文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

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2016年1月分選考雑感(スタッフ)

2016-03-12 (土) 22:44 by 文学極道スタッフ

1.8589 : * ** ***  GENKOU ('16/01/29 22:37:26 *2)
(一)三連目、三段ブースターでもっとぶっ飛ぶのを期待してしまいました。

2.8584 : 君が、挫折してから、死ぬまで、  泥棒 ('16/01/27 12:32:07)
(一)流れは少し戸惑ったのですが、テーマと言葉がしっかりとしていたので引き込まれました。
(二)「君」と「僕(話者)」が出て来ているけれど、相聞歌にしては中途半端。「君の死」をもっと克明に書いて欲しいと思ってしまいました。

3.8586 : 造花の街  赤青黄 ('16/01/28 01:25:59)
(一)読んで考えさせられるものは、ありましたが作者の膿だしを見た気がしました。次作が楽しみです。
(二)>はぁ、
以降の「かじっしゃえば」は「かじっちゃえば」でしょうか。

4.8591 : 憧れ  やかもち ('16/01/30 02:19:58)
(一)オチを生かす為の作品なのか、そうじゃないのかはっきりして欲しかったです。

5.8585 : 青い鳥  mitzho nakata ('16/01/27 21:49:13 *1)  
(一)作者の作品は不思議です。技術を身につけて欲しくない作者だと思います。書き続けて欲しいです。

(二)良い作品なのは疑いようもないけれど、「つきすぎ」てる印象です。
 コメント欄の部分(繋がってますよね、はなしかわって、だし)も繋げたほうが重層的になって良かったと思います。 

6.8590 : 近代的人間に拠るポートフォリオ  鷹枕可 ('16/01/29 22:41:48)
(一)近代は現代じゃないんですよね。読んでいて、比喩に溺れて死にそうになりました。(比喩)

7.8592 : 神経  zero ('16/01/30 02:34:07)
(一)智恵子抄に代表される「病妻もの」とどうしても比較してしまいました。

8.8583 : 才能と才覚  居つく通りすがり ('16/01/26 19:16:14)
(一)どこかに可能性は感じました。言葉をまっすぐにすると、ただ話しているようになってしまいます。中身はそのまま、引っかかる部分を作ればよい詩になるはずです。

9.8581 : 12歳  梅雨夏彦 ('16/01/25 00:52:37)
(一)構成がおもしろくて、わりと迷った作品です。
(二)最終行などが気になります。が、その緩さが作品に合っているという逆説があります。

10.8588 : 「mass media/夕日に染まる広場」  桂 ('16/01/29 08:20:17)
(一)タイトルを一行目の凝縮された詩として考えるならば破たんしているように思えます。
作品自体、文章がうまいのでもったいないです。
(二)題を二回繰り返したのにはなにか意味があるのでしょうか。
 マスメディア批判かと思いきや全方位攻撃型の作品だったので戸惑っています。全体的に即興ラップみたい。イメージとガジェットの繋がり方がふんわりとしている印象です。 

11.8580 : 眠りの程度  黒髪 ('16/01/25 00:49:47)
(一)あと一歩の感があります。作者の独自の比喩が見たいです。
この作品は、どうしてもありきたりな比喩に留まる感が気になります。
もったいないです。
(二)読みやすく、心地よい作品でした。変な技法を使わず、正面から言葉に向き合っていて眩しいです。
(三)宇宙船とか舟とか光の領土とか出て来たら、夢から覚めてもコンパスじゃなくて座標軸とかなんかもっと……。もう少し整理が必要な感じを受けました。

12.8574 : 消えた渦に  GENKOU ('16/01/20 22:08:52 *2)
(一)コーヒーに牛乳入れてぐるぐるって回したらコーヒー牛乳になった、みたいな作品を期待していたら、リンゴジュースになっていた、みたいな驚き。

13.8587 : コロニー  シロ ('16/01/28 05:00:58)
(一)作者とともに(作品に描かれているものに)感動したい、そういう読者の期待に応える作品ではありませんでした。
(二)妙に気になりました。詩が産まれる瞬間を見たような感覚です。果たして「コロニー」という言葉にこだわる必要性があったのか、どうか。

14.8575 : 都市の朝 鉄鋏の音  栗花チヅル ('16/01/20 22:33:05)
(一)歌詞としてだったら文学的な強度を獲得できるように思えました。詩作品として、あと一歩のところに敢えて留まっていることが小さくさせています。もっと良い作品になりそうに思えます。
(二)1行目もなかなかすごいですね。切断しろって、何をだろうかってひかかっちゃいました。なんとなくクラブ帰りの朝なのかな、と思いましたが、なんでこんなに世紀末なんでしょうね。そこらへんが分かるともっと楽しめると思いました。

15.8582 : バスの中  イロキセイゴ ('16/01/25 23:58:07)
(一)busなのかbathなのかそれが問題だ。

16.8546 : 森  梅雨夏彦 ('16/01/07 18:48:27)
(一)非常に基本的な比喩を扱っています。基本的な比喩だけに相当にハードルが高い題材なのかもしれません。
(二)「私はそう思っている」なら、それで良いじゃん、と思いました。そこに至までの過程を書かないと、他人に読ませるものにならないのでは?

17.8579 : 人形  栗花チヅル ('16/01/25 00:31:31)
(一)作中主体はなんでこんなにいらだっているのでしょうねぇ。そして、タイトルとどうしても繋がらなかったのでした。

18.8578 : 流星  本田憲嵩 ('16/01/22 08:44:42)
(一)個人的に、見た目にこだわった詩は好きです。特にさっぱりとした形なので、読みやすさも保たれていてよいと思います。表現もうまく、完成度の高い作品と感じました。
(二)この作品は絶対的な正解、というような絵が分からないと楽しめないのかもしれないって思いました。そして怖い女だなーって感想は、多分作者の求めているものではないのでしょう。

19.8572 : そらを見上げると  蛍狐 ('16/01/18 23:16:26)
(一)美しく、まとまりのよい作品でした。比喩表現はありきたりではありますが、それも変にインパクトのある言葉にするよりは内容にあっていると感じます
(二)一連目、良かったです。「わたしたち」=「大人」=「彼ら」=「みんな」あたりのおおらか過ぎる感じは、すこし考えものですね。
(三)二連目、三連目など悪くないと思いました。
書き始めたばかりの良さが立っています。
 透明な無限が
などを独自の比喩に変えて見たり、後半の説明的な部分、
(教訓をわかりやすく諭す部分)などは詩の力に任せてみても良いように思えました。
これからの作品を読むことが楽しみです。

