文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

2016年7月分選考雑感(スタッフ)

2016-09-17 (土) 15:26 by 文学極道スタッフ

(スタッフ数名が地震被災中のため作業が非常に遅れています。ご容赦ください。)

*「月に二作品より多く投稿された場合は選考対象外となります。
  また投稿規定に明記しております通り、
  註釈を添えることは自由ですが、外部にある作品・情報等は、投稿作品またはその一部として認められません。
  ご注意ください。」

8990 : メキシコ  天才詩人
URI: bungoku.jp/ebbs/20160730_602_8990p
(一)迷いますが鮮明に書かれていて体験が体感できる前半に対し書きたいことを書いてしまった中盤以降の流し方が雑に感じます。もう少しボリュームがあっても良かったのではないでしょうか。非常に面白い題材です。説明に特化する部分が、書かなくても分かることでもあったので、読み応えの少なさにつながったようにも思えます。

8986 : 月の光  アラメルモ
URI: bungoku.jp/ebbs/20160725_486_8986p
(一)作者が書いてきた作品の中では飛びぬけて上手い部類の作品と言えます。句読点の効果が出ていないので、無い方が良いと思いました。
(一)のぺーっとしてる。
   ホライズンーーに高まりを持たせてもいいのでは。

8980 : 集合無意識  lalita 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160723_393_8980p
(一)この短さで、でも、でも二回も言われると困ってしまいます。

8972 : センテンツィア   山田太郎 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160718_122_8972p
(一)やりたいことが分かるだけに評価も慎重になってしまう作品でした。良い方向を示していける作品に仕上がりそうです。推敲して再投稿して欲しいです。
(一)はじまりも着地も素敵なので、小説の地の文みたいになってしまっている中間部分が惜しい。

8991 : 耳糞  イロキセイゴ
URI: bungoku.jp/ebbs/20160730_634_8991p
(一)このラストで何作でも書けそうで、それが良いことには思えなかったです。
(一)最後の二行がばっちり決まっているので、もっと良い作品になりそうです。

8989 : 彼女の名前は愛という  おでん 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160729_587_8989p
(一)作品のまとまり方に反して書いてあることがおおげさなのかなー。そこに面白みを感じるかっていうと疑問でした。
(一)最後の喪失感を感じさせる持って行き方や編み方は上手です。途中の単語「時計」などの部位が、もう少し独自の単語だと新たな作品として、もっと輝いたのではと思います。
(一)ストレートで気持ちの良い詩です。言及する順番もよいと思います。

8988 : オフェーリア  atsuchan69
URI: bungoku.jp/ebbs/20160727_561_8988p
(一)作者は次第にうまくなっています。「オフェーリア」という高すぎるハードルの設定に難があると思いましたが、そこへと突っ込んでいくことは前向きにも捉えられるとも思いました。

8946 : ひふみよ。  澤あづさ
URI: bungoku.jp/ebbs/20160707_577_8946p
(一)実験的作品
(一)作者と作品内容が合っているため高めあっているように思えました。作者のよく書き直して定まらない芯を出しながら他者の目を気にしてしまうことなどを全て作品世界に閉じ込めることに成功しています。作者の目指していく芸術は過程や途上を孕んだままでないと面白くないのだな、と少し分かった気がします。

8978 : I am NO the in MEDIA  玄こう
URI: bungoku.jp/ebbs/20160721_331_8978p
(一)タイトルからして力わざと言うかねじ伏せていく気迫を感じます。
(一)作品として創造していこうという熱気に満ちていて心地よいです。粗削りであり下手なのかもしれない部分があるけれども、それらを含んだ狂気的ものが作品へ力を与えています。これから、どんな作品に向かっていくのか楽しみです。

8976 : とも君のこと  熊谷
URI: bungoku.jp/ebbs/20160720_289_8976p
(一)上手いです。読みごたえもあるし作中に出てくる、ちょっとした言葉のアイテム選択が抜群に上手い。オチが今一つとも思いましたが、これはこれでありなのかな、とも。
(一)『とも君のことを想っているわたしのこと』ですね。
   この生々しさはなかなか書けない/読めない作品だと思います。

8984 : 表裏  zero
URI: bungoku.jp/ebbs/20160725_460_8984p
(一)盆踊り=連帯。やや未消化、物足りず。
(一)表裏の太極からではなく裏面が強くでているように感じ、作者ならもっと書けるだろうという印象です。

8975 : ポカラ  Kolya 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160720_278_8975p
(一)縦書きになると見た目もよくなる作品ですね。言葉の紡ぎ方がすっきりとしており、読み進めたいと思わされます。
(一)良い作品です。作品世界の匂いが構成が秀逸。
(一)むせび泣きの美しさ。

8982 : 地球の上でうたふ歌  石村 利勝 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160723_403_8982p
(一)改行をなしにして、歴史的仮名遣いをやめて読んでみると中島みゆきのAメロにも勝ててない。

8985 : 発芽  シロ
URI: bungoku.jp/ebbs/20160725_462_8985p
(一)比喩に溺れています。

8979 : PEACE  5or6 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160722_370_8979p
(一)『PEACE』がもっと有機的に絡んでくれば面白いものになったかもしれないな、という印象。

8977 : 改装  赤青黄 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160721_319_8977p
(一)勢いではごまかせない消化不良感。着地が上手です。

