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2010年3月選考雑感

2010-05-23 (日) 21:57 by 文学極道スタッフ

今月も勉強になりました。
ありがとうございます。

今月は、

4242 : ポエム  ぱぱぱ・ららら ('10/03/09 21:51:53)

4253 : 笑う男  鈴屋 ('10/03/15 00:55:06)

4261 : あなたは空の白鳥で、衛星があなたと僕を見ている  右肩 ('10/03/18 01:39:09 *1)

4250 : 死神  ヒダリテ ('10/03/12 23:31:48)

4272 : 海の指紋  椎葉一晃 ('10/03/26 03:42:54 *1)

以上、5作品が月間優良作品に選出されました。

4242 : ポエム  ぱぱぱ・ららら ('10/03/09 21:51:53)
「日の消えたお香」の誤字が気になりはしたが、凄烈、形骸から生まれる思想、詩と詩を書く者との苦しみと、どうでもよいことと、そして媒体、すべてがある新形態に思える、徹底したフォーマットには詩の角度ではない詩が見えてくる、という意見がありました。誤字があるけれども、それでも良いかな、と思う、簡単なようで、とても難しいことをやってのけている、読み手も幅が広い(思想を理解せず読んでも理解して読んでも読み応えがある)、という意見もありました。作者を良いと思ったことはないが、改めて読んでみると、今後エキサイティングなことをどんどん書いてくる予感がある、という意見もありました。面白い、出来そのものよりも、言いたい事や伝えたい事が混濁していない潔さ、明瞭な輪郭と話者の意志を買いたい、瑕も寧ろ魅力的、普遍的な問いかけにもなっている、記述的には相当にパーソナルであっても独善に堕ちることなく、「詩」に踏み留まっていて、そうした危うさが同居しているのも、良い、という意見もありました。

4253 : 笑う男  鈴屋 ('10/03/15 00:55:06)
全く普通の情景、笑うということで世を渡れる醜悪の確認、一瞬一瞬を確かな言葉と描写で病のように打ち出していく、作者は詩誌受けしそうとの言葉もあったが、最近の詩誌には見受けられないタイプだと思っている、という意見がありました。ただの雑記だったらうんざりするところだが、第2連と最終連でちゃんと空間の中に配置し、垂線を導入している、上手く書くことを心得ている人だが、その配置の中で何が生きているのか、ということが、年間選考の際、指摘されたダメだしに繋がるのではないかと思う、ミスタイプが一か所あるのも気になる、という意見もありました。狂気云々よりも、浪漫なんじゃないかしら、オトコのね、ちゃんと笑えない哀しみ、ではなく、ちゃんと泣けない故の笑い、喜怒哀楽その全てに笑いは顕れる、共感装置としては機能しにくいところはマイナスなんだけど、という意見もありました。

4261 : あなたは空の白鳥で、衛星があなたと僕を見ている  右肩 ('10/03/18 01:39:09 *1)
上手、圧倒的な美しさを計算して見事に作られている、という意見がありました。行頭空白や独自の改行は、当人の意図は知らないが見た目が悪いとしか思わないが、内容はとても良い、美しい空間構成、新鮮なイメージ、話者と対者のありようも色々言われているがこの作品ではシンプルなままの方がいい、という意見もありました。階層的な発想や、絶望と希望の役回り等々、よくよく考えてあって感心頻り、ただ、これ、最終連をどうにかすれば、目眩しそうな傑作となったんじゃないかというような、錯覚かもしれませんが、そんな予感の方が勝ってしまうんですよね、贅沢な期待でもあり、ある意味では酷な期待だとは知りつつも、という意見もありました。

4250 : 死神  ヒダリテ ('10/03/12 23:31:48)
プロットの勝利、読めて良かった、そしてさりげない日常生活が、どこまでも通る奥行きを出している、という意見がありました。ありがち、といえば、そうです、読み易いのはヨシとしても、再読されるSS仕立てにするには更なる工夫が必須、作者はビギナーではないので、「そこそこの作品」は期待されていません、という意見もありました。ちょっと微妙な感じがします、詩人いこーるカリスマでなきゃいけません、という意見もありました。
※本作品への右肩氏のレスポンスの見事さに言及するコメントもありました。付記しておきます。

