:26:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_302_11123p
(一)作品の凝集性が高い。高密度であるがリーダビリティも高い。優れた作品である。
(一)夕景から始まる火と死の物語。それぞれの短詩は共通したテーマに沿っていて良い意味で読みやすい。東京という都市の未来への不安感が国家と個人という正反対の方向へ拡散していくのを感じる。

11138 : 冬の墓  帆場 蔵人 ('19/03/30 02:26:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190330_413_11138p
(一)心地よく作品が進んでいく。悲しみを置いていく在り方が胸を打つ。
(一)辛いことや停滞したイメージに冬はよく使われますが、その対比として命の芽吹く春を描き、最終的にその春も刈り取られてしまうという展開ではありますが、対比がわかりやすいのにも関わらず結論がまだきちんと出ていないようで、更に描き切れることがあるのではないかと感じます。
(一)抒情詩として非常に美しいと感じた。
(一)最初の一行が良いです。三連目、少し力が抜けていて長いので、間延びしていると感じました。
(一)生きるということの過酷さと儚さという点においては、植物も人間も同じであると改めて考えさせられる作品。春に届かず冬に消えていく命。それは四季という単純な括りではなく、人生に例えることもできる。最終連における無情さは、しかし同時に生きることの尊さと解釈することも可能ではないだろうか。最初の2行における「枯れてゆく」の重複を、選者はマイナスポイントとした。この部分がなければ文句なく優良であった。

11137 : コテツ  玄こう ('19/03/29 21:59:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190329_406_11137p
(一)音の流れが印象的である。
(一)音、オノマトペと意味の関係は形式として読者に衝撃と影響を与えるもの、途中のフレーズにも心打つものがありますが、これを全体へ拡げて欲しいと感じました。

11136 : 文学が襲いかかってくる。  いけだうし。 ('19/03/29 10:45:02 *1)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190329_400_11136p
(一)いろんなところに文学が潜んでいて発見すると影響を受けそうになる、誘惑に負けそうな自分の弱さまでも一歩手前まで見つめています。感情の言葉に流されて心情の吐露に陥っているような説得力に欠けているところがあります。
(一)「文学が襲い掛かってくる」いいフレーズだが、文学の暴力というもう少し押しが欲しかった。ただ、「バイトを休むのも文学が襲い掛かってくるからである」というくだりは、非常に人間的であり狂おしいほど好きです。

11135 : 泡  イロキセイゴ ('19/03/28 02:01:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190328_389_11135p
(一)私には掴むことが出来ず、読み込んでみても強く訴えるものが見つけられませんでした。

11108 : 開拓村  山人 ('19/03/07 06:02:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190307_143_11108p
(一)描写が上手く黎美であり臭気に満たされた現実世界が立ち上がってくる。眼前にあるかのようだ。
(一)きちがいのようになどのインパクトのある言葉をパターン化して出すという技がこの場合詩の質を落とす方に働いてしまっているようで残念です。使い方に依っては面白いものになる筈ですので自然に発せられているともっと素敵です。
次の段階へのステップかなという印象です。
(一)詩情は表面的に装飾された言葉ではなく、リアルによって立ち上がる。そのことを緻密な筆致で描き出していると思う。
(一)他の作品と同様にノンフィクションとして読んだが、仮にフィクションであってもその価値が損なわれることのない内容である。開拓者の悲惨な物語は数多くあるが、本作においては単なる嘆きに終わらず最終行を選んだ所に作者の年輪を感じた。

11134 : 朝、ホオジロは鳴いていた  山人 ('19/03/26 06:59:16 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190326_380_11134p
(一)作者の作品として一歩、先へと踏み出していった作品である。難解な部位と実存の融合。
(一)春の狂乱。凄まじい命の勢いを感じること。移り変わる不安定さや痛みを実感出来るよう、分かり易く描くことに成功しています。
(一)季節の描写が非常に美しい。第二連が秀逸。
(一)「発狂」という単語をこれだけ連呼すれば普通は安っぽい作品になってしまうのだが、この詩においては「父」の飲酒行為とそれに前後する心の動きを圧倒的な迫力でむしろ必要な配列だと納得してしまう。「リノニュームから逃れたところに田園はある」等、作者の技巧的な成長を感じさせられた。このレベルを継続していけるのか注目していきたい。