8964 : この地面が揺れ出す前から  相沢才永
URI: bungoku.jp/ebbs/20160713_824_8964p
(一)最初の方は読めますし引き込まれます。失速していないか、平易すぎる場所に逃げていないか、熊本を使う必要あったのか、使うだけのものが描けていたのか、いろいろと疑問が残る部位があるので、
   推敲してみて欲しいと思いました。
(一)とても響くものがありました。ただ、初手から『夢』って韜晦されちゃうと、この作品の中では中途半端さは否めないように思いました。
(一)テーマとの距離の取り方が良かったです。一連も長くなり過ぎず、言葉におぼれていないので安心して読めました。

8966 : 藝術としての詩  天才詩人
URI: bungoku.jp/ebbs/20160713_828_8966p
(一)タイトルが違う気がします。
(一)作品内容が良いだけに高めあえるタイトルを付けられていない実力不足が顕著になってしまい残念です。

8955 : 送り火  芥もく太 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160711_707_8955p
(一)『水晶』『雫』はそれぞれ単品で『涙』の比喩なので、狙ってやってるとしたらよくわからない狙いだし、狙ってないのだとしたらもう少し推敲の余地があるということなのかもしれませんね。
(一)次点でも良いかもしれない。
   ただし最後の平易さが本当に残念。もう一歩なのに。

8974 : なぞる  花緒 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160718_165_8974p
(一)わかりやすく作者が表現したいことを、きっちり作品として表現できています。
最後の着地点は少し凡庸かもしれません。
(一)同じようなテーマ、同じようなスタイルの詩はすでに多くあると思います。ただ、「なぞる」ことを徹底したので、こちらにも伝わってくるもののある作品になっていました。
(一)爐覆召覘瓩箸い所作にこだわった。自分への問いへと向かう。

8928 : 詩の日めくり 二〇一六年六月一日─三十一日  田中宏輔 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160704_455_8928p
(一)日誌。散文でありながらも詩的風景が見える。あいかわらずの長編詩だが、読むのにつらくない。

8973 :  真赤な太陽  るるりら
URI: bungoku.jp/ebbs/20160718_127_8973p
(一)短い作品ですが、書きたいことに対してちょうどいい長さなのだと感じました。読んでよかったと思えたので、技術など別にしてよい作品として推薦したいです。
(一)トマトの比喩として「真赤な太陽」を用いるのは、あまりにも凡庸です。
(一)このタイトルだと、最後まで子ども目線で居て欲しいところでした。

8958 : カルマ、と、あとナントカ  田中恭平 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160712_764_8958p
(一)いっちゃっている世界が非常に魅惑的で惹き込まれました。次が、どういう言葉がくるのか分からず裏切りの連続。タイトルが何故こんなに下手なのかが気になります。

8951 : しもじもの とまと  るるりら
URI: bungoku.jp/ebbs/20160711_693_8951p
(一)もっと良い作品になりそうですね。

8949 : 突風  鮎 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160711_687_8949p
(一)いろいろなスタイルを試す時期なのかもしれませんが、着地点が読んでいてあやふやなのは作者も筆に任せて書いているからなのかなぁって思いました。悪夢を掴むような筆致を楽しむまでには至っていない印象を受けました。
(一)最後まで丁寧で良作です。夢の感触が出ています。オチは平凡だけれど、その分、読ませるものがありました。

8930 : 、記  玄こう
URI: bungoku.jp/ebbs/20160704_458_8930p
(一)リズムがよく、引き込まれる作品でした。日々の記録を形式とした場合、これぐらいの長さがちょうどいいと思います。
(一)自動記述的なものと整えていく思考の混淆が興味深い効果を発しています。タイトルは詩の最たる一行目であり看板。何か、もっとふさわしいものがあったのではないかと思いました。
(一)ひらがな部分がするっと読めて不思議なくらい。音がとても良いのでしょう。

8956 : 私のターン、ドロー!  kaz.
URI: bungoku.jp/ebbs/20160712_714_8956p
(一)さらっと読めました。読んで傑出したものがあるか、どうかと言うと疑問が残ります。

8957 : 酷評の嵐  泥棒 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160712_735_8957p
(一)まず、タイトルが良いです。そしてタイトルが生かされた本編が染み込んできます。完成度の高い作品だと思います。
(一)過去を美化する、本当だな、と。時折の鋭い刃がユーモアを照れ隠しにしながら、しっかりと光っています。

8919 : タッチ (白い血へ)  北 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160701_296_8919p
(一)劇画な詩でとても面白いです。終わり方や中だるみがあるのが気になります。もっともっと面白くなるような気がします。

8965 : 可視光線  ねむのき 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160713_825_8965p
(一)美しさを想起させるための単語が、それぞれ予想のつくものであるため、
    作品全体のハードルが高くなっていきます。
    更なる独創性を求めてしまいたくなる作品です。
    もっと作者は荒くても独創的なところがあって、そこが魅力に思えていたのですが。
(一)>そのまま星は植物的に地上のビニールハウスへ降りそそいで
   『植物的に』がどうしても飲み込めませんでした。次行の『草』とともに作者のこだわりの部分だと思うのですが、うーん。

