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現行ログ検索結果 (投稿者)

  1. 56 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/03/16 12:52:38)

    愉しく拝読しました。
    濃密さを感じます。
    海に引き込まれていくときのような、絶望の愉しみでした。
    (伊豆で溺れかけたときを思い出しました。)

    一方で、ところどころで、詰めが甘い印象もうけました。
    >日中を
    とか
    >雑貨店
    とか。
    あるいは意図した表現かもしれませんが。

    文末の時勢についても、読んでいて、わずかなとまどいが残りました。

    でだしとラストは過去進行形ですが、同じ時間でしょうか。
    その他、現在形、過去形、完了形が使われてるようですが、すこしづつ違和感があり、キマッていないように思います。

    もちろん労働、失業、ハローワーク、海の順であることは、意味からわかるのですが、冒頭の「女」が海の女の回想であるなら、ラストが冒頭より前の時間にも思えました。

    ギッチリ決め込むと、よりキモチ良い流れになると思います。

  2. 53 :   蛾兆ボルカ ('10/01/09 20:19:33)  [Mail]

    庭の隅で、年若いお母さんが
    しゃがみこんで、おもちゃのシャベルで
    一心に穴を掘っている
    ときどき、自分は何をしているのだろう、と、首をかしげながら
    背中に張り付いた子どもが、
    暖かい背中越しに
    それを見ている

    「お母さん、なにしてるの?」と、子どもが訊くと
    「穴を掘ってるのよ」と、お母さんは答える

    そうして30年が過ぎたのでした

    ― かつては、そこは穴でした
    と、役人は私に言ったのでした

      あなたの前の、そのあたりは、かつては一つの穴だったのです。
      わかりますか?すでに、穴であることはやめてしまいましたが、
      かつては穴だったのです。それは巨大な会議室の真ん中にある
      日出現したような穴でしたし、学校の廊下の中央にあいたよう
      な穴でもありました。もはや全ては忘れられ、久しく訪ねる人
      も無かったのですが、こうしてあなたに見つめられて、穴は静
      かに眠るのだと思います。こうしてあなたに触られて、穴はは
      じめて眠るのだと思います。

    「埋められたのは私でしょうか?それとも、あなたでしょうか?」と、
    まだ年若い、むしろ少女のような私のお母さんに
    子供の私が遠く叫ぶ

    不意に私は、
    《私の判断は間違っていたのだろうか》
    と、誰かにすがり付いて訊きたい

    しかしそこに既に穴はなく、
    平らな野原が続いているだけでした
    私は一人、野原に立っているのでした

    庭の隅で
    緑の柄を手のひらばかりの小さな赤い本体につけた、
    子供のおもちゃのシャベルで
    穴を掘っている私の妻が
    待つ家へと帰るために、
    私は振り向いて歩き始める

    帰ったら、
    「埋めるの?それとも掘り出すの?」
    と、訊いてみようと思いながら


    __________________

    「Poem ROSETTA」所収 (初出「詩学」)

  3. 53 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/16 14:04:23)

    >常悟郎さん

    どうもありがとうございます。
    今後、月いちぐらいで自信作を出してきますので、煮るなり焼くなり、ぜひよろしくお願いします(v^-゚)

    ちなみにこないだお見せしたバージョンからの修正は、

    おもちゃのプラスチックのシャベル

    おもちゃのシャベル

    のみです。

  4. 53 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/16 14:15:30)

    >田中さん
    どうもありがとうございます。
    他者との生活は、つねに、ホラーの映画や小説の要素を含んでいるような気がします。

    この詩に限らず、「登場人物が去ったあとでも、ある物語りを忘れたくない」、という思いは、ホラーとどっかで繋がるのかもしれません。

    砂男は未読ですが、僕は嵐が丘なんか好きだな(^0^)

  5. 55 : はちみつぶた  蛾兆ボルカ ('10/03/07 22:26:20)  [Mail]