11129 : ラーメンと日本人  atsuchan69 ('19/03/21 12:49:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190321_337_11129p
(一)ラーメンというグローバル化していく概念と食から日本を見いだしていく問題作。ユーモアも炸裂している。
(一)ストーリーの繋がりは曖昧ですが、文章から滲み出る温かみのようなものは有ります。
対比が少々安直に感じられます。今一つ文化についても深味が欲しいところです。
(一)読み物として面白い。最初の「お前はもう死んでいた」で引き込まれる。ずるい。ただ、日本の魂であるとか、そういったものを表現するのであれば、安直と言わざるを得ない部分がある。第一連ですでに詩の核を見せてしまっているので、後の展開ではだらけてしまった印象。
(一)ラーメンもカレーも他国の食文化が日本特有の進化を遂げたものであるが、この詩においてはアメリカナイズされたはずのラーメンが新しいタイプの「日本的ラーメン」になり、それを愛するアメリカ人が自らを「日本人」だと言う。一見、日本文化の勝利かと思えるが実際は「日本」や「日本人」そのものが曖昧な存在となり、他国の文化に吸収されて変質しているという2回転捻ったオチが面白い。

11127 : 進学や就職  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/03/20 00:09:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190320_318_11127p
(一)胸を打たれた。エンタメテイストではなく作者の内面と距離が近い作品。綴りも丁寧である。
(一)受け身でありながら扇情的でもある言葉の選択によって、意見的な印象が強めに感じられます。
(一)まんまである。まんまであるから、そこが良い。胸の奥の軋りを感じる。
ご就職おめでとうございます。あなたの明日に幸あらんことを祈っています。
(一)浜田省吾が「MONEY」を歌っていた頃には、まだ都会に夢を見る余地があった。現代ではこの詩のように「少しでもマシな方へ移動する」という程度の「張りぼて」になってしまっている。それがこの国の現状であり、その事実がこの詩に説得力を持たせている。

11103 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/03/04 22:19:51 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_091_11103p
(一)ゲシュタルト崩壊していく作品の世界が、美しく花開いていく。
(一)古き佳き言葉を新しい形式に流し込むことによってまた別の新しい好感覚を導き出そうとする形の詩となっています。古の怪談話のような印象があります。
(一)水というものの美しさとある種の恐ろしさを巧みに表現している。視覚的イメージだけではなく、張り詰めた沈黙と時折それを破る微かな水音まで伝わってくるようである。作品の向こうに神的なものの存在を感じる。

11130 : 詩 第二十一  舟鷹 ('19/03/21 15:15:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190321_340_11130p
(一)神というワードが大きすぎる印象。君との落差が上手く利用できていないのではないか。個人的な孤独感と世界を想う時の孤独感、そのどちらをも表現しようとしたのだとすれば更なる深い考察と洞察が必要に感じます。

11131 : strip trip !  白犬 ('19/03/21 18:31:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190321_343_11131p
(一)作品が、纏ってきている。以前は自己を全て出し尽くしているから詩情はあるけれども断片的になっていた。詩篇になっている。
(一)このテキストは朗読すると一味違うであろうと想像させるものがありますが、テキストのみで読ませるにはパンチが弱いかもしれません。描き出そうとするイメージがありがちになっていないか、色っぽさを表現する際の言い回しに癖が付いていないか確認するともう一回り面白い詩が書けそうです。
(一)詩としての体裁が整っている分、ひりひりした剥き出しの情熱や毒素が少し薄まっている気がする。最終行にもう少し工夫がほしい。でも方向性は間違っていないと思う。

11132 : 霞を求める眼  横山不飛 ('19/03/23 04:46:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190323_360_11132p
(一)雨水の雫が落ちた瞬間を写真のように捉えている詩ですが、もっと自身の感覚に起こったことを書き込んで良いと思います。

11128 : 花  水漏 綾 ('19/03/20 20:47:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190320_327_11128p
(一)小品として美しい作品。優しい慈愛に満ち溢れている。
(一)与える印象よりもっと自分勝手に書いてみると面白い書き手ではないでしょうか。
思い方や感性に光るものを感じます。
(一)生活の中の命を浮き上がらせる静謐な筆致。連の切り替わりがページをめくるよう。
(一)テーマを明確にして、長すぎず簡潔に表現できているのが良かったです。私と花という関係性がありながら、目指すものが孤独であるという点も面白かったです。
(一)無駄がなく美しい言葉選びによって、語り手と一緒に心地よい空間にいる気持ちになれる。ただ出だしが良かった分だけ後半がやや失速しているように感じる。最終連は最初の4行だけにするか、最後の4行を残すなら表現にもう少し工夫がほしい。