4272 : 海の指紋  椎葉一晃 ('10/03/26 03:42:54 *1)
いくつかのプロットが波打ち際のルフランのように和音を成している、こんなに美しい文章は久しぶりに読んだ、という意見がありました。これは素晴らしい情景詩だ、作者の能書きや番号は無視して文章だけを読んでみて欲しい、全てのプロットが美の和を成している、という意見もありました。それなりの力量はある書き手なんでしょうね、ってことは判る、ただ、端から指示された通りに読む気にさえなりにくいのは、単純に「おもしろくない」からです、また、読み手に媚びる必要は無いけれども、こうした言語遊戯然とした外観では、作者は楽しんでいるかもしれないが、マニアックな読者にしか読まれません、所謂巧拙以前の話ですね、詩の読者の99%以上は、不親切であり、唯我独尊的であり、飽き易く、そして予めひどく疲れていたりもします、更に、こうしたアプローチを数多の書き手が採用しない、その最たる理由は、この手法が読み手に期待過剰故だからに他なりません、「実験的」と言えるほどの斬新さも無い、違う傾向の作品は読んでみたいですけれども、学級会の発表じゃないんだから、これを評価しちゃダメなんじゃないかな、と、という意見もありました。

さて、次点佳作作品について触れていこうと思います。

4233 : 架空  宮下倉庫 ('10/03/05 19:39:16 *1)
寒々しい、本調子ではないものと思われる、という意見がありました。 スタイリッシュで上手い、作者は完成されてしまっているため、挑戦して欲しいという思いを読む度に抱く、今回は挑戦が薄い、その上での完成度が今まで上げたハードルよりも下にあるように思える、創造大賞を獲った故に読み手の眼を肥やしてしまう大変さがあるので応援したい、という意見もありました。たとえボケ全開であったとしてもガッツリとレスしたくなる数少ない書き手ですね、サラサラッと書いて(もちろん、実際にどうだかは知らないが)食いつきどころ満載なのが魅力、僅かな種子を、如何に咲かせるか、そこに書く醍醐味も読む楽しみもある、この作者の「実力がある」かどうかに興味は無いけれども、凡作を公開しないのは確かで、そこも粋ですね、という意見もありました。

4217 : 日の生まれていく、日の、  黒木みーあ ('10/03/01 09:18:11 *1)
人の孤独は他者と触れ合ってより強固になっていく、そのときに交換しあう性は一人では完結しない階上を覚えるに他ならず、それはすぐに自らを意識させ、孤独としての人間を日に置いていく、上手すぎないので、余白もあり、共通世界を上手く置いていく良作、という意見がありました。あまり「女性的」だとは感じませんね、それへの引力等は無いに等しいのでは? 佇まいは整っていますが、習作ノートの匂いはしますので、切りにくいけど推し辛い、何かしら発明したら急に伸びそうな資質には注目しています、という意見もありました。この人には独自の才能があると思う、という意見もありました。

4223 : 偽物の猿の目は青い(東京の憂鬱編)  ぱぱぱ・ららら ('10/03/01 20:44:03) 
オリジナリティを排除した運び方が印象的、最初の惹き込み方にしては、最終での回収が弱い気もするが、それで良いのだと思う、過程が過程として完成している小品、という意見がありました。とっちらかってはいますけど、ストレンジな味わいはある、トゥルルルは真実とも掛けているのかな? いずれにしても符丁として適役ですね、さりげない無常の封入も悪くない、という意見もありました。劣化村上春樹のような作品だ、という意見もありました。