    +++





    【ようちえんは春休みで、お父さんはずる休みである】






    夕日の射す桜の公園を
    手をつないで歩きながら
    <今夜は何が食べたいですか?>
    と、僕は四歳の息子に質問する

    <はちみつぶたがたべたいです>
    と、息子は答える。
    < 豚肉を煮て蜂蜜を、トリーリ、
    トリーリって入れた、アレです >

    なるほどね、
    と、私が言うと、息子は続ける

    < 前菜は、花豆のサラダがいいです
    花の模様がついた、クレージービーンと水菜を
    リンゴ酢と岩塩で和えたやつです
    ご飯は炊き立てのものを
    冷ましてください
    デザートは
    摘みたてのブルーベリーを乗せた
    ホットケーキがいいと思います
    全部食べたあと、
    ロウソクが残っていたら
    絵本を読んで下さい >

    「それが私の幸福です」

    って意味の事を
    カタコトで

    なるほどね。
    と、私は言う


    突然、友達を見つけて、
    息子は駆け出していき、
    私は私の孤独の中に残される

    桜の降りそそぐ公園で

    噴水の周りを
    両手を突き上げて
    子供たちが駆け回っている
    桜の花をつかもうとして

    そして私は見たのだった

    はちみつでできた
    透明のぶたを
    子供たちが
    歓声を上げながら
    追いかけていくのを


    ______________

    初出;Poem ROSETTA

  6. 55 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/03/13 23:12:37)

    ご感想ありがとうございます。

    >石川さん
    解説せよとは、何を寝ぼけたことをおっしゃるのか。
    解説も何も、作者の意図は、あなたが読んだとおりですよ。

    子供の言葉に見えないな、と、思わせておいて、実際に子供の言葉じゃないし、ある特定の料理の話をするように見せて、ラストはちがうもので終わらせました。

    あとは、キョトンとするなり失語するなり、お好きなように。

  7. 55 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/03/13 23:29:05)

    >常悟郎さん

    今晩は。どうもありがとうございます。

    冒頭空白は、最初の一行を、普通の言葉ではなく、ささやかな意味内容ではあるにも係わらず、宣言として置くためのデモンストレーションです。
    ベートベンの五番の休止みたいなもので、作者としては、必要と考えています。

    ちなみに、他の作品もですが、レイアウトはパソコンから見た状態を想定してます。

    この料理は我が家の創作料理なのですが、とても手間がかかり、量も大量に出来てしまうため、めったにつくりません。

    なかなか美味しいですよ。

  8. 55 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/03/15 11:28:03)

    >坂口さん
    ありがとうございます。
    僕もこの作品、気に入ってますので、とても嬉しいです。

    子供って、かなり哲学者だと思います。
    「宇宙って何?」
    とか、オヤツ食べながら考えてたりするし。

    うちの子は幼稚園までは一人称に「僕」ではなく「私」を使ってましたので、ときどきやけに哲学な会話になるのでした。

  9. 55 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/03/15 11:48:17)

    >コントラさん

    どうもありがとうございます。
    おっしゃるとおり、前半のセリフは、翻訳を意図しました。
    <>内は直訳で、「」内は意訳です。

    比喩についても、書いていただいて発見がありました。
    夕飯メニューとしての「はちみつぶた」は創作料理ですので、この詩で使われるまでこの言葉は家族内でしか通用しない言葉でした。
    その料理ができるまでは、どこにも存在しなかった言葉です。
    だから「はちみつぶた」という言葉の使用は、命名行為です。
    そこではたと気がついたのですが、命名は比喩する行為なんですね。

    僕はメタファを要所で使うのは避けることが多いのですが、ここではためらいを感じません。

    自覚してませんでしたが、この詩を書くときのメタファ使用の快感は、命名の快楽だったのだろうな、と思いました。

  10. 54 : 個人的発見  蛾兆ボルカ ('10/01/30 00:42:09)  [Mail]


    女の子の靴下とパンティの間には
    様々な正の相関関係が認められる。
    この法則を、
    「チバの第一法則と名づける。」
    と言って、チバ君は、ニヤニヤ笑った。

    構内の片隅、昼下がりのユニオンカフェで。

    例えば、
    「キャラクターもののポイントが入っている靴下を
    はいている子は、キャラ系のパンティを穿いている
    確率が高い。」
    のであります、とチバ君は言って、ニヤニヤしながら
    アイスコーヒーに口をつける。