21.8577 : 神の顕現  居つく通りすがり ('16/01/21 13:48:06)
(一)神を書くことで人間を描こうとしているのであれば神と、その周りに居る人のどちらかに感情移入させて欲しいなぁと思いました。
(二)読んでいて面白いうえに、考えさせられるところもありました。ちょうどいい温度感で書かれています。ただ、中盤少しだれている気もします。

22.8576 : (無題)  牧野クズハ ('16/01/21 12:15:36)
(一)艶があり、展開もよかったです。ただ、せっかく詩情あふれるところに「愛液」と直接書いてしまうのは趣がないと思いました。
(二)愛が内蔵のようなものだ、という着想に拍手。もう少し味付けしてから読ませて頂きたい作品でした。

23.8571 : 風  zero ('16/01/18 01:57:21)
(一) お説教になりそうなぎりぎりのラインを攻めてると思ったのですが、読み込んで行くうちにそうではなくてプリミティブな感動だったのかな、と。

24.8573 : snow  紅茶猫 ('16/01/19 10:40:15 *5)
(一)お題が雪だけに、少し隠した方がいい部分も全て答えを書いてしまっているように読みました。

25.8567 : 未、未成年の詩  泥棒 ('16/01/13 14:07:02)
(一)最初の四行に心を持っていかれました。繊細さが痛いくらいに感じられる一方で、強くまっすぐなものも表現されていて、詩として生み出された意味を感じる作品でした。
(二)良いものを読みました。

26.8570 : Dec.24 Reverb  アルフ・O ('16/01/18 00:16:14)
(一)残響、いつかのクリスマスイブの思い出でしょうか。
 想像の余地が多すぎて、楽しむまで行かなかったというのが正直な所です。

27.8556 : オーシャンブルー  鮎 ('16/01/11 03:37:25 *3)
(一)文章のリズムで最終連まで読ませていきます。中身も幅広い。ただし後半のことを書きたいのであれば入口を、もっと狭めるか広げるかしても良いかもしれません。
(二)閉塞感のある現実と、ここではないどこかを夢想するまだ若い主体。
 いろんな作品で使われている題材ですから、色と「そうぞうの香油」で乗り切るのは無茶だったかもしれませんね。

28.8558 : (無題)  やかもち ('16/01/11 09:37:36)
(一)作者の見えている景色に同調できないまま
 >それは何故か
 と質問されてしまうとしょんぼりしてしまいます。
(二)悪くないです。ただし様々なものを引き出せる単語と文章のリズムが先行した感も否めません。

29.8569 : 空き家  オダカズヒコ ('16/01/16 16:23:06 *6)
(一)世界観が未完成であるように感じました。強い言葉に頼らず、世界そのものを説明せずに世界を感じさせると、このタイプの詩は読みごたえが出てくると思います。
(二)七、八連目すごいなー。
 ただ、記憶の中の彼女で舞台は空き家だと読んでいて、最終連が、だから、上手く受け取れていません。

31.8564 : かにに食われたんだよ  シロ ('16/01/11 18:22:23)
(一)お大事に。
 子ども(今は成長して反抗期かな?)と父親の会話ということはすんなり入ってきますが、ふけるべき感慨といった体で提出されてしまうと戸惑います。
(二)病のことを気にして書いている初連が後の連を深い意味をもたせているように思えました。欠損部分があるのですが、その欠損が作者が作品に込めた欠損と読むこともできるかもしれません。完全な作品ではないのですが、だからこそ読み込んでしまう恐ろしさを持っていると思います。次作が楽しみです。偶然の作品なのか見極めたいです。

32.8552 : 夢日記  はかいし ('16/01/09 09:43:55)
(一)タイトルがストレートに内容を表しているので、少し厳しい感じがしました。作者の数だけ同じレベルの作品ができてしまう恐れがあります。その中でどこにアクセントを置くのかが問題となるのではないでしょうか。
(二)素材を、そのままに出したように読みました。夢日記は誰のものでも一定の面白さはあります。それ以上を求めてしまいます。
(三)よく寝ていますね。私は他人の夢日記は面白く読みますが、作品としての評価とはちがうところの面白さだと思っています。
 >9月8日6:36
 >病気で罹患した
 で→に かな。

33.8568 : #09  田中恭平 ('16/01/16 07:31:00)
(一)温度を上げ過ぎず、それでいてくどい箇所があるのが良かったです。カタカナもそれぞれ印象に残るもので、言葉の選び方がとてもいいと感じました。
(二)カリフォルニアが唐突すぎて、ライスシャワーから?? 水がカリフォルニアから来たのかしら。

34.8559 : 図形  Migikata ('16/01/11 10:34:04)
(一)ホームセンターの駐車場で受けた天啓、というか、発症というべきか。
 雷と星は同時に存在しないもの、腸をかき集めている作中主体と、為すべきことを為す主体が同時に描かれているさまとオーバーラップします。
 どちらかと言えば好きな作風ではないのですが、力のある作品だと思いました。
(二)作者は、おそらく詩人ではありません。それを作者も意識しています。そして構成していく巧緻な光があります。

35.8560 : 風花  紅茶猫 ('16/01/11 13:51:25)
(一)文語と口語のミックスは評価が割れそうなところ。私はとつとつとした印象で、内容に合っているので嫌いではないです。
 つっこもうと思えば、二連目で夕闇も過ぎてゆくと言っているんだから雲間見えるのおかしくないだろうか、とか短さのわりに色を使い過ぎなのかも、とかいろいろとありますが、好きな言葉にこれからもこだわり続けていってほしいなぁと偉そうに思いました。

36.8566 : 孤道  月うさぎ ('16/01/12 23:09:06)
(一)たくさん作品を書いていくと同時に、たくさん作品を読んで欲しいと思いました。鼓動という音感から漢字を変換するだけでは、もう足りない文学世界というものが見えてくるかもしれません。そして、ひょっとしたら同じような作品にぶち当たるかもしれません。創造とは、どういうことか。詩とは何か考えながら、これからも作品を、とにかく書いていって欲しいと思いました。いつか化けるような気がします。
(二)背景が見えない独白だけだと、漫画とか、映画のモノローグにしか読めなくて……。
 小説でやったら語り過ぎだし、詩でやったらわけがわからない。つまり文字表現には向いていない手法なのかしらんと、思うんですよ。
 一部だったらまだ、分かるんですがそれ一本ですとね。

