文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

●「2019年・12月分選考雑感」(Staff)

2020-02-03 (月) 17:47 by 文学極道スタッフ

11644 : 、、という、かなしみ  玄こう ('19/12/27 22:11:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191227_541_11644p
(一)記号や文章のザッピングが効果的ではないかもしれません。中核にある本質は、読むべき熱があるため勿体ないと感じました。
(一)エッセイでも良いか?とは思いますが、味わいと親しみを感じさせる文章。とても素直に書いてあるのが伝わってくるためか、好感を持って読むことができます。

11649 : 冷たいぬくもり  まひる ('19/12/30 09:11:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_590_11649p
(一)言語を研ぎ澄ませるように意識しても良いのかもしれません。

11655 : 三つのもの  イロキセイゴ ('19/12/31 23:17:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191231_623_11655p
(一)無茶苦茶のようなのに何か目を惹きつけられる魅力があるのは、同じ単語を何度も何度も使うことでそこへの執着のような、読者に安心感を持たせる効果が出せているからかもしれません。内容と改行の仕方、単語の繰り返しの頻度やタイミングが良い調和を感じさせて面白くなっています。

11650 : 花戦争  kale ('19/12/30 09:59:14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_596_11650p
(一)初連の出来が非常に良い。硬質な中に不在が、出没してくる上手い構成である。二連目が効果的に働いていたかどうか気になった。思い切って別の詩に分けても良かったのかもしれない。
(一)雰囲気のある文章を紡げる力があります。内容の美しさとフォルムがこの文章の醍醐味かなと思います。
(一)美しく質感を持ったイメージの洪水に圧倒される。特に第2連は文字の間から色彩が飛び出してくるかのようである。

11603 : 木洩日  たこ吉 ('19/12/06 16:56:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191206_196_11603p
(一)「ねぇ」などの置き方が、なかなか難しい。作品自体は良質だけれども、素材を活かしきれていないのではないか。書き続けて欲しい。
(一)木洩日の表現に工夫が見られ、それは成功している。その一方で「肉の器」や「極楽浄土」といった古臭い表現が気になった。描こうとした世界がとても荘厳で美しいものであることは良く分かる。このまま進めば、作者はとても崇高な境地に至るのではという期待がある。

11654 : れいぷ&しふぉん  白犬 ('19/12/31 21:04:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191231_617_11654p
(一)作者の持ち味が存分に活かされている作品。暴力的な猥雑さと静謐なイメージが溶け合って読むものの脳内へ心地よく拡散していく。独りよがりで終わらず、他者へ伝えようとする工夫がきちんとされていると感じた。

11653 : ありあまる時の聲  アルフ・O ('19/12/30 22:36:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_608_11653p
(一)怒りと負の感情が、細部から溢れ出してくる快作である。
(一)リフレインとリズミカルな言葉の使い方が、表現したい内容と相性良く、かっこよく決まっています。言葉が気持ちに届きやすい効果も出ていると思います。後半に冷静さか、出だしと丁度同じくらいのテンションが保てているととても良いのではないか。
(一)まだ時間をたっぷり持っている者にしか書けない詩ではないだろうか。高揚感と倦怠感の狭間を揺らぐ魔法少女たちの会話劇として読んだ。過去のと自分の知識にすがる老人たちには解読不能な詩である。

11652 : dick  完備 ('19/12/30 22:27:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_607_11652p
(一)行間が上手い。作品が読み手を選別することなく、惹きつけていく。
(一)衝撃的なことを想起させる記述だと思います。このままシンプルさを保ちつつ、暖簾に腕押しのような虚しさが顕著にできるのではないか。
(一)文章としては非常に読みやすいが読み手の解読を拒んでいる、あるいは試しているようで面白い。コメント欄が活発なのも、読み手の想像力を刺激する力を持った作品であることの証明だと感じた。

11600 : 盗掘  鷹枕可 ('19/12/05 17:45:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191205_188_11600p
(一)冒険している所に未来を感じた。最初の平仮名のみの部位、可能性を感じる。後の二連と併せて評価できるが、平仮名と漢字の更なる混淆も作者の筆で読んでみたい。
(一)平仮名パートでのスタートは面白い。ただ、それ以降の流れからも物語が見えてこない。タイトルによる期待を本文が受け止めきれていないと感じる。

11651 : 絶景#2  左部右人 ('19/12/30 21:39:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_605_11651p
(一)震災や炎上のことが、描かれているように思った。最後にかけての詰めが甘く思える。

11630 : コツカ  湯煙 ('19/12/21 18:53:20 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_441_11630p
(一)文章の少なさが詩情の少なさになっていると思っています。改善点が、あるのではないでしょうか。
(一)一体何が聞こえたのか、謎めいた簡単な言葉が興味を最後まで保たせます。核心を突くピリッとしたものがこれに一つ入っていると凄いのではないか。

11634 : めぐる ポプラ  宮永 ('19/12/24 22:40:44 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191224_489_11634p
(一)胸を締め付けられる。作品として言葉が貧弱とも思える少なさではあるのに、ストレートな詩情と背景に驚かされ感動してしまった。ただし賞向けの作品ではないのかもしれない。
(一)どことなく寂しい気持ちや失うこと、別れなどを示唆してあり、その気持ちも感じさせることができます。しかし凝縮させることも、強烈に印象づけることもできる余地が残っている文章でもあると思います。
(一)技巧的には問題ないのだが、ポプラの描写と祖父に関する記述が上手く繋がっていない印象がある。これが上手くいけばもっと良い作品になったはず。

11622 : てんとうむしよ  たこ吉 ('19/12/17 20:20:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_359_11622p
(一)最終連にかけての広がりが素晴らしい。そう考えていくと一連目や二連目は、これで良かったのだろうかと思う。
(一)童話的な文章で純粋さが際立っています。言葉選びも完全に幼いわけではなく、きちんと作品として世界観に繋がっています。
(一)宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や「春と修羅」につながるイメージが散りばめられた、優しい口調でありながら厳しい内容の詩。手法として斬新なものではないが、こういうスタイルの作品も評価されるべきだと考える。

11648 : すべて  らどみ ('19/12/30 00:48:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_578_11648p
(一)詩人を作中に出すのは、もう少し慎重になっても良いと思います。

11628 : アルチュセールに  霜田明 ('19/12/20 02:37:34 *11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191220_418_11628p
(一)短い詩ではあるが無駄も不足もなく、初連から引き込まれる見事な構成。アルチュセールという名前から豊かな教養のある読み手はより深く読み込むことも可能だろうが、彼のことを知らない者でも一編の美しい作品として楽しむことができる。

11621 : 星狩り  山人 ('19/12/17 18:11:01 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_357_11621p
(一)作品は大変、抒情的である。後一歩感を持ってしまう。
(一)求める意味での「欲しがり」とタイトルがかかっていたらとても意味も深まるし、良いタイトルです。なにかアドベンチャーな感じもして雰囲気もとても良く、記述がもっと細かくして、この世界が構築されていくのを見守りたい気持ちがしました。
(一)坂田靖子のマンガには、この作品とよく似た内容のものがいくつかある。小品として上手くまとまっているが、イメージに斬新さがない。

11613 : 櫻の樹  鷹枕可 ('19/12/12 16:21:07 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191212_294_11613p
(一)漢字だけの独自の世界から抜け出して、新しい世界へと飛び出した記念碑的作品。
(一)老桜をモチーフに季節の移ろいや人生の儚さを静かな筆致で描き出している。間に挟まれる口語との組み合わせも面白い。

11611 : 祈りを、届けたい  北 ('19/12/10 22:45:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_264_11611p
(一)文章が上手いため皮肉に特化していることが残念。
(一)「人生のタイムラグでは、真心が、魂に対しての、抵抗を止められないでいる。」というのは句読点の切実さも含めて名言では無いかと思います。この流れで生まれた言葉なのかと思うと他の部分も空白というには勿体無いような気持ちになります。

11631 : 背後で葉が揺れていた  空丸 ('19/12/21 22:45:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_448_11631p
(一)始まりから掴んでいくものがあります。各小作品の連結も上手いと思いました。最後の一行は、もっと他のものがあったように思えます。
(一)初恋の連の「呪いだ」にパンチが効いています。テーマがごちゃ混ぜになっているようにも見えるので、すっきりさせるともっと強烈に響く詩ではないかと思いました。

11633 : 農民詩人   山人 ('19/12/23 20:11:49 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191223_476_11633p
(一)描写も、しっかりとしている力作だと思います。詩人を詩の中で描くということは、非常に難しいことだと思いました。
(一)岡部清という詩人を紹介する内容は評価したいが、彼を知らない人間には分かりにくいかも知れない。最終連の終わり方が唐突で、もう少し詩作品としてのドラマがほしかった。