    ふむふむ。それは君、例えば、
    「履いている靴下の長さの二乗は、
    そのとき着けているパンティの
    サイド丈の長さに比例する。」
    といったことだね。
    と言って、僕も、ニヤニヤ笑う。

    日に焼けた長い脚を ピンクのスニーカーに
    突っ込んだ白人の娘が、自転車で通り過ぎる。
    靴下の丈は短くて、踝を隠せない。
    「ヒモかな?」と僕が言うと、
    ヒモだね、とチバ君が言って、
    また、ひとしきりニヤニヤ笑う。

    けだるい徹夜明け。昼下がりのカフェで。
    話しながら、自然僕らの視線は、
    女の子たちの足元を追っていた。
    あの日チバ君は、
    惨めに失敗して撤退する僕に、
    慰めの言葉を贈らなかった。
    彼のプレゼントはただ一つ、

    「第一法則」

    そんなわけで、
    僕らの横を一組の脚が通り過ぎようとした時、
    僕らはつい、
    「Ooh!」
    と歓声をあげてしまったのさ。

    サンダルに突っ込まれた
    綺麗な素足。
    靴下は、なし!

    膝から上を包む
    ありふれたスカート
    地味なTシャツの上には
    当惑した君の顔があった。

    そんな風にして僕は
    君を
    発見した。

    1995年、夏の日の個人的発見。




    _______________
    初出;Ps & Qs (発売中)http://www.yuracom.com/ps/ps.html

  11. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/30 17:18:59)

    コメントありがとう、常悟郎さん。

    僕は、純情可憐な女性と、蓮っ葉・アバズレの両端に萌えますね。

    両方の要素をもってると、ベスト。

    でも年齢はあまりこだわんないな。
    可憐な熟女もいるじゃん。(^O^)

  12. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/31 00:41:10)

    五月みどりねぇ。

    僕はそういう系では、「愛妻物語」での音羽信子とかが、好きです。
    「天国の駅」での小百合とか、「砂の女」でのムーミンとか。
    でもそうじゃなくて、僕の好みは、歌手のビョークとかなんですよ!
    古い話なら劇団「第七病棟」の緑魔子さんとかなら、今でもそそる。

    つうかですね(>_<)

    好みと、運命とかチャンスとかは違うもんですよ、往々にして(笑)。

    この詩では、ちっとも魔子さん的でも、五月みどり的でもない、真面目な女子学生さんをイメージしてるんですな。作者的には。

    この娘も大学生だからロリ趣味の対象じゃないし、むしろ大人の女性。
    だけど(そう言えば書いてなかったけど実は)理系の院生だから、あんまりケバくはなくて、色恋は詳しくないんです。

    そこまでは作者的には、筆勢でナントナク伝えたかったとこです。

    さらに言えば、恋愛慣れはしてないけど、発育良好で足首はスッキリ。
    オッパイはそれなり。
    お尻は小さめ。
    金髪ポニーテールだけど産毛は少ない、肌のキメの細かな白人さんをイメージしてます。
    言い過ぎか。言い過ぎだな(笑)

  13. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/31 11:48:21)

    運命やチャンスと、好みのタイプは往々にして違うものですよ。

    僕の好みは、美人かどうかとは無関係。
    でも、美人だからって差別しない(笑)。

    これは好みについての詩ではなく、運命とか、チャンスについての詩です。

    エクレアかシュークリームかを実存の孤独や不安のなかで選びはしない。
    でも、エクレアが人生を変えることもあります。

  14. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/31 18:48:20)

    ポエム三原則

    1ポエムは人間を傷つけてはならない。

    2ポエムは1に反さないかぎりにおいて、人間の命令に服さなければならない。

    3ポエムは1及び2に反さない限りにおいて、自己を守らねばならない。

    、、、な、わけないっす(>_<)/

    これはこれで、なんか意味深いけど。

  15. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/31 20:57:18)