11116 : 百年前の夜か、千年後の朝に、姉を殺す。  泥棒 ('19/03/13 13:07:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190313_216_11116p
(一)リズムが非常に軽快。読んでいて楽しくなる身体反応に近いリズムをした作品であり、並べられている言葉も興を醒めさせない具合になっています。
意味で内容を追うより、それを超えて単語の連なりとリズムで一定の刺激を得られる面白さがあります。
(一)展開の美しさが際立つ。言葉数は決して多くないが、だからこそそれが余白を語らせているように感じる。
「四月にカーディガンをかける」ここに慈しみすら感じた。

11110 : アナウンス  拓馬 ('19/03/08 15:29:47)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190308_157_11110p
(一)現代美術のように後から後から衝撃を持って心を締め上げてくる。巧みな作品でありエスプリも効いている。
(一)一つでは物足りないので、いくつかオリジナルのセンテンスも含めてこのようなものを連ねて行ってみると良いのではないか。

11125 : (無題)  まひる ('19/03/18 12:23:55)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_306_11125p
(一)分かりやすく纏まっている。ここから先が必要かもしれない。
(一)まだ思想、思いが強く出すぎていて詩の言葉とは異なると感じます。ボタンを押す本人の恐怖をもっと。

11126 : 土の下と上 〜何のことやら〜  空丸ゆらぎ ('19/03/18 23:30:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_310_11126p
(一)#の使用と形式が面白い。始まりを、もっと気を付けるか長めに取ると更に面白いかもしれないとも思った。
(一)表現したいことがあり、そこから逸れずに詩全体を纏めることが出来ているのではないか。人目を惹く文体を導き出すセンスがあるように感じられる。意図的に感ぜられる部分が全くないと感じさせることが出来れば更に魅力が増す。
(一)知性を感じる筆致である。展開しているようであって冒頭のメッセージから揺らがない。視点は常に定まっている。そういった意味ではミニマルの途中のような作品であると感じた。
(一)実験的で面白いが、それ以上の何かが足りないように思える。技巧、ストーリー、詩情、何でも良いからどこか突出した部分がほしかった。

11106 : 蛙の交尾  星野純平 ('19/03/05 22:28:15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190305_106_11106p
(一)一見凡庸ですが言葉を飾るよりも熱情をストレートに表現する言葉を使うことで情熱的な作品になっていると感じます。適した表現の仕方を選択したのかは不明ですが表現と言葉の在り方の一致。
(一)愛とはシンプルなものである。最後の鳴き声が全体に響き渡り、命と心、存在の軽妙さを表しているように感じた。

11124 : 都市標本『現在形』  鷹枕可 ('19/03/18 04:47:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_305_11124p
(一)標本という冠を付けることによって成功した作品。作者自身の難しさを、そのままに包括してラミネート加工を施してある。
(一)纏まりで考えると惜しいものがあります。単語の作り方には文脈の中でみても面白いところがあります。
(一)昭和詩が持つ独特の文学的空気が漂う良作。突き詰めてほしい。大変美味でした。

11112 : 死体がみつかる  宮永 ('19/03/09 20:01:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190309_167_11112p
(一)優良や佳作という概念を、越えている作品である。抒情的で美しい。一単体の作品として完成度も高い。
(一)改行の仕方やリズム、最終の言葉のパンチ力など褒められるところが沢山あります。ただまだ深く入って来ないところもあります。ダメな人間と言うにはダメなところに衝撃が足りなかったり等。
(一)幼い頃の失敗や挫折。隠したかった秘密を暴かれてしまったというトラウマ。それが「死体」という形で夢に現れる。誰でも心の中にいくつかの死体を埋めているから、最終連の恐怖が生々しい夢のように迫ってくる。

11119 : あ る く や よ い     玄こう ('19/03/14 21:11:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190314_247_11119p
(一)最終連の畳み掛ける良さがそれまでの謎かけのような文章から効果的であったのか、判断が付けにくく、しかし最終連の春の土の肥えてゆくようなイメージは炸裂しています。汚い語感の単語を使うことによって春の強い力がより鮮明に表れています。
(一)最後の連で春が猛烈に芽吹き、殴りかかってきた。