8936 : おとぎばなし  李 明子 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160704_480_8936p
(一)一連目引き込まれました。美しいです非常に。比喩と戦争が出てきてから思考が飛び文章世界の腕の見せどころになっていくはずです。比喩と戦争の素材を扱いきれなかったのでは、という未消化な部分が非常に気になりました。この作品は、しかし推敲したら良作となりそうですね。
(一)おとぎばなし自体が『うつくし』くそして強固な『比喩』であるわけで、生きている日常=『戦争』くらいの使い方だととても太刀打ちできない相手なのかなって思いました。

8931 : 月の裏  芥もく太 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160704_459_8931p
(一)ゆっくりと流れていく言葉の綴りが名作となりそうな歩みを見せつけていきます。ただし、
   作品として単語の一つ一つが弱く独自性がありません。
   惜しいと思います。
(一)人間は自分のまぶたの裏が見えないものですから、そこらへんからはじめてみてはいかがでしょう。

8939 : フラジャイル  田中恭平 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160705_502_8939p
(一)比喩、という言葉に悩みますが作者のように真っすぐ自分の世界を提示して使っていると詩内詩でも輝くことがあることに驚きを覚えました。

8944 : 太宰、もうじき選挙だってよ。  5or6 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160707_565_8944p
(一)アプローチに批評精神があらわれている。ややネタに走りすぎるきらい。
(一)タイトルは不安だったのですが、中身は面白かったです。メタ的な視点も自然に織り込まれていて、やりきった、ということを感じます。

8940 : おれ 宮沢賢治  湯煙
URI: bungoku.jp/ebbs/20160706_516_8940p
(一)文字でしかできない表現を面白く読ませて頂きましたが、設定の周辺で遊んでる段階ですかね。
(一)関西弁で確実に偽物ということが設定のくだらなさを支えていきます。削除などの文字に寂しさを見つめたりすることも可能な幅広さを持ってはいると思います。

8941 : 態度の悪い少女  蛾兆ボルカ 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160706_526_8941p
(一)日常の切り取り方、表現がよかったです。全くの他者に何かを期待することの面白さも描かれています。ただ、一度メタ的な視点に引き戻されてしまい、少し冷めてしまう部分がありました。詩の中で「ポエム」という単語を使うのは、よほどの効果がないと危険だと思います。
(一)ポエム化の文字がむなしく響きます。

8943 : 少しだけ暑かった初夏の夕方に  yaya
URI: bungoku.jp/ebbs/20160707_564_8943p
(一)深読みを誘うような作風。

8960 : 無題  湯煙 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160713_781_8960p
(一)特に悪くないです。

8950 : 歌  zero 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160711_689_8950p
(一)上手すぎます。完成されているのに余白もあります。素晴らしい作品です。
(一)古典を現代に生かした形式ですが、それを気にさせない完成度です。欲を出さず、四連きっちりまとめているのがとても良いと感じました。

56.8963 : 嘘に(改)  yaya 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160713_795_8963p
(一)すっと読めます。だからこそ少しの引っかかりでも気になってしまう作品に思えました。もう少し推敲してもよいかもしれません。

8953 : 七夕タナボタ  ヌンチャク 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160711_697_8953p
(一)良い作品です。身近な題材で詩情が届きます。タイトルの照れみたいなものが、また上手く作用しています。

8938 : (無題)  花緒 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160705_490_8938p
(一)試みは面白いのですが、流れが少し悪い気がします。もう少し短くすると、コンセプトがはっきりすると思います。
(一)はじめのほうは興味深く読み進めました。「なにがなんだか分からなくなって」は書かなくても十分わかると思います。そして途中から新たな展開が始まるのですが、そこに行かずとも面白くなったはずなので、
   焦点がぼやけてしまったのでは、と思いました。焦点化が課題の推敲必須の作品であると思います。

8918 : 詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日  田中宏輔 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160701_295_8918p
(一)いくつか素晴らしい箇所もあるのですが、日記色の濃い部分は読み進めるのが大変です。少なくとも私には、この長さは不必要だと感じられます。たとえば『二〇一六年五月二十八日 「いつもの通り」ひとりぼっちの夜。』などは長さの中で非常に効果的な部分だと思うのですが、そこにたどり着くまでに疲れてしまうという弊害があります。

8920 : 揺れるじかん  李 明子 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160701_297_8920p
(一)描きたい主題に真っ正面から取り組んでいることが伝わってきます。
   これまでの詩作品がやってきたことと重ならないかどうか気になります。
  最終行は書かずして書くと更に深みが出そうです。
(一)優しいながら強い言葉だと感じました。最後の連は弱い気もしますが、その弱さも効果的なのかもしれません。

8922 : 悪目くん episode2 かもめのジョナさん  ヌンチャク 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160701_304_8922p
(一)うっかり最後まで、しっかりと呼んでしまえるようになっている。印象にも残る。このくだらないとも思える作品を一生懸命書いている作者の姿を思うと凄い作品なのかもしれない。

8932 : 症例検討  宮永 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160704_462_8932p
(一)カンファレンスへの皮肉と文化(言語)ギャップを重ねて提示しているのであれば書くことの取捨選択が違うのかもです。

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2016年7月分月間優良作品・次点佳作発表

2016-08-20 (土) 11:51 by 文学極道スタッフ

2016年7月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

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2016年6月分選考雑感(スタッフ)

2016-08-13 (土) 23:42 by 文学極道スタッフ

(スタッフ数名が地震被災中、豪雨災害被災のため作業が非常に遅れています。ご容赦ください。)