37.8549 : 風呂の前の日記  ゴミ箱 ('16/01/08 18:14:12)
(一)作者名にマッチした作風です。やる気がないからこそ哀愁が漂ってしまう唯一無ニのものがあるように思えます。
(二)日記部分が次第に独白になっていくの、面白かったです。同じ単語を繰り返して書く拙さも、この作品においては技法として成功しているな、と。
 「そんな時」でまとまりきらない部分とかをもっと大切にしていくと、もっと発展しそうな作品だと感じました。

38.8545 : 奇病の男  道化師 ('16/01/07 03:01:18)  [Mail]
(一)十分な作品に仕上がっています。タイトルで全て言い尽くしていることが気になります。
(二)最初はガラスに映ったご自分の影を見たのかと読んでいたら硝子越し=他人なんですね。
 すれ違った他人様を捕まえて
 >独りで生きる肉塊
 >重たい影
 って……。罪悪感感じるのは勝手ですが、他者はあなたの感傷の道具じゃないですよ。
 もっと自分のパンツ脱いでくださらないと、読むものにならないって思います。

39.8553 : そどむ  アルフ・O ('16/01/11 01:25:00 *1)
(一)ひらがなになると、なんだかかわいらしいけれど内容はなかなか。
 >どくそう。
 が頭の中で変換できず、悲しかったです。

40.8563 : 林檎  湯煙 ('16/01/11 15:35:34 *6)
(一)その時目に入った、気に留まったことだけを話す手法は面白いんですが、文字表現としてはどうなのかなって。
 いや、林檎どうなってん、って言われたいわけじゃないでしょうから。

41.8551 : くちびる、くちびる、スモークサーモンのような……  リンネ ('16/01/08 23:03:16 *2)
(一)ほんと、重箱の隅をつつくようであれなのですが、
 >二三万
 この表記だと、にじゅうさんまん、とも読めてしまいます。にさんまん、と読ませたいのであればもう少し工夫が必要かもしれません。
 そこに端を発したのか数字表記のあやふやさが気になって気になって仕方がありませんでした。
 内容は、妊婦の動物性みたいなものがとても面白かったです。

42.8548 : 男  湯煙 ('16/01/08 16:24:23 *3)
(一)男ってタイトルは大げさすぎませんか。

43.8550 : 農夫  オダカズヒコ ('16/01/08 21:35:12 *2)
(一)最後のほうだけ想定に留まるので推敲が必要に思えます。遂行すると傑作になるのでは。

44.8535 : 詩の日めくり 二〇一五年六月一日─三十一日  田中宏輔 ('16/01/01 00:00:14)
(一)短い言葉の日と、六月九日が良かったです。日記以上の表現になっていない日が散見されるのが気になりました。

45.8541 : 魚(改)  本田憲嵩 ('16/01/04 00:25:19 *1)
(一)終盤にかけてが非常に惜しい作品だと思いました。

46.8543 : いびつな聖者の行進  版画人 ('16/01/06 11:35:51)
(一)>考え持っていた。
 を が足りないかもしれません。
 はた織り鶴が通用する世界でおこっている話としては荒唐無稽すぎる印象です。
(二)良い作品なのですがタイトルで言い尽くすと詩情が減るのでは。

47.8544 : A tree  黒髪 ('16/01/06 17:14:13 *1)
(一)語り手がしっかりと設定されていると感じました。言葉の質が保たれているので、形式のわりに散漫になるのが防がれています。ただ、「語る」ことに任せて、言葉が流れて曖昧になっている部分も少しあります。そこを省いていくと、詩としての形がはっきりとしたと思います。
(二)一文読んでは、え、どうして? って前に戻るような読み方しかできず。
(三)文章もなめらかになってきました。独自の比喩が加味されると素晴らしい作品となるとおもうのだけれども。

48.8542 : やぁ、久しぶり!  北 ('16/01/04 01:10:15)
(一)999と1000だけ残すなら、全部スレッド形式で書いた方が良かったと思います。
 主体が変わっていることに気づかず途中、分裂しすぎて怖かったんですよね。たぶん、そういうのは狙ってないと思うのでもったいないなって。
 取捨選択がもう少し必要なのかなって思いました。
 ペスの部分、すごく好きでした。
(二)質量と詩情がつりあっていないように思えます。

49.8540 : 詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日  田中宏輔 ('16/01/04 00:03:32)
(一)ほとんどの日が、質の高い詩で構成されています。特にオーソドックスな落ち着いた形のものが良いです。ただ、それをこのような形で構成すると事態は意味が見出せません。一日一日を別の詩として提示して評価してもらう方が、作者にとっても有意義なのではないかと感じています。

50.8537 : 吹くようになったやかん  鮎 ('16/01/01 08:35:12 *1)
(一)んと、ここはさらっと書いて、さらっと読んで欲しいものを投稿する場所ではないのです。
(二)充分おもしろいのですが最終行は安易に過ぎていると思います。

51.8536 : たぶん、たぶん、たぶん  北 ('16/01/01 05:37:03)
(一)分量に見合うだけのものが出来ているかどうかは疑問ですが最後までの構成は効果的だと思います。
(二)力作でした。最後、物語形式になった所で作者の照れを感じました。

52.8538 :#08  田中恭平 ('16/01/01 11:45:46 *1)
(一)言葉がスッと入ってきて、それだけでも素晴らしいと思います。ただ、そのままスッと終わってしまうようにも感じました。
(二)作者の作品にしては妥協した感が拭えませんでした。作者の魅力である熱量や個人的体験の視座を、もっと出して良いように思います。
これまでの作品が良すぎたのかもしれないとの思いも持ちました。

53.8539 : バカな白い液体  油井陽向 ('16/01/01 15:59:47)
(一)グリム童話に出てくる主人公のようなおとぼけっぷりですね。
 「快楽に支配された人間のおかしみ」といったところを書いてらっしゃるのかな、と思います。
 100億円も、それと換えても良いくらいの快感っていうのも、文字でしか表現できないことであり、かつ、文字にすると乖離してしまうことでもあると思うんですよ。グリム童話も、悪魔が提示するのは身近な(想像できる範囲の)誘惑でしょう。そこらへんが気になりました。

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2016年1月分月間優良作品・次点佳作発表

2016-02-25 (木) 17:39 by 文学極道スタッフ

2016年1月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

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2015年12月分月間選考雑感(スタッフ)