11118 : 衝動  まひる ('19/03/14 16:45:08)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190314_240_11118p
(一)将来、傑作を書くのではないかと少しだけ期待してしまう真っすぐな作品。書き続けて欲しい。
(一)情熱や衝動が本当に失くなってしまったのか想像させられました。最後の正直な吐露によって希望が残され、救われている作品。最後に吐露を乗せたことも力量のうちとして評価します。

11121 : 「猫」  アラメルモ ('19/03/16 01:00:38 *15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190316_273_11121p
(一)センスの光っている部分もあり、文章の上手さも理解できてはいましたが、読み方の糸口が最後まで見つけられませんでした。
(一)非常に美しいイメージとセンテンスの配列。ファンタジックな夢の中で、老いた猫の見る幸福な家族。美しくも儚い。
(一)淡々としていますが、随所に気になる表現が出てきます。読んでいて楽しいです。

11120 : you need love?  白犬 ('19/03/15 15:07:29 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190315_266_11120p
(一)テンションが良い。消えてゆくイメージ。blueの血というのは嘘くさいものですが、そこから嘘の文章への繋がりは説得力があります。良い塩梅で言葉を連ねテンションを高めてありました。
(一)むちゃくちゃかっこいい。ハードロックの歌詞として耳から聞きたい。

11100 : Sylvie with the light brown hair  深尾貞一郎 ('19/03/04 00:01:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_077_11100p
(一)形式などに美がある。
(一)難しい詩ではありませんが、何処か新しい感覚があります。終わり方など読者に世界観を残しイメージを持続させる効果があります。リフレインが効果的だったかは不明。意識の逸れてしまうような単語があると目に付く程度には読者を集中させる力があります。
(一)過度なイメージの装飾はなく、階段を下りてゆくだけのシンプルな構造は遺伝子を遡ってゆくよう。

11105 : 雪 2019  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/03/05 02:50:27 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190305_096_11105p
(一)単語と単語の関係、情景と情景の繋がり、これらが悉く遮断されている風に読めますが読者の気を散らしてしまう方に働いてしまっていないか。
(一)雪の白と斎場の壁の黒、そして焼かれた仏様やマルボロの灰……と、そこまで作者が意識していたかどうかは不明だが、喫煙という行為の終わりに漂う無常感が良い。最終2行の「明日も」の重複は不要だと判断した。

11115 : screen  完備 ('19/03/12 21:04:30 *10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190312_205_11115p
(一)上手い。言語とヴィジョンの取捨選択に迷いがない。

11117 : いつも。あの人。向こう側にすわってる。  屑張 ('19/03/13 21:53:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190313_224_11117p
(一)タイトル良いです。心の中の呟きや内緒話の良さがありますが、いくら読もうとしても核心が出て来ないもどかしさもありました。
(一)単語の羅列が美しく、それでいて空間は透明に広がっている。

11113 : 自転車  水漏 綾 ('19/03/12 00:13:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190312_192_11113p
(一)分かりやすい表現の中で、ちょっとした捻りを加えて行っている。作品として上へと向上している。
(一)前半が詩のようで、後半がその設定を使った理論のようになっている為、読者がいるようでいない印象。
(一)第二連で自転車そのものとしての存在、三連ではそれを漕ぐ人への視点の切り替わりが素晴らしい。爽やかで、それでいて微かな疲労と悲しみに満ちた愛のヴィジョンだと感じた。
(一)概念的な部分、表現的な部分、共にとても良いです。きっちりまとまっているし、考えさせられます。
(一)最初は「上手く書けているな」くらいだったのが「じごくの道」からハッとさせられて、そのまま最終連で投げ技をくらい地面に叩きつけられる感覚。谷山浩子的な狂気を含んだ愛を感じる。

11114 : Artery&Vein  鴉 ('19/03/12 18:21:17)  
URI: bungoku.jp/ebbs/20190312_196_11114p
(一)技巧として正しく真っ直ぐに構成されている。言語芸術とは何かを運動の中から捉え直している。
(一)ダークファンタジーな詩。性愛や恋の暗い部分がテーマになっているとして見ると胸の苦しさやもどかしさが比喩として見えて来ます。
(一)抜群に切れのある筆致。要所要所に仕掛けられたレトリックが弾けている。

