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作品の真ん中に空白を置いて(それは、機能しないメタファという意味で)それを描写で「囲い込む」手法に凝っていた時期がありました。この作品の場合、「海を見たことがない女の子」は完全に空白であって、海―女の子、の間にある意味性、なににすりかえられているのか―なにをすりかえられているのか、つまり「何のことを語っているのか」っていうものを徹底的に空白にしてある。構造的には(いや、中村さんが「空白」として書いたかはわかりませんが)まさに、「rebirth」と同じような気がします。そこを騙し切ってやろうといきまいたわけですが、どうも上手くなかった。なにがしてあげたい、という動機、何も出来ないということ、それらを象徴する「海」。こういう小綺麗で無意味なものを置いて、その穴を囲いこむように書く。要するに、「何かしてあげたい」という動機や「何も出来ない」ということも実は、内容なんて何もないんです。この作品。書いている本人も何のメタファだかなんて考えていないし、リリカルな語感以上のものではないものを「さもなんか大事なもののように」見せよう、というのが主題です。5連目は、「説明されたような気になるが、実は全然説明されてない」っていう詐欺師レトリックを上手く機能させたかったんですが、ぼくは相変わらず女の子を口説くのが上手くならない。一言で言うと、モテるための詩作なんですが、中々難しいですね。あなた、良く喋るけど中身が空っぽじゃないって言われたような気分です。時々、自分はホントに身詰まりの悪い、夏場のカキみたいな人間だと思うことがある。いや、空っぽなのはいいんですけどね、それがバレちゃどうしようもない。あ、詩の話です。別の場所にこの作品を投げた時、「言いたいことはよくわかる」というようなレスが結構ついて、ぼくはしてやったりと思ったんですが。流石に、空っぽなのがバレバレなのは僕の負けって感じですね。なんていうか、読みやすくて、小奇麗で、読んだ後にはちょっとした情感以外のなーんにも残らない、スナック菓子みたいな作品が書きたかったんですが。ぼくはまだ、嘘つきとして技量が足りないようですね。稲村さんが指摘しているような場所は一つも書かず、しかもその不足を感じさせないものを書きたいんですが。(というのも、動機や答えというのは現実的なものだと思うんですよ。この、サラっと読めて消えていって欲しい世界に、そんな筋道立ったものは入れたくなかった。ただ、なんとなくの心地よい情感だけが残って欲しかったわけです)と言うか、読み手がそれぞれ勝手にこの穴の中に意味を挿入して、「なるほどそういう意味か」って納得して楽しむような作品でもありたかったんですよね。すっからかんの作品が書きたいですね、人の心にさらっと触れて、安っぽく情感を残していくような。かなり描写手法は最適化出来たとは思うんですが、やっぱり嘘をつくってのは難しい。特に、構造読解が出来る人相手には苦しい作品ですが、もう少し練習してみたいです。ありがとうございます。動機や答え、もっと言うと「語るべきこと」みたいなのって、実はもうすっかり何もないんじゃないかと思うんですよ。だから、それをどう回避していくかが、割と詩のキー・ポイントかもしれないと思う。もちろん、銃弾飛び交う最前線に身を投げていくような作品も、出来るのであれば良いと思うんですが。ぼくはインドア派のなまっちろい男なので。結局、文章というのはたった二語、「なにを」「どのように」ということなんですが。「なにを」はちょっとぼくには荷が重いし、カンボジアで地雷撤去したりする元気もないので、「どのように」の方でそれを隠したいんですよね。いや、なんか喋りすぎですけれど。
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