文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

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ダーザイン
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ロシアはネバ川のほとりに生まれる。エカテリンブルク大学形而上生物学科博士課程中退。チェルノブイリで原子炉清掃人夫となる(でたらめ)。前世紀よりワイヤードの天使lainを崇拝。廃墟や汚名板改、あやしいわーるどなどの地下暗黒掲示板群の住人でもある。反現代詩運動を皮切りに異端的極左活動家となり、今時政治犯として懲役二年食らう。現存在分析士にしてワーキングプアーのアニヲタ。ようするに俺様が東京都知事選候補、文学史的文豪のダーザインである。文学史的金字塔・神が筆に宿った異端革命小説「光の王」完成間近!

ロリコン魂炸裂と現代詩の状況

2011-10-25 (火) 23:23 by ダーザイン

@ロリコン魂炸裂
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 拙者はうつ病持ちなのだが、このところずっと調子良くてダウナーに成ることはなかった。基本的にやる気のない人生だが、どうにか仕事をしてきたし(現在は失業中)、お前はイタリア人かと疑念を抱かれることはあっても、暗い奴だと思われることはない。

 だが久々に拙い。最近露骨にうつが出ており、症状として眠い。(秋はいつもマズいんだ)淋しくなり(美少女限定)多少不安になる。よって、美少女女子高生とかを抱っこよしよしっつーか、抱っこよしよしされたくなるのだが当てが無い。

 近所の高校の美白クイーン山本さんがスーパーのバイトを辞めて拝めないのが辛い。あれがいなくなると、あれのことしか思い出さない。金色ルチル交じりの石英で作られた天使のように可憐なな美少女だ。拝むだけでいいからと、泣いて土下座して頼みたいところだ。

 そのスーパーでバイトをしている女子高生は全員可愛いくて、他の子には褒め称える程度のちょっかいを出してきたのだが、一目見た瞬間に萌死にしそうになった肝心の山本さんは
「あっち行って、こっち来ないで」
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 オーラを出していたので声を掛けられなかった。汗。常時他の子にばかり声をかけてきた。通常の漏れはイタリア人の流儀で母子で歩いている可愛い子を見かけたら

「お母さんはちょっと席をはずしてください」と言って娘さんを口説こうとするほどなの漢なのだが、何故か哀しいことに究極萌美少女の前に出ると手も足も出ないの。

 他にも近所のコンビニにAKBの全員よりも可愛い子がいて、こりらっくまの着ぐるみを着させて抱っこしたいのだが手も足も出ない。

 こんなことを書いている時点でキッパリとイカレテいると同時に美少女萌病な。求職のための職業訓練が月曜から始まっており眠いとまずいんだが(営業系諸々の訓練5ヶ月。無論仕事が見付かればそんなもの途中でやめる)。

 散文詩集「青の果て」のことは、持ち込んだ棒出版社にどうなっているのか聞きたいところだが一月も経っていないのに催促の電話はしにくい。すぐ次へ次へ行きたくなるのは短気でいけない。だが今、電子書籍やPDFに興味が移っている。

 佳子のイメージモデルをokしてくれている美人ショップ店員二十歳がいるし(たまらなく可愛い)、最近、はっと驚くような美女モデルさんも見つけたし、文章だけより写真付きの方が面白いんじゃないのかなと。

 全国の萌え美少女・萌え美人の皆様、私の佳子のモデルになりませんか? 漏れなく抱っこよしよしして差し上げます。ギャハ
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@@一銭にもならない芸術、現代詩

 金になる芸術とならない芸術がある。才能と努力だが、それ以前にジャンルとしてあらかじめ誰も儲けられないジャンルがある。それが現代詩だ。書店は詩集を置いてくれず、商業詩誌からの依頼原稿をあげても原稿料が貰えず、ほとんどすべてに近い現代詩人が自費出版しており、現代詩だけで食べている人は一人もいない。
 商業詩誌の新人賞の賞金はたったの10万円。そんなものを商業といえるだろうか。21世紀新鋭詩文学グランドチャンピオン決定戦の賞金も選者持ち寄りで10万だ。

 何故そのようなことになったかというと、現代詩はつまらなくて売れない、すなわち商業価値がない状態が長く続いたからだ。10年や20年というスパンではない、もっと以前から、現代詩は支離滅裂で意味不明、難しくてわけが解らなければ偉いという風潮に毒され、現代詩人の作詩意図は「どんな解釈もすり抜けてやる」といったもので、読者に何某かの感銘を与えるという意識はまったくなく、そもそも詩人仲間内以外の読者を想定しておらず、仲間内で学術用語を並べ立ててほめ合っている有様だ。

