●「2019年・12月分選考雑感」(Staff)
11644 : 、、という、かなしみ 玄こう ('19/12/27 22:11:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191227_541_11644p
(一)記号や文章のザッピングが効果的ではないかもしれません。中核にある本質は、読むべき熱があるため勿体ないと感じました。
(一)エッセイでも良いか?とは思いますが、味わいと親しみを感じさせる文章。とても素直に書いてあるのが伝わってくるためか、好感を持って読むことができます。
11649 : 冷たいぬくもり まひる ('19/12/30 09:11:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_590_11649p
(一)言語を研ぎ澄ませるように意識しても良いのかもしれません。
11655 : 三つのもの イロキセイゴ ('19/12/31 23:17:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191231_623_11655p
(一)無茶苦茶のようなのに何か目を惹きつけられる魅力があるのは、同じ単語を何度も何度も使うことでそこへの執着のような、読者に安心感を持たせる効果が出せているからかもしれません。内容と改行の仕方、単語の繰り返しの頻度やタイミングが良い調和を感じさせて面白くなっています。
11650 : 花戦争 kale ('19/12/30 09:59:14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_596_11650p
(一)初連の出来が非常に良い。硬質な中に不在が、出没してくる上手い構成である。二連目が効果的に働いていたかどうか気になった。思い切って別の詩に分けても良かったのかもしれない。
(一)雰囲気のある文章を紡げる力があります。内容の美しさとフォルムがこの文章の醍醐味かなと思います。
(一)美しく質感を持ったイメージの洪水に圧倒される。特に第2連は文字の間から色彩が飛び出してくるかのようである。
11603 : 木洩日 たこ吉 ('19/12/06 16:56:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191206_196_11603p
(一)「ねぇ」などの置き方が、なかなか難しい。作品自体は良質だけれども、素材を活かしきれていないのではないか。書き続けて欲しい。
(一)木洩日の表現に工夫が見られ、それは成功している。その一方で「肉の器」や「極楽浄土」といった古臭い表現が気になった。描こうとした世界がとても荘厳で美しいものであることは良く分かる。このまま進めば、作者はとても崇高な境地に至るのではという期待がある。
11654 : れいぷ&しふぉん 白犬 ('19/12/31 21:04:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191231_617_11654p
(一)作者の持ち味が存分に活かされている作品。暴力的な猥雑さと静謐なイメージが溶け合って読むものの脳内へ心地よく拡散していく。独りよがりで終わらず、他者へ伝えようとする工夫がきちんとされていると感じた。
11653 : ありあまる時の聲 アルフ・O ('19/12/30 22:36:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_608_11653p
(一)怒りと負の感情が、細部から溢れ出してくる快作である。
(一)リフレインとリズミカルな言葉の使い方が、表現したい内容と相性良く、かっこよく決まっています。言葉が気持ちに届きやすい効果も出ていると思います。後半に冷静さか、出だしと丁度同じくらいのテンションが保てているととても良いのではないか。
(一)まだ時間をたっぷり持っている者にしか書けない詩ではないだろうか。高揚感と倦怠感の狭間を揺らぐ魔法少女たちの会話劇として読んだ。過去のと自分の知識にすがる老人たちには解読不能な詩である。
11652 : dick 完備 ('19/12/30 22:27:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_607_11652p
(一)行間が上手い。作品が読み手を選別することなく、惹きつけていく。
(一)衝撃的なことを想起させる記述だと思います。このままシンプルさを保ちつつ、暖簾に腕押しのような虚しさが顕著にできるのではないか。
(一)文章としては非常に読みやすいが読み手の解読を拒んでいる、あるいは試しているようで面白い。コメント欄が活発なのも、読み手の想像力を刺激する力を持った作品であることの証明だと感じた。
11600 : 盗掘 鷹枕可 ('19/12/05 17:45:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191205_188_11600p
(一)冒険している所に未来を感じた。最初の平仮名のみの部位、可能性を感じる。後の二連と併せて評価できるが、平仮名と漢字の更なる混淆も作者の筆で読んでみたい。
(一)平仮名パートでのスタートは面白い。ただ、それ以降の流れからも物語が見えてこない。タイトルによる期待を本文が受け止めきれていないと感じる。
11651 : 絶景#2 左部右人 ('19/12/30 21:39:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_605_11651p
(一)震災や炎上のことが、描かれているように思った。最後にかけての詰めが甘く思える。