11632 : 冬四景  紅茶猫 ('19/12/23 00:18:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191223_465_11632p
(一)それぞれの描写が上手く、みぞれの概念などを再考させていきます。構成も上手いのではないでしょうか。

11607 : 早退  まどろみ区域 ('19/12/09 13:11:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_246_11607p
(一)構成としては間違っていない。ただ、まだ技術的な部分が不足している。筆力を高めれば、この長さで間違いなく書きたいことを表現できるはず。

11629 : 死んで  夢うつつ ('19/12/21 12:04:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_434_11629p
(一)文章の流れの上手さは感じる。そこからの羽ばたきを更に見たい。
(一)単語の強さによって作品の内容の強化をしている手法なので、単語の印象ばかり強くなって逆に届かなくなってしまう現象が起こっている詩ではないかと思います。

11620 : 改行  黒羽 黎斗 ('19/12/17 01:02:42)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_347_11620p
(一)テスト用紙に思いを書いていた頃が、生々しく蘇ってくる。最後の一行が沁みてくる。
しかしながら連毎のバランスに再考の余地がある。一連目と、最後の空行が多い状態を、
他の詩作品などを読むことで身に付けていくと、もっと伸びると思う。
(一)頭脳の明晰さと繊細さを筆者に感じることによって文章自体のいんしょうがとても良くなってしまうのですが、この表現は一つの通過点なのだろうと感じつつ読んだ部分もありました。
一)言葉と誠実に向き合おうとする作者の姿勢が感じられる。作り方が丁寧で勢いに任せず、黙々と詩を練り上げていったのではないだろうか。赤で始まって緑で終わる構成も見事。

11625 : 夢の映像  st ('19/12/19 01:27:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191219_397_11625p
(一)小作品としては上手く、まとまっている。作品集の中にあると輝く作品に思える。

11610 : 光  にゃおす ('19/12/10 18:39:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_258_11610p
(一)上手い。作品の中で硬質に輝く文が際立っている。ただし途中の一文になってしまっているところなどが、あまり効果的ではない。
(一)言葉の選び方と組み立て方が実に巧みで隙が無い。花壇に埋めた乳歯から花開く永久歯への流れや「ツツジを咥えてしんだ子供、」といった描写から、作者の技量の高さや知識の豊富さが感じされる。所々で飛躍するイメージも面白い。

11614 : 大樹の陰  宮永 ('19/12/13 17:12:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191213_299_11614p
(一)ポプラの描写と心理描写の折り込みが光る。名作なのでは。
(一)嵐に蹂躙されるポプラの描写が巧みで、読む者に様々な連想を促している。その一方で「ポプラ」の連呼が気になった。「その木」や「木」に置き換えられる部分もあるはずである。最終行は「瞬間」を上手く切り取っており素晴らしい。

11618 : フィクション  にゃおす ('19/12/16 21:49:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_344_11618p
(一)悪くない作品。タイトルの選択が勿体ない。
(一)深いところ、深い言い方で表現されていて、それが伝わってくる箇所があります。完全な自然さは人間にはとても難しくかえって不自然を感じようとすればいくらでもそのように捉えられる部分も言い表されていて、そんな思考に人を導くだけの力や問題提起は上手に出来ていると思いました。

11616 : 磁場を形成する羽根  アルフ・O ('19/12/16 00:46:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_330_11616p
(一)嫌味さや怒りを書かせたら、一番の書き手に思える。ある程度の作風が出来上がっているので、ここからどのような膨らみを持たせていくのか気になる。
(一)全体的に安定しているのだが、「魔法」が続くことで言葉の魔力が薄れてしまっていると感じた。「這うように魔法を滑らせ」は「這うように滑らせ」でも意味は通じるしリズムも整うはず。

11624 : Join  鴉 ('19/12/18 02:17:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191218_368_11624p
(一)硬質な言葉の中に深い絶望と怒りと悲しみがある。それが分かるという凄さ。

11619 : (無題)  陽向 ('19/12/16 22:05:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_345_11619p
(一)文章として上手には見えないのかも知れませんが、葛藤や自分の中で暴れる自分のようなものがとても表されています。

11623 : 666  白紙 ('19/12/17 21:17:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_361_11623p
(一)文章は上手い。どこか宗教的でありながら、よくある話でもある。もう少し作品として上向きに出来たように思える。

11615 : 便箋と海  GROWW ('19/12/13 18:55:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191213_302_11615p
(一)硬質な言葉での展開が、しっとりと広がっていく。奥行きが、もっと獲得出来そう。
(一)森見登美彦の「きつねのはなし」に収録された「水神」の海洋版のような不思議さがある。この詩の方は小説とは正反対に明るいイメージではあるが、最終4行で海洋汚染を暗示する終わり方をしているのがユニーク。

11609 : 燦爛  青リンゴ ('19/12/10 16:13:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_256_11609p
(一)皮肉を効かせてあるのですが、この場合は率直な気持ちの滲み出ている印象がどこかにあって憎めない文章になっています。
(一)淡々とした語り口が読む者を無理なく作品へ引き込んでいる。ただ第4連だけが全体から浮いている印象がある。

11604 : 嘘  ネン ('19/12/07 16:16:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191207_221_11604p
(一)説明文のようになっている。
(一)「耳栓代わりのイヤフォン」の段階で読もうとする意欲を削がれてしまった。使われている言葉もテーマも既視感があり過ぎる。

11612 : 無題  kei ('19/12/11 15:58:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191211_279_11612p
(一)「終わりの無い世界」「新世界」「祈り有る世界」と既視感のある「世界」の連発で、宗教団体のパンフレットを読んでいるような気分になる。作者だけが満足していて、読み手に何かを伝えようという意欲が感じられない。

11608 : 反顧  コテ ('19/12/09 21:58:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_251_11608p
(一)悪くないと思いました。その上で、二連との呼応を考えてみると面白さが際立つのではないかと感じました。
(一)作品集の中に潜んでいたりするとなんだこれはと目を惹くのではないかとおもいます。筆者が様々な書き方に挑んでいるところを評価します。

11599 : 更衣室  青リンゴ ('19/12/04 17:44:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191204_178_11599p
(一)切ない思いを、書き綴ることに成功している。ただし作り物感があり、そこから脱却しなければいけないと思った。
(一)途中までは面白く読めたが、パターン化した各連の流れで大体のオチが見えてしまっている。特に最終連は「夢の中へ」や「あなた色に染める」といった表現が古すぎて蛇足に感じた。

11606 : 詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日  田中宏輔 ('19/12/09 01:20:25 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_240_11606p
(一)抜群に面白い。「おやすみ、グッジョッブ」が作品の長さを感じさせない作用を働かせている。日記と再構成と詩が麗らかに咲く見事さを思った。
(一)この作品も日記であると同時に優れた詩でありエッセイである。あと数年で還暦という年齢になった詩人の、若い頃と現在の心理的な変化に関する記述の隙間から見える寂しさや達観が心にしみる。

11605 : 冬空の窓の下  アンダンテ ('19/12/09 00:10:30 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_239_11605p
(一)難解さと新しさの中に分かりやすさを入れ込んでいくことで面白い作品となっている。平仮名の部位を、上手く行間へと落とし込んだことで成功したように思える。
(一)このパートだけでは本当の評価は出来ないかも知れないが、新たな表現を貪欲に追求する姿勢には頭が下がる。

11601 : 人影  陽向 ('19/12/05 18:44:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191205_190_11601p
(一)コメント欄でも指摘されているように、1行目の輝きが2行目の平凡さで弱まってしまっている。しかし自分の言葉で語られた作品であり、作者の技量が活かされている。この方向で進んでほしい。

11597 : えにしの行方  まひる ('19/12/02 15:48:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_144_11597p
(一)上手いのだけれども、ありきたりになっていないかどうか。
(一)「あなた」と「わたし」が「君」と「僕」になる理由がわからない。「恋心」という言葉の選択にも首をかしげてしまう。作者の情熱は伝わってくるのだが、表現方法の古さで空回りしていると感じた。特に最後の2行は悪い意味でストレートすぎる。

11589 : 冬そらの下で  アンダンテ ('19/12/02 00:10:14 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_108_11589p
(一)一文いちぶんが輝いている。悲壮感がある苦痛と核にある悪が響いてくる作品である。
(一)冬の情景が的確な単語の選択と組み合わせによって美しく紡がれていく。短い中にも次々とイメージが現れては光り輝いて遠ざかる様は見事。