8869 : ロールメロンパンナちゃん  澤あづさ
URI: bungoku.jp/ebbs/20160606_224_8869p
(−)作品自体は読めますし、考えさせられるものもあります。ロールパンナちゃんは相当な題材です。90年代に綾波レイに次いで研究され論じられたキャラクターのため、さまざまな学術性は出尽くした感があります。それよりも更に新たな視点というものは無かったように思えます。ロールパンナちゃんに挑むのはさすがに難しかったのでは。

(−)これは難しいところで、元ネタがわかる前提なのかどうか、というのは大事だと思います。どちらかというと、わからない方がいい詩かと。ところがこれがアンパンマンの話であることは、番組を見ていない人も分かってしまう。かといった誰もが詳しく知っているわけではない。やなせさんからの引用の方が面白いという時点で、引用の作品としては中途半端かな、と思ってしまいます。

(−)どんどん改稿されるので、選考中に評価が変わる上に選考しなおす際にハードルが上がります。選考して少しよくなっているくらいなので芯がもともとブレている作品なのでは、と思わさせられます。優良を狙っているだけの作品にも読めますが何故、優良がとりにくい方法を選択しているのか不思議です。改稿した後、別の月に投稿してみては、いかがでしょうか。

(−)月末を越えて大幅に改稿をするのであれば、新しい作品として投稿しなおしていただきたいところです。
   やはり改稿前提の作品を載せる場所ではありません。

8906 : 冬虫  シロ 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160625_028_8906p
(−)北海道には雪虫という虫がいて、けっこうネタにされています。
   たぶんそれとは違うと思いつつ、読みに迷いました。

(−)描写が上手いです。もう一歩欲しいという思いも捨てきれません。習作の良さに思えたりするので。

8907 : コップ  宮永 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160625_034_8907p
(−)比喩に溺れています。

(−)二連が良かったです。ただ、題材や他の連に目新しさがなく、損をしている作品かな、と思いました。

8917 : とぶくすり  花緒 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160630_293_8917p
(−)とべませんでした。

8913 : Gloom5.6  5or6 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160628_142_8913p
(−)ラノベにしては書き込みがたりないし、詩にしてはパンチラインが少なすぎる印象でした。

8910 : 無題  匿名
URI: bungoku.jp/ebbs/20160627_099_8910p
(−)「無題」「匿名」とハードルをあげすぎです。
   zeroさんと比べてしまう作風ですね。あと何作か読みたいです。

8909 : 雑踏  芥もく太 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160627_095_8909p
(−)諦観が紡げています。

8902 : 夜  ユケ 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160623_940_8902p
(−)短さと言いさしで終えたことが効果を出していません。

8900 : Tensai Shijin 8900#  天才詩人 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160622_902_8900p
(−)とんでもないタイトルと本文。作品として面白い。

8905 : 今今に  つばめ 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160623_966_8905p
(−)つばめが蝉をうたうとはこれいかに。

8901 : かっこいい扇風機  泥棒 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160622_910_8901p
(−)面白みがあって良かったです。構成も考えられていますし、良くまとまっています。

8904 : 星  kaz. 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160623_947_8904p
(−)途中まで傑作なのではないでしょうか。感傷と描写がうまく相互作用を働かせていると思います。最後の方、結末にかけて凡庸すぎるものへといったことは、どうだったのか。もっとふさわしい帰結がある気がします。作者の力量を帰結部に持ってきたら傑作になったのではないか、と思いました。

8897 : 水に漂う傘  ねむのき 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160620_851_8897p
(−)美しい作品でした。絵画のようでありながら、言葉もしっかりと伝わってきました。

(−)沁みました。

8895 : 嘘に  yaya
URI: bungoku.jp/ebbs/20160618_765_8895p
(−)途中まで興味深く読んだ。だが「詩」が出て来てから途端に内側に閉じられたものになってしまい残念。

(−)雰囲気が良くなりそうでふわっとしたまま終わってしまった印象。
  こういう詩はネットにたくさん溢れていて、それは=作品の質を貶めるものではありませんが、比べてしまいます。自己陶酔、希求度、パンチライン、作中世界観の解釈、そういったものが合わさって作品になっているわけで、それの一つ一つの尺度で比べても薄味なのは否めなかったです。

8887 : Gloom3.4  5or6
URI: bungoku.jp/ebbs/20160614_549_8887p
(−)あんまり照れないで、作中主体の話をもっと聞かせて欲しい。

8892 : NOBODY CAN HEAR YOU  山田太郎 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160616_702_8892p
(−)名作。これこそが詩だ。まさか作者に感動させられるとは思わなかった。 作者は評を書くことを止めて作品に専念した方が良いのではないか。また「山田太郎」という名から、しっかりとした作者名を考えて詩に専念してみて良いのではないか。そう思う。評で感情を書いているのは勿体ないと思う。作品に是非、専念してみて欲しい。

8871 : 散策ノート  Migikata 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160606_235_8871p
(−)校歌みたい、で、国語の授業みたい、で、宗教みたい。
  57調の良くない所が出てしまいましたかね。
  韻律に作者だけが遠くに運ばれた印象でした。読者置いてけ堀。

8889 : 黒い柳に徹の子が、いる。  泥棒 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160614_575_8889p
(−)名作。「黒柳徹子」を別のものに変えて歴史的傑作にすることも可能なのに、それをせず作者のユーモアを残すところが業を感じて印象にも残りました。