11630 : コツカ 湯煙 ('19/12/21 18:53:20 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_441_11630p
(一)文章の少なさが詩情の少なさになっていると思っています。改善点が、あるのではないでしょうか。
(一)一体何が聞こえたのか、謎めいた簡単な言葉が興味を最後まで保たせます。核心を突くピリッとしたものがこれに一つ入っていると凄いのではないか。
11634 : めぐる ポプラ 宮永 ('19/12/24 22:40:44 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191224_489_11634p
(一)胸を締め付けられる。作品として言葉が貧弱とも思える少なさではあるのに、ストレートな詩情と背景に驚かされ感動してしまった。ただし賞向けの作品ではないのかもしれない。
(一)どことなく寂しい気持ちや失うこと、別れなどを示唆してあり、その気持ちも感じさせることができます。しかし凝縮させることも、強烈に印象づけることもできる余地が残っている文章でもあると思います。
(一)技巧的には問題ないのだが、ポプラの描写と祖父に関する記述が上手く繋がっていない印象がある。これが上手くいけばもっと良い作品になったはず。
11622 : てんとうむしよ たこ吉 ('19/12/17 20:20:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_359_11622p
(一)最終連にかけての広がりが素晴らしい。そう考えていくと一連目や二連目は、これで良かったのだろうかと思う。
(一)童話的な文章で純粋さが際立っています。言葉選びも完全に幼いわけではなく、きちんと作品として世界観に繋がっています。
(一)宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や「春と修羅」につながるイメージが散りばめられた、優しい口調でありながら厳しい内容の詩。手法として斬新なものではないが、こういうスタイルの作品も評価されるべきだと考える。
11648 : すべて らどみ ('19/12/30 00:48:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191230_578_11648p
(一)詩人を作中に出すのは、もう少し慎重になっても良いと思います。
11628 : アルチュセールに 霜田明 ('19/12/20 02:37:34 *11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191220_418_11628p
(一)短い詩ではあるが無駄も不足もなく、初連から引き込まれる見事な構成。アルチュセールという名前から豊かな教養のある読み手はより深く読み込むことも可能だろうが、彼のことを知らない者でも一編の美しい作品として楽しむことができる。
11621 : 星狩り 山人 ('19/12/17 18:11:01 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_357_11621p
(一)作品は大変、抒情的である。後一歩感を持ってしまう。
(一)求める意味での「欲しがり」とタイトルがかかっていたらとても意味も深まるし、良いタイトルです。なにかアドベンチャーな感じもして雰囲気もとても良く、記述がもっと細かくして、この世界が構築されていくのを見守りたい気持ちがしました。
(一)坂田靖子のマンガには、この作品とよく似た内容のものがいくつかある。小品として上手くまとまっているが、イメージに斬新さがない。
11613 : 櫻の樹 鷹枕可 ('19/12/12 16:21:07 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191212_294_11613p
(一)漢字だけの独自の世界から抜け出して、新しい世界へと飛び出した記念碑的作品。
(一)老桜をモチーフに季節の移ろいや人生の儚さを静かな筆致で描き出している。間に挟まれる口語との組み合わせも面白い。
11611 : 祈りを、届けたい 北 ('19/12/10 22:45:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_264_11611p
(一)文章が上手いため皮肉に特化していることが残念。
(一)「人生のタイムラグでは、真心が、魂に対しての、抵抗を止められないでいる。」というのは句読点の切実さも含めて名言では無いかと思います。この流れで生まれた言葉なのかと思うと他の部分も空白というには勿体無いような気持ちになります。
11631 : 背後で葉が揺れていた 空丸 ('19/12/21 22:45:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_448_11631p
(一)始まりから掴んでいくものがあります。各小作品の連結も上手いと思いました。最後の一行は、もっと他のものがあったように思えます。
(一)初恋の連の「呪いだ」にパンチが効いています。テーマがごちゃ混ぜになっているようにも見えるので、すっきりさせるともっと強烈に響く詩ではないかと思いました。
11633 : 農民詩人 山人 ('19/12/23 20:11:49 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191223_476_11633p