    >常悟朗さん

    「俺はこんなに気軽に幸福でありえないし、俺にはこんなものは詩ではないと思われる」
    という感想は、この詩に対してありえる感想だと思います。
    もっと強い否定もありえると思います。
    この詩は、かつて詩誌主催の合評会で、「私はコメントを拒否します」と評されたこともある作品ですから驚きはしません。
    ここで僕が表現したかったものは幸福ではありませんし、作者としては全然ふざけていないんですけどね。

    ただ、幸福を書こうとはしていなくても、ベースには、「幸福であろうとする意思」みたいなものはあったかもしれませんね。
    「友がみな我より偉く見える日は花を買いきて妻と親しむ(啄木)」
    みたいな。

    幸福への意思ってのは、革命への意思じゃないですか。
    僕は不幸を契機とするポエジィを軽くは見ないけど、幸福をも軽くは見ないのですよ。

    ノーパン革命GO,GO!(^0^)/

  16. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/02/01 01:01:28)

    アシモフによれば、ロボット三原則とは以下なのであります。

    *****************************

    第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

    第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

    第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

    - 2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版

    ***************************

  17. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/02/01 01:20:17)

    *ちなみに、チバ君の法則は第3法則まであります。三つの法則は、女の子についての観察事実に基づいて我々の間でアクセプトされており、今のところ反証されていませんが、内容は極秘です。

     私もずいぶん試みてはみたのですが、第二法則と第三法則は、詩にはできませんでした。ひどすぎて(笑。

  18. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/02/01 01:49:03)

    すみません。
    アシモフの「ロボット工学三原則」に引きずられて、田中さんのコメントを僕が誤読したわけなのです。
    あの三原則は抒情に適用したらアカンだろー。みたいな思いがありましたが、田中さんはそんなことはコメントしていませんでしたね。

    チバの第一法則は、たしかに僕にとっての抒情の原則のひとつになっているような気が、自分でしています。
    どういう原則なのかは、ちょっと説明できませんけれども。


    >田中さん、常悟郎さん

    読んでいただき、またコメントを頂きありがとうございました。
    来月もまた、自作品を紹介させていただきます。

  19. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/02/04 22:53:27)

    >ダーザインさん
    コメントどうもありがとうございます。
    文章が雑ですか。精進します。

    #足はやはり、大事なポイントですよね(笑)。

  20. 54 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/02/07 15:46:03)

    ヤバいよ(笑)
    ここでそれを語り合うのは明らかに不適切です。
    ここはこの作品について語り合うスペース。私の私的スペースではありませんから間違えないで下さい。

    必要なら、フォーラムで議論しましょう。

    だけど、もう関係部分が削除されちゃって無いじゃないですか。
    凪葉さんもその部分は引っ込めちゃったんで、私としてはこれ以上昇っても降りるハシゴが外されてます。それがわかってて昇るのはなあ。めんどくさいよ。
    後ろから撃たれても、言うべきことなら言うけどさ。

    あと田中さんが落ち着いてるのを、また突っつくことになるのも、気がすすまないな。

    身勝手に思うでしょうけど、悪いんですが、この話、中断しませんか?

    もしかしたらあなたのいうとおりで、私が悪いのかもしれない。
    でも、煮詰めないで、しばらくクールダウンしては。

  21. 48 : [返信]  蛾兆ボルカ ('10/01/09 20:38:29)

    これは美しいです。

    寒い夜の感じが、すごく良く出ていると思う。
    星が降るような夜、という言い方がありますけど、この詩では、満点の星空から
    言葉が、、<いまだ>、、 <かつて>、、 <すでに>、、<あらかじめ>
    と、振ってくるようでした。
    その寒さと透明度がいいです。

    子供のころって、物事を自分を目で見ているのか、親の目で見ているのかが
    ぶれて行った来たりするようなるときがあって、自分の記憶の中に、親の目から
    見たとしか思えない自分の佇む姿が焼きついていたりすることもあると思います。

    <その日私は>というヒトコトで視点が母親であったことが明かされますが、
    明かされきらない。
    やはり少年だった<語り手>の見た風景でもあり、そのスリルが、表現上は
    緊迫感を産み、一方で、母子の間の暖かい思いを伝えてくるように思いました。


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