8859 : あの木  宮永 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160601_130_8859p
(−)字数をそろえながら言葉もしっかりしていて、完成度の高い作品だと感じます。

8890 : 未経験  李 明子 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160615_636_8890p
(−)読者に共感を求め、かつ答えを求めるような作品。

(−)充分、気になりました。連ごとに焦点が揺れるのは何故でしょう。連ごとが馴染んだら更に良い作品になるように思えました。

8880 : 寸劇 『ホープ細胞事件』  山田太郎
URI: bungoku.jp/ebbs/20160610_359_8880p
(−)作品としても皮肉としても薄味。ウソ、ウソ、ウソ。そこの核心の周辺で言葉だけなぞるなら、週刊誌に任せておいてもいいんではないでしょうか。

8886 : 黄金の川  るるりら
URI: bungoku.jp/ebbs/20160613_504_8886p
(−)小人さん達の営みってかんじのかわいいかわいい世界観ですが、ランゲルハンス島の細胞では確かにインシュリンが分泌されますが、それがどこに行くのか? っていうと、ランゲルハンス島じゃなくて、血管を通って全身にいくんですよ。なので、もっと世界が広がって欲しかったなぁ。

8884 : 無題  Tamed 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160613_494_8884p
(−)タイトルを付けた方がいいと思います。

8878 : 眠った炎  zero 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160609_307_8878p
(−)最終行はじめは気になりましたが、再読していくうちに、
  この行の言葉を選んだのだということが分かってきました。
  作者の作風で、きちんと作品として立脚させていることにも凄さを感じます。

(−)呼ばれたものではなくて、呼んだものにフォーカスしてもいいかも知れませんね。

8883 : 詩の日めくり 二〇一六年四月一日─三十一日  田中宏輔
URI: bungoku.jp/ebbs/20160613_486_8883p
(−)単純に面白い。読み入ってしまいます。

8888 : 夢三夜  渚鳥 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160614_552_8888p
(−)素敵な作品なのに「夢」を超えられていないことが気になります。タイトルに問題ありなのではないでしょうか。

8866 : 傷  李 明子 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160604_188_8866p
(−)最後の一連だけで十分な詩になっています。
  そこを考えると最終連にいくまでが、もっと高められそうです。

8876 : sentence  アラメルモ 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160608_266_8876p
(−)心が乱される感じが良かったです。視点がはっきりしていて、力強さもあります。

8867 : 詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日  田中宏輔 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160606_213_8867p
(−)笑いながら読んだ。四月用のメモがでてきたりと新しい要素もあって惹きつけられた。

8864 : Give me chocolate  ゼッケン
URI: bungoku.jp/ebbs/20160604_183_8864p
(−)作者の作品としては久しぶりのヒットでは。タイトルも上手く作用しています。

8870 : 病刻冤罪  北 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160606_227_8870p
(−)印象には残ります。作品単体としての強度は疑問です。

8865 : (無題)  ズー
URI: bungoku.jp/ebbs/20160604_184_8865p
(−)これを読み進めさせる手腕が凄いです。分からせてもいくし。凄い。もっと良い作品にもなりそうですが成功していると思います。

8873 : 笛  石村 利勝 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160607_246_8873p
(−)作りがいいですし、心の中に残るものがあります。リズムもよく、楽しかったです。

8877 : 深夜、雨が降ってきたのでコンビニで傘を買った  蛾兆ボルカ
URI: bungoku.jp/ebbs/20160608_271_8877p
(−)とても不思議な部分を切り取った詩でした。よくわからない部分はよくわからないままでよいと思います。

8860 : 廃人のたうたうた  玄こう 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160602_133_8860p
(−)おっと思う作品の箇所が多数。しかし散れ散れになっていて作品を高めているのか疑問。

8916 : 夏  熊谷 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160630_278_8916p
(−)純粋に書きたいものを書けている。

(−)とても美しく、良くまとまった作品でした。ただ、長さのわりには流れが感じられませんでした。

(−)浮遊感と着地してるのにまだ浮いているような不思議な読後感でした。

8908 : 白へ  思案 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160627_088_8908p
(−)韻を踏んでいるわけではなく、リズムが良いわけではないこの文体は吹雪かなにかの表現でしょうか。

8896 : 詩賊、無礼派、ダサイ先生のこと。  ヌンチャク 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160618_783_8896p
(−)昨年を代表するエンターテイナーはほんとに、ほんとに、真面目なんだな。という印象です。
 あとは楽しみにしてた作家の新刊が身辺雑記ですらなく身内とのゆるい対談だった読者の気持ちですねー。ゆるすぎますかねぇ。

8911 : 温泉  zero 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160628_137_8911p
(−)こういう素材で書き方で読ませるだけのものを書ける力に感服します。

8903 : 叫ぶ者たちへ  石村 利勝 
URI: bungoku.jp/ebbs/20160623_941_8903p
(−)旧仮名遣いでなければ泣きそうな素晴らしい作品になりそうです。