2016-02-13 (土) 23:14 by 文学極道スタッフ

1.8521 : 背骨のために  かとり ('15/12/25 20:59:44)
(一) こういう螺旋構造は惹かれるものがありますが、もう少し捻れそうな印象でした。「父」「母」「兄」の古典的文脈を使って古典的物語を語っているけれど、作者はそれをよしとしていないのではないかというか。。。もやもやする読後感でした。
(二)「背骨」という比喩が奥行きを持って機能しています。音的な流れも良い。
途中の一文字ずつになる部分が、縦書きにしても機能的であるとは思えませんでした。
もう一展開あると素晴らしい作品になりそう。

2.8534 : 川  イロキセイゴ ('15/12/31 23:59:07)
(一)情景だけでなく、作者の内面的な世界観もよく表現されていると感じました。
(二)要素の絡まり方が興味深く楽しめました。
  「恋うた」文語であれば「ふ」で構わないと思うし、文法的には促音にするのも良いのかもしれませんね。

3.8509 : 九つの死骸への彌散曲に基づく擬態の花々に於いて/アレンジ  鷹枕可 ('15/12/17 22:50:39)
(一)「つまり」「すなわち」って言葉を多用し過ぎな気がします。説明すると壊れてしまうものを扱ってそうなのになーって。

4.8527 : landing  重山サチカ ('15/12/29 23:17:01)
(一)一行いちぎょうの必然性に驚きます。
甘さが目立ちもしますが、それが味になっています。
(二)一連目の離人感がすごいなー、と思いましたが、二連目が何のことをいっているのかさっぱり分かりませんでした。

5.8520 : クリスマス考現学  オダカズヒコ ('15/12/25 18:52:53)
(一)うまいのですが、深さが足りないと感じました。メリハリのある方が読みたくなる作品になると思います。
(二)突然の本気に驚愕するばかりです。

8.8533 : OVER THE SEA, UNDER THE MOON  熊谷 ('15/12/31 17:50:18 *1)
(一)詩の形では扱いにくいものが作品になっていると感じています。まとめる手腕に拍手ですね。二連目に書かれている不安と、五連目の不安はまったく別のものですが、それを意図しているのかしていないのか? 分からなかったです。
(二)物語が程よい強度で、詩的表現とうまく絡まっていました。

9.8523 : かっくかくしかじかっ!  泥棒 ('15/12/26 23:59:26)
(一)途中冷めそうになりながらも、うっかり最後まで読んでしまいます。
エンタメとしての技術が、そうさせるのでしょうか。
読んだ後に評的なものが浮かんでくる不思議さもあります。
(二)ポップ。わっしょいを飼ってるお姉さんて確か……と、過去作をひっくり返してしまいました。泥棒スターシステム? 

10.8524 : 残像  牧野クズハ ('15/12/28 16:51:57)
(一)書き方模索中の感じがしますが詩にする情景にセンスを感じます。
これからも読んでいきたい作者だと思いました。

11.8531 : 表象反転  僕 ('15/12/31 15:06:15)
(一)タイトル以上のことが伝わってこないので戸惑いました。

12.8525 : ジャンピン  ゼッケン ('15/12/28 16:52:42)
(一)迷ったのですが、力強さがよかったのでとりました。詩作品の中でSF的設定をどう扱うかは難しいと思うのですが、それを越えて登場人物の関係性を感じさせるところがあったので、よかったです。

15.8528 : 夜明けの晩  夢音 ('15/12/30 04:02:23)
(一)書きたいことと書けていることが胸を打ちました。
何作か詩を読んでいくうちに素晴らしい作品を書く作者となるのかもしれないと思いました。

16.8522 : こころ  代理人 ('15/12/26 14:16:03)
(一)夏目漱石が泣いていますよ。

17.8516 : 融解  本田憲嵩 ('15/12/21 15:01:58)
(一)わたしの読みが違うのかもしれませんが、喧嘩して(主体のあやまちで)「君」が出て行って、追いかけて行って雪のふる駐車場で抱きとめたっていうことですよね? 作中の主体、客体ともにてのひらが水平になる場面をどうしても想像できなかったのでした。
(二)奥底からの愛が、感触が伝わってくるかのようです。
詩にするだけの情感は伝わるので、それを詩世界で更に結実させていくと傑作となるのでは、と思いました。
作者は上手いです。技術ではなく中身を剥き出しにできる詩人の強さがあります。

18.8515 : 僕の道  油井陽向 ('15/12/21 11:28:25)
(一)自由:不自由=軽:重、自由→不自由という発想はわりとありきたりかも。

19.8513 : 逝く前に、鮨だ!   atsuchan69 ('15/12/19 11:13:56 *1)
(一)落語のような面白みを感じました。エンタメとしてよいのかもしれません。

20.8503 : 冬の詩人  丘 光平 ('15/12/15 10:03:29)
(一)非常に洗練されていると感じました。淡々としているのですが、一連ごとに主張のある詩です。少し恐ろしさのような、影を感じるところもよかったです。
(二)自覚的に古風で平易な言葉を用い、まとめきっています。
作品領域として作者の哲学は結実していると思います。
(三)若干「あなた」「わたしたち」の消化不良を起こしそうでしたが、読んでいてほっとする作品でした。

21.8519 : バーター  イロキセイゴ ('15/12/24 02:33:12)
(一)面白いです。
言葉のイリュージョンにしては(いや、作者がそこを狙っているかはまた違う話ですが)飛び方が足りないように見えるし、核となるような事象に根が生えていないように感じています。差し出されているものをどう受け取って良いか戸惑っているのが正直なところです。
(二)世界観は楽しいです。あと一歩の紡ぎを求めてしまうかもしれません。

22.8474 : (無題)  生活 ('15/12/04 23:13:02)
(一)もう少し読ませて欲しいですね。

23.8512 : 飛べなくなったひと  ねむのき ('15/12/19 03:34:34 *5)
(一)もう一つ突っ込んでかけるのではないかと思いました。「置きにいっている」感じがしました。
(二)個人的に非常に好きです。最終連にかけてが非常に良いですね。「おとなになる」の有触れたテーマを、そのまま出さずに比喩へと転化できたら、より良い作品となったのではないでしょうか。
(三)作者が自分のなかのなにかに向き合って書かれた作品だというのが伝わってきました。

24.8504 : 志賀直哉のパクリのような  泥棒 ('15/12/15 13:45:27)
(一)半沢さんあたりのユーモアテクニックにはびっくりしますねぇ。
さいきんやたらと「普通の人間」押しのジャルジャルを思い出しました。
ちょっと自家中毒起こしている印象で、突き詰める所を作者は思いあぐねているのかな、あんまり良くない意味で怖さを感じました。

25.8517 : 球の世界  黒髪 ('15/12/22 22:08:05)
(一)1行1行の表現は素敵です。なのに読んでいて、最後まで作者が言いたいことが分からなかった。そして最後「どうするべきかもう私は知っている」と来られると、しょんぼりしちゃいますね。