11598 : この世界を離れて  atsuchan69 ('19/12/03 05:11:45)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191203_159_11598p
(一)力作であることは間違いない。中盤の膨らみは、これで本当に充分だろうか。
(一)詩というよりは小説に近い構成だが、長さがまったく気にならない物語には間違いなく詩情が溢れている。それぞれが訳ありの過去を持つ旅芸人夫婦や彼らと出会う人々のドラマを、子どもである語り手の視点で鮮やかに描き出している。古い洋画の旅情と日本映画の抒情が混じり合い、切なくも美しいストーリーを描き出している。

11593 : 語り  霜田明 ('19/12/02 04:29:33 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_123_11593p
(一)思いを消化できずに綴っている作品である。詩情の漂いが、もっと上を向いていけそうでもある。
(一)一連とても良い言葉の連なりで、二連の途中から説明のようになってきてしまい、とても勿体無いところがあります。一連の後半は語っているようでも前半とのバランスがとても取れていてすんなりと入ってきます。
(一)初連の輝きからスタートして、だんだんと失速してしまっている。それはこの作品で描かれる作者の男性観と女性観に原因があるのではないか。また、悪い意味で力を抜きすぎているようにも感じた。

11596 : れっつ’ず Reiwa Street  北 ('19/12/02 14:21:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_141_11596p
(一)良い意味で洋楽の日本語訳のような斬新さがある。作者の世界的な視野によって描かれた物語には眩暈を伴うほどのスピード感があり、人間たちの凄まじいエネルギーを感じる。ただ最終連の終わり方では、そこまでの流れを受け止めきれていないと感じた。

11595 : 神によりかくされた次元  st ('19/12/02 08:52:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_135_11595p
(一)作品が行間に頼り過ぎている感がある。一文一文が、もっと伸びられるのではないか。

11590 : 詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日  田中宏輔 ('19/12/02 01:20:44 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_113_11590p
(一)六月の三十一日が存在している面白さ。最後の日に、詩人による詩への恐怖を語っていくというパンチラインの強さがある。それまでの日付の一つひとつが輝いていている。
(一)ただ日記のように続いているだけでなく、きちんと説得力のある力加減で箴言が忍ばせてあるところに読み応えがあって、肩透かしがありません。
(一)前回に引き続き、日記であると同時に詩であり詩論でもあるユニークな作品となっている。様々な書籍に対する作者の視点が面白く、また勉強になる部分も多い。

11591 : なんでもかんでも凍結します。  アラメルモ ('19/12/02 01:55:13 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_114_11591p
(一)作品として締まりがなく、集中力に欠けている。
(一)反応も含めて芸術と呼ぶのか、難しく考えすぎましたので、この作品単体に目を凝らそうとすると、その中で何を主題にするのか、芯のところが掴めないままでした。
(一)批判精神を込めた詩は単体の詩としても成立するほどの強度を持つことが求められる。この作品の昭和的センスと下品さでは批判以前の愚痴でしかない。こういう作品だからこそ手を抜くべきではない。

11592 : 凍結  本田憲嵩 ('19/12/02 03:39:55 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_117_11592p
(一)初連や二連目のカタカナが浮いている。後半にかけて集中力が続いておらず、空行に頼りすぎているため前半との釣り合いが取れていない。抒情があるだけに勿体ない。
(一)使う言葉をもっと追求できる気がしました。追求することによってオリジナリティを築きつつ、筆者にしか成し得ない表現が出来る箇所が多く見られる作品です。
(一)3年前に現代詩フォーラムへ投稿した作品の再投稿だが、この頃の方が確実に上手い。ただ「虹色の色あい」という表現や「色あい」の重なりに詰めの甘さを感じる。凍結という現象を温度と時間の両面から描いて静かな詩的世界を構築している。

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●2019年12月分月間優良作品・次点佳作発表

2020-01-27 (月) 22:38 by 文学極道スタッフ

2019年12月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

※「2019年・年間各賞」は4月中旬に発表予定です。

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●「2019年11月分選考雑感」(Staff)

2020-01-11 (土) 12:18 by 文学極道スタッフ

11579 : The Variance  アルフ・O ('19/11/25 12:24:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191125_998_11579p
(一)この短い中で、それも「女神」という錆びやすい単語を用いながら詩作品として成立させている技量を評価したい。特に最後の「未完成な全ての門を閉じる」は読む者に神話的な視界を与えてくれている。
(ー)モチーフとしてまとまっていて素敵なところもあるので、作品として昇華できますように。シチュエーションは想像出来るようなものに仕上がっていると思います。
(ー)凝縮された怒りと皮肉。それは自己自身への鏡でもあるのだろうか。濁りが拡がる。

11587 : 光  いまり ('19/11/30 14:59:47)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191130_057_11587p
(一)とても読みやすく内容が素直に心へ入ってくる。ただ、その入りやすさが物足りなさでもある。物語の内容や構成が狙いすぎている印象があり、悪い意味で書き慣れている感じになっている。もう少し読み手に想像する余地を与えると良いかも知れない。
(ー)終盤へいくにつれてボーカロイドの歌の歌詞のような印象があります。新しいのかもしれません。センテンスの美しいところがあるのですが、熱量の割には冗長な部分も散見されます。
(ー)生と死の在り方が、輝いている。しかし一連目と二連目の対比で広がっていた世界が、後半になればなるほど凡庸になっていると気付く。フォルムは良いので、長さで損をし見誤ってしまったのではないか。

11582 : プロテスト(Sober)  ゆうみ ('19/11/27 14:22:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191127_031_11582p
(一)現在の文学極道の現状に対する批判と思われる。この作品や作者のコメントにある通り、一部の勘違いした人間によって傷ついた者が去って行き、傷つけた者は平然と居座っている。あるいは、立ち去るふりをしてしばらくすると何食わぬ顔で戻ってくる。この状況は何とかしないといけないだろう。一方、詩作品としてはメッセージ性を優先した結果として佳作レベルの内容である。
(ー)最終連が詩的です。その他の主張の部分は非常にはっきりと言い表されていますが、疲れ呆れた人がそれを言葉にするのは何故なのか、その辺りを掘り起こして書いてみて欲しいです。

11586 : 沈黙  山人 ('19/11/30 07:42:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191130_054_11586p
(一)描こうとしている空気というか情景は理解できるが、「沈黙」を使いすぎている。最近の作者は同じ単語を必要以上に繰り返す傾向があるが、逆効果になっていると思う。
(ー)石と重なる男の憂鬱を幻想的な風景で表現されています。落ち着かない気持ちや焦り、その先に絶望を感じて立ち止まる。その思考の流れを言わずとも表しています。
(ー)話すことが出来なかった重みが、弱音と混交していく。石の比喩は使い古されたものであるが古さを使いこなせている。

11588 : 今夜  イロキセイゴ ('19/11/30 22:52:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191130_066_11588p
(ー)イメージをばらけさせていることは理解できたのですが、情感には近付いていない。遠ざける手法として読者に需要の高いものかどうか。
(ー)ザッピングされていく言葉が、まとまり始めている感触を持った。もう一歩なのだろう。

11555 : 三日月  ネン ('19/11/12 21:26:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191112_817_11555p
(ー)幼い詩のようなものだと感じます。幼さが味なのかとも思うのですが、言葉をお洒落にしようとしてはいないか、それによって損なわれたものはないか、見つめ直してみると更に面白くなると思います。
(ー)小さく、まとまっているが更なる破裂が必要なのではないか。

11577 : (無題)  mmnkt ('19/11/23 12:34:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191123_965_11577p
(ー)題材は大変面白く、読ませる力もあるものです。内容としては数学の∴のような展開で、環境とはどうしようもないものだという感じのものです。何か単純なことを複雑に表している感じは否めません。
(ー)分かりやすい内容が分かりやすい対比で書かれている。言葉の重複が、本当に必要なのかどうかを考え言葉を吟味していくことが必要に思える。

11583 : ナッツ売りの子猫  鶲原ナゴミ ('19/11/27 19:15:18 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191127_034_11583p
(一)童話的というか谷山浩子的なメルヘンを感じる作品。技術的にも書き慣れている感じだが、中盤の改行や文字の散らばりにあまり必然性が感じられない。前後の完成度を考えると逆効果になっていると感じた。
(ー)語りかけ方、展開、フォルム、言葉選び、すべて工夫をしているところがきちんとありますが、これらが融合して心に語り掛ける奇跡が起こっているかというと、何かが詰め込まれていないようです。
(ー)柔らかい言葉と世界観は面白い。中盤で変化を持たせていることも伝わってくる。終盤が、果たしてどうだったのか。小さく、まとめてしまってはいないか。