(−)ころげまはつて叫んだ言葉こそが読者に差し出されるべきものでしょうね。

8914 : 郊外  田中恭平
URI: bungoku.jp/ebbs/20160628_172_8914p
(−)鳥からはじまる連想で空間が四方八方から収斂してゆく。
 ズル忌引きで休みを獲得した作中話者は精神的にも肉体的にも社会的にも健康とはいえないらしい。
 宮沢賢治の短編を薬になんとはなし‘生きてゆくわたし’をぼんやりと眺めている話者。
 「存在すること」は「哀し」いことであると語る話者は「深さの底」を認識しているわけで、どん底にはいない、もしくはいる主体自身をみつめる「わたし」も同時に存在するということになる・。
 この「わたし」が同時に存在する感覚というのは、一連目の「知っていた」「知らなかった」二連目の「くらし」「生活」とも呼応し、「休日」にもがく主体を浮かび上がらせ る。
 (「賢治」「やむなし」「やまなし」は流石にひっかかりました。)
 
 アブサン、狼煙が出てきて??覚せい剤と警察からのメーリングリストメールじゃだめだったんでしょうか。
 ここで時代がわからなくなったので、スマートフォンとガラケーの意味が掴みかねてしまいました。
 川の底から水面にのぼるクラムボンを見あげたのは蟹の子供らでしたね。夜の底から見上げる話者は? 見上げたのは狼煙??
 なんというか、読めば読むほど救いようのないデビッドリンチ的展開にしか読めなくって、なんか、もったいない気がしました。郊外ってもう十分に「ここではないどこか」だと、わたしなんかは思うんです。

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2016年6月分月間優良作品・次点佳作発表

2016-07-23 (土) 15:27 by 文学極道スタッフ

2016年6月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

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熊本地震3ヶ月目・連続震度7と1900回(平川綾真智)

2016-07-19 (火) 13:30 by 文学極道スタッフ

(※この投稿には、損壊家屋などの画像が添付されています。)

熊本地震発生から3ヶ月が経ちました。二回の震度7を含めて熊本では7月14日現在までに1,900回に迫る地震が続いています。去年、日本で一年間に起こった地震の回数は約1,800回だったので未曽有の事態だと言えるでしょう。熊本県内に住むサイトスタッフ数名も被災し家が大規模半壊し生活に支障を来しているなど大変な状況です。けれども報道などを見ていると続いている熊本地震が既に風化して来ている現実に直面させられ危惧を覚えています。もしも、ここに現状を書くことによって少しでも多くの方が熊本地震のことに関心を持っていただけたら、という思いを込めて投稿させていただきます。

4月14日、熊本で前震と呼ばれる震度7の地震がきた日に私は鹿児島にいました。iPhoneからtwitterのリプライを読んでいた時に突然、画面が切り替わり「熊本で地震が起こりました後48秒で地震が起こります。」という表示が出て「ジシンデスジシンデス」と人工音が鳴り響くと同時に、大きな横揺れが来て本棚から本がドサドサ落ちてきました。私は眼病で視野を失っており左目が見えません。左側を、とにかく守りやり過ごしました。とても長い揺れで物が当たらないようにするのに必死でした。外では防災警報のようなものが鳴って注意を呼びかける車が走っていました。SNSやLINEで多くの方から「地震、大丈夫ですか?」というメールをいただき鹿児島では震度4だったらしいとのことや無事であることを発信しました。コメントやリプライには「お風呂場に水を直ぐに貯めてください」というものが多数つきました。この時は冷静さを失っていたこともあり、あまり意味が分かっていませんでした。災害情報を見てみると益城町や阿蘇を震源に震度7の地震が起こったという報道が為されていました。私は10代、20代を熊本で過ごしており大切な場所や友人、知人は熊本に集中しています。今でも頻繁に帰熊しています。真っ青になると同時に、震源地近くには友人が居ることを思い出し電話をかけました。電話は災害時の通信上の問題からか通じませんでしたがLINEだけは通じました。友人は何が起こっているのか分かっていない様子でした。電話むこうからは悲鳴や防災警報、地鳴りなど様々なものが聞こえました。鹿児島も余震で揺れていましたが比較にならない余震が来ているのだ、と分かり、無事を何度も確認すると同時に「お風呂場に水を貯めて」と訳が分からないままに連呼していました。直下型だったためでしょう揺れの前に爆発音のような音が鳴り、ずっと縦揺れが続いているとのことでした。「こんなことが起こるなんて」と友人は、しきりに繰り返していました。お風呂場に水を出すと真っ黒い泥水が出てきて恐怖が増し、すぐに蛇口をしめたとのことでした。その後の大きな揺れで友人は廊下で転倒してしまい車に逃げたとのことでした。大変な非常事態ですが大地震は終わったと思い私はSNS上で自身の無事や友人の無事を投稿しました。その日は眠れない夜を過ごしました。

4月15日その日は佐賀に出張しなければなりませんでした。新幹線が脱線しJRは使用できず福岡空港行きのキャンセル待ちをしていると友人や後輩から熊本城の画像や家の画像が送られてきました。熊本城の惨状には胸が裂ける思いでした。熊本市内では家の家財が散らばったけれども、その日のうちに多くの方が頑張って片付けた様子でした。震源地の近くの友人も市内の実家に避難したとのことでした。佐賀に着きホテルにチェックインする時、ロビーで多くの方がハイになっていたことを覚えています。昨日の地震について、お互い知らないであろう人たちが、いかに揺れたかについて妙な高揚と共に話していました。部屋に入って熊本の友人たちに電話すると皆が非常にテンションが高く普段、寡黙な友人さえも多弁に、その日のことを語ってくれました。地震の時は爆音がしてから揺れて、揺れ始めてしばらくしてからiPhoneが鳴ったこと、カラオケ店で機械が落下して来て危機一髪たすかったこと、など。益城町の友人や阿蘇の友人の無事をメールで確かめてから、その日は眠りにつきました。