26.8518 : 立ったまま寝る  つばめ ('15/12/23 00:32:21)
(一)タイトルから気になる作品でした。空白の使い方を変えることで、後半に盛り上がりがあります。終わり方もよかったです。
(二)寺山修司が泣いてますよ。

27.8473 : 初夢  sample ('15/12/04 02:44:11 *1)
(一)タイトルが「初夢」だという効果が最終行まで行き届いています。

28.8511 :  DIARY  GENKOU ('15/12/19 00:12:40)
(一)手法が傷になっている気がしました。
(二)作品単体で「作品と気付けない」ため選外としました。内容に関しては注目作です。
(三)最終行などが気になりましたが、まず読ませようという意志と、それへと引き上げられていく言葉が、
生活の中をリアルに歩いていくことに敬意を表したいと思いました。
(四)フォントの色は要らなかったと思います。
それでもテキストが読むに値するものだと判断しました。
こういう小細工は必要ないので普通に投稿したらよいのに、と思いました。

30.8479 : 詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日  田中宏輔 ('15/12/07 00:02:18 *2)
(一)いい箇所もあるが、どうしても全体の中で平凡な場所が目立ってしまいます。「小さな冒険を挟み込む」という一定の「冒険しなさ」がマンネリになっており、全体を通して一つのコンセプトを貫く必要があると感じます。それでも詩の技術は素晴らしいので、読ませる作品ではあります。

31.8510 : 声と笑顔を失った人たちの未来へ  黒髪 ('15/12/18 23:33:07 *5)
(一)まっすぐにいい作品でした。これ以上手を加えてもバランスが崩れてしまうと思います。
(二)タイトルが違う気がします。自分の為に書くことは、そう悪いことではないですよ。

34.8484 : 潮騒  丘 光平 ('15/12/07 10:59:14)
(一)非常にスムーズな表現の作品で、完成度が高いです。ただ、どこかに引っかかりがあるともう少しインパクトのあるものになったと思います。

35.8464 : 詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日  田中宏輔 ('15/12/01 00:06:32 *3)
(一)区切れば優良だと思う日は幾つかあるので、大変惜しいです。連続する日々をどこで区切るのかもまた、意味を持たせなければならないと思います。

38.8507 : ときには花となって  山人 ('15/12/17 18:28:06)
(一)すごく素敵です。一読目は素直に読むと「花の鼻先」、あれ、ユーモア? という戸惑いがありました。

39.8506 : ペスト考(2)  あ ('15/12/16 15:30:07)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151216_711_8506p
(一)引用部分とタイトルが必要なのかな、と思ってしまいました。普通に良い作品なので引用部分が、どのような意味があるのかわかりませんでした。
(二)考というよりインスパイア? もしくはオマージュでしょうか。よく分かりませんでした。

40.8497 : 封筒  ねむのき ('15/12/12 21:54:04)
(一)最後の文字でしか表現できないカタルシスをもっと高めることが出来たように思います。

41.8502 : 続・地図に無い町  紅茶猫 ('15/12/14 22:17:32 *5)
(一)途中からだんだんとよくなってきました。音頭を控えめに書くことで、物語の難解さあまり感じさせず言葉を追っていけます。

42.8500 : 移りゆくものたち  鮎 ('15/12/14 02:06:03 *1)
(一)すごい良くなってる! と思いました。
 >見た目いびつで
 のあたりの口語の崩しを、全体的に入れられるともっと良くなりそうだなっていう印象も持ちました。

44.8493 : 小汚い太郎  陽向 ('15/12/11 13:03:41)
(一)もっと下世話になってもらえると、読んでいて楽しいのかも。

45.8488 : 続【点子が、行く。】  点子 ('15/12/08 13:12:00)
(一)強力な変な作品で、とても印象に残りました。何度も再読するに値する変な作品です。
(二)作中の主体と、読者との距離感が適切に感じられました。物語の力だけではなく、世界の中にあるギャップを生かしていると思います。
(三) 最終連の
>少年はとても愛されているらしい。そりあよかったよかった。
>わたしが 旅をするしても 桃色の鈴を捨てられないです
「そりゃあ」「旅をするとしても」に直したくなります。
内容は、小話のオチに気を取られてしまったのかな? という印象。

46.8496 : 折ること、祈ること  熊谷 ('15/12/12 17:00:36)
(一)>神様、今夜は悲しみにくれるあなたのために、あなたが気がつくまで流れ星を何個も流してあげて下さい。
 この「あなた」の使い方はなかなか攻めていますね。

48.8494 : 闇路  のら ('15/12/11 17:59:16)
(一)ただただ病んでいる僕の心象風景と言い切るには一連二連がとても良くて、それ以降失速してしまった感じ。
「のら」というペンネームなので、てっきりネコの視点だと思っていました。

50.8498 : (無題)  匿名 ('15/12/12 22:40:39)
(一)書くという営為を掴んだ方の作品的萌芽に出会えた思いです。これから作者が作品を多く読むことで、
表現がより良い方向へと行くのではないでしょうか。

53.8483 : 皆殺しの比喩  赤青黄 ('15/12/07 01:10:50 *5)
(一)良い意味で怖さを感じました。投げ出さずに最後まで走りきる体力、タフですね。迫力があった。
(二)最初、意外とありきたりな表現と思ったのですが、途中からぐっと良くなってきました。タイトルを全力で表現しているようでよかったです。
(三)発想は凡庸ですが、やりたいことが出来ている作品になっていると思います。

54.8491 : #07  田中恭平 ('15/12/10 06:24:23 *1)
(一)日常を詩にするというのはこういうことだと感心しました。それぞれの連も単品としてよく、関係性も抜群だと感じました。
(二) 人間って散文だよなーって思いました。

55.8482 : 無題  zero ('15/12/07 00:29:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151207_469_8482p
(一)好みの問題かもしれませんが、タイトルがはっきりしている方が詩の色も感じられてよかったかと思います。
(二) 僕は壊れてしまいました、
から始まり、ここまでの作品が書けるということに驚きました。
これは、よほどの力量と勇気がないとできないことです。
領域としてのぎりぎりを打ち出しながら貫いている見事な作品だと思います。

56.8486 : NHK老人の主張:テレビとわたし  裏階段に腰掛けて ('15/12/08 11:03:58)
(一)作者の作品の中で一番、出来が良いです。作品名が、しかし作品に追いついていません。作品名は詩の一部以上のものであると思うのですが。