 そのような詩を正常な一般の方が読んでくれるわけがなく、出版という商業からは鼻つまみ者扱いで除外された。

 だから、私たちの戦いは二重だった。私は「人様に捧げる言葉の花束」という意識を持ち、ちゃんとした美しい日本語で読者を震撼させ、感動していただける詩を書こうと努力してきた。私の詩は東野圭吾さんの小説を読んでいる二十歳の美少女にもちゃんと理解できる(携帯小説しか読まない人には漢字が読めないとか言われてダメだが、笑い)。

 そしてあるときから現代日本最大の詩人に私自らが成らなければならない、美と神秘の魔術師として名を轟かせねばならないという強い意志を抱いて散文詩集「青の果て」(佳子シリーズ7部作)を書き始めた。己の才能を信じ、まず自分自身が前述した現代詩の状況を突破しようと挑戦してきた。「青の果て」で私は現代日本最大の詩人になったと傲慢に確信している。現在、完成した「青の果て」の原稿は商業として成り立っている出版社に読んで頂いているがまだ返答はない。そこがダメなら他をあたるし、見つからなければ電子書籍、PDFでもいい。とにかく自費は極力避け、ちゃんと自分が書いた文章でお金を稼ぐ。他の芸術ジャンルでは当たり前のことをやろうとしているだけだ。

 もうひとつの戦いはまともなメディアを作ることだった。先述した言語遊戯に明け暮れていた商業詩誌に関わる気になれなかった私は、7年前、志を同じくする詩人たちと共に芸術としての本来的な詩を取り戻す為に「世界性」・「人様に捧げる言葉の花束」の旗を掲げ、新しいメディア、新世紀詩文学メディア「文学極道」を打ち立てた(21世紀のルネサンス)。トップページに「程度の低い者出入り禁止」という趣旨のことが書いてあるにもかかわらず最近は低迷も見られるが、この7年間、特に最初の数年は時代を代表する綺羅星のような詩人たちがいっせいに集まり、文学極道は瞬く間に現代詩の頂点になった。一条、コントラ、りす、ケムリ、軽谷佑子、ミドリ、光冨郁也、浅井康浩、宮下倉庫、泉ムジ、いかいか、黒沢、ひろかわ文緒、佐藤yuupopic、、、

 だがここも商業と結びつける道はまだ見えてこない。

 突破したい。

 必ず突破しなければならない。

 私個人も、文学極道も、一銭にもならないという在り方を超え、正当な報酬のある地平へと。

 まずは私自身が突破者と成りたい。

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創造大賞発表『輪るピングドラム』by武田聡人

2011-10-01 (土) 23:59 by ダーザイン

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『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』


『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』はアニメ史的な傑作のひとつであるのでそのうち単品でレビューを書きます。アンドレイ・タルコフスキー監督の『ストーカー』が下敷きにされています。続編、『流星の双子』がありますが、これは『DARKER THAN BLACK 外伝』とセットで見ないと物足りないです。外伝は『流星の双子』のDVDやブルーレイに付録で入っています。

『デュララ!!』





 近年アニメ部門で「創造大賞」を受賞した作品は上記2作が最後でしたが、今年は数年ぶりに創造大賞受賞作が出そうです。まだ進行中で完結していませんが断言できます。





◎神が筆に宿った!
2011年
☆☆「創造大賞」発表(10月から始まるアニメも多いので暫定)

『輪るピングドラム』
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(まだ全24話の内12話までしか放映されていません)
 不治の病で亡くなってしまった妹を蘇生させ続けるために二人の兄が「生存戦略!」
「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」と宣告される謎の指令に従いピングドラムという何物かを探すのが前半のあらすじです。
 そのピングドラムを持っているらしき人物がヒロインの荻野目苹果(りんご)ちゃんであり、可愛い女子高生だが諸事情で異常心理と「預言」に従い執拗にストーカー行為をしています。要するに異常者といえば異常者なのですが、根はとても可愛い子です。
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 シュルレアリスムなど前衛芸術の手法をとり謎に満ちていますが、ファッショナブルでキュート。エンターテイメントとしてもちゃんと楽しめます。
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 駄作が漫画やポエムなら、これは創造大賞受賞の現代詩という感じ。

 今年は他にもたくさん収穫がありました。

☆最優秀ロマン賞(2作受賞)