11584 : 12時  チェンチ ('19/11/28 01:58:17)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191128_039_11584p
(一)「いっつも」と「いつも」の繰り返しは必要だろうか。基本的な表現力は持っているようだが、この詩に関してはイメージが悪い意味で散らばってしまっている。
(ー)テーマは共感を誘いますし、伝えたい気持ちもかんじられます。まだそれを余すところなく表す術がたくさん見つかると思います。

11567 : Contradictory equilibrium  鴉 ('19/11/19 00:00:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191119_899_11567p
(一)イメージを視覚化できそうでできない。しかし読んでいる時はそれに気付かず、完全に視覚化できたと思いながら違和感に悩まされるのが逆に面白い。
(ー)爆発的というわけではありませんが、敢えて感情を抑えてシンプルに纏めた文章が上質な味を出しています。世界観がきちんと表れている上、やり過ぎるでもなくとても良いバランスです。
(ー)分かりやすい表現の中で、中途を埋めていく行間の働きが上手く精神を揺らしていく。作者の作品の中で、変化が現れたことに興味深く読んだ。転機となる作品なのだろうか。

11576 : label  完備 ('19/11/23 08:17:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191123_953_11576p
(一)言葉の選択と構成に無駄がない。特に「近眼」としての視点による印象派に関する記述がユニーク。
(ー)終わり方がとても上手です。魅力の部分を考えて読んでみましたが、残像のような写真が撮れたときにこのような風景が見られるのか、パズルのように謎めいていて、もっとハッキリした部分があっても良いかもしれません。
(ー)上手い。モネと言えば白内障である。霞んでいく世界への深い悲しみと恐怖、そこを受け入れる愛が見える。

11564 : あまりに恥を感じている  霜田明 ('19/11/18 00:24:04 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191118_883_11564p
(一)「強情」という言葉から人と人の繋がりについて考えさせられる作品。語り手の話術に引き込まれる部分がある一方で、初連と最終連の対比はやや新鮮味に欠ける。第3連の明快かつかっこいいスタイルが全編を貫けば、もっと面白くなると思う。
(ー)語られている内容は率直さのあるものです。改行はしてあるものの、場面の変わることは少なく、地続きの文章の繋がりが強いため、改行と、強情さ故に恥じ入っても消えないところの表現の強さ、行き場の無い怒りがそのまま表現になることを更に求めます。

11573 : ミツバ  コテ ('19/11/22 10:36:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191122_946_11573p
(ー)文体と内容のコンビネーションが成立していて読み易く、内省的な語り方も腹を立てて筆を取った理由も含めてきちんと表現されています。言葉の常識から外れた部分も魅力的で、面白い単語やセンテンスが今後の作品にも活きてきそうです。
(一)初連や最終連などは読みごたえがあった。しかし、それを良質なものとするだけの構成が足りていないと思う。中盤のダレを見つめることが大事である。

11562 : 幸福  青リンゴ ('19/11/16 14:20:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191116_860_11562p
(ー)大事なことを言っている部分は確かにあると思います。投げる形の前にこれについて書けるところがもっとあったのではないかと感じました。

11561 : 淡雪の『』  みちなり ('19/11/15 21:32:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191115_850_11561p
(ー)単純なようであっても、熱があり、浅いようで深いところがあります。最後をこれで締めるよりも冒頭に持って来た方がグッと来たかもしれません。
(一)絵本や、お伽話としての面白さがある。読み進めていく時に、だんだんと想像の範囲内であることが分かってしまうため注意が必要だと思った。

11578 : 嫁の絵  イロキセイゴ ('19/11/23 23:53:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191123_968_11578p
(ー)「分からぬまま」という部分に引っ掛かりを感じますが、何か伝わるものがあります。言葉の選択は素敵なので、色濃く伝わる方法を追求していってみて欲しいと思います。

11581 : あざらし  屑張 ('19/11/26 12:59:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191126_011_11581p
(ー)何を表しているのかいまいち掴めなかったのですが、途中に挟まった「あざらしさん」の子どもっぽい文章とのコントラストが決まっていて、大変魅力的でした。
(一)一連目からの綴りが面白く、惹きこまれる。途中からの転調が作為を大きく意識させることが勿体ないと思う。

11572 : 忘失  鷹枕可 ('19/11/21 15:43:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191121_938_11572p
(一)相変わらず個性的なスタイルを維持している。方向性も間違っていない。ただ、作風がある程度固定されてくると粗も目立ってくる。たとえば「空という絨緞」といった、どこかで見たような表現が出てくると採点も厳しくなってしまう。
(ー)テーマも文章もタイトルも統一感があってはっきりとしているため、良いです。しかし淡々とした中に浮き出るはずの情感は殺され気味です。造語化を説明されていることによってイメージがくっきりとして、親切さを感じますし、作品の一部として効果的な印象がありました。
(一)悲しさが充溢しており、作品世界の立方を独特の言語が促していく。分かりやすさへと傾く必要があったのかは疑問が残った。

11569 : 絶景  左部右人 ('19/11/20 00:07:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191120_923_11569p
(一)情景描写が巧みで引き込まれる。その一方で「痙攣する指先」や「明々と照らされた」の繰り返しは逆効果になっていると感じた。「明々と照らされた」でまとめたいのであれば、最後を「照らされているのだろう/明々と」にした方が良かったのではないだろうか。
(ー)しんとした風景描写の中に、小さく灯る生命の温もりが強調され非常に美しくて、人々の孤独感に寄り添い、価値あるものとしてのその孤独感を払拭してくれるものが何なのかを提示してあります。良作だと思います。
(一)「のように」は必要ないくらいの比喩としての文章を書く力があると思った。最後も、もう少し何かあったのではないか。

11558 : 神秘体験  陽向 ('19/11/13 12:10:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_823_11558p
(一)相変わらず宗教の悪い面がモロに出てしまっている。単なる事実の羅列、個人的感想、そして悟ったと錯覚した者特有の独り善がりな自説の展開。最終行の結論も含めて、詩作品として成立していない。詩を書くのに必要な基本的技能をきちんと持っていると思われるのに、もう何年も同じ所で足踏みしているように見える。可能であれば宗教から離れた視点で書いてみてはどうだろうか。
(ー)冒頭良いのですが、幼さが攻撃的思考に悪い方向に作用している感があります。しかし「不機嫌な思考」が体現されているとすれば良いものでもあります。最終の結論がもっと活かされて欲しいと感じました。

11568 : 海潮と紫  陽向 ('19/11/19 20:04:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191119_915_11568p
(ー)この歌の歌詞のような文章は、なかなかに自分の素直な状態を全面に押し出す方向としては、人が恥ずかしいと思ってしないようなことをしてでも思い切り表す方向に働いているとおもいますので、注目致します。

11574 : Paralyzed  アルフ・O ('19/11/22 21:49:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191122_949_11574p
(一)この作者の実績を考えると、今回の「根性焼き」や「地獄行きの切符」といった表現にどうしても首をかしげてしまう。
(ー)言い分というものが十分に発揮されているために中身があり、一定の普遍性の扉をあけるところまで昇華されています。自分に置き換えても感じることの出来る文章でした。
(ー)メタ的な視点が光る。猛毒と達観に徹しようとして作者自身が巻き込まれている作品のあきらめが漂っている。

11551 : 寿限無  まひる ('19/11/11 13:15:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191111_804_11551p
(ー)無気力の中に気力があり、無気力の描写がシンプルにして大変伝わり易いです。冒頭二行の表現力を評価します。

11571 : (無題)  ライ麦 ('19/11/20 15:38:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191120_929_11571p
(ー)スタイルを大切にしすぎて表現が足りなくなっている感じがします。
(一)発想は面白い。それを使いこなせたら非常に良い作品になると思う。

11570 : (無題)  まほと ('19/11/20 15:35:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191120_928_11570p
(ー)おしゃれな言葉の中に、これを響かせるための苦悩がまだ感じられず、それが加わればもっと読まれるものになるのではないかとおもいます。

11559 : Minor�・a  北 ('19/11/13 17:41:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_825_11559p
(一)迷いなく一気に描かれた水墨画のように、強烈なイメージが次々に飛び出してくる。ブラッドベリの「死者の日」にも似た、光と影が鮮やかに交錯する展開は最後まで迷いがなく読む者を飽きさせない。
(ー)三行目から五行目、九行目から十一行目が光っています。十三行目からの三行は、言い方によってもっと切迫するところがあり、十六行目から十九行目でまた光り、二十四行目からの七行で花開きます。省けるところもあるとおもいますが、光るところがたくさん見つけられる文章でもあります。

11565 : 羽  青リンゴ ('19/11/18 17:49:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191118_894_11565p
(ー)良い線を行っているところもあるのですが、最後は感情が飛躍しすぎたでしょうか。 もっと深いところへ落とせそうです。
(ー)分かりやすい言葉が作品を立てていく。最後も面白い。初連からの流れを、更に充足させて欲しい。