62.8466 : 宇宙人が来た  北 ('15/12/01 08:29:05 *3)
(一)物語の軽さと、学園という舞台が宇宙人という非日常をうまく包み込んでいます。詩にしかなしえない物語の活かし方ができていると感じました。

63.8471 : たわいない会話 ―悲劇をよむこと―  鮎 ('15/12/02 20:48:28)
(一)タイトルの枠を出ないのですが、出る必要もないのでこれでいいのだと思います。しっかりと主張も入っていますし、くすりとする感じも悪くありません。

65.8476 : ドライブ  少年B ('15/12/05 09:59:23)
(一)敵がいなかった、とするにはやはり敵を書き込む必要があるのでは。

66.8475 : 島  山人 ('15/12/05 07:49:50 *2)
(一)作者の詩集に入っているとしたら良いアクセントとなる作品に思えます。
単品としては今一歩なのかもしれません。

68.8463 : 百合 #1  アルフ・O ('15/12/01 00:00:04)
(一)未来を選別した両腕は
この綴りだけが抽象性を排していて随分と、そのままなので非常に気になりました。
作者は随分とうまくなり作品世界を高めているので、もうすぐ傑作が産まれるのかな、と思いもしています。

69.8468 : 世界が終わる日  水から生まれた女 ('15/12/02 14:21:31)
(一)書きたいことは、とても良く分かります。
90年代や80年代に書き尽された題材であることや、
重ならないためには独自の一歩進んだものが必要であることなどを理解した上で書くと、
もっと面白いものになる気がします。

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2015年12月分月間優良作品・次点佳作発表

2016-01-25 (月) 22:53 by 文学極道スタッフ

2015年12月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。

※「2015年・年間各賞」は4月頃に発表予定です。

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2015年11月分月間選考雑感(スタッフ)

2016-01-12 (火) 22:02 by 文学極道スタッフ

8453 : 無題  湯煙 ('15/11/24 00:11:56 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151124_959_8453p
(一)
 放尿の果てに
で、それまでの跳躍と硬さから見えてくる皮肉なイメージが惑溺する思いと破顔の相貌を押し出し、
一気に掴まれました。
こういう手法もあるのですね。

2.8462 : 失態  イロキセイゴ ('15/11/30 23:43:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151130_180_8462p
(一)裏切りが中途半端なのではないでしょうか。
(二)そうですね、失態ですね。もう少し読者におもねってみてもよいのかもしれません。

3.8460 : 陽炎  月うさぎ ('15/11/30 16:02:46 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151130_166_8460p
(一)「二人」「あれはあの夏」といった言葉は私性が強く、他人の寝室を見せられているような心持ちになりますね。たぶん銀色夏生などがお好きだと思います。
 ともあれ、表現されている事象については素敵だと感じました。
(二)書き始めて日が浅い方の作品だと思います。
初連の二行が、きちんとイメージとして結実していて次の行を読みたい思いに駆られていきます。
四連目以降が、ありふれた言葉で既視感のある文章として書かれてしまっているので、
四連目以降を初連と同じだけの緊張感を持って書いてほしいと思いました。
これから、どのような変容を遂げていくのか楽しみです。
書き始めて日が浅いということは素晴らしい作品を書き当てるまでの楽しみを長く持つことができるということなので、
うまくいけば傑作を書くようになるのではないでしょうか。
「あれは
 あの夏」
と、
「窓が真っ赤な夕日に彩られ」
の面白さの違いを感じながら書いていって欲しいと思いました。

4.8446 : フフンフフ  小林くまお ('15/11/23 02:05:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151123_897_8446p
(一)始まり方がどきっとしますね。全体的にライトノベル文体が合っていておもしろかったです。
 最後まで悩みました。循環が循環していないことがポイントだと思うのに、説明がそこの周りをふんわりとしてしまっているように読めて、惜しい、という印象が拭えなかったからです。

5.8461 : 透過するレース  れたすたれす ('15/11/30 20:45:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151130_172_8461p
(一)全体的に面白さを持っている詩情があります。途中、説明を挟んでいく部分が非常に気になりました。説明しない方が行間が広がって更なる詩情を獲得したのではないでしょうか。

6.8445 : キングコング岬  atsuchan69 ('15/11/21 22:50:42)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20151121_832_8445p
(一)勢いがあり謎で、一見突き放しているようで流れのしっかりしているところが良かったです。
(二)最近、さまざまな手法を試している作者の結実が見えてきました。
魅力ある作品であり再読するに値するものがありました。
(三)タイトルがキャッチーですね。下ネタの客層などに思いを馳せてしまいました。

7.8458 : 幻ノ記憶  垣宮 ('15/11/27 23:22:40 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151127_077_8458p
(一)リズムがよい。

8.8457 : 神様のはなし  熊谷 ('15/11/27 20:21:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151127_069_8457p
(一)夫婦関係などがドライに語られる詩は少ないと思います。それがうまく扱われていますし、神様というテーマに対する哲学的アプローチも感じられ、とても面白く読むことができました。
(二)一連ごとに相対性のあるもの「過去ー未来」「生ー死」「存在しないー存在する」を扱い、四連目で表層の(今までのベースになっていた)神様にGPSをつけるという話を否定することで肯定できる何かを浮かび上がらせる。
 とても面白かったです。

11.8454 : 何もない一日  赤青黄 ('15/11/25 08:45:46 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151125_986_8454p
(一)「猫がいる。いつも死んでいる」で全てが覆されて、いい作品だと思いました。淡々とした前半が意味を持ってきました。
(二)「何もない」や「幸せ」は書かないでもよかったのではないでしょうか。
(三)読んでいて不安になる部分があって、そこが魅力と言えるような、言えないような。

12.8459 : かなしみ   前田ふむふむ ('15/11/28 08:49:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151128_083_8459p
(一)静謐に自分と向き合う人の横顔を見たような気になりました。

13.8456 : ラーメン道  山人 ('15/11/25 20:40:04 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151125_021_8456p
(一)熱すぎるほどに書かれていますが食べるという浄化がないため、
かなり中途半端に終わってしまった印象があります。
最初に絶頂が来て、ずっと失速しているため構成を変えてみると、もっと良い作品として立ち上がるのではないでしょうか。
ラーメンは書き尽されてきた題材なので、そこへと挑む姿勢は評価に値すると思います。
(二)行けば分かるさ、とは行かないようで。周辺事情を説明することで道を書き出そうという意図はとても面白いと感じるのですが、作品を読むことでラーメンを味わった気になれたらもっと良かったのではないかなぁと思います。

