文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

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ダーザイン
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ロシアはネバ川のほとりに生まれる。エカテリンブルク大学形而上生物学科博士課程中退。チェルノブイリで原子炉清掃人夫となる(でたらめ)。前世紀よりワイヤードの天使lainを崇拝。廃墟や汚名板改、あやしいわーるどなどの地下暗黒掲示板群の住人でもある。反現代詩運動を皮切りに異端的極左活動家となり、今時政治犯として懲役二年食らう。現存在分析士にしてワーキングプアーのアニヲタ。ようするに俺様が東京都知事選候補、文学史的文豪のダーザインである。文学史的金字塔・神が筆に宿った異端革命小説「光の王」完成間近!

「窓を開ける」 ひろかわ文緒さんの詩と言葉 (ダーザイン個人年間総評1)

2010-04-13 (火) 21:58 by ダーザイン

 ひろかわさんはとてもテクニカルだ。抒情的な自然描写にはさりげなくシュールな技巧がちりばめられ、足穂の未来派からスペキュラティブフィクションまで様々な技術が惜しみなく披露されている。それらの技術は本態的な美を現わしていることもあれば、ガシェットの様相を見せていることもある(クリムトの煌びやかな装飾のように)。抒情詩が、創造大賞の方へと越境していくことは、個人的に、文学極道創始以来の夢であったので(人様に捧げる言葉の花束)、ひろかわ文緒さんの登場はとても嬉しかった。
 だが、ひろかわ文緒さんの文体の美質は上記したような技術的な側面だけではなくて、書き手の実存論的立ち位置にある。ひろかわさんの詩の言葉は「窓を開ける」言葉である。明るみの中に事象を照らし出し開き示す言葉、自然、即ち自ずから事柄がなる場所への出で立ちであり、到来である。存在の顕現は充溢であると共に虚無の顕現でもある。これらは切り離すことができない。だから車は衝突し、殺戮が行われ、読者は時折荒涼の中に放擲される。鮮烈な生は死にくるまれている。
 だが、ひろかわ文緒さんはパウル・ツェランのようにはならない。ひろかわさんは、のびやかで、しなやかで、健やかだ。彼女の実存論的立ち位置が存在論的境地にまで至っているのは、男性詩人に往々にしてある孤や病態の果てに辿り着いた寄る辺なき岸辺ではなくて、自然に赦されているからだ。宥められる者と赦されない者がいる。存在に触れている女性詩人には敬愛するanimicaさんや加藤紗知子さん、小木曽淑子さんなど多数おり、彼女らは詩そのものだと言える存在だが、性差にだけ由来するものではないだろう。かつて増田みず子は『シングル・セル』や『禁止空間』などで実存論的孤の極限を描いた。
 上述した人たちとも、増田みず子とも、ひろかわさんは少し違う。ひろかわ文緒はのびやかに、しなやかに越境していく。明るみの中へと、「窓を開ける」姿勢で。

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光冨いくや 氏発起人就任

2010-02-16 (火) 21:47 by ダーザイン

 実存大賞ツータイムチャンピオン光冨いくや氏を発起人にお迎えしました。宜しくお願いいたします。

 皆様方には大道を歩んでいただきたいと思う。言語派とやらのぬたくりものと老人のつまらない身辺雑記で書店に置かれることがなくなった商業活字詩誌の中から、光冨郁也さんの大変上等な文章を見つけた時、私は思わずユリイカ! と叫んだものである。光富郁也(現在光冨いくや)さんの現象学的ハードボイルド文体が異界へと越境し、現実という事柄の可能性を飛躍的に拡大するのを見て、私は速やかに、新しい文学がここから始まるなと確信した。光富郁也さんのバードシリーズ、マーメイド海岸シリーズについて、「現実と幻想の往還」という評を付けた人がいるがそれは表層的な読みだ。あそこに書かれていることはことごとく現実の諸相であると考えるべきである。現実という事柄は、集合的無意識の諸相や多元宇宙のあらゆる可能性へと開かれているのである。ここに新世紀詩文学メディア文学極道が発起する。彼は21世紀文学の荒野に預ばうるものであった。
 彼の傑作の数々は文学極道でも読めますが、是非とも詩集を買っていただきたいと思います。
 http://bungoku.jp/monthly/?name=%82%dd%82%c2%82%c6%82%dd
 http://mitsutomi.web.fc2.com/index.html
 21世紀の詩集で読むに値する最大の詩集は光富いくやさんの「バ―ドシリーズ」と佐藤yuupopicさんの「トランジッション」である。 
 http://bungoku.jp/monthly/?name=%8d%b2%93%a1yuupopic
 http://blog.livedoor.jp/yuupopic/

 私は人間が描けない子供の詩など読みたくない。人間が描かれていない詩とは言語遊戯であり、ダスマンであり、書くべき人間でない輩だとさえいえる。佐藤さんの実存描写力は圧巻である。蛍さんが彼女の詩を評して憑依と語ったことがあるが彼女がさまざまの語り手に成りきる実存の作劇法は、憑依とでも言うよりほかない大変な集中と、ただの力技ではない真摯な生がもたらすものである。みなさん、ちゃんと生きていますか? 一所懸命生きていますか?
 私はあなたたちが身命をかけて書いた作品が読みたい

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浅井康浩さん発起人に就任

2010-02-04 (木) 23:14 by ダーザイン

ミスター文学極道(2005年実存大賞受賞、最優秀レッサー賞4年連続チャンピオン)ミドリさんに続き、最優秀抒情詩賞受賞者であり現代日本最大の詩人の一人であろう浅井康浩さんから発起人就任受諾のお言葉をいただきました。宜しくお願いいたします。

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凪葉さんについて

2010-01-25 (月) 21:25 by ダーザイン

凪葉さんへの阿部さんの評価は酷過ぎるのね。この期間、凪葉さんは多分精神的に落ち込んでおり本領を発揮していませんが、最新作では世界性を再−獲得していますね。
ポエジーの無いところに本来的な人様に読んでいただける詩など立ち上がりません。だが、自己のポエジーの中に内閉していては人様に届きません。でも資質として、ポエジーを持っているということはとても重要なことなのです。凪葉さんにはそれがある。ポエジーの原動力となる何某がない者は、書くべきですらないすらと私は思う。
凪葉さんは、凪葉さんのいる世界を、その空間と時間の立て組みを見事に描写したことが何度もあります。言葉の最も本来的な意味で、存在論的な光が射す詩人であると、世界-内-存在を描写する詩人のひとりであると、ダーザインは認識しています。

それから、抒情詩・情景詩から現代詩に進化するというのは、マルクス主義者の社会発展史説のように気持ちの悪い妄想です。

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蛾兆ボルカさんを発起人としてお迎えしました

2009-12-15 (火) 19:19 by ダーザイン

蛾兆ボルカさんを発起人としてお迎えしました。
多メディアで実績のある方ですし、情熱と人間力のある方です。
宜しくお願いいたします。

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