11557 : 量子の彼方  st ('19/11/13 06:43:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_820_11557p
(一)量子力学に関する考察を詩に変換する試みは面白く、コメント欄で指摘されているようにビートルズの「ハロー・グッドバイ」を連想させる。作者がこの曲を意識していなかったというのが面白いが、内容的にややシンプルすぎて物足りなさを感じる。最終行の後に、敢えて作者自身の考えを聞きたかった。
(ー)凡庸な言葉はときに物凄い力を発揮するものですが、この場合言わんとしていることが力強い気持ちで紡がれていることが伝わるにもかかわらず、冒頭で、よくある詩なのかと誤解されてしまいそうなところがあって、それが払拭できないまま終わってしまうところが残念です。

11563 : 水底  山人 ('19/11/16 19:59:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191116_865_11563p
(一)言葉というものに対するユニークな考察が面白いが、初連の「浮かんでは漂う」や最終連の終わり方などにそれぞれ違和感がある。もう少し粘り強く練り込んでほしかった。
(ー)綺麗にしすぎたか。海の中のイメージはとても上手です。見えないものたち、発掘されていないものたちへの望みなどもっと強めでも良いと感じました。
(一)分かりやすく、構造も上手い。最終連で凡庸さに留まってしまった感がある。その言葉を出すことは本当に適切なのかどうか考える必要がある。

11552 : a  霜田明 ('19/11/12 01:45:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191112_812_11552p
(一)ユニークな発想による流れるような展開は面白いのだが、「青い魚」に関する描写が童話の「青い鳥」への連想を振り切らせるほどの強度を持っていない。全体的に練り込みが足りないという印象。
(ー)口語が効果的でないかもしれません。調整してみると更に良い文章になるであろうと思います。

11556 : けものみち  宮永 ('19/11/13 04:53:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191113_819_11556p
(一)発想が面白くて「となりのトトロ」のワンシーンを観ているような楽しさがある。ただ「みっしり」や「楽しく懐かしい」など、表現がありきたりな部分があるのが残念。最後の「あそこにけものみちがあった。」は余韻のある素敵な終わり方。
(一)作品の凝集性が高い。作品構成と言語の引っかかりが過去の作品とも一味ちがい、輝いている。

11541 : 詩の日めくり 二〇一七年五月一日─三十一日  田中宏輔 ('19/11/04 01:16:41 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191104_730_11541p
(一)作者の創作の秘密を垣間見ることができる作品。日記自体が詩として成立していることに驚かされるが、例えば「曲がった真珠の指輪」に「ああ、バロックだな。」という言葉が出てくる作者の教養と詩才ゆえであろう。
(一)甚大な量を、あっという間に読ませてしまう不思議な筆致。言葉と生き方に揺れながら、芯と軸をはっきりと保って、その上での次の日の展開に惹きこまれてしまう。

11554 : 幽霊たち  田中恭平 ('19/11/12 16:23:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191112_814_11554p
(一)アルコールやドラッグの影響を受けているかのような文字列は、作者の深淵にある思考の断片たちを垣間見せてくれる。「ビートニク」という言葉がこの詩を解読するヒントかも知れないし、同時にこの詩を一定のレベルに押さえつけている理由かも知れない。

11560 : 幻  atsuchan69 ('19/11/14 10:45:59 *2)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191114_834_11560p
(一)タイトル、内容共にもう一工夫ほしい。また改行や読点の付け方に必然性が感じられない部分が多い。
(一)合間に汗を引いていくような改行の仕方が面白い。言葉の跳躍を、もっと行っても良いのではないだろうか。

11548 : 玄関で脱いでしまった靴のせいで 足に傷をおう  村田 麻衣子 ('19/11/09 07:15:36 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191109_779_11548p
(一)傷つけ合う日常の、見えない傷と伝わらない痛みを巧みに描き出している。すれ違う心の哀しさが最終連できらきらと結晶化して読む者の心にも痛みに似た美しい【余韻】を残す。
(ー)とても力を感じますし、文章能力の高さも感じます。順番(展開の仕方)的にひっかかるものがありましたが、謎めいた部分や突拍子もない比喩も目を惹きますし、情感にも繋がっています。
(一)中間にあるカレンダーと白昼夢への接近が、作品を引き締めている。血液に込められた生死や歴史、DNAの連続が子どもへの思いも希望だけではないものへ進めている。

11547 : ゴリラ  北 ('19/11/08 17:07:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191108_773_11547p
(ー)怒りの文章というのは魅力があって、途中に出てくる比喩や脈絡なく出てくる言葉が勢いに乗っていはします。ただし大抵言葉を扱うのに長けている方々が怒ればこのくらいには暴走出来てしまう節はありますから、一息入れて底の底の方から湧き上がるようにと望みます。
(ー)言葉の流れが面白さを孕んでいる。ここから始まる起点に思える。

11534 : あっ  監獄 ('19/11/01 12:35:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_694_11534p
(一)書かれた時期と内容的にニコ生中に富士山で滑落死した件をテーマにしているものと思われるが、最初の「あっ 滑る 雲海へ chill あっ」以降は映像をそのまま言語化したレベルで終わってしまっている。
(ー)発想と語りのバランスが面白いです。タイトルと一行目はもっと目を惹く書き方ができると思います。それから、とてつもなく高いところから落下している描写から、実際には滑っただけで命の危機に面しているという描写への切り替えのときにスケールが縮小されたかのような印象が斬新です。少しコミカルな空気もあります。

11544 : 季、順にうつるから。  HN ('19/11/05 06:49:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191105_739_11544p
(一)雪、花、海といった季節の表現と跳躍が新鮮な驚きをもたらしている。人によって狂っていく環境とその末路を描いているようにも解釈できるが、どのように受け取っても作品の鮮やかさが褪せることはないだろう。最後のまとめ方も上手い。
(ー)五連は句読点で区切らない勢いを取って変化があっても良かったかとおもうくらい勢いがあります。全体的に美しくシンプルにまとめられていて、優しさの部分を匂わせる筆致に特徴があります。存在の消え入る誰か一人の意識や心情が、受け入れるだけでなく顕であるところが魅力です。
(ー)柔らかな分かりやすい言葉で脱臼を行うことに成功している類まれなる作品に思える。不可思議なタイトルと、昇華されていく感性が光る。

11550 : 星  黒羽 黎斗 ('19/11/09 18:17:22)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191109_785_11550p
(一)ひとつひとつの言葉がとても力強く若さに満ちている。ただ、それぞれの連のつながりが甘くて全体のバランスを崩している印象がある。もう少し結合部を強化して物語として完成させてほしい。
(一)熱量が伝わってくる作品だ。初連が一番、良く熱も漲っているため他の連も引き上げる必要がある。連毎の行数なども考えながら推敲していくと、もっと良い作品になる。

11549 : 或る虜囚に捕われた獄舎  鷹枕可 ('19/11/09 16:07:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191109_784_11549p
(一)アウシュビッツや総統地下壕を連想させるイメージから、格調高い文体はさらに深い領域へと読者を誘っていく。「永遠」という言葉が決して陳腐になることのない最終連の素晴らしさは特筆に値する。
(一)硬質な単語選択が自己の世界と詩への構築を見事なまでに編み出していく。眩い。

11532 : ロー、ローラ、ロリータ!  田中宏輔 ('19/11/01 00:34:47 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_684_11532p
(一)ルイス・キャロルのアリスとウラジーミル・ナボコフのロリータをモチーフに、新しい物語を紡ぎ出している。際どい内容でありながら文学的な品格を失わないのは、間違いなく作者の技量によるものである。物語部分の展開にはそれほど驚きがないが、作品全体としては語り手のエゴと少女の虚実両方に潜む魅力を上手く描き出している。
(一)「アリス」と「ロリータ」から何倍もの世界観を構築した。その手腕が、先ずは見事である。綴られていく豊穣でありながら、怖ろしさが立ち上がる作品。

11533 : mother of all scale  アンダンテ ('19/11/01 01:54:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_685_11533p
(ー)興味を惹かれる構成であり、読みごたえもある。あと一歩が足りない。
(一)言語の強度が光る。脱臼させながらの硬質な瞬きが、とても心地よい。

11546 : 善い人  いまり ('19/11/08 07:29:59)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191108_763_11546p
(一)それぞれの連のイメージ自体が弱く、全体的に見てもバラバラな印象を受ける。このスタイルで書くのであれば、もっと言葉を研ぎ澄ませる工夫が必要だと思う。
(ー)短い言葉で大切な核心を突く力があります。見た目もよく、言葉も面白く、意味や空気感を持たせることに成功しています。
(ー)分かりやすさが、ギリギリのラインで良質な詩情へと広がっていく。小品が、それぞれ高め合っている。ひょっとしたら傑作なのかもしれない。