4月16日深夜、熊本で本震と呼ばれる震度7の地震が起こります。ドーンという音がしてベッドから跳ね上げられ死を覚悟しました。iPhoneが「ジシンデスジシンデス」とけたたましく鳴っていました。大きな縦揺れでした。とても長く揺れが終わらずホテルの廊下から多くの人たちの叫び声が聞こえてきました。iPhoneには熊本で大地震が発生したことと佐賀での避難所が表示されていました。布団を被って崩れてくるかもしれない天井に備えました。揺れが少し収まったので友人に安否の連絡をしてみると「家が壊れた」というLINEが返って来ました。色んな方から「大丈夫ですか?」というLINEが入ってきました。すべてに返信することは無理な状況だったのでTwitterやFBに、その時の状況を投稿することにしました。イイネの表示が出るたびに、まだ自分が生きていて外と繋がれている不思議な感覚を得たことを覚えています。広島の方から「こんな揺れは初めてで凄く怖かった」というLINEが届き、どこまで揺れているのか分からなくなり大変な恐怖を覚えました。熊本の友人のこと大切な場所のこと、いろんなことを考えると共に自分は今日、生き延びられるのか大変不安になりました。ホテルはハリウッド映画のような大パニックに陥り大勢の人が外へ出ようと必死になっていました。佐賀は、その日最大震度が6弱だったとのことでホテルの高さで更に揺れたということを後から知りました。何度も何度も大きい揺れが来ました。左目が見えない中、深夜の暗闇の中を避難所まで行くことは難しく、その日は駅前の広場に避難して揺れが収まるのを待ちました。

次の日、一睡もできないまま着替えて出張先に向かいました。出張先の建物は損壊していました。現実のことと思えない衝撃的な光景に大変なショックを受けました。担当者の方が涙ぐみながら今日は中止せざるを得ないことを話していました。ホテルに戻る時も何度も縦揺れが来て、その度に死を意識しました。熊本の友人と連絡すると、熊本は道路が壊れ空港が壊れ住居の多くが倒壊/損壊し、皆が食べる物を確保することがやっとな状況とのことでした。お風呂に水を貯めることはトイレ用の水として重要だったんだということも知らされました。家財が倒れている画像が何人からも送られてきました。家具は壁などに器材で固定されていたのに壁ごと倒れていたりするなど大変な惨状でした。数分おきにiPhoneが鳴って縦揺れや横揺れが来ました。早くから地震酔いになり揺れていない間も歩く振動などで鼓動が早くなり物を食べようとしても吐き出してしまいそうになる状態でした。移動の間、阪神大震災経験者の友人や福岡の方を中心とする全国の方がSNS上から声をかけ励ましてくれました。何かあるたびごとにリアルタイムでSNS上に投稿し発信していきました。声が届くたびに、まだ生きていて声を見ることが出来ているんだ、と思うことが出来て頑張ろうと思えました。必死でした。思い出すと今でも恐ろしくなります。

それからは眠れない日々が続きました。スタッフの清水さんは大変な被害を受け、一時、県外に避難していました。同じくスタッフの麻田さんは軽傷も負っており、壊れた実家の前で御両親と車中泊を続けていました。やっと手に入れた一つのお弁当を御両親と分け合って食べていたり、海保の船でお風呂に入ったりと大変な状況でした。二人とも生きていることが救いでした。スタッフからは選考を今月は中止にしようという声をいただきました。けれども真っ先に選考を提出したのは清水さんでした。多くのことを考えさせられました。私も不安を抱きながら選考を提出しました。あの時いろいろと支えてくださったスタッフの皆に感謝しかありません。心配をいただいた投稿者の方にも感謝しかありません。本当に、ありがとうございます。