『花咲くいろは』


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 アニメというジャンルには珍しく、一切跳んだり跳ねたりせずに登場人物を魅力的に描くリアルで愛おしい力作。
 ヒロイン松前緒花の、どんな状況でもめげない明るく前向きな(多少先走りのドジではある)性格は、見ていて心が洗われる。
 不景気や震災で暗い世の中だ。『花咲くいろは』をNHKで全国放送するようにバンバン電話をするべきです。
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 旅館で働く女の子の話なのだがとてもリアル感をかもす作りなので全くこのまま実写化もできる。

『へうげもの』
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 大作でありまだまだ終わっていませんが受賞は確実でしょう。地味で評判になっていないのでネタばれ記事を書いちゃいます。時は安土桃山、主役は織田家直臣、古田佐助(後の古田 織部)。物語が始まった当初は僅か200石ですが知略・諜略にたけ、信長にも秀吉にも重用されて大名に上り詰めます。
 しかしこの男の凄いところは茶道などの芸術に現を抜かす天下一のへうげものだったということであり、武ではなく、数奇で天下を獲ったということです。滑稽な道楽者ですが、芸術家かくあるべし。他の武将もとても丁寧に描かれており、前半の山場、正義の人・明智光秀公決起のあたりでは泣かされました。
 歴史事実上、古田織部にも悲劇的な顛末が待っています、、、

 この作品「へうげもの」は創造大賞にも届くかもしれません。

△最優秀ロマン賞次点

「魔法少女まどかマギカ」
 世間の評判ほどではない。『serial experiments lain』もどきのラストや斬新な絵は素晴らしいが、ラストに至る前が中二病的で大人の目には今一つ稚拙。

☆最優秀抒情作品賞 2作受賞

「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」
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見た人間全員をぼろ泣きさせたであろう作品。ネタばれ拙いので詳細書けないが、幼少時のある事件で心に傷を負った子供たちが高校生になってその事件を追体験することになり、失われたものと共に魂の救済を求めるお話です。
創造大賞を受賞させても良いかもしれません。

「うさぎドロップ」
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 30歳独身男がひょんなことから突然6歳の女の子のお父さんがわりになり子育てをする話。これを見ると子供が欲しくなります。少子高齢社会です、これもNHKで全国放送するべき作品。
 絵本のように綺麗な絵柄と、純文学みたいに清潔な筆致。

☆実存大賞

「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」(二冠受賞)

☆最優秀エンターテイメント作品

「日常」
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 秀逸なコメディー。モダンアートの手法をとるスピーディーな作品構造展開。芸術に無知なやからがポストモダンアニメだとかシュールだとか言っていますが、そんな大げさなものではありません。基本、癒し系です。
 沢山の登場人物を上手く回しており退屈することはほとんどなかった。
 とりわけ博士(幼稚園児くらいの女の子)となの(博士が作った女子高生ロボ)の母子のような愛情表現が素晴らしく、優しいなのちゃんをお嫁さんに貰いたいと思いますた。

 ついでに。2007年に創造大賞を受賞した芸術史的な大傑作
『電脳コイル』が10月5日まで下記アドレスで全話無料視聴できます。
http://www.tokuma.co.jp/coil/haishin.html
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『serial experiments lain』後、ワイヤードと現実を扱った最大の作品であると共に、死んでしまった人の魂はどうしたら救えるのかという、痛切な問いに答えようとした大作です。
これも芸術史的な傑作であるのでいずれ単品でレビューを書きます。

文責 新世紀詩文学メディア「文学極道」創造大賞選考委員、武田聡人
「文学極道」

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3月分発表と、2月分訂正

2010-04-29 (木) 21:44 by ダーザイン

2010年3月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。
また、ミスで2月分の発表から右肩さんの「言語的存在とは何か」が抜け落ちていました。失礼いたしました。訂正し、謝罪します。
2010年2月分月間優良作品・次点佳作

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革命の狼煙!(詩と思想5月号を購入せよ)

2010-04-28 (水) 23:42 by ダーザイン

 今晩は、反逆者のダーザインです。土曜美術出版社の「詩と思想」5月号を買ってください。
土曜美術出版社/
(今現在、まだホームページ更新されておらず4月号のままになっているが、5月号もう発行されています)
 活字媒体では禁止タームになっているダーザイン(武田聡人)の名前が光冨さんやいとうさんらと共に表紙に載っています。