4262 : 散歩者  りす ('10/03/18 18:14:17 *1)
散歩者は、散歩コースという風景に欠けてはならないものとなる、ならないものとなってしまったので、いつまでも歩かないといけない、最近の作者の作品は、作者としての老いに真正面から立ち向かう妙味があると思う、祭りの後の美しさというか時間が作る味と、筆にきちんと向き合うあり方が深淵を生んでいるのだと思う、10年後の作品は染む味を、どのように受け止めているのか気になっている、という意見がありました。全然、ピンとこない、という意見もありました。この書き手にしては珍しく生真面目に書き、それが見事に裏目に出ているように思えます。巧いんですが殆ど拾うところが無い、丁寧なんだけど無意味に婉曲で窮屈な印象、妙に老成してもらいたくはないし、そもそも「ベテランの域」で達観や境涯について盆栽みたいなのをグダグダ書くくらいなら冬眠した方がマシでしょう? まだ若いんだから身の丈にあったものを書くべきで、枯れた内省は寝たきりになってからでも充分に間に合いますよ、という意見もありました。

4269 : How not to pray  岩尾忍 ('10/03/24 21:18:19)
自己批評的眼差しが溺れさせないまま紡ぎとは何かを問いかけてくる、上手い、そして世代の狭間の澱を吐いている、完成形ではない所が印象的であり、作者のこれからを期待させる、という意見がありました。聖なるものは要らないと言いながら聖なるものとの断ち切れない関係をちゃんと描いている、対比に「人間の屑」は大袈裟だが、おおむねいい文章だと思う、生の強度あり、一箇所タイプミスあり、俗を俗としてステレオタイプに書いちゃうところや文体の粗雑さで迷ったが、再読して、この粗さは荒さでもあり、買ってもいいと思いなおした、という意見もありました。「あー、巧いな」とは思う、熱心さを買うが、この路線は歓迎したくないです、入っていくのに戸惑う、残るものは意外なくらいに少ない、手間暇に比しての結実が乏しい、という意見もありました。
※本作品へのりす氏のレスポンスの見事さに言及するコメントもありました。付記しておきます。

4249 : グッド・バイ  丘 光平 ('10/03/12 18:28:22)
三連の極上は必見。最終連、毒がきちんと回っているにしては弱い綴りに思える、この作品の場合、タイトルで帰着場所が提示されている、その「グッド・バイ」が、内実の鍵となっていて、間の綴りの実へ過剰な期待をしてしまう、綺麗にまとめ過ぎている感もある、三連の極上さがそこのまとめ感を浮かせてしまうのかもしれない、作者の好調さは伺える、という意見がありました。最後の連は、死別した人の言葉だと読んだが、伝わらないですね、これでは、肯定じゃなくて、菜の花畑に火を放ちたいほどの不条理感が諦念の底にはあるのではないか、という意見もありました。途中までは輪郭も含めて綺麗、でも、この最終連はアウトなんじゃないかな? 凡庸だし、なんせ大宰よりは相原が連想される時点で既に苦笑を伴って作品そのものがニュークリアされてしまう問題も残る、タイトルで大宰の引力を想定し得なかったのは、作者の軽微ではあるけれども不注意で、これが作者の意図から100万光年くらい解離したところから最終着地とコネクトしてコージ化するのだから、結果、痛い、という意見もありました。

4267 : 酔いどれ点字  debaser ('10/03/22 00:01:53)
文学極道へと宛てられた手紙のように読んだ、代表へのメッセージが(僕の首をカッキッて欲しい)あるので、それがどう伝わるかの作品なのかもしれない、という意見がありました。どこをとっても面白いのだが、冗漫に過ぎた、という意見もありました。まんざら悪くはない(苦笑)、という意見もありました。フリーハンドというのか、即興に近いのでしょうか、尺が長いので中途で飽きそうになるのが難、少なくない需要があるであろうカッチリとした作品を書く必要はないけれども、とりあえずネタ帳が貧弱な印象は受けるインプロビゼーション作品かな、と、もちろん期待はしています、が、こればっかりは書き手次第でしょうから、という意見もありました。

4258 : ポテトL  ゼッケン ('10/03/16 16:18:27)
小指は約束を想起させます、約束を破ることへの強制を感じながら、いちいちの回収が上手い、エンターテイメントではなく、詩人としての毒がある、これまでとはまた違えた作品、という意見がありました。地味な実存も潜んでいる、それでいて愉しく読める、リズムは今一つ(ちなみに、ポテトLの原価は約10円前後であろうと思われます、ペットボトル烏龍茶の中身の原価も概ね同程度か、もっと安価、まぁ、ペットボトル飲料は概して中身より容器のが高価なわけですから、ディープなユーザーになると何に対価を支払っているのかわからなくなります)、という意見もありました。

4241 : 不快とともに  岩尾忍 ('10/03/09 00:21:39) 
自由さよりも煮詰めの段階を思わさせられる、ある勾配の綴りと裁断していく間合いと行間のつながり、一過性のものには出来ない速度調節を文中で非常に細やかに行うあり方が言葉の魅せ方が、作者の手腕による単体的酵素に持ち上げ、引き込み続け、分かりやすい語彙の背後に広がっていた最深部を提示し、再認識させ、読み手の中で詩を再構成させるような連綿を敷いているんだと思う、という意見がありました。難解な言葉を使用していないけれども、難解さを醸し出すのは何故だろう。「自分の体ってのはさ、//痩せるほど重くなるんだ。」この印象は強烈、単純な内容だけれども、読ませる構成、最終二行は弱い、という意見もありました。話者たる私の不在が胆、かな、良くも悪くもミステリ仕立てで、読み手を楽しませようとする単調ならざる真摯な意図も感じます、ただ、いろいろな関係性を巡って跳べはしますが、タイトルも含め、擽りは巧い方ではないですね、そこ、課題っす、一読して「?」で放り投げる読者を拾う為にも、という意見もありました。7連から10連はどうにか読める代物だが、総じて読ませる細工がない、自意識についてしか書いていない代物だが、自意識が悪いというわけじゃない、読ませる細工がない事が問題だ、若い世代の人は自意識から出ない身体感覚を書く時期と言うものがあるようだが、とっと本領発揮した作品を貼って欲しい、という意見もありました。
※本作品へのゼッケン氏のレスポンスのエンターテイメント性に言及するコメントもありました。付記しておきます。

4257 : 再誕した、明月は遠野に  はかいし ('10/03/16 15:27:02)
美しい、短い文章にしっかりと構造がある、という意見がありました。「霞んでいくだけの影がしなる草木に乱されていくやがて夜間が方々で燃やされて」は良質な方向へ運んでいると思う、はかいしさん、模倣色が毎回強いので、ここからどう化けるのか期待、という意見もありました。携帯の画面を、ただの一度もスクロールさせることなく読める作品、ってのは悪くない、と、これは外観の話ね、考えて書いてはいますが、魅力には乏しい、私が読めていないだけかもしれないけれど、という意見もありました。この書き手には期待している、という意見もありました。

惜しくも選からは漏れましたが、その他、以下に挙げる作品が注目されていました。

4252 : はなのな  はなび ('10/03/13 22:02:31 *2)
推敲どころではなく書き換えられている、書き換え前よりずっと良い作品になっている、という意見がありました。「なにもないことをしてみたいそれなのに」や、「かがみをみてくつしたをはかずうえをみてしたをみて」「あしぶみしてもくてきちまでみちのりはへいたんで」「へいたんでたんちょうなくりかえしがなみのように」の部位は、もっと凝縮しても良いのかもしれない、と思える、最後の一行の強さを活かすために、三行とか四行とか短く構成を整えても良かったのかもしれない、という意見もありました。

4274 : マイナーチェンジ  ヒダリテ ('10/03/26 21:02:26)
読み易いんですが、おもしろくはない、器用貧乏みたいな印象、貴重な書き手だとは思っている、現況、文芸サークルの同人誌に掲載されるかどうかの当落線上クラス、という意見がありました。プロットが平易なだけに細部にこだわって欲しい、「でも僕、ヘンダーソンじゃないのに。」は予想がつくので要らないように思える。ラスト2行はついていける範囲、ついていけない範囲に置いていって欲しいとも思える、けれども、上手な作品、という意見もありました。

