文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

ピクルスさん発起人に就任

2009-04-20 (月) 21:54 by ダーザイン

月刊未詳24のピクルスさんが文学極道の発起人に就任してくださいました。
また、平川綾真智さんに文学極道代表代行に就任していただきました。

ピクルスさん、平川さん、発起人の皆様、投稿者の皆様、これからもよろしくお願いいたします。

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ダーザイン年間選評1

2009-04-02 (木) 20:41 by ダーザイン

1.黒沢さんについて

「今なら分る、私が視ていたのは闇ではなく輝きだ。」by 黒沢「馬頭星雲」

「男がひとり、振り返って虚無を見た」 by ベンダース『ベルリン天使の歌』

 女の水死体の美しさについてバロックの絢爛たる装飾を施して思いをめぐらし、街灯の下の自身の影は、遠い星間物質に照らされているのだよと、
永遠の相を、失われた牧歌を(最初からありもしない牧歌を)、無の光り輝く面でしか歌えない、卵細胞の完全なシンメトリーを失った存在者。帰郷する場所は予め無く、どこにいても仮の住まいで、寄る辺なき流れにオフェーリアは漂い、星間物質を縁取る明るみ(それは息吹か? 煌びやかな死の装具か?)が、照射しつつ、遠ざかっていく。

 ふと、後ろを振り向いて、虚無を見てしまった者の眼差しで。
 かつて、経済大国であった、この破綻都市の一隅で、今更遅いがネオリベ施政に抗して、大陸から来る偏西風がダイオキシン交じりの黄砂を降らせる空に星明りはなく、偽物の空の向こうに暗黒星雲を幻視しようと試みつつ、失業者のように公園に転がって、打ちつける雨に打たれ(そのような心象を抱きながら会社の取引先の連中と宵越しの酒を飲み)、旦那の替わりに不安と直面している「心の弱い妻」を怒鳴りつけ、鏡を見ると、やはり、暗黒星雲が、黒々と渦巻いているのだ。死の恐怖で鞭打たねばならない虚無が。

「星々が退潮する。」by 黒沢「馬頭星雲」

 星々は、赤方偏移しながら遠ざかっていく。宇宙の熱死の方へと。

 人間力で創造大賞を勝ち取った感のある黒沢さんですが、文章の流麗さ、ということでは、幾らでも精進できると思います。
 タンジェリン・ドリームなどのアンビエントミュージックを想起させる美しさを醸しだしていることすらもあるのだから、尚、そう思う。
 これからも、大きな期待を抱かせて頂ける詩人です。

2.ぱぱぱ・らららさんいついて

 軽妙? ポップ? そして、切れ味。特に感銘を受けたのは、「海、そしてまた海」「宛先人不明」だが、他の作品も皆良かった。
「海、そしてまた海」についてだが、何故海について一筆描写しないのかなと思った。海そのものではなくて、海辺の諸事を描くことによって海を浮かび上がらせる手法で。明らかに、かなり書ける人だと思うのだが、敢えて書かないかったのだろう。存在の耐え難い軽さ、じゃなくて、リアルの耐えられないこともない軽さで、ぱぱぱ・らららさんの筆は、空虚を現前させる。そしてリアルを現前させる。氏はどこかでベケットを引き合いに出していたが、そういう辛気臭くて得るもののない文章ではない。無いと語られている言葉の背後に、哀しみや温もりが垣間見え、或いは、大文字の背後に息づく人が見え、読後感が良い。リアルなんてこんなものだ、というニヒリズムだけではない、体温を感じた。

3.泉ムジさんいついて

 21世紀新鋭詩文学グランドチャンピオン決定戦にあるにゃん太郎の詩「でたらめ」がとても好きなのですが、ここにはないので、選考対象外です。
文学極道にある詩ですが、「autumn」の、何度も読み返したくなる、精緻な筆、美しいイメージの連鎖。人の、日の、移ろい。夏の終わりの気だるさ、あのスローモーションのように濃密な季節が実に上手く描かれていて、みごとであった。ひとつの季節の中に、友人だか、過去の彼だかの記憶が時間軸を作って挿入され、作品に歴史性をもたらしている。