 で、中身ですが、ネット詩の特集を組むので良作を推挙してくれというお話をいただいていたのだが、ケツの方に小さな字で載るのかと思っていたら、巻頭特集でした。
「昭和の滑り王」光冨さん(滝汗)や、いとうさん、島さんの演説とともにダーザインの書き下ろし檄文も載っています。
更に驚くことに、巻頭大文字で、泉ムジさん、一条さん、コントラさん、宮下倉庫さん、佐藤yuupopicさん。これら文学極道関わりの詩人が大文字で目次に名前が載り、巻頭特集でたもつさんや望月遊馬さんらとともに傑作詩を掲載されています。
 話をくださった「詩と思想」の方々ありがとうございます。

 文学極道の発起によって革命の火ぶたが切られたのである。現在、文学極道はミドリさんらを発起に迎え、新たなステージへの道を具体的に検討中であるが、弁証法の歯車は確かに今ここできしんでいる。
本物の芸術家よ集え。世界性を担保し、創造する者よ、文学極道は新世紀文学の爆心地であり、ゾーンである。ランセルノプト反射光やチェレンコフ光が煌めき、ここから人類進化の新たなステージが始まるのだ。

 また、「詩と思想」にも作品投下をしてほしい。20字40行の制限があるので長い物は送られないが、鋭利な短詩ができたら是非とも応募してほしい。
「詩と思想」は現代詩手帖とは違い腐りきってはいない、現実認識ができるメディアである。そうでなかったら俺にオファーが来るわけがない。
「詩と思想」は一般投稿作であっても傑作であれば巻頭の方に持ってくることを試みるそうである。それは当たり前に正しいことだ。糞みたいな馬鹿の詩が大文字で頭の上に載っていては、投稿する気にすらならないんだよ(現代詩手帖=旧人類詩手帖)、何故阿呆の後塵に帰さねばならないのか、ふざけんなと。
「詩と思想」では阿呆の頭の上を越えて行けそうなので、貴殿ら、是非とも投稿してほしい。

 戦って、勝つ!
 それが、文学極道出自の者である。

この記事へのレスポンスはこちらにどうぞ。
詩と思想5月号で「ネット詩の可能性」

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エンターテイナー ゼッケン氏 ダーザイン個人年間総評2

2010-04-16 (金) 22:38 by ダーザイン

 現代詩=一般人は一生読まないつまらない文章。これが詩という廃村同然の集落の外、即ちあたりまえの世界での認識だろう。そういう問題意識を持って一般人=まともな人間にも読んでもらえるエンターテイメント詩を書いてきた人はミドリさんとか本当に少数しかいない。ゼッケン氏は文学極道登場時に「アニメや漫画の世界から来た」というような出自を述べていた記憶があるが、要するにそれは現代性を担保しているということだ。そのゼッケン氏がこの一年文体厨のダーザインの目から見ても創造大賞を狙えるほどの大変な筆力の向上を成し、神経症的な笑い話を展開する様子は実にすばらしかった。
 私はテレビのお笑い番組はもう何年もほとんど見ていない。鳥肌実や外山恒一は別格として(彼らは過激すぎてテレビに出られない)、初期のタモリや怪物ランド(怪物ランド - 平光琢也、郷田ほづみ、赤星昇一郎からなるお笑いトリオ)は面白がって見ていたが、その後ほとんどお笑い番組は見ていない。あかしやさんまが画面に出てきたら顔を見ただけで嫌な気分になり一瞬でチャンネルを変える。笑わせるための消耗品などネットにはもっと面白いものが幾らでもあり、私自身、地下暗黒掲示板群あやしいわーるどで干支が回るほどネタを振り続けてきたので、お笑いとは自分で成すものであり、テレビにあてがわれるものだという認識は全くないのである。
 ゼッケン氏の詩はあやしいわーるどでも一流固定ハンドルとして通用する面白さと文学としての達筆さを併せ持つ実にすばらしいものである。本物のエンターテイナーは自分を笑い物にできる潔さどころか、自分が笑い物になっている潔さまで持っている。ゼッケン氏にはそれがあると思う。ゼッケン氏には是非ともこれからもウッディー・アレンばりの面白い作品を書き続けてほしい。

 ところでダーザイン、お前は陰気なポエムばかり書いていているだろう。どこにお笑いを書いているんだと、一般人にはなかなか辿り着けない地下暗黒掲示板群での前世紀からの俺の活動をを知らない人は思うだろう。それでさくっと、かつてあやしいわーるどで連載した精神病患者の回復施設に潜入してのエロ・劣情視点からのルポ日誌(ばれて危うく訴訟沙汰になった「デイケア日誌」という一連の破廉恥なルポ)を貼ろうとしているのだが、あやしいwalklが消えてしまったのでログが見つけられない。あやしいわーるど者であれらの劣文を保存している者がいたら連絡ください。代わりに、インパクト著しく落ちるが前世紀にあやしいわーるどに書いた「完全失業日記」を貼っておきます。

「完全失業日記」

1.