11111 : キャベツ君  atsuchan69 ('19/03/08 21:23:31 *1)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190308_159_11111p
(一)作品の世界の中での展開が絵本のように面白く動いていく。作者の最近の作品は、非常に面白い。
(一)キャベツ君がきゃべちきゃべちと言っている方が弾き語りよりも選挙よりもゴスロリ少女の朗読よりも人の興味を引いて面白くなってしまうということが、そのままでなくあくまで詩としてきちんと昇華できています。皮肉で本当のことをズバリ上手に表現できており痛快。
(一)キャベツ君の独自言語が可愛い。「ぎゃべつんぱぉ!」で笑ってしまった。
社会の在り方をやさしく提示しているよう。

11107 : 闇の静物史_1:贋物について  鷹枕可 ('19/03/06 13:58:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190306_122_11107p
(一)読み応えがあり独自の世界観を貫き通していることに創作としての輝きを見る。
(一)独自のスタイルであり戦争を思わせる記述や険しい語りはこのスタイルと調和しているのですが、衝撃が物足りませんでした。
(一)作者でなければ描けない世界観と手法は健在であり、難解な単語やオリジナルな組み合わせが読み進める妨げとならないことに驚かされる。

11093 : Future  深尾貞一郎 ('19/03/01 00:01:00 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_010_11093p
(一)純粋に面白い。現実世界を昇華させていく新たな形式である。
(一)引用元の説得力の足りない部分。この人でなければ発さなかったであろう言葉を見つけるのが難しかったのではないかと感じました。

11095 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/03/01 00:06:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_013_11095p
(一)作者の中では短い詩篇に分類されるため興味を惹かれた。高密度に凝縮されており、うなってしまう。
(一)イマジネーションが炸裂しています。ゲーテのファウストからの引用をモチーフにすることで更に詩の面白さが補強されています。リズムも勢いも面白味を感じさせるものとして作用しており均整が取れています。
(一)生に付きまとい、時としてその道の上に大きく四肢を広げる死のヴィジョン。三途の川でしょうかね。文句のつけようがありません。
(一)星を吸い込んでは吐き出すイソギンチャクというイメージは、坂田靖子の「星食い」の世界に通じる硬質の美しさがある。作者オリジナルの部分と引用部分の調和も見事。

11099 : グローバリズム孤児  星野純平 ('19/03/01 07:59:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_031_11099p
(一)錯乱していく方向を含めて内面と世界を攪拌していく面白い作品。

11109 : 働くにはいい日  黒髪 ('19/03/07 18:50:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190307_146_11109p
(一)音が良い。そして素直。一方で比喩を、もう少し使って良いとも思う。
(一)ピュアな視線が詩に表れています。言葉のリズムを整えるということをしているのですが態とらしさの無いところが良い。もっと言葉を深めて行けると感じます。
(一)タイトルから第一連の流れは最高だったが、最後の連が蛇足のような気がした。必要なかったのかもしれない。

11104 : 朝  ネン ('19/03/04 22:47:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_093_11104p
(一)真っすぐに書いていき詩と向き合っている。あと一歩だけれども具現化されている。
(一)意識が表層から離れていないまま書いている感があります。

11102 : 目次  空丸ゆらぎ ('19/03/04 20:40:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_086_11102p
(一)最後の方にかけて上手くまとまっていっている。始まり方が、もう一歩に思える。
(一)芯のある詩です。絶望を現実の中で自身の心でありのままに捉えて言葉に変えることに成功しています。何気ない力強さが希望を感じさせ、姿勢のあるメッセージが込められています。

11101 : 芸術論  コテ ('19/03/04 03:32:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_081_11101p
(一)芸術の中で芸術を考察し、体現する際のもう一歩の工夫が欲しいと感じた。
(一)真面目な語りです。芸術について考え始めたり、芸術的なことをしたいと思い始めた人などにとって、一度は考えたり提示していくことが大切なお話。強引な部分もありますので、その点でこの評価です。

11098 : memories  完備 ('19/03/01 07:25:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_029_11098p
(一)視覚にまつわる失念との切ない思い。恐怖と諦観が漂い必死な希望も見える。
(一)優良でも良いのではないかと迷いました。三連目四連目、確かにあるけれども誰も言わないしかし良くあること、読者を安心させるような記述があり、七連目は文章の切り方が内容とマッチして辿々しく何とか大切なことを話しているようなリズムになっており非常に効果的です。
(一)読み進めて行きたくなる作品でした。多くのことを書き足さないことで、伝えたいものが伝わりやすくなっていると感じます。
(一)「あの頃」を振り返るというスタイルの詩は多いが、この作品は単なる自分語りにならず語り手の感情が自然に染みこんでくる気持ちになる。手術をすればクリアな視界を取り戻せるのに、もう少し今の状態で友だちを見ていたいというのは進行性の病を持つ者にとっては複雑な気持ちになるが理解は出来る。