「路上に仰向けで少しずつ
死んでいくふりをする私は
半ば狂って
いるだろうか/友人よ」

傾斜していく季節の中で、廃滅の予兆、或いは憧憬と、
以下のような優しい時間、健全で暖かい思い、相反する物のタペストリーの織り込み具合が実に見事である。

「コップに秋桜を灯し
見惚れ/きっと明日も美しい
子供が生まれたという
友人の葉書へ
今度私にも抱かせてくれと
向日葵の種子を添えた返事を書く」

また、無題シリーズや「神様」の可愛い暴力。変なことが書いてあっても、自虐的でもネガティブでもまったくない。
 そう、実にスタイリッシュでキュートなんだ、なにを書いてもこの人は。ありきたりじゃない癒し系とでもいうのかな。
 今、もっとも鮮度のある書き手のひとりだと思う。どんどん新作を書いてもらいたいです。

4.いかいか さんについて

「星遊び」ですが、文学極道発起から4年、数々の大作を読んできましたが、これも、それら大作のひとつに加わるべき作品だと思いました。生の強度。これは常々、口をすっぱくして私が言っている事柄のひとつですが、この作品はとても実存論的な詩です。
 以前、どこかで、いかいか氏が、
「たぶん、俺はすごく否定的な形でしか物事を語れない人間だから、それは実際のところ自分の身体の欠落の問題へと直結しているわけで、(あぁ、身体と身体性を混合している可能性があるな)身体に閉じ込められた精神でもなんでもいいが、それがいやおうなしに、痛みや苦痛を訴えるという現実を俺は否定することができない。その確信からしか俺は何かを書くことや、語ることができない」と語っていましたが、私詩を嫌い、世界性という言葉を旗に掲げる私であっても、キーを打つ指の発端は同じであり、痛みだ。そこから、リスカ詩人などの痛いポエマーではなくて、世界性を持った言語を獲得する挑戦が詩行であり、文学である。己自身に根ざさない世界などナンセンスであり、世界に根ざさない己も無い。
 いかいか氏のこの作品は、散りばめられた帰郷の幻影と対峙する一人の男を、前半はシンボリックに謎めいて、後半は畳み掛けるようなスピードで記された、断続的、そして連続的継起の、血を滴らせながらも、漢らしい、投げっぱなしジャーマンスープレックスの連発である。これは、ジョイディビジョンのイアン・カーチスが、実存哲学ハードボイルドに開眼して湿っぽくなくなったような潔さであり、大変、感銘を受けた。
 わざと落選するような作品を投稿して、場を撹乱する意図を見せることもあるいかいか氏だが、この作品は凄い。鉈のように重くて鋭い。登山道のろくに無い日高山脈に分け入る登山家が藪をこいだり、寝床を確保したり、熊に備えるでかい鉈。山登りには二種類の人間がいて、一方は山岳会や観光業者に連れて行ってもらう行列登山。もう一方は厳冬期にも単独行をする人間だ。魂と命を削って登山をしているのは無論後者の方で(代一連の呪い)、はるか彼方へ、はるか彼方へ、我発見せり! と叫びうる凄絶な美を味わう特権的な瞬間のために、長い年月身体を酷使し、雪崩に飲まれ、或いは滑落して落命、膝や腰をぼろぼろにして、後に食っていくこともままならない人生となる極道者が、全ての沢すじを詰めようと、未だに登攀記録の無い巨大な岸壁の沢に取り付いてきたんだ。いかいかよ、ザイルはつけているのか? 僅か数株のブッシュに命を預けて(「星へ上がらない、まじないを、」)、登山家の鉈は己の生を叩き切る。繰り返し切断し、接続し、切断することによって生の連続性を確認する実に精神衛生上かんばしくない己に対する暴力的な振る舞いである。スタイリッシュな文体の奥底に過度の自虐がないか、ザイルと共に点検する必要があるかもしれない。大変な強度のある文体なのだが、通常こういう強度は精神衛生保安上良くないからね。
 文学極道は保健所ではないが、今年は是非、創造大賞を狙って、王道を歩んでもらいたい。

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2008年創造大賞、他各賞発表、狼編集室から詩集を出そう!