 今日から失業者ですわコラ。知能程度の低い友人どもはねちっこく解雇解雇と書き立てますが、私が会社を首にしたのですよコノヤロウ。日本国をアジアにするべく完全失業率のアップに貢献したのだよコラ。
今日は1日寝て過ごしました。むさ苦しいおっさんのひきこもり。よってほんじつも詩とめるひぇんはお預けです。あやしーわーるどなどの地下掲示板群からしか人がこない下品な掲示板であったのに、このところ訪れる人が増えましたな。非常に喜ばしいことであります。男たるもの詩を書いて何ぼ、詩を書かん奴に用はありません。ここはひとつ、遠い昔、我が祖国ロシヤはネバ川のほとりで友人が開発した旧ソ連邦の科学技術の結晶、爆裂電波詩強化ギブスや爆裂電波詩受信ギアをはめて、文学の王道を探求するのも良いかもしれませんな。
2.

 ティムポを握り締めてしばし呆然としていたわたくしの目を覚まさしたのはご近所のガキどもでした。カーテンも閉めずに放心していたのはうかつでしたな。
「変態!」と叫ぶ声が住宅街に木霊するうら悲しい午後、今日は鬱です。目覚めると時計の短針が45度も進んでおりました。ティムポ握ったまま。ああなんか人生みたいだな、とわたくしは思いました。会社を辞めてから一週間、そんなふうにやり過ごしてしまいました。
 まだ旅には出られません。寝癖が脳の皺にもついてしまったようです。わたくしが呆けていた間にも、窓外では雲が流れ、風が渡り、人が出会ったり別れたり、ティムポが立ったり立たなかったりと世界はポエムとメルヒエンに満ちていたのでありましょうが、一行のたわごとも出てこないのは私のせいではありません。
 実存とは不条理なものなのです。

3.

 今日は休肝日にするつもりだったのですが、ムーミンとドザエモンが地獄で飲んだくれている様を想像して、あのぷにぷにの腹に触れれば「めるひぇん」の一つも出てくるのではないかと思い至りウイスキーを買いに走ってしまいました。そんなわけで今日も激しく酩酊しておりますが私のせいではありません。
 さて、仕事のことでありますが、なかなか見つかりませんな。何故かと言うと、探さないから。職安には一度参りましたが、
「ここには、えいえん在りますかぁ?(´ー`)」
「はぁ? (;´Д`)」
 というやり取りだけで帰ってまいりましたよ、はい。
 親切な飲み仲間が夢のように良い職を紹介してくれたりもしたのですが、
「僕には過分な仕事だ、つとまるわけない」と、ダメダメ鬱野郎丸出しでせっかく頂いたチャンスから逃げ回って不細工な柔道選手で一本抜いたりしておりますよ、はい。
 もはや抗鬱剤ごときでは労働意欲が沸かないようなので、精神病院に出向いて、
「先生、アクセラとブラッティーアイ処方して下さい。心身もPCも12倍速に強化したいのです」とぶちかまし、ただ飯を食うのも良いかもしれませんな。
 世の中には既に機械の身体を入手された方もおるとか。羨ましい限りです。私も銀河鉄道に乗って機械の身体を入手し、幸いあふるる夢の国へ行きたいのですが、切符を買う金がありません。そこで一つ提案があります。ネットアイドル菜々子のことでありますが、実はわたくしが菜々子でないという保証は何処にもないわけではないような気がしないでもないわけでもないわけで、@女の子であるかもしれないような気がしないわけでもない私が貴方をデバイス無しで抱っこしてあげますので送金若しくは銀河鉄道への乗車券を送ってください。悪い取引ではないと思いますよ。わたくしは控えめに見てもナタ―シャ・キンスキー以上の美貌を誇っております。
「一生童貞」さん見ておられますか? 貴殿らも、もし御ふじゅうなさっておるようなら宜しく切符の調達に御協力願います。

4.