5月の下旬、それまで一日に約100回起こっていた地震の頻度も少し落ちてきたので私は友人たちに会うため帰熊しました。左目が不自由なことを心配して友人が車を出してくれました。熊本の街はブルーシートの家が大半で、損壊家屋や倒壊している家屋も目立ちました。瓦礫も、まだ手付かずの状態でした。道路も凹凸が気になり一ヶ月経って、この状況なのかと改めて起こっている非常事態を実感させられました。熊本城の建物が倒壊している姿や石垣が崩壊している現実は声が出ませんでした。個人的に思い入れのある商店街の店が倒壊していることも胸を痛めるばかりでした。神社やお寺などの建物は多くが倒壊か大規模半壊を起こしていました。地割れなども、まだ残っており、ただただ恐ろしかったです。益城町に行くと倒壊家屋が何十キロにも渡って続いていました。時折、献花がありました。益城町役場に勤めている後輩に聞くと、それでも地震直後より大分綺麗になっているとのことでした。地震直後の光景は想像も出来ず恐怖を覚え被災した後輩が夜ほとんど寝ずに公務に励んでいる姿に、ただただ胸が痛くなるばかりでした。生きていてくれて良かった旨を伝えました。後輩は「いつか飲みに行きましょう」と印象的な笑顔を浮かべていました。阿蘇に向かおうとしましたが雨で引き返さざるを得ませんでした。
その後、旅館「松葉」に行き熊本文芸誌の会に出席しました。一人ひとりの顔を見て生きていてくれたことに安堵感を覚えました。休憩時間に皆で地震の話をし続けました。避難所での過酷な生活、テント生活を続けている話、70歳を超えて車中泊を続けている話、地震の後は高揚状態が続き一種の躁に皆がなっていたことなど。過酷すぎる話を皆が笑顔でしていたことが妙に印象的でした。
そして中央街の下通り方面へと向かいました。街には「負けんばい熊本」と書かれた看板やポスターが、いたるところに貼られていました。街は大分、片付いており多くの店が営業を再開していましたが、よく見ると外壁が崩れ落ちていたり亀裂が入ったりしていました。新市街を抜けて「橙書店」へと行きました。「橙書店」は私も所属している熊本文学隊の本拠地で、さまざまな作家さんたちが常連客として通う隠れ家的な店です。カフェ・スペースも併設されていて様々な文学イベントが開催されてきた場所です。地震後、扉が開かなくなるなど被害が大きく、常連客の皆で直して営業再開することが出来たと聞いていましたが、実際に行くまで店主の久子さんは無事なのかどうか、とても不安に思っていたことを覚えています。お店に入って店主の久子さんの顔を見た瞬間、こみあげてくるものがありました。熊本文学隊のメンバーも何人か来ていて無事を確かめることが出来さまざまな思いが交錯しました。色んな話をしました。地震の前に爆音のような地鳴りがすること、地震の瞬間、電信柱が振られた鉛筆のようにグニャグニャ曲がって道路に打ち付けられていたこと。目の前で山肌が割れていくのを見たこと、夜になると地震がくるんじゃないかと思いお風呂に入れなくなったこと、など。皆が生きていることは奇跡に思えました。その日は夕食も「橙書店」で食べ、本もたくさん買い、イベントスペースに来ていた方にジャケットを作ってもらいました。眼のことなどがありボランティアでは足手まといになってしまう私が出来ることは熊本のお店でお金を使うことくらいです。観光客が、ほとんどいなくなってしまい収益が大幅に落ちてしまっている熊本ですが皆、復興に向けて前向きでした。相変わらず温かく優しい県民性に涙が出ました。

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6月に九州は集中豪雨災害が各所で起こりました。特に熊本は道路が冠水し腰まで水浸しになりながら家に帰らざるを得なくなる地域があるなど大変な状況でした。清水さん、麻田さんも地震が続く中での豪雨で大変な困難な思いをされていました。熊本は未だ仮設住宅が間に合っていないため多くの方が大規模半壊したままの家屋でブルーシートをかぶして暮らしていたり、倒壊した家屋の敷地にテントを張って暮らしています。雨漏りで天井が落ちてしまったり夜じゅう二階に溜まってくる水をバケツで掬っていたなど大変な話を多く聞きました。車が浸かってしまい廃車になって車中泊が出来なくなった人もいました。益城町や阿蘇は更なる被害が出てしまっていました。だんだんと皆の疲労も限界に達しつつあるのではないか、と思えてしまいました。瓦屋や重機会社は何百件待ちの状態もざらであり、なかなかブルーシートの問題は解決できないようでした。私は中学生の時に洪水に被災し町を失ったことがあります。被害を受けた友人の話を聞くたび気持ちが分かり胸が痛くなりました。

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7月になり地震の頻度は一日約100回揺れていた当初より、ずっと減って来ました。けれども未だ震度4が来るなど熊本は大変な状況です。ブルーシートの家屋も以前、多く、もうすぐ来る台風に不安を覚えながら日々を過ごしています。被災者の公務員の方は大変な中を復興に向けて公務に励んでいます。宇土市役所は地震で崩壊したので現在、体育館で公務を行っているそうです。熊本地震の風化を最近、ひしひしと感じます。先月、福岡の文学イベントに行った際、関東から来ていた方から「熊本は未だ揺れているんですか」と大変おどろかれたりして悲しい気持ちになったりしました。連続震度7は観測史上はじめての事態です。震度というのは7までしか表示がないので、どんなに大きく今まで無いような揺れでも「震度7」と表示されてしまいます。本震時は関東全域まで揺れているので震源地の熊本の生きている皆は奇跡としか言いようがありません。風化しつつある原因の一つに死傷者数が少なかったことが挙げられると思います。死傷者数が少なかったのは、前震で大半の人が避難済みだったからです。揺れが夜に来たことも大きいと言えるでしょう。照明器具が落ちて改修の目途が経っていない市民会館や棚が壁ごと崩落した各スーパー、熊本城など、昼に賑わう時間帯に揺れが来ていたらと思うとゾッとします。この投稿で何かを伝えたいというわけではありません。ただ少しでも風化しつつある熊本地震に関心を持っていただけたら、と思いました。乱文、乱筆になってしまいました。私は今回、自分が被災して初めて阪神大震災や新潟中越沖地震のこと、東日本大震災の時に胸を痛めながらも何もわかっていなかったことを知りました。自分を恥ずかしいと思いました。今、いろんなことに感謝する日々です。大分の別府の友人とも、しげく連絡を取るようになりました。前を向いて、これからも復興に向けて歩いていけたら、と思います。熊本が、もう揺れないように祈りながら筆を置かせていただきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
                      文学極道・代表代行 平川綾真智

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