2009-03-30 (月) 21:50 by ダーザイン

現代日本最大の詩人を顕彰する、2008年創造大賞他各賞発表になりました。
2008年年間各賞
選評等は今しばらくお待ちください。

遅れに遅れ、御心配をお掛けしている、前2年の文学極道書籍化の件ですが、ようやく4月に、狼編集局への原稿引渡し作業が始まります。7月の東京ポエケットには間に合わせたいと、光冨さんと話しております。(今年のポエケットには、文学極道のブースを作って、都合がついたらダーザインも行きたいと思っております)
2008分の書籍化の連絡については、今しばらくお待ちください(前2年の本の発行をみてから、皆様方に、掲載依頼の打診をすることになると思います)。

また、実存大賞・最優秀抒情詩賞スリータイムチャンピオンである光冨郁也さんが、プロとして、編集DTPの仕事に本腰を入れるようです。また、古書店開業の準備も進めておられるようです。
老舗の雑誌社から100万金を払って詩集を出しても発行部数500部とかで、書店に並べる力はほとんどなく、文学極道に出入りしている者ならば理解するだろう、創造大賞受賞の足元にも及ばないうすっぺらい旧世界の権威の帯が付く程度の利点に100万円、150万、
もったいないですよ、そんなふうにお金を使うのは。
狼編集局の詩誌「狼」は定評のあるハイレベルな詩誌ですし、光冨郁也さんという方は、とても真面目で、信用できる人です。歴史のある詩誌「詩と思想」でも御活躍しておられます。
詩集を出そうとお考えの方は、是非、光冨さんと相談してみてください。老舗や、有名な自費出版産業よりもずっと安価に良い本を作ってくれると思います。
詩集を出しましょう! 妥当な値段で!
狼編集室
また、光冨さんの古書店はネット販売となります。開業の際は告知いたしますので、是非とも皆様、御利用ください。

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2009年2月選考雑感

2009-03-28 (土) 11:17 by a-hirakawa

今月も勉強になりました。
ありがとうございます。

今月は、

3333 : マリエロの海  ミドリ ('09/02/10 20:15:04)

3330 : (無題)  一条 ('09/02/10 00:35:36 *1)

3319 : 我儘なスイートピー その翻り加減  はなび ('09/02/06 20:50:34)

3361 : 六月の景色  がれき ('09/02/26 23:14:48 *2)

3324 : 詩人  ぱぱぱ・ららら ('09/02/09 04:30:07)

3352 : 暁の、flims  DNA ('09/02/20 15:25:57)

3349 : 恋歌連祷 11(仮題)   鈴屋 ('09/02/19 01:51:16 *1)

3323 : だんぜつの雨  ひろかわ文緒 ('09/02/09 04:00:05 *1)

3313 : 月の見えない夜に羊は消える  ぱぱぱ・ららら ('09/02/05 0:58:52)

以上、九作品が月間優良作品に選出されました。

3333 : マリエロの海  ミドリ ('09/02/10 20:15:04)
別段描写しているわけでもないのに、背景の海や港町の様子が伝わる不思議な詩であり、実存大賞を取ったときの完璧な流麗さ鋭利さとは違う道を模索し続けている作者の久々の傑作なのでは、という意見がありました。ゆっくりと可燃されていく不幸せと続く生活を抽象と具象との五感をつなぐ、手繰り寄せる単語の選択を愛らしいものにすることにより読み手を掬いあげていく見事さがある、という意見もありました。

3330 : (無題)  一条 ('09/02/10 00:35:36 *1)
この類の作品は通常、大変な瞬発力とエネルギーが必要で長続きすることが非常に難しく、一作品内でも続かず最後まで読ませることすら困難な場合がある、この作品はそういった印象を微塵も感じさせない凄絶さがある、特に最後の綴りが強烈に残る部分は唸らずにはいられない、という意見がありました。イマジネーションの炸裂による、イメージの飛躍の連続性の保持、これは作者でなければできないことであり、100年後の人達も面白いと叫ぶ作品だと感じさせるものがある、という意見もありました。

3319 : 我儘なスイートピー その翻り加減  はなび ('09/02/06 20:50:34)
目の付け所の鮮度も、作文立て組みも充分であり、新人としての良質さを確固としている、という意見がありました。一方、テーマも素材も今までに出尽くしているものであり、書き方も突き抜けているわけではないので、その上での魅力をもう一歩加味しても良いのではないか、という意見もありました。

