文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

2015年12月分月間選考雑感(スタッフ)

2016-02-13 (土) 23:14 by 文学極道スタッフ

1.8521 : 背骨のために  かとり ('15/12/25 20:59:44)
(一) こういう螺旋構造は惹かれるものがありますが、もう少し捻れそうな印象でした。「父」「母」「兄」の古典的文脈を使って古典的物語を語っているけれど、作者はそれをよしとしていないのではないかというか。。。もやもやする