11097 : 光  黒髪 ('19/03/01 06:05:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_027_11097p
(一)良質で光り輝く言葉を用いている。更に独自の比喩が欲しいと思う。

11096 : 湖畔に住んだ最後の二人  コテ ('19/03/01 04:24:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_025_11096p
(一)作者の作品として一番、今までで良いと思った。綴りが丁寧になっている。アウトラインも上手く伝わってくる。

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●2019年2月分選考雑感(Staff)

2019-04-29 (月) 00:52 by 文学極道スタッフ

11092 : イオン  イロキセイゴ ('19/02/28 23:59:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190228_009_11092p
(一)詩的構造が、あと一歩かもしれない。もう少しで傑作に転びそう。単語の選択の仕方を見守っていきたい。

11074 : locally  完備 ('19/02/14 22:26:01 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190214_837_11074p
(一)技術的に優れているので、梅の花とその周囲の状況が視覚的に浮かび上がる。また、その情景が自己の記憶であるかのように感じさせる表現力と叙情性もある。
(一)一つひとつの綴りが美しいです。人間としての情感が詩へと昇華されている。

11091 : 春の性癖  泥棒 ('19/02/28 23:30:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190228_006_11091p
(一)春のザワザワしていく喧騒を皮肉交じりに書いていく。ユーモアと遒気光る。

11090 : 祈り  渡辺長吉 ('19/02/28 12:30:37)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190228_997_11090p
(一)この作品は素直に祈りが綴られている。ただし文学作品としての独自の輝きが、もう少し欲しいと思った。

11067 : Underground Broadcast  アルフ・O ('19/02/12 21:40:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_804_11067p
(一)作風が揺るぎない上に内容もさらに洗練されたものになってきている。イラストなら一瞬で認識できる美学を詩というジャンルで表現しつづける情熱を評価したい。
(一)恐ろしいほど攻撃的な作品。この言葉が突き刺さってくる。触れたら怪我をしてしまいそうな鋭利さ。

11073 : (無題)  鈴木歯車 ('19/02/14 17:50:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190214_833_11073p
(一)惜しい作品だと思った。着眼点や綴り方と跳ね方は上手い。ただ粗削りな部分があり、その先が見えているため、どんどんと前に進んで欲しいと思った。

11089 : どうしようもない夜に書いた二篇の詩のようなもの  山人 ('19/02/27 00:46:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190227_977_11089p
(一)途中まで良い作品だと思った。最後の「詩」という言葉が出てくることで、小さくまとまってしまった感がある。勿体ないと思う。
(一)人間の、どうしようもなさが寄り添いたくなるように綴られている。作品に「詩」を出す必要はあったのだろうか。ない方が広がりを持ったのではないだろうか。
(一)二篇の関係がちょうどよいです。欲求が静かに立ち現れてくる様子も、よく表現されています。「世界中が空っぽのような夜」という一文は、もう少し深い表現ができれば、と感じました。

11059 : 翡翠のペンダントをつけて  深尾貞一郎 ('19/02/09 06:19:21 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190209_733_11059p
(一)この表現方法で描き出された世界には、なぜか懐かしさを伴った良い意味での既視感がある。作品を読んで感じる感覚は恐怖や嫌悪も含めて自分の体験ではないかと錯覚する。
(一)言葉の結晶が眩く発光を続けている。作者の作品の中では最高峰に位置しているように思えた。
(一)静かで深く、読み応えのある作品です。読むほどに不安になっていくのですが、その不安を暴き出された快感もあります。

11047 : 樽のなかの夢  帆場 蔵人 ('19/02/04 23:23:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_626_11047p
(一)樽やその中の果実が何を意味するのか、考えるのが楽しくなる作品。樽は母親の子宮なのか、それとも食虫植物のような罠なのか。読み手の心理状態によって解釈は様々であろう。
(一)まとまっている小品。吸い込まれる詩情がある。