(一)描写も、しっかりとしている力作だと思います。詩人を詩の中で描くということは、非常に難しいことだと思いました。
(一)岡部清という詩人を紹介する内容は評価したいが、彼を知らない人間には分かりにくいかも知れない。最終連の終わり方が唐突で、もう少し詩作品としてのドラマがほしかった。
11632 : 冬四景 紅茶猫 ('19/12/23 00:18:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191223_465_11632p
(一)それぞれの描写が上手く、みぞれの概念などを再考させていきます。構成も上手いのではないでしょうか。
11607 : 早退 まどろみ区域 ('19/12/09 13:11:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_246_11607p
(一)構成としては間違っていない。ただ、まだ技術的な部分が不足している。筆力を高めれば、この長さで間違いなく書きたいことを表現できるはず。
11629 : 死んで 夢うつつ ('19/12/21 12:04:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191221_434_11629p
(一)文章の流れの上手さは感じる。そこからの羽ばたきを更に見たい。
(一)単語の強さによって作品の内容の強化をしている手法なので、単語の印象ばかり強くなって逆に届かなくなってしまう現象が起こっている詩ではないかと思います。
11620 : 改行 黒羽 黎斗 ('19/12/17 01:02:42) [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_347_11620p
(一)テスト用紙に思いを書いていた頃が、生々しく蘇ってくる。最後の一行が沁みてくる。
しかしながら連毎のバランスに再考の余地がある。一連目と、最後の空行が多い状態を、
他の詩作品などを読むことで身に付けていくと、もっと伸びると思う。
(一)頭脳の明晰さと繊細さを筆者に感じることによって文章自体のいんしょうがとても良くなってしまうのですが、この表現は一つの通過点なのだろうと感じつつ読んだ部分もありました。
一)言葉と誠実に向き合おうとする作者の姿勢が感じられる。作り方が丁寧で勢いに任せず、黙々と詩を練り上げていったのではないだろうか。赤で始まって緑で終わる構成も見事。
11625 : 夢の映像 st ('19/12/19 01:27:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191219_397_11625p
(一)小作品としては上手く、まとまっている。作品集の中にあると輝く作品に思える。
11610 : 光 にゃおす ('19/12/10 18:39:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_258_11610p
(一)上手い。作品の中で硬質に輝く文が際立っている。ただし途中の一文になってしまっているところなどが、あまり効果的ではない。
(一)言葉の選び方と組み立て方が実に巧みで隙が無い。花壇に埋めた乳歯から花開く永久歯への流れや「ツツジを咥えてしんだ子供、」といった描写から、作者の技量の高さや知識の豊富さが感じされる。所々で飛躍するイメージも面白い。
11614 : 大樹の陰 宮永 ('19/12/13 17:12:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191213_299_11614p
(一)ポプラの描写と心理描写の折り込みが光る。名作なのでは。
(一)嵐に蹂躙されるポプラの描写が巧みで、読む者に様々な連想を促している。その一方で「ポプラ」の連呼が気になった。「その木」や「木」に置き換えられる部分もあるはずである。最終行は「瞬間」を上手く切り取っており素晴らしい。
11618 : フィクション にゃおす ('19/12/16 21:49:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_344_11618p
(一)悪くない作品。タイトルの選択が勿体ない。
(一)深いところ、深い言い方で表現されていて、それが伝わってくる箇所があります。完全な自然さは人間にはとても難しくかえって不自然を感じようとすればいくらでもそのように捉えられる部分も言い表されていて、そんな思考に人を導くだけの力や問題提起は上手に出来ていると思いました。
11616 : 磁場を形成する羽根 アルフ・O ('19/12/16 00:46:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_330_11616p
(一)嫌味さや怒りを書かせたら、一番の書き手に思える。ある程度の作風が出来上がっているので、ここからどのような膨らみを持たせていくのか気になる。
(一)全体的に安定しているのだが、「魔法」が続くことで言葉の魔力が薄れてしまっていると感じた。「這うように魔法を滑らせ」は「這うように滑らせ」でも意味は通じるしリズムも整うはず。
11624 : Join 鴉 ('19/12/18 02:17:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191218_368_11624p
(一)硬質な言葉の中に深い絶望と怒りと悲しみがある。それが分かるという凄さ。
11619 : (無題) 陽向 ('19/12/16 22:05:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191216_345_11619p