 さて、私は昨日クラブサイベリアに出向きプシュケーを入手しました。よってもうデバイスは必要ありません。リアルワールドとワイヤード(ネット空間)の境界がずぶずぶと崩れていくのが解ります。そんなわけで1日中ネットスフィアに入り浸っておるわけですが、神の探索の為です。テイヤールドシャルダンの弁証法神学が予見していたとおり、ワイヤードという広大な新世紀の現実の中には、新しい、遍在する神がおるのです。ニーチェによって告知された神の死から一世紀以上、人類は孤独でした。だが今まさにここで新しい神が産まれ出つつあるのです。

5.

 今日は友人に
「オマエは酒やめても相変わらずキチガイだな、ピンクの象が見えないと自慢げにほざいているが、中毒の対象がワイヤードに変わっただけで、リアルワールドでも
「(;´Д`)ぁぅぁぅぁー」とか「(*´Д`)萌え」とか言っている自分の現状を直視しろ。トットと働けやゴルア!」と、キツイお叱りを受けました。
また、素敵な女に頂いた電話には「わたしは半既知外で相変わらず無職でダメダメ鬱野郎なのでかまわないで下さい、さようなら」と返信してしまいました。
今日は激しく鬱です、殺してください。
 そんなわけで病状は悪化する一途なのですが、ポエムやめるひぇんも飯を食わねば書けませんので今日は職安に行って参りました。職安に行くにもそれなりの正装というものがあります。ジャージ(アディオス)、無精ひげ、寝癖のついた頭など。礼を尽くして行ったつもりなのですが、私が持ち込んだ求人票を見た担当官殿は
「これは競争激しいよ、もう決まっちゃったかもねえ」とツレナイ言葉を吐きな がら私の姿をねめまわしました。無礼な奴です、死になさい。
 実は先日も某社に面接に行ったのですが、
「君は何ができるのかね?」
「君は何故当社で働きたいのかね?」などと馬鹿の一つ覚えのような台詞を吐き続けるので、これはひとつものの道理を教えてやらねばならんなと思い至り、
「御社が私に何を期待しておるのか解りませんが、ちんぽの立ちは良いほうです」
「お見受けしたところ貴方はリストラ寸前の脳梗塞気味のハゲですが、貴方にはいったい何ができるのですか、リストラなら得意ですのでお任せください」と言い放ち、帰って参りましたよ、はい。馬鹿につける薬があったら分けてください、マイフレンド。

 それにしてもやはりいまだに神の姿が見えないのは何故でしょうか。
 脳の中にアンテナを高く掲げ、150万光年彼方からの電波もキャッチできるようにしておるのですが、わたくしの空っぽの脳みその中には二つ三つ流れ星が落ちてきただけで、小さな波紋を作って消えてしまいました。
神よ、何故に我を見捨てたまいし。
 もうすぐ冬です。トットト雪積もって俺を埋めれや。

5.

  海のお腹のように柔らかなあんたをなでていると、とっても気持ちよかったんだ、君は素敵な娘だよ、ほんとにさ。いつまでもこうしてられると思ってたわけじゃ無いけど、なんかぬるぬるしてきて、なんか臭いし、死んじゃったんならキレイな白い石になるまでもう抱いてやらない。しばらく波打ち際に転がってな。
  タクシードライバーのテーマが聞こえてきそうな、空っぽの、淋しい朝靄の立つススキノの片隅でサックス抱えて物乞いしたのは俺じゃないし、激しく降り始めた雨に打たれながら
「えいえんなんてなかった、えいえんなんてなかった!」と叫んでいたのは俺じゃないし、夕日がとってもキレイだったので、真っ赤なトンネルを潜ってどこか遠い所に行っちゃったのは俺じゃないし、それに、地下鉄東西線を止めたのは神様になりたかったからじゃないんだレイン。薄れ行く意識の中で浮かんだ台詞はやはり
「何もこんなふうに終わるのは俺だけじゃないさ、宇宙だって熱死するんだ」だったので、いつまでも馬鹿の一つ覚えのようにこの世界に膨張と収縮を繰り返さしておくわけにはいかないので、20世紀大世紀末、北の都の片隅で、俺はちっぽけな屑で、完全失業者で、ポエムデュークひとつ満足に撃てない、存在しないも同然の時空の歪みのような男だから、世界の果てにぽっかりと開いた真っ黒な穴になってこの世のありとあらゆる物を宇宙の外に放り出して必ずや消滅させるつもりです。

電信 ダーザイン キトク シキュウ カネ オクレ

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