11545 : i am you  白犬 ('19/11/06 03:08:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191106_750_11545p
(一)作者の成長が感じられる作品。最初から最後まで筆に迷いがなく、作者が伝えたいイメージを的確に文字へ変換している。愛や存在というものについて、美しく切ない言葉を結晶のように紡ぎ出している。「悲しかった が少し 消えて 幸せ って 思う」というフレーズだけでも、この詩の魅力が伝わってくる。
(ー)フィクションでも現実でもないような、自らの頭の中の誰かに向かって言葉を連ねているような、どこか実体の無さが寂しく、貴方というものに実体を持たせる形式を探ってみて欲しい。そうすれば単語の力に生々しさの部分を頼らずに激しく大きな愛が体現されるテキストになってくるのではないかと期待しています。
(ー)言葉が細断化されています。その上での物語の煌めきが皮膚感を伴い、発されていきます。

11536 : せっくす  ネン ('19/11/01 22:01:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191101_701_11536p
(一)初連はとても良いのだが、その後にどんどん失速していくのが惜しい。

11537 : ダウンロード・スクリプト  st ('19/11/02 11:09:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191102_709_11537p 
(一)アイデアは面白いのだが、詩作品として考えると文章部分が弱いと感じた。
(一)インパクトはある。一連目や最終連などは空白も含めて、もっと整えて差異を出して良いと思った。

11538 : 星の楽譜  紅茶猫 ('19/11/02 12:47:39 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191102_712_11538p
(一)それぞれの連のイメージは良いのだが、全体的に見るとまとまりに欠けて魅力が半減してしまうのが残念。難解な中にも作品を貫く芯が必要ではないだろうか。

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●2019年11月分月間優良作品・次点佳作発表

2019-12-29 (日) 00:43 by 文学極道スタッフ

2019年11月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

※「2018年・年間各賞」は4月中旬に発表予定です。

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●「2019年10月分選考雑感」(Staff)

2019-12-16 (月) 14:57 by 文学極道スタッフ

11489 : 掠れ声  つぐみや ('19/10/04 21:44:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191004_358_11489p
(一)空行と最後の凡庸さが気になる。しかし、凝縮された世界は目を瞠る可能性がある。
(一)わかりやすく、楽な方へ流れて行ってしまう人間の性質を含んだ、自分自身への厳しい目というか、冷めた目線のようなものが表されています。テーマとしても深く切り込まれていて、表現としても強いです。

11530 : pray,wish,hope,invoke…なんでもいいよもう  HN ('19/10/30 00:00:16 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191030_662_11530p
(一)この長さの文章を読ませるだけの工夫が足りない。コメント欄での指摘に作者はもっと謙虚に身を傾けた方が良い。それからダーザイン氏のコラムも参考になると思う。
(一)熱を帯びて「私」が感じた個人的な事象と「詩」に関して書かれてある。思ったことを皮肉や、そのまま書いていくのではなく実践してみて感じさせることや学ばさせられる方面でいくと可能性が出て来るように思えた。
(一)読者を突き放すのか、そこで注目してみると、タイトルと文章のバランスで、なんでもよくはないことは非常に良く伝わってきますが、中盤と終わり以外の部分でその主張に釘付けになるように展開できているかというと、現実や現状を見つめろという強くて真っ直ぐなメッセージに敢えてバイアスの掛かる言い方や存在の仕方を選ぶ文章ではあると感じます。

11531 : 天むす  イロキセイゴ ('19/10/31 23:36:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191031_683_11531p
(一)言葉の跳躍が面白いが、もう一個の核があった方が良いと思う。
(一)出てくる単語が魅力的で興味を惹くものがありますので、これをもっと調理して、インパクトと同程度の感銘に持って行って欲しいです。

11523 : 自我  イロキセイゴ ('19/10/26 01:03:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191026_590_11523p
(一)読んでいて萩尾望都の「城」を連想した。第4連は必要だったろうか。あきらかに浮いているし単語の選び方が雑になっている印象。第3連で終わっていたら文句なく優良だった。
(一)単語の跳躍と比喩化は成立しているけれども、肝心の自我が言葉としてありきたりである。自我を比喩化できる単語を探すことが必要に思える。
(一)整ってきているのではないでしょうか。ジョバンニというちょっと魅力的な固有名詞だけが効いているのではなく、文章として単語の連なりにイメージが繋がる箇所が生まれており、脆さを抱えつつしっかりしている、逆の順番でも言い表せる自分というものを見つめている様子が表現されています。

11528 : 欠勤  本田憲嵩 ('19/10/29 02:31:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191029_649_11528p
(一)全体的に上手くまとまっているのだが「創造性の海」がこの作者の過去作品を考えるとあまりにも平凡。「砂浜で靴と靴下を脱ぎ捨てて素足になるように欠勤する。」という出だしのフレーズの軽やかさを最後まで維持してもらいたかった。
(一)自己自身のことを上手く詩とする類まれなる才能を持った作者である。また作風が変化してきており、柔和と実存が上手く同居している。
(一)結論付けようとすることで、上質に紡がれた文章の流れを自分で止めてしまっている部分があると思います。最終練の強目の言い切りが想像を封じる方向に作用しているようです。

11517 : The night  鴉 ('19/10/22 11:00:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191022_542_11517p
(一)ものすごく乱暴な言い方になってしまうが、この詩は最終連だけで良かったのではないか。それくらい他の連との間に完成度の差がありすぎると感じた。
(一)言語を断片化させ力動を具体化させている。技法に忠実でありながら、自分自身を探究している。
(一)冒頭からひそやかでかつ高熱に浮かされるような真の絶望の最後に残された、人を生かすのにとても重要な「希望」が凄い筆圧で描かれておりました。大切にしていただきたいと思います。

11479 : Here Comes the Morningstar  アルフ・O ('19/10/01 00:00:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191001_281_11479p
(一)この作者の作品は現代のアニメ、マンガ、ゲーム、ボカロ等の知識があるとないとで極端に評価が分かれるだろう。もちろん詩人としての基本テクはきちんと持っているのだが、実際に前述の要素に親しんでいる者でないと最終連を省略せず敢えてああいう形にする意味とかも不明ではないだろうか。そう思いつつも、作者には今後もこのスタイルでより高い完成度を目指してほしいと考える。
(一)読んでいて気色悪さと不快感しか与えられなかった怪作である。ここまで特化させた感情を与えられることには力を感じる。最後はリフレイン以上の何かが必要な作品にも思えた。
(一)リフレインまでにそれよりも大切なことが丁寧に描かれている箇所がいくつもあります。受け入れることによって、傷を負うことについての覚悟を自他に求める気持ちがきちんと読むと切実に伝わってきます。中弛みしない文章の整え方、昇華の仕方にはまだ伸びる余地があると思います。

11529 : 屋上  いまり ('19/10/29 18:22:35)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191029_654_11529p
(一)昇天していくような感覚が切なく心地よい。最終連にもう少し工夫があるとさらに良くなるはず。もっと心に残る余韻がほしい。
(一)ライトな筆致が印象的である。最後に世界から、逸脱していくものがあっても良いかもしれない。
(一)華やかさ、恋が世界を一色に塗り替えるようなテンションの高さで語って良い様な形式の詩だと思います。その片鱗を感じます。

11526 : 雨  山人 ('19/10/28 06:13:24 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191028_638_11526p
(一)雨の日の独特な雰囲気を上手く表現している。ただ、この作品も「雨」を使いすぎている。「何一つ語ることなく、地面に降り注ぎ」「私を按じていた/私が私を痛めつけることを見ていた」「私の心も濡らし/あらゆる臓腑にまで降り注いだ」「雨とカエルは同化していた/湿度を感じたカエルは鳴き」「濡れた半開きの目をしたカエル」等々、「雨」を8割くらい削るとさらに良くなると思う。
(一)生活の中を見つめ続け、比喩化していく手腕は見事である。ただし「雨の点滴」などやカエルの凡庸さは、再考しても良いように思える。
(一)雨のやさしさとカエルの煌めくような描写によって語り手の洗われたばかりのような美しい心が、悲しみと孤独を存分に見つめたからこそ輝く様な気持ちが適切に綴られており、言い過ぎるわけでもなく足りないわけでもなく、それによって最大限に魅力的な詩になるバランスでした。