3361 : 六月の景色  がれき ('09/02/26 23:14:48 *2)
最先鋭に埋め尽くされている中で古い様式の部類に入る作品だけれども、それだからこその良さというものが在って、剥離がない、素晴らしい、という意見がありました。連鎖の中で僅かにずらしていったり先にあるまたは内側にある言葉で範囲をくるめていっている再構成や言語化の跳躍は目を見張るものがあった、という意見もありました。一方、硬質的言語が鮮度ある視点を引っ張っていて、全面に作品の良さを出し切れていないのではないか、という意見もありました。

3324 : 詩人  ぱぱぱ・ららら ('09/02/09 04:30:07)
この作品は傑作中の傑作なのではないかと思わせられるものがありました。形骸の奥にあるもの、比喩も擦りきったものを使うことで見えてくるもの、消費の中に潜んでいるもの、多くをわざとやって高めた新時代の作品のように感じました。言葉が綴りが届くだけではなく、今まで見つくしてきたと思っていた綴りの中にまだ潜む角度があるという発見を作品で証明してしまった。素晴らしい。コンセプトを持って書いたのかどうか解りませんが、この作品が読めたことは大きかったです。説論は特に面白い、彼女のことや豚殺しのことや文学論は十分楽しめる、難を挙げるなら最初の連だろうか、最初の連の粗雑さで読むのを止められてしまう危険性があるのではないだろうか、という意見もありました。海辺を僅かで良いので、描写しても良いのではないだろうか、という意見もありました。が、選考委員が全員唸った作品でした。

3352 : 暁の、flims  DNA ('09/02/20 15:25:57)
この作者は質がブレルことがない、読ませる、とにかく好き放題に書いて欲しい、という意見がありました。

3349 : 恋歌連祷 11(仮題)   鈴屋 ('09/02/19 01:51:16 *1)
前に進んでいく作者の貴重な過程であり、結果を出せた作品だ、という意見がありました。作者の覗けない裏と読み手を繋ぐ力のある眼からの情報ではない新たな感触は実在を再認識させる力が少し弱いかもしれないけれども、作品として非常に成就を新たにしている不可思議さを持っていて、鋭い、という意見もありました。過去の作品と比べた場合どうだろうか、もう少し面持ちを成功させても良いのではないか、という意見もありました。

3323 : だんぜつの雨  ひろかわ文緒 ('09/02/09 04:00:05 *1)
作者に対しての評価は非常に高いです。作品に関して、途中までの美意識を
 /きこえますか?
以降が割礼してしまい、位置を救済しすぎているのではないか、という意見と、
 /きこえますか?
以降がないと、それまでの冗漫な文章が読後に芽吹かなかったのではないか、という意見がありました。

3313 : 月の見えない夜に羊は消える  ぱぱぱ・ららら ('09/02/05 0:58:52)
あえて既製のポエジーを廃してぶっきらぼうな言葉しか使わず、少し荒んだ生を書いているのではないだろうか、悪くない、という意見がありました。今日読んで面白い詩作品ではなく、明日読んで面白い試作品なのかもしれません。全ての言葉が手垢にまみれ過ぎていて、普通は避ける言葉ばかりを敢えて選択しているやり方は、よほどの根性がないと出来ません。形骸化の面白さ、現代詩の先を提示しているのかもしれないな、と思いました。二次創作から大傑作を紡ぎだすような新たな発見があるような気がして、今月は少し熱くなりました。思い過ごしかもしれません。楽しい誤読かもしれません。その可能性を持ち合わせた興味深い作品なんだと思います。

さて、次点佳作作品について触れていこうと思います。

3302 : 愛と歩いて、町を行く  一条 ('09/02/02 00:26:15 *2)
罠というべき張られた仕掛けは、読めば読むほど深読み出来、付随してくる情感の薄さを一蹴する立ち方が、タイトルと一文一文のループが意味を持ちもしないこともないようにあり、消費の中に埋める作品の形は、視点の疑いを早めさせていく熱がある、という意見がありました。タイトルに負けてインパクトを小さくしているのではないか、という意見もありました。
 