14.8455 : ペスト考(1)  あ ('15/11/25 12:50:36)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151125_991_8455p
(一)批評はフォーラムでお願いしたいところです。なにとぞよしなに。

15.8426 : 甘露  鮎 ('15/11/16 02:03:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151116_591_8426p
(一)ささいな日常の情景がリアルで共感する部分もあり、更に切り取り方が絶妙なので中に入り込んでしまう力のある作品だと思いました。
「虫が喰いが」の噛んでいる部分が残念には思いました。
また「こんな些細な出来事が」の「こんな」があることで、文章の断絶化が進んでいるようにも思えました。
「些細な」から始まって読み手に包括を委ねた方が奥行きが出たように感じます。
けれども良い作品です。もう少し整えたら傑作になるのかもしれないですね。
(二)タイトル、突然の(作中話者に託した)自分語り、最後の感慨、想定している読者層が分からなくなる作品でした。

16.8412 : 水の箱舟  裏階段に腰掛けて ('15/11/09 05:43:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151109_289_8412p
(一)特に悪い部分が見当たらないと思いました。それが良いことなのか悪いことなのかは分かりません。
この作品は、世界観を提示することに関して充分な効果を持つ作品だと思います。
連作にしたり断章にしたりして、
この作品を頭に、あと10倍くらいの分量で読みたい、
それだけの分量でも、きっと読み込んでしまうのではないか、と思わさせられる印象を得ました。
選考後に作者名を見たのですが、作者はレス欄で、よく激昂しているのに作品は全然ちがうんだな、
その激昂している熱量を作品へと向けたら更に良いものとなるのかな、と思いました。

17.8441 : どうしょもないし  GENKOU ('15/11/20 21:59:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151120_797_8441p
(一)捻り方がおもしろかったです。
(二)途中まで、どうしようもない自分への葛藤を詩へと昇華できている予感に満ちていました。
どうしようもなさを破壊へと向かわせていっていますが作者の繊細な感覚に、それが合っていたかどうか。
繊細なまま、どうしようもなさを放棄せず詩としても向き合った方が作者の素晴らしく詩的な背中が傑作として浮かび上がるような気がしました。
(三)途中からの破綻を最後にメタ化していこうとする作者の作品としては新しい試みに思えます。
ただし、その分、作者の作品内に常にあった魅力である人間的感情が直情が薄れていて詩情の薄れになっているようにも感じられます。
作者の真っ向勝負の詩作品のほうが心を動かされるものがありました。
技術として、この方向性は書き続けていて良いと思います。
ただ作者は、もっと違う方向で良い詩を書けているので自分の良さを最大限に発揮して欲しいとも感じました。

18.8449 : 新、呼吸  LEK ('15/11/23 06:23:37 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151123_911_8449p
(一)立脚している部位がおやじギャグなので、そこの面白さを、もっと伝えたり破壊すると良いのかな、と思ったり思わなかったりしました。
エンタメに仕上げる難しさを垣間見た気がします。
(二)リズムが良く、言葉も丁寧に並べられています。
(三)ついたレスの方が面白かったですね。

19.8440 : 有給休暇  少年B ('15/11/20 16:28:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151120_788_8440p
(一)途中の会話っぽい部分が誰が誰にいっているか分かればもう少し違った受け取り方ができそうです。

21.8394 : 敵  zero ('15/11/02 04:45:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151102_012_8394p
(一)AはBである、という前提についていけませんでした。ついていけなくても楽しめる場合もあるのですが、今回は違いました。
(二)二連目の説明的部分が気になりましたが無駄のない詩情であり勉強になります。
人間が作品に立脚しています。

24.8437 : 山手線と、終わらないダンスミュージックのはなし  熊谷 ('15/11/19 20:49:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151119_758_8437p
(一)畳み掛けてくる言葉がどれも意味を持ってすっと入ってきました。ただ個人的には、改行した方がより重層的になった気がします。
(二)小品として出来は良いと思います。ただ書き込みや雰囲気と分量が中途半端な感はあります。同じ展開で差異のある二連目を始めてもよいのかもしれません。
(三)山手線(環状(感情?)線)を配置してくるくると同じ所を回っている、それを淡々と受け止めている前半部分の描写。それと、よく分からない展開になってしまって、作中主体の決心をみているしかなくなる後半部分が上手く噛み合っていない印象。「自分と〜する」というのは作者の作品によく見る表現ですが、今回は内容と齟齬が生じています。
 大切な思い出は(作中話者の知らない)終わらないダンスミュージックが流れる場所にいるのだろうという着想はとても惹かれるものがありますが、見知らぬ男に導かれていったくらいじゃ、さよなら出来ないんじゃないかなぁ。

25.8439 : 既読スルー  泥棒 ('15/11/20 13:02:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151120_779_8439p
(一)えりちゃんがあんまり魅力的に読めませんでした。もっとぶっ飛んでもいいと思います。

27.8421 : (無題)  少年B ('15/11/14 14:17:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151114_519_8421p
(一)双生児もの世にはたくさんありますよね。
それを使って何を書くのか? ということだと思います。
今回のテーマですと、萩尾望都「半神」がもうやっちゃってますから、評価は辛くなってしまいます。
若さ、ポップさは作者ならではのものだと思うので、そこをもう少し突き詰めたものを読みたいなー、と期待しています。

28.8414 : さよなら象徴主義  北 ('15/11/09 06:57:24 *198)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151109_297_8414p
(一)流用的文体と展開がユーモアを増していきます。
初連と最終連のバランスが気になりました。

31.8430 : 尊厳死の処置に因る実験映像室の幽霊的現象について  鷹枕可 ('15/11/17 14:37:43)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20151117_657_8430p
(一)最終行の「散文」にだけ違和感を感じました。一貫した作風の中でタイトルへの主題を見事書いていると思います。

32.8402 : 別の詩  三台目全自動洗濯機 ('15/11/03 22:51:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151103_059_8402p
(一)(一)ハルキストやライトノベルが純文学にまで達したゼロ年代を通過しての上手な作品だと感じました。
丁寧に作られているな、と思います。

34.8431 : ウーん? 青空が破裂しそうだぁ?  おでん ('15/11/17 22:11:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151117_673_8431p
(一)パンツの唐突さに笑いました。そこまでの紆余曲折、もう少し捻れる印象です。

35.8428 : マチ子とブタと病室で  尾田和彦 ('15/11/16 21:38:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151116_626_8428p
(一)物語としても素敵でした。そして、ちょうどいい言葉数で表現されています。

36.8427 : アクリル・ホテル  ねむのき ('15/11/16 11:34:05 *8)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151116_604_8427p
(一)丁寧に紡がれています。作中の主題となっているものと比喩が、
これまでに使用されているものと重なることが気になります。
もっと独自性に富んだ比喩にしてみると過去さまざまな方が書いてきた諸作との差異が見せられて面白いのかもしれません。

37.8423 : 神楽 ─葉月の舞─  彫刻刀 ('15/11/14 21:14:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151114_535_8423p
(一)葉月??