(一)文章として上手には見えないのかも知れませんが、葛藤や自分の中で暴れる自分のようなものがとても表されています。
11623 : 666 白紙 ('19/12/17 21:17:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191217_361_11623p
(一)文章は上手い。どこか宗教的でありながら、よくある話でもある。もう少し作品として上向きに出来たように思える。
11615 : 便箋と海 GROWW ('19/12/13 18:55:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191213_302_11615p
(一)硬質な言葉での展開が、しっとりと広がっていく。奥行きが、もっと獲得出来そう。
(一)森見登美彦の「きつねのはなし」に収録された「水神」の海洋版のような不思議さがある。この詩の方は小説とは正反対に明るいイメージではあるが、最終4行で海洋汚染を暗示する終わり方をしているのがユニーク。
11609 : 燦爛 青リンゴ ('19/12/10 16:13:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191210_256_11609p
(一)皮肉を効かせてあるのですが、この場合は率直な気持ちの滲み出ている印象がどこかにあって憎めない文章になっています。
(一)淡々とした語り口が読む者を無理なく作品へ引き込んでいる。ただ第4連だけが全体から浮いている印象がある。
11604 : 嘘 ネン ('19/12/07 16:16:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191207_221_11604p
(一)説明文のようになっている。
(一)「耳栓代わりのイヤフォン」の段階で読もうとする意欲を削がれてしまった。使われている言葉もテーマも既視感があり過ぎる。
11612 : 無題 kei ('19/12/11 15:58:57)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191211_279_11612p
(一)「終わりの無い世界」「新世界」「祈り有る世界」と既視感のある「世界」の連発で、宗教団体のパンフレットを読んでいるような気分になる。作者だけが満足していて、読み手に何かを伝えようという意欲が感じられない。
11608 : 反顧 コテ ('19/12/09 21:58:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_251_11608p
(一)悪くないと思いました。その上で、二連との呼応を考えてみると面白さが際立つのではないかと感じました。
(一)作品集の中に潜んでいたりするとなんだこれはと目を惹くのではないかとおもいます。筆者が様々な書き方に挑んでいるところを評価します。
11599 : 更衣室 青リンゴ ('19/12/04 17:44:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191204_178_11599p
(一)切ない思いを、書き綴ることに成功している。ただし作り物感があり、そこから脱却しなければいけないと思った。
(一)途中までは面白く読めたが、パターン化した各連の流れで大体のオチが見えてしまっている。特に最終連は「夢の中へ」や「あなた色に染める」といった表現が古すぎて蛇足に感じた。
11606 : 詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日 田中宏輔 ('19/12/09 01:20:25 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_240_11606p
(一)抜群に面白い。「おやすみ、グッジョッブ」が作品の長さを感じさせない作用を働かせている。日記と再構成と詩が麗らかに咲く見事さを思った。
(一)この作品も日記であると同時に優れた詩でありエッセイである。あと数年で還暦という年齢になった詩人の、若い頃と現在の心理的な変化に関する記述の隙間から見える寂しさや達観が心にしみる。
11605 : 冬空の窓の下 アンダンテ ('19/12/09 00:10:30 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191209_239_11605p
(一)難解さと新しさの中に分かりやすさを入れ込んでいくことで面白い作品となっている。平仮名の部位を、上手く行間へと落とし込んだことで成功したように思える。
(一)このパートだけでは本当の評価は出来ないかも知れないが、新たな表現を貪欲に追求する姿勢には頭が下がる。
11601 : 人影 陽向 ('19/12/05 18:44:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191205_190_11601p
(一)コメント欄でも指摘されているように、1行目の輝きが2行目の平凡さで弱まってしまっている。しかし自分の言葉で語られた作品であり、作者の技量が活かされている。この方向で進んでほしい。
11597 : えにしの行方 まひる ('19/12/02 15:48:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_144_11597p
(一)上手いのだけれども、ありきたりになっていないかどうか。