11077 : 冬の午後、町内  ゼッケン ('19/02/16 16:40:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190216_859_11077p
(一)復讐に繋がっていく陰鬱さが光る作品。プロットと練られてはいない文体がマッチしている奇妙さがある。
(一)ストーリーは面白いのだがアイデアとしては真新しいものではなく、詩としては研磨が足りていないと感じた。特に「復讐」という単語は使わない方が良かったのではないか

11035 : i got it  白犬 ('19/02/01 02:19:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_548_11035p
(一)言葉の綴り一つひとつは良いと思う。あとは改行の仕方や空白の入れ方が、どのような効果を持っているのかを客観的に見ていく必要性があると思います。

11068 : 未来の痛みをめしあがれ  泥棒 ('19/02/13 17:05:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190213_815_11068p
(一)個人的には村上春樹とか出てくるとそれだけでお腹がいっぱいになりがちなのだが、この詩では良い配分で使われていると感じた。最終連が特に顕著だが、詩として纏まりすぎている気がしないでもない。
(一)メタ的な構造で進んでいく詩作品。現実世界の、もはや上澄みとなってしまった傷というものと泥濘にフォーカスしてクールに進めていく。

11086 : あれがあれであれがあれだ  青島空 ('19/02/22 22:14:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190222_939_11086p
(一)軽妙な語り口でありながら内容が微妙に重い。そのアンバランスが面白い。ただ最後の着地はもう少しひねりがほしかった。あれをこれしてそれをなにな感じにすればあれだったかも知れない。
(一)鮮烈な言葉で綴られている。誰しもが共感する内容である。比喩に転化していく在り方を更に伸ばしていくと良いのかもしれない。

11087 : イモリ  イロキセイゴ ('19/02/23 23:48:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190223_958_11087p
(一)跳躍が面白さを放っている。けれども、もっと行数を重ねて良いかもしれない。もっと面白くなるはず。

11065 : るる  ゼンメツ ('19/02/12 01:59:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_790_11065p
(一)風邪を引いて高熱が出ている状況での、幻覚に近い奇妙な精神状態が巧みに表現されている。「くしゃみ3回、ルル3錠」とか知らなくても楽しめるというか、むしろ知らない方が先入観に囚われなくて良いかも知れない。かぐや様が熱にうなされている時の可愛さに通じるものがある。
(一)薬剤としての「るる」や他の意味の「るる」の混在が高め合っていく。
(一)この文体では、この長さがちょうどいいと思います。私と対象との関係がよく描かれており、引き込まれます。

11064 : 花  kale ('19/02/12 01:00:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_787_11064p
(一)それぞれの作品が高め合っているけれどもムラがある。特に最後の作品は、本当に、この一なのか気になった。

11085 : 天文潮検 鈴木 海飛 ('19/02/22 20:49:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190222_938_11085p
(一)「うさぎがはねる/しらなみおどる」という表現は、「この世界の片隅に」とかでも分かるように昔からある表現なので新鮮味が感じられない。ただ全体的な語り口は、良い意味での古さを伴った個性が感じられる。

11066 : 一人を考え独りとなる為に  鷹枕可 ('19/02/12 12:04:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190212_800_11066p
(一)この作者の詩はバロック絵画のような印象を受けるものが多い。陰影に富んだ独特の世界観は時としてマンネリに陥る危険と背中合わせではあるが、今作を見る限りその心配は杞憂であると感じる。「死」をテーマにした詩は安っぽいものになる場合が少なくないが、この作品ではその重さをしっかりとした土台が支えている。
(一)作品の独自性が光る。曲げない意志があり、それは向上へと直結している。

11069 : スペイン  深尾貞一郎 ('19/02/13 21:41:11 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190213_818_11069p
(一)文章の切れは光っている。質を上げるために、もう一工夫の味わいを出していくことも必要に思える。

11071 : 犬  黒髪 ('19/02/13 22:58:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190213_821_11071p
(一)つげ義春のエッセイを詩に変換したような寂寥感。文字通り犬のように彷徨い歩く語り手の孤独と焦燥が胸を打つ。
(一)切ない綴りが続く。作者の中では一番の作品となっているのでは、と思う。

11080 : さよならフォルマッジョ  帆場 蔵人 ('19/02/18 01:06:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190218_886_11080p
(一)「蛆」だけ気になった。その部位を別の言葉に変えたら更に独自性がある作品へと変容したと思う。チーズとの距離感があり面白い作品だと思う。