39.8391 : 詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日  田中宏輔 ('15/11/02 00:01:25 *7)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151102_005_8391p
(一)どうしても詩として弱い日があるのですが、全体としては詩情を感じさせる出来になっています。

40.8420 : 雨の音  湖中 ('15/11/12 00:34:55)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20151112_432_8420p
(一)初連から非常に素晴らしい世界観が展開されていきます。
詩として高い位置にある綴りが続いていきますが、
「   先生、詩は孤独を癒やす魔法じゃない
    その意味では、詩だって生活の働きなのです」
など詩の中で書くことでの前提を比喩に昇華せず直接性を押し出していくことは、
果たして、この作品の中で効果的だったのでしょうか。
この部分などが初連からの比喩展開で書かれていたら名作になったのかもしれない、という思いを抱きました。
また作者の作品を読んでみたいです。

41.8422 : 淡い水色の  本田憲嵩 ('15/11/14 19:12:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151114_529_8422p
(一)硬骨さを持った単語の切れ味を「淡い水色」の中へと包み、
過去と決着がつけられない自己自身の像的形象を押し出してきます。
「のような」や「、」は果たして本作で効果的に働いているのか疑問も感じました。
自分自身に向き合い続けているだろうことが作品に滲んでしまう作品は作者に合っていると思いますし勉強になります。

42.8396 : 魔王  裏階段に腰掛けて ('15/11/02 21:40:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151102_028_8396p
(一)作品として特に悪くないと思います。
初連と二連の間に僅かな情景描写を入れても(抽象的描写でも)更なる詩情を獲得できそうです。
最後の切り取り方が、
凡庸になった部分も気になります。
独特の言葉はこびがあったので、その独自性のまま最後の余白へ拡充させても良いのかな、と思いました。
レスとして作品の読みを作者がなしていますが、この作品に関しては、
作者の読みよりも面白い読みが作品に宿っている可能性があるので、
あまり読者の読みへの楽しみを奪わなくても良いのかな、とも思いました。

43.8399 : 花  紅茶猫 ('15/11/03 17:02:29 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151103_046_8399p
(一)もう一つ展開があれば、と思いました。
(二)賞での優劣は別にして書き続けて欲しい魅力を持つ作品だと思いました。

44.8393 : 僕のノートに  北 ('15/11/02 00:32:45 *9)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151102_007_8393p
(一)部分部分に魅力が感じられました。少しまとまりがない感じはしましたが、それでも言葉に力があるのでよかったです。
(二)もう少し足りない部分が読み手に余白を与えています。
分量に関して最初、懐疑的でしたが、
さまざまな格言的ものやフィクション的ものへ詩的再構成を促す方法として成功していると思います。

46.8416 : サクリファイス  蛾兆ボルカ ('15/11/09 22:00:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151109_349_8416p
(一)あり得ない情景なのですが、想像することができました。元となる作品を知らないのですが、あくまで詩作品として良い世界観だと感じました。

47.8419 : 共通する無題詩  山人 ('15/11/10 16:24:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151110_394_8419p
(一)三作提示することで、それぞれの詩の特性と表現の豊かさの差異を咀嚼させることに成功していると思います。
タイトルを一行の詩と考えると、もう少し作品にふさわしいタイトルがありそうだとも思いました。

54.8406 : 黒魔術  本田憲嵩 ('15/11/06 18:47:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151106_147_8406p
(一)作品として、これからが楽しみな作品だと思います。
まだ未完成で書き方を模索中な筆致が伝わってきます。
作者は、自己をリアルに描写することに長けていて、その作品は非常に高い位置にあると思うので、
そういった作品も、また書いて欲しいです。

55.8397 : 落葉の中で  鮎 ('15/11/03 02:39:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151103_035_8397p
(一)少ない単語で、深いところを表現できていると感じました。何度か読み返してみたい作品です。
(二)最終連が非常に印象的です。
 蜂の死骸
に匹敵するだけのものを、それまでに書けているかどうか。
もう少し凝縮した作品となれそうです。

56.8407 : 海の詩編  ねむのき ('15/11/06 20:15:09 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151106_152_8407p
(一)詩に関しての言及が本当に必要だったかどうか。
また各篇について良質さに高低差があることが気になります。

57.8401 : 或る気候の噂の為の十一節からなる唱歌  鷹枕可 ('15/11/03 21:34:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151103_058_8401p
(一)作品世界が魅力的で、よく作り込まれているのがわかります。言葉の配置もよいと思います。
(二)自分の世界や追究しようとするものを持っている方の作品は、やはり面白いです。
惹き込まれるだけの十分な強度を持っています。

59.8417 : 陳さん  湯煙 ('15/11/09 22:27:02 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151109_352_8417p
(一)読み進めるだけのものがありました。
散りばめられた暗喩も上手い。
最終行、これで良いのか気になります。
(二)難しいことは何もしていないのですが、伝えたいことは全て表現できていると感じました。物語自体も興味が惹かれるもので、最後の一行も作品をしめるものとしてよかったです。

60.8405 : pavitra(  lalita ('15/11/06 16:48:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151106_142_8405p
(一)どんどん作品からの狂気が薄れていき平凡なものとなっていっています。
作者の過去作は良い悪いは別にして狂気の行先が気になるだけのものがありました。
不快感も弱いですし不調なのでしょうか。
それとも詩を書くより、なにか良いことが見つかったのかな、と思いました。

61.8415 : 殻  れたすたれす ('15/11/09 21:49:46 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151109_347_8415p
(一)前半のスピードと後半の拡張された比喩での綴りが実に効果的です。
最後のほうは隠喩として多くを読み取れる幅の広さがあるため「殻」という言葉と共に作品を見事、伸ばしていけています。
ただしざらつきと脱臼をリズムに置いていること、一呼吸での区切りが最後の比喩表現までの勢いを断絶していることが勿体なくは感じました。
もっと良い作品になるのではないでしょうか。

64.8392 : A  アルフ・O ('15/11/02 00:12:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151102_006_8392p
(一)素敵なイメージの展開が為されています。このまま書き続けていって欲しいです。

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