11518 : 背後 には/雪  夢うつつ ('19/10/22 20:54:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191022_543_11518p
(一)雪の表現が秀逸。無音の情景だけでなく温度まで伝わってくる。「愛する誰かを失った人たちの」は「愛する」が無くても良い気がするが、この点を差し引いても優良だと判断した。
(一)空白の在り方が詩情を獲得できているかどうか。
(一)季節感と共に、孤独感と人の温もりを表現しようと努力されていると感じます。大切なところで良く見るようなフレーズが使われてしまうので、このあたりでもっと腑に落ちる言葉を探してみたり、掘り下げて考えてみると良いのではないか。

11516 : デジタルネーチャー反  まひる ('19/10/22 03:52:21 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191022_540_11516p
(一)基本的な技量に不安はないが、テーマの選び方や表現方法があまりにも安易で稚拙。特に「防護服」「汚染」「海に流せばいい」等、原発事故を連想させる言葉を羅列した挙げ句に「最近鼻血が止まらない」などという手垢のついたデマをいまだに使う態度は無神経すぎるし看過できない。
(一)パンクロックバンドの日本語訳のような雰囲気があり、とても魅力のあるスタイルなので、もっとウィットに富んでいたり、読者を驚かせるような表現が筆者自身の中から生まれたり掘り出されたりすると、洗練されて衝撃も強くなるのではないかと思います。

11527 : 地球の静けさ  陽向 ('19/10/28 10:13:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191028_639_11527p
(一)メッセージが強いため、冷静にメッセージの一つ一つに目を向けて、一つ一つのメッセージを伝えたいときにどんなことをしているか、どんな想像が働いているか、どんな景色が広がっているかを示せると説得力が増すのではないかと思いました。

11521 : 焚火  田中恭平 ('19/10/24 10:39:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191024_559_11521p
(一)作為をもっと取り払えれば正直で切実な書き手の心が真っ直ぐ表れていますので、もっと太く強くストレートに胸に刺さってくるものになると思います。

11513 : 夢見る  ネン ('19/10/18 23:23:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191018_515_11513p
(一)作中内容は非常に良いと思う。題材を変えると上質さが独自性を獲得するのではないか。
(一)そのまま書いている思考の部分の言葉を凝らして行くと、描写や感覚や比喩は成立していますので、読み手の想像や理解も深くなると思います。

11524 : (無題)  黒羽 黎斗 ('19/10/26 11:42:28)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191026_601_11524p
(一)「涼宮ハルヒシリーズ」のキョンみたいな文体はなかなか魅力的だが、やや読みにくさを感じた。行分けしない連続した文章は読ませるための工夫が必要になる。オチも予想の範囲内。しかし、この方向性は間違っていないと思う。
(一)不条理を作為的にではあるが、上手く現出させている。説明の部分を取り払っていっても十分、伝わるので読み手をもっと信じても良いと思った。
(一)念を入れて二回以上読むと、二回目以降の方が文章の内容が頭に入ってくるようでした。サービス精神を省いたのかもしれません。文体の選択によってかなりこの着眼点や心象を肉体に起こる現象のように言い表す筆者の魅力が拡がりそうです。

11522 : (無題)  area ('19/10/24 19:28:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191024_565_11522p
(一)書き続けていくと具現化していくものは持っていると思う。独自の視点を持つことを意識して欲しい。
(一)魂が悲しみと共に空へ還って行くイメージがくっきり映し出されるように描けています。後半が詩や表現というものから離れてしまっているため、最後まで結論を言いたい誘惑に負けずに自分の世界で描き切って欲しいと思います。

11511 : mother of all scale  アンダンテ ('19/10/17 20:09:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191017_505_11511p
(一)視覚的に上質な世界を構築している。

11508 : 山道へ  山人 ('19/10/15 05:51:46 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191015_477_11508p
(一)最初の2行で「体中」「体内」「体内」と続いた時点で首をかしげてしまった。これは一例だが「明けない朝、雨音が体中にしみこみ、落とし込まれる/ピカリピカリと衛星が動いている」のように削れるのではないか。その後の流れがとても良いので実に残念。もう少し推敲に力を入れると本来の輝きを得られる気がする。
(一)丁寧に綴られており実力を感じる。印象として残る強度を、意識的に書きこんでいく必要があるのかもしれない。
(一)筆者の作品にはプロレタリア文学のようなスタイルがあることに今更気が付いたのですが、この方針のスタイルのときは、過酷さを如実に表現するために、抽象的な部分を写実的にしてみてはどうだろうかなど、考えるものがありました。身につまされる表現に昇華できる余地はあると思います。

11515 : て  空丸 ('19/10/21 21:09:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191021_535_11515p
(一)最後の「(略)」は効果的に思えない。
(一)タイトルを「て」にせずとも、一連のところから何を言っているのか読者に想像させることができています。それが示せたところで止まった、という印象がありますので、押し進めてみて欲しいと思います。

11519 : 月の民  北 ('19/10/23 06:31:56 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191023_546_11519p
(一)作者はコメントの指摘によって「フラメンコの天使」を「メランコリックな天使」に変えてしまったが、個人的には前者の方が分かりやすかったのではないかと考える。私を含めてジプシーの歴史や生活などを良く知らない者は安易に異国情緒を楽しむだけで終わりそうになるが、この詩に流れているのはもっと深い情念に満ちた歌声なのかも知れない。
(一)作品として上手さが光る。ただし言葉の選択が、もう一歩進めそうである。
(一)陶酔感があり、好きなものについて語るときのテンションの高さが心地良く響いています。世界に没頭する美しさを伝えてくれる詩です。

11503 : 鳥籠。  田中宏輔 ('19/10/10 10:20:44)
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(一)同じタイトルの別作品と同じく、こちらも残酷な出来事をカラッとした明るさで描いている。最後のとぼけた一行が痛快。
(一)小作品だけれども濃い。生と死、そして宗教観念、それらを包括しながらコミカルに総合化されていく上手さが光る。
(一)途中まで極端にしている印象が出るのですが、落ちがきちんとあることによって、それまでの文章ももう一度見直して改めて全体がスタイリッシュに面白く纏まっていることが分かるという、お勉強になる文章です。

11512 : 安らかな背中の下にあるものとしての尻  ゆうみ ('19/10/18 17:35:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191018_511_11512p
(一)一見思考をそのまま書いただけと思われる部分があるかもしれませんが、自虐の効いた冷静さが後半に広がっていて、この世界観が面白さに繋がっています。 一昔前に凄くおしゃれだと感じた文章のような雰囲気があります。イメージを促すカットの連続が特にそんなテイストを醸し出すのに効いていて、これが更なる強さを持つスタイルに発展することにも期待します。

11514 : (無題)  gokigenhonpo ('19/10/19 20:05:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191019_521_11514p
(一)一見思考をそのまま書いただけと思われる部分があるかもしれませんが、自虐の効いた冷静さが後半に広がっていて、この世界観が面白さに繋がっています。

11490 : 堕天使  gokigenhonpo ('19/10/05 07:10:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191005_359_11490p
(一)「堕天使」はダメになった人間を美しく表すためによく使われる単語ですが、そのままの使い方をしていることによって詩が短絡的になっている印象は否めません。強い印象のある単語ではあるので、それを最大限に活用するか、別のものに変えてみるなどの工夫をすると、より気持ち良く心の中が外に出たような詩が出てくるのではないか。

11485 : 幕間  ネン ('19/10/02 15:23:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191002_320_11485p
(一)詩としてのフォルムは非常に美しいが、作品への構築は足りていない。
(一)三連目など、主張の格好良さの伝わる詩です。全体の言い表していることは、ここを乗り越えて更に表現を広げたり強くしたりして欲しいと感じます。

11504 : でたらめニ  よんじゅう ('19/10/11 20:06:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191011_449_11504p
(一)でたらめに思える文章によって、詩的情景を巧みに描き出している。「大腸をひきずりだしたような夕暮れ」というフレーズを特に評価したい。
(一)小作品として、よくまとまっている。タイトルが低い位置にある。
(一)「でたらめ」という言葉がタイトルに入っていることによって、筆者が書いていることを読者が真面目に受け取ることを拒否しているような印象が若干あり、本文の巧さが際立たなくなる効果があります。

11510 : 死刑囚  鷹枕可 ('19/10/16 11:05:13)
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(一)構成が面白いだけでなく、タイトルと単語の意味が美しい反乱を起こした内容に圧倒された。
(一)非常に面白い。新たな作品を創出している。ページと共に迫ってくる作品である。
(一)強いメッセージが目を惹き、わかり辛さを誘ってもそれがシュールに決まるところに入っています。熱量の迸るバランスが丁度良く、読者に目一杯に伝わる状態になっている詩だと思いました。