3335 : 「 トカゲの日。 」  PULL. ('09/02/11 22:51:33)
文章のもつれは全くなく、空気感の醸し出し方も見事、ただし、どうしても最後にかけて想定内にある部位は削いでいて、先への余韻は突いていかないのではないか、もう一歩の盛り上がりを作っていうともっと引き込めたのではないか、という意見がありました。もう少し作品に遊びがあっても良いかもしれない、少し今回はまとまりすぎていて余波や別方向への働きかけが全くないかもしれない、それでも良いのかもしれないが、空気感の作り出しが見事なだけに先を期待してしまう、という意見もありました。

3347 : リリーフ  れつら ('09/02/17 17:16:33)
地味な作品であり、珍しくもないけれども、実はかなり高度な技術を駆使して軽妙な物にしている部分が印象的だった、説教されたように痛かったが読後感は良い、という意見がありました。

3353 : ヒヤシンス  丸山雅史 ('09/02/20 22:52:42 *8)
修正されて、かなり良くなったが、まだ伸びしろがあるのではないか、という意見がありました。感動できる作品なので、もっと時間をかけても良いのではないか、という意見もありました。

3318 : 街灯が途切れたさきには  犀樹西人 ('09/02/06 03:16:19)
特にいうことのないポエムだけれども、ちゃんと読ませうる方向へ仕上がっている、という意見がありました。改行した方が良質さが伸びた作品なのではないか、という意見もありました。全く新しさは無いですし、とある自由律俳句に詠われた感受そのままだったりもするのですが、小ささが作者の手の中にある燈芯へ共感を惹きつける重量を得ているようにも思えます。視覚を押し出していながら聴覚に記憶があり、時間の経過と感情の変化を数で遠のかせていく哀寂は、それなりのものがあって、それなりでそれなりのそれなりさがそれなりにそれなりを伸ばしていると思えます。ここから踏ん張って欲しいです。伸びやかに壊しても良いのかもしれません。

3358 : 枕返し  右肩 ('09/02/25 02:51:53)
乱れはないけれども、評を書く作者に感じられる魅力というものが作品になると影を潜めるのは何故だろう、頭で書きすぎなのではないか、という意見がありました。

3329 : 鶏頭  ゆえづ ('09/02/10 00:24:14)
指していることに対してタイトルが悪すぎるのではないか、という意見がありました。作者の綴りはいつも舞っています。鈍色に再構成していきながら感触の通じるものを絶対とするあり方は、汚物の中にも必ず救済と純白を入れるような白濁を醸しています。これからも楽しみです。

3337 : カセット(4:06+∞)  丸山雅史 ('09/02/12 03:43:59 *2)
悪くはなく、下手だけれども読んで損した気分にはならない、ただしそこに留まってしまう、という意見がありました。自嘲気味でありながらも自己への愛が切なく伝わり、文章のあまり巧くない部分がダサさを加味しているように感じ、作者にしか書けない独特な作品という意味ではとても貴重なもので寄り添いたくなるような感動さえ起こります。「サンデーモーニング」を読み返してみてください。一体誰があの詩にここまでの物語が付随していると気付いたでしょうか。
付随した作品の方が面白いような気がするのはどういうわけでしょうか。卑怯な気もしますが、嘘でも、この物語が詩作品的な感情を成り立たせる作者の迷い、その迷える揺らぎがそのまま伝わるので、真似できない変な作品になっているような気にさせられます。自分のことを書くリストカットとしての詩作品が多い中で、リストカットとしての作品投稿が多い中で、そういう場所にはない自分を見つめた自分の作品、これは貴重なものだと思えます。そんなに貴重でもないようにも思えます。どこへ行きたいのかよくわからないところがまた良いのかもしれません。

3307 : ままごと  古月 ('09/02/02 18:16:38)
遊びという有限に無為の枠だけがありどこまでも高みへ押し上げられていく中での僅かな感触は「飴玉」という無くなる物質で味という不確かさを記憶に残し包んでいくが、
 もしかしたら名前なんて 最初からなかったのかもしれない

  /そんな遊びです
最終二連はあまり必要に感じられない、もっと良い先があったかもしれない、という意見がありました。

惜しくも選からは漏れましたが、その他、以下に挙げる作品が注目されていました。

3357 : gloom3  5or6 ('09/02/25 01:05:15)
読み物としてまとまっているけれども、残らないことと後をひかないという欠点は大きすぎるのではないか、という意見がありました。