11079 : 田中のバカヤロー  鈴木歯車 ('19/02/18 00:09:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190218_885_11079p
(一)テーマにも表現方法にも目を見張るほどの新鮮味はないが、決して無視することができない痛みがあるのも事実。個人的には最初の行をラストに持ってきた方が良かったように思う。
(一)後味の悪さが光る。文中の速度を操っていく在り方が巧い。

11082 : 水門の休日  Javelin ('19/02/18 12:04:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190218_901_11082p
(一)情景描写がとても良いです。もう一歩踏み込んで描ければ、とも思います。

11075 : 友の詩  spector ('19/02/15 15:02:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190215_848_11075p
(一)はじめはメタな詩作品かと思ったが、そうではなく真っ直ぐな詩として進んでいった。最後の一行などが狭くしていると思った。

11060 : 虹  紅茶猫 ('19/02/09 17:57:33 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190209_739_11060p
(一)一つ目の詩作品が順番なども含めて、ここなのだろうか、と気になった。

11062 : ことばの序破Q  atsuchan69 ('19/02/11 13:24:42)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190211_774_11062p
(一)魚の調理との比喩化が達成されている。ことばという題材そのものを扱うには勿体ない文体に思えた。

11055 : 姉妹たちに #2  渡辺八畳@祝儀敷 ('19/02/07 16:02:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190207_697_11055p
(一)最後の連が効果を持てていたかどうか。途中までは非常に良い作品だと思った。

11038 : なんて、おもってもいないわ。  環希 帆乃未 ('19/02/01 18:33:36 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_564_11038p
(一)あと一歩のメタ作品に思える。

11061 : sweet erotica  白犬 ('19/02/11 00:38:44)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190211_759_11061p
(一)空行は、もっと洗練することも出来るとは思った。しかし荒々しさと繊細さが上手く高め合っている作品。

11043 : white  完備 ('19/02/04 00:40:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_611_11043p
(一)胸に沁みる作品。上手い。

11045 : 偶然を登る枯れ葉  鷹枕可 ('19/02/04 19:15:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_616_11045p
(一)短い作品だけれども、作品の濃縮度が高い。独自性も光っている。

11044 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/02/04 00:56:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_612_11044p
(一)この作者の詩は世間一般の「常識」からすれば、「猥褻」とか「不潔」といったレッテルが貼られるような内容のものが少なくない。しかし実際に読んでみると、単に奇をてらったものではなく計算や必然の結果であることがわかる。以前にも書いた記憶があるが、ジャン・ジュネの小説のように悪徳や背徳の裏返しとしての神聖さすら感じられる。この詩は、そういった作者の技量が特に感じられる作品である。
(一)今までの『陽の埋葬』のイメージを変化させており驚かさせられた。音にこだわっており一気呵成に読まさせられる。抜群に上手い。

11042 : 泡沫の蝶  環希 帆乃未 ('19/02/04 00:31:17 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190204_610_11042p
(一)綴りが粗くオノマトペが効果を、もっと持てるところで留まっている。作者は、もっと上手いと思っている。

11034 : 陽の埋葬  田中宏輔 ('19/02/01 00:01:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_545_11034p
(一)描かれている情景やシチュエーションは良くあるものである。たとえば三善英史の「雨」など、昔から様々なジャンルに存在している。それでも最後まで読ませるのは作者の力量であろう。最終連に向かっていく言葉と意味のモーフィングが見事である。
(一)最初のまとまりと最後のまとまりの構成が見事。中間が見事に作品を向上させていく。
上質な作品である。

11040 : ついてくるからついていく  玄こう ('19/02/01 23:29:37 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_576_11040p
(一)作品が優しく昇華されていく。人間とは何かの根源と、自分自身とは一体なんなのかを突き詰めていった素直な作品。
(一)一連目がとても良いです。言葉の連なり、変化が心地よいです。また、最終連も一連目とのかかわりを考えて読むと味わい深いです。ただ、表現が大げさになりすぎているとも思います。

11036 : 割れ胡桃  土御門宮彦麻呂 ('19/02/01 03:24:50)  
URI: bungoku.jp/ebbs/20190201_550_11036p
(一)荒々しいが作品構成として前に出ていっている。最終連が丁寧だと、もっと良いと思った。

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●2019年3月分月間優良作品・次点佳作発表

2019-04-28 (日) 00:04 by 文学極道スタッフ

2019年3月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

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