11505 : mother of all scale  アンダンテ ('19/10/12 04:01:34)
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(一)囁くようなエロティックさが印象的な冒頭部から、引用を含めて実験的な言葉の小旅行を楽しめた。最後の「井戸替え」で西脇順三郎の引用部を補完しているのも面白い。
(一)数学における詩情を実現できているのかもしれない。
(一)数学的単語を使用しつつ意味そのものを解釈しなくても心に差し込んでくるような核心に迫るような文章で、且つスタイリッシュに纏められていて、表現として上質だと思います。

11500 : 不実の詩  霜田明 ('19/10/09 23:41:25 *1)
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(一)ハードボイルドを感じる。しかし短さが上質さを削っているようにも思える。
(一)メッセージや言い回しに素敵なものがありますが、これだけでは足りない!という気持ちも働きました。

11509 : 足の裏に凍りつく春の痛み  夢うつつ ('19/10/15 23:55:02)
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(一)読んでいて目を惹かれる部分もいくつかあるのだが、記号を含めて「そこにそれを配置する必然性」が感じられなかった。スタイルから入るのも1つの方法ではあるが、何のためにそういう描写をするのかをもう少し考えてみると良いのではないだろうか。
(一)視覚的な工夫も随所に凝らされていて、音も美しい。上質な作品である。
(一)冒頭、核心を突くとても深いことが語られていますが、形作ろうとするあまりに詩の形が全体で作為的な印象になっているきらいがあります。もっとこの核心を表すような文章に似合う形が見つかるはずだと感じます。

11507 : 林  湯煙 ('19/10/15 01:58:46 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191015_476_11507p
(一)緑を連想すればすごく頭に広がってくる景色があります。写真などによってイメージを補強できるくらいの喚起力なので、これはこれで完成していると思うのですが。何かが足りないような気もします。

11506 : まあちゃん  朝顔 ('19/10/14 07:52:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191014_472_11506p
(一)つばめグリルの、おそらくはトマトのファルシーサラダを頬張る「まあちゃん」の様子が見えるようだ。おそらくは筆者の理想像であろう彼女の人形を作るという行為に、男性に依存していた過去と決別する詩人の覚悟を感じた。何気ない、また極めて個人的な内容を詩作品へと昇華する力量はさすがである。
(一)実際にあったであろう出来事が詩として成立する筆力と人間力に、情感の深さを思った。「まあちゃん」の存在と自己との存在を見つめる考察力が、新鮮な発見をもたらしていく。
(一)家庭の中にいること、一人で生きていること、一人で生きていることをこの時点では選んだという女性の視点だと思います。何か辛そうに前を向いている印象が伝わってきます。全体のイメージはぼんやりとしているので、明確に状況も心情も掴める文章が入っていると強くなるのではないかと思います。

11493 : 梅雨  朝顔 ('19/10/07 13:55:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191007_383_11493p
(一)最後の二行が透徹に、人生というものの本質と悲しさを突いている。そこに到るまでの連も、書きすぎずに情感を発せている。
(一)先月読ませていただいた作品と、形式がとても似ているので更なる発展を期待します。同じパターンから抜け出すという選択肢だけでなく、落ちに持っていくまでの文章の磨かれ具合によって同じパターンでも魅力的にできるという選択肢もあると思いました。

11501 : 戦争が終わるまで  鈴木歯車 ('19/10/10 00:18:57)
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(一)視覚的イメージが眩しい作品だが、初連の前半部分に物足りなさを感じた。思い切って「さよなら、」の部分からスタートしても良かったのではないだろうか。
(一)薄い言葉で普遍性を獲得していく不可思議な作品。フォルムも美しい。
(一)上手で、基本的に見た感じもスタイリッシュな文章を紡がれる力は備わっています。この詩では全体的にリアリティを引き離す話し方がされていますが、本当にこれだけがこの中で効果的であったかどうかを考えて読みました。整えてあるために勢いが削がれているところもあると思います。

11494 : 白昼夢  まひる ('19/10/07 19:06:50 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191007_384_11494p
(一)構成は真新しいものではなく、使われているフレーズもオチの部分もありきたり。基本的な書く力はすでに持っている方なので、まずは他人ではなく自分を驚かせるような言葉を探してみてはどうだろうか。
(一)タイトルの連続のようになっていて、イメージが繋がりにくくなっています。完全にバラバラか、連想ゲームのようになるか、まだ何か方法がある気がします。

11499 : ドナドナを聴きながら。  帆場蔵人 ('19/10/09 02:34:40)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191009_413_11499p
(一)始まりからの不穏な在り方が、最後まで芯を通している。通奏する良質さがある。

11495 : Show Me Your Fact.exe  アルフ・O ('19/10/07 19:25:21 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191007_387_11495p
(一)この作者の作品は基本アクが強いので、この作品だけだと少し物足りなさを感じる。対になっている作品と合体させた方が良かったのではないだろうか。これまでのレベルを考えると佳作にせざるを得ない。
(一)メッセージの多さが際立つ作品。そのメッセージ的部位を鋭角に立てている。感情的というよりも情熱的に思える。

11497 : 眩まない  黒羽 黎斗 ('19/10/08 19:44:10)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191008_407_11497p
(一)第2連だけ突出してレベルが高く、他の連とのバランスが悪すぎると感じた。第2連の勢いとセンスを全編に渡って維持できていれば、文句なく優良作品であった。これからの成長に期待したい。
(一)一連目の出来が一番よく、二連以降パワーダウンしている印象を受けざるを得ない。二連目から始めて、最後に一連目を持ってくると解消されるように思った。

11492 : 古代のパラドックス  st ('19/10/07 03:51:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191007_377_11492p
(一)アキレスと亀のエピソードを用いていて期待したのだが、特にオチもなく終わってしまったのが残念。
(一)面白いと思った。その上で、ユーモア以上のものを創造していくことが可能にも思える。

11498 : にせものの、  鷹枕可 ('19/10/08 19:56:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191008_409_11498p
(一)作者の作品としては分かりやすい部類に入るだろう。それでもまだ難解で硬筆な文体が、SF的叙情詩とも言える美しく哀しい世界を描き出す。この方向の作品をもっと読んでみたい。
(一)独自の世界観が確立している。タイトルの転がし方に今回は工夫が見られる。

11488 : 予兆  帆場蔵人 ('19/10/04 16:53:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191004_355_11488p
(一)台風を羽化する小鳥に例えた発想が面白い。また、そのイメージを表現する筆力もある。ただ物語が序章で終わってしまっている感じがあり惜しいと感じた。もう少し先まで描いても蛇足ではないと思う。
(一)上手くまとまっており視覚的にも綺麗である。本当に「予兆」で留まっていないか気になる。

11487 : まぬけの発露  田中恭平 ('19/10/03 10:14:44 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191003_345_11487p
(一)詩人の愚痴話をそのまま作品にしたようなスタイルが面白い。読んでいて共感する部分も多く、最後まで読み飽きない。これからも、この方向で突き詰めていってほしい。
(一)三点リーダーが効果的でなく、薄めていっている。

11484 : start line(ユリイカなく、青い夜  いけだうし。 ('19/10/02 15:00:08 *11)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191002_319_11484p
(一)決して上手とは言えないが、それでも熱が伝わってくる。青さが情感を生んでいる。
(一)試行錯誤する筆者の思考と内面が発露するように、面白い日記のように、記されています。これが記録として続くのも面白いのではないかと感じました。

11486 : 格子  霜田明 ('19/10/02 23:46:31 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191002_335_11486p
(一)二部構成が、効いている。言葉の比重と作品の在り方が、詩情の重なりを更なる昇華へと向かわせている。

11483 : anthem  湯煙 ('19/10/02 04:29:48 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191002_309_11483p
(一)古語的な口調で紡がれている。二連の対比が、もっと活かせたのではないかという感覚がある。

11481 : 鳥籠。  田中宏輔 ('19/10/01 00:03:47)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191001_283_11481p
(一)「頭部が鳥籠」というヒエロニムス・ボスの絵画のように怪奇なイメージをユーモラスに料理している。最近では鳥籠頭をモチーフにしたイラストをSNSなどで見かけることもあるが、まどマギの「鳥かごの魔女」など身体の一部が鳥籠になる、あるいは鳥籠に入っているという表現は色々な解釈ができて面白い。この詩も読む進めるほどに妄想が膨らむし、最後もあっさりしているようでそのまま深い思考を継続させられてしまう終わり方だ。
(一)分かりやすい比喩を用いながら、形が整っており非常に上質な作品として編みあがっている。引き出しの広さを思わせられる作品である。

11482 : 七色の空間  st ('19/10/01 06:38:15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191001_289_11482p
(一)フォルムが美しい。その上で言葉が一方向に偏り過ぎに思える。破いていく一語を置くと、もっと広がりが見えてくるように思えた。

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