(一)「あなた」と「わたし」が「君」と「僕」になる理由がわからない。「恋心」という言葉の選択にも首をかしげてしまう。作者の情熱は伝わってくるのだが、表現方法の古さで空回りしていると感じた。特に最後の2行は悪い意味でストレートすぎる。
11589 : 冬そらの下で アンダンテ ('19/12/02 00:10:14 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_108_11589p
(一)一文いちぶんが輝いている。悲壮感がある苦痛と核にある悪が響いてくる作品である。
(一)冬の情景が的確な単語の選択と組み合わせによって美しく紡がれていく。短い中にも次々とイメージが現れては光り輝いて遠ざかる様は見事。
11598 : この世界を離れて atsuchan69 ('19/12/03 05:11:45) [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20191203_159_11598p
(一)力作であることは間違いない。中盤の膨らみは、これで本当に充分だろうか。
(一)詩というよりは小説に近い構成だが、長さがまったく気にならない物語には間違いなく詩情が溢れている。それぞれが訳ありの過去を持つ旅芸人夫婦や彼らと出会う人々のドラマを、子どもである語り手の視点で鮮やかに描き出している。古い洋画の旅情と日本映画の抒情が混じり合い、切なくも美しいストーリーを描き出している。
11593 : 語り 霜田明 ('19/12/02 04:29:33 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_123_11593p
(一)思いを消化できずに綴っている作品である。詩情の漂いが、もっと上を向いていけそうでもある。
(一)一連とても良い言葉の連なりで、二連の途中から説明のようになってきてしまい、とても勿体無いところがあります。一連の後半は語っているようでも前半とのバランスがとても取れていてすんなりと入ってきます。
(一)初連の輝きからスタートして、だんだんと失速してしまっている。それはこの作品で描かれる作者の男性観と女性観に原因があるのではないか。また、悪い意味で力を抜きすぎているようにも感じた。
11596 : れっつ’ず Reiwa Street 北 ('19/12/02 14:21:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_141_11596p
(一)良い意味で洋楽の日本語訳のような斬新さがある。作者の世界的な視野によって描かれた物語には眩暈を伴うほどのスピード感があり、人間たちの凄まじいエネルギーを感じる。ただ最終連の終わり方では、そこまでの流れを受け止めきれていないと感じた。
11595 : 神によりかくされた次元 st ('19/12/02 08:52:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_135_11595p
(一)作品が行間に頼り過ぎている感がある。一文一文が、もっと伸びられるのではないか。
11590 : 詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日 田中宏輔 ('19/12/02 01:20:44 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_113_11590p
(一)六月の三十一日が存在している面白さ。最後の日に、詩人による詩への恐怖を語っていくというパンチラインの強さがある。それまでの日付の一つひとつが輝いていている。
(一)ただ日記のように続いているだけでなく、きちんと説得力のある力加減で箴言が忍ばせてあるところに読み応えがあって、肩透かしがありません。
(一)前回に引き続き、日記であると同時に詩であり詩論でもあるユニークな作品となっている。様々な書籍に対する作者の視点が面白く、また勉強になる部分も多い。
11591 : なんでもかんでも凍結します。 アラメルモ ('19/12/02 01:55:13 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_114_11591p
(一)作品として締まりがなく、集中力に欠けている。
(一)反応も含めて芸術と呼ぶのか、難しく考えすぎましたので、この作品単体に目を凝らそうとすると、その中で何を主題にするのか、芯のところが掴めないままでした。
(一)批判精神を込めた詩は単体の詩としても成立するほどの強度を持つことが求められる。この作品の昭和的センスと下品さでは批判以前の愚痴でしかない。こういう作品だからこそ手を抜くべきではない。
11592 : 凍結 本田憲嵩 ('19/12/02 03:39:55 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20191202_117_11592p
(一)初連や二連目のカタカナが浮いている。後半にかけて集中力が続いておらず、空行に頼りすぎているため前半との釣り合いが取れていない。抒情があるだけに勿体ない。
(一)使う言葉をもっと追求できる気がしました。追求することによってオリジナリティを築きつつ、筆者にしか成し得ない表現が出来る箇所が多く見られる作品です。
(一)3年前に現代詩フォーラムへ投稿した作品の再投稿だが、この頃の方が確実に上手い。ただ「虹色の色あい」という表現や「色あい」の重なりに詰めの甘さを感じる。凍結という現象を温度と時間の両面から描いて静かな詩的世界を構築している。
Posted in 月間選考, 雑記 | Print | No Comments » | URL