3343 : 人間恐怖  古月 ('09/02/16 15:46:02)
作りは純粋で良質な部位もあるが、過渡期を作品の中で魅力を削ぐ方向でやっているように感じられる、魅力の加味と塩梅をもう少し考えて欲しい、タイトルは最低の部類に感じる、という意見がありました。

3327 : 世界の涯  Anonymous ('09/02/09 22:23:51) 
 物語れる過去の一切を忘れてきてしまっていた。
 あたりまえだ。
 すべてをすっかり覚えたままだれが世界の涯、
 に辿り着けるというのか。
だけに焦点を当てて書いても面白かったのかもしれない、作者は説明的で輪郭を作って中身がありふれすぎている、掴めそうな良質は、しかし確かにある、という意見がありました。

3345 : 怠惰  菊西夕座 ('09/02/16 21:21:37 *2)
この怠惰感は貴重、もう少しコントラストを出しても良いとも思う、悪くはない、怠惰なわけだし、という意見がありました。もう少し肩の力を抜かれても良いのかもしれません。もっと怠惰でもよいのかもしれません。跳躍力というか暴走癖のある作者の良さがもっともっと伸びやかに魅せられる箇所は確かにあるはずです。

3310 : カンナ  結城 森 ('09/02/02 23:26:20 *1)
作者は上手くなっている、けれども構造と情感の足りなさが後半にかけてどうしても目立ってしまう、惜しい、という意見がありました。内容は悪くないのに文体の冗漫さで損をしている、全編に渡り、手直ししたくなる、という意見もありました。実際に選考の際に、こう書けばよかったのではないか、というリトライが為されたり、注目を集めはしていました。

3332 : 聖レイン  榊 一威 ('09/02/10 14:59:08 *1)
作者の作品はいつも、次点にしようか迷う、今回の作品はエンディングが寸足らずだったのではないか、という意見がありました。

3304 : 赤い実  桜井 ('09/02/02 02:16:59)
悪くない、表現の細部に気を配り、瑞々しさを心がけていくともっと良くなるのではないか、
 天の方では
 雲一つなく見ていたが
 小さな赤い実
 少しはそれに 気付いたろうか
この連で終えるのはあまりに勿体無いのではないだろうか、三連目まで適度な緊張感もあり写実的でありながら精神に刺さる棘を確かめていく作業が捉えられていてとても良い、だが四連目突如として視界は開け、自身の身から赤い実への思いへと転化しすぎていて、裾を広げるのではなく投げ捨てた印象すら殴っているように思える、という意見がありました。

3355 : 沈丁花  はるらん ('09/02/23 15:41:17)
 ひとつおき、咲かぬもの
 またその先の
 沈丁花は花ひらき

 同じ場所で
 同じ陽射しを
 浴びながら
 花ひらくもの
 咲けないもの

 どうして?と
 瞳で聞く私に
 振り向いたあなたは
 それには答えず
 みんな連れてゆく、と

 静かに笑ったのでした
良質なので、もっと絞って表出させ奥まで誘うことは可能に感じる、もっと素晴らしい位置に辿りつけたのではないだろうか、という意見がありました。

3336 :  八雲神社  吉井 ('09/02/12 01:45:18)

3348 : 崩れゆく輪の中で  京 ('09/02/18 09:03:28)

3356 : 青空は蝶の羽根のように  草野大悟 ('09/02/23 21:09:04)

以上です。

#年間各賞、ほぼ決定しています。現在微調整中ですので、もう少々お待ちください。

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2月分月間優良作品・次点佳作発表

2009-03-20 (金) 00:08 by ダーザイン

2月分月間優良作品・次点佳作 発表になりました。

また、新世紀日本詩文壇の最高峰、第4回目となる、「創造大賞」他各賞の発表、近日中に行われます。お待ちください。
第4回目となった今年も、傑作投稿いただき、投稿者の皆様には大変感謝しております。
また、日々、良いレスを入れてくださっている皆様にも、言葉に尽くせぬ感謝をしております。
双方向のメディアが成功したのは、貴殿らのおかげです。深謝、深謝

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