4230 : 山茶花の道  丘 光平 ('10/03/04 01:29:13)
最終連は良いのだけれども、足りない、という意見がありました。この作品は、良質だけれども作者の作品の中では(あくまでも作者の作品の中では)、距離感が掴めていない作品に思える、少しわかりやすすぎて説明的に思る、もう少し喩に転化させきった方が良部位が目立つ、死に直面していく作品なのだとわかっていくので(それが実は性的なものだ、とか何か別の読みにふくらまさせていけると良いのだけれども)、それが改めて言われる決意のようなもので、なかなか読み手の中で育っていかないように思える、全てが、もう作品内にあって、それ以上にはならないような感覚、最終連をもっと活かすために「つみとる手」それを何か早い段階で違った視点から提示しても良かったのかな、と感じもする、という意見もありました。

4260 : 合挽き  菊西夕座 ('10/03/17 13:39:55)
駄洒落が、地口も滑りも単純に冴えていない、と感じた、このボリュームなら地雷も必要でしょう、引き続き期待はしているが、ふざけ具合が小器用にはなってほしくはない、という意見がありました。ここまで駄洒落というか親父ギャグというか、くだらなさを追求していく背後には何があるのだろうか、詩という投稿掲示板に長年いて、とことん駄洒落な作品を書くことには、くだらなさすぎて、価値観の転換が崩壊が決壊が見えてくる、くだらなさすぎて素晴らしさへ押し上げているようないないような気がする、ここまで徹底すると気持ちよいものがある、凄い勇気、という意見もありました。

4232 : 夜のなきごえ  やす ('10/03/05 18:25:11)
単調すぎる、そこそこちゃんとした作文を書けているのだから、作品としての構成を考え、立体感をかもす細工をして欲しい、例えばこの作品に、何がしかの荒廃感を醸す人工物の写実をちょっと挿入する、自然描写の中から何か一つ選んで異化作用のあるインパクトのあるイメージを挿入してみる、やかんに火をかける所作や菫色の太陽など目を引く描写もあったが、もっともっと、という意見がありました。拙いなりにまとめている、そこは拾いたい、ただ、説明が饒舌なわりに奥行きが少ない夢日記といえば、そうかも、発芽しそうな、こっから書くべき、地道な努力は感じますが、という意見もありました。作者の成長には驚くばかりだ、という意見もありました。

4214 : 駄目だよ  丸山雅史 ('10/03/01 06:16:50 *10)
※本作品への朝倉ユライ氏のレスポンスの見事さに言及するコメントもありました。付記しておきます。

以上です。

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(今月の発起人投稿作品)

4263 : No Title  浅井康浩 ('10/03/18 23:09:11)

4280 : ヘンドリックのー傷跡ー  織田和彦(ミドリ) ('10/03/31 22:19:24)

4275 : テクノポリス この空の下  織田和彦(ミドリ) ('10/03/27 11:57:10 *4)

4255 : 地上から  みつとみ ('10/03/15 21:34:05)

4226 : 血のいろの空から、風がふく。(改稿版)  みつとみ ('10/03/03 00:39:32)

4227 : 猫に吠える  蛾兆ボルカ ('10/03/03 00:54:23)

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4月分月間優良作品・次点佳作発表

2010-05-21 (金) 21:41 by 文学極道スタッフ

2010年4月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

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りす氏発起人就任

2010-05-13 (木) 22:45 by 文学極道スタッフ

「りす氏発起人就任」

2005年創造大賞・次点入選、2006年、2007年創造大賞受賞。2008年最優秀叙情詩賞受賞、2009年最優秀抒情詩賞受賞者、文学極道、屈指の実力者りす氏を発起人に迎えます。

文学極道に投稿する以前には、殆どその詩作歴がなかったというりす氏です。しかしその詩才は、今や誰も認めるところです。つまりその才能はここ。文学極道で開花したという意味において、サイトポリシーを具現した一人の書き手の姿として見ることができるでしょう。

今、発起人サイドでは、新たなステージ作りを目指し議論を重ねています。またwebサイトや詩文学を巡る周辺の動きにおいても、発起当初とは随分違った環境も生成されつつあります。その現在、発起人に迎えるに最もふさわしい一人と言えるでしょう。

(文責;織田和彦)

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お知らせ(現代詩手帖2月号,びーぐる7号,詩と思想5月号詳細)

2010-04-30 (金) 13:43 by 文学極道スタッフ

「現代詩手帖2010年2月号」の
特集「ぼくたちはなぜ詩を書くのか」の、
「ぼくたちのフィールドはどこか:2010年代という詩の現在」の中で、
文学極道が取り上げられていました。

「びーぐる7号」の
「俳句時評7:言葉のうまれる現場」の中で、
堀本吟さんが、
文学極道を取り上げていました。

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「詩と思想2010年5月号」の文学極道または関係者について

*特集「ネット詩の可能性」

・巻頭エッセイ:光冨いくや(文学極道発起人)『「ネット詩の可能性」についてのノート』
  文学極道や文学極道No.2が取り上げられています。

・「poenique」代表エッセイ:いとう(文学極道発起人)「商業詩誌の潰し方」

・「文学極道」代表エッセイ:ダーザイン(文学極道代表発起)「活字詩誌爆撃計画」
  文学極道や文学極道No.2、未詳24、「第2回新鋭詩文学グランドチャンピオン決定戦」について。
  最果タヒさんやコントラさん、ピクルスさん、ケムリさんについて触れてあります。

・ネット詩アンソロジー
 ○「poenique」いとう選
      「せかい」たもつ(文学極道発起人)
      「しろい鸚鵡」望月遊馬(文学極道発起人)
      「愛」he(heさん:2005年5月月間優良賞など)
      「指先より先にあなたにたどり着くために」梨々(rialaさん:2006年年間賞選考委員特別賞受賞者)

 ☆「文学極道」ダーザイン選
      「corona」泉ムジ
      「milk cow blues」一条
      「THE COLD WAR」コントラ
      「スカンジナビア」宮下倉庫
      「真っ黒い炭酸水」佐藤yuupopic

など。

光冨いくやさんの詩誌時評や、
高岡 力さん(2006年年間賞選考委員特別賞受賞者)の書評、
平川綾真智の書評も掲載されています。

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年間各賞・総評5(織田和彦)2009文学極道

2010-04-24 (土) 21:57 by 文学極道スタッフ

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最優秀レッサー賞 、エンターテインメント賞 。この2つの賞の創設は、文学極道というサイトが、他のコンテンツを有する文芸系webサイトと差別化をはかり、その性格が特徴付けられる大きな要素となっているのではないでしょうか。ここでは掲示板にアップされたテキストをめぐり、ライブで自由な討議が行われ、時には白熱するあまり、過去には”交通事故”の絶えない 「怖〜いサイト」として知られる向きもあったのではないでしょうか。かく言うぼくも、ここに投稿し始めたときには、詩友からは「あそこに投稿するのは止めといた方が良いよ」「批評のすごいサイトでしょ」等の忠言をもらったものですが、ある意味では、web空間に於ける特有のコミュニケーションスキルを試される、テキス トだけに捉われない、面白いスキームがあると言えるでしょう。

電脳詩壇のキングメーカー(ホンマか!?)いとう氏のコラムから引用しておきたい思います。

「文学極道では過激な言文が目立つと思うが、
内実は過激でも何でもない。
真摯なのだ。それぞれが、それぞれの魂を懸けて、詩に挑んでいる。」

また不世出の詩人(出不精の間違いかも!?)榊蔡氏もそのコラムでこう語っております。

「私が文学極道に求めているのは、簡単な言葉で述べてしまえば、読み手が得をする作品、なのです。私自身、自分の書いたものが読み手になんらかの利を与えているかと問われると返答を濁したくなりますが、最も大切なことは、そういった作を書き上げようという意識、願い、足掻き、のようなものだと思います。」

そして昭和のスベり王(・・・文字通り)の光冨氏のコラムでは。

「文学極道には有名なかたから無名のかたまで参加しています。活字媒体の著名人のかたや、ネット詩で天才といわれるかたまで。十代、二十代の若いかたから、三十、四十代の働き盛りのかたから、ときにはそれ以上のベテラン陣まで顔出しするかもしれません。(もちろんビジュアル面も強化されています。ブレザー姿 の美少年も制服姿の美少女もコートを羽織る伊達男もドレス姿の美女もスーツ姿のシルバーグレーの紳士も和服姿の熟れた美女も参加しています。はい、どんなに陳腐なイメクラ仕様も、容姿は見れないようになっていますので、システム上問題ありません) 」

さて・・・。

本賞・受賞者の話にうつりたいと思います。

【エンターテインメント賞】  受賞者
はなび

昨年の彼女は20作品が(優良・佳作を含め)月間賞に選出されるという安定した評価を受けています。過去に丘 光平氏が30作品選出された例もありますが、これは月2回までという投稿制限ができる以前の話ですから、これに匹敵するか凌ぐ数字と言えるでしょう。しかも、はなび氏は人妻であるというハンディキャップがある上、しかも年増で、身重だった(このたびは、ご出産おめでとうございます!)という裏話を知れば、さらに驚 かれることでしょう。今年は育児に専念されるということで、投稿回数も、ダンナさんとの回数も減ることでしょうが、みんなが君を待ってるよ!

では、ここで2009年の「はなび語録」にツッコミを入れておきたいと思います。

「わたしは、芸術というのは、人間のしごと、人間の表現、だと思っています」(←つまらん話ですナ)

「20年来の友達がですね、恵比寿在住の京都出身のますらおに、たぶらかされておりまして、わたしはどーかとおもうんですけど、なんだかね。わたしはミドリンなんて、ミヤコの殿方として、気分屋さんなとことかも愛してますけど、もしかして天秤座?とかおもったりおもわなかったり。」

京都出身でも色々おるちゅーねん!(*><)/

【エンターテインメント賞】 次点
ゼッケン

ゼッケン氏に関して、選考の際、稲村氏からこういった発言がありました。

「ゼッケン氏は質の高い、面白い読み物を書ける人」

稲村氏が言及している事柄は、文学的にも優れ、エンターテイメントとしても楽しめる作品を書き上げる能力を秘めている、ということだと思います。だとしても、まだ多くの選者が彼を推せないと判断しているのは、彼自身の内省的な側面が、まだ十分な他者性や世界性(つまり文学として提示される構造化された社 会解釈)を獲得するに至っていない。この危うさにあるのではないかと思います。

2009年4月の月間優良選出作品「公共交通機関」から一部を引用します。

「ぼくを乗せるためにバスは止まった、しかし
ぼくはその期待を裏切ってみせる
巨大な鉄の期待を、だ
ぼくは他人を傷つけたいくせに
報復を恐れている」

ゼッケン氏の作品が語っている主題は、個と社会の間に生まれるストレスや軋轢といったようなものです。「バス」や「巨大な鉄」は、ぼくらの暮らしを取り巻く文明やシステムの喩えとしてここでは登場します。話者である「ぼく」はこの作品の中で「その期待を裏切ってみせる」と語ります。陳腐で幼稚な主題であ るといえばそれまでですが、ではここで語られている「期待」とは何の事でしょう?ここで「ぼく」が背負っている期待とはいったい何のことを指すのでしょう?

「ぼくは他人を傷つけたいくせに
報復を恐れている」

「復讐心は
 冬のバス停に立ったぼくを不安定にしている」

周囲の環境に対する関わりが希薄なまま、感情だけを抱える個の孤独な姿と、その結末しかないことがここでは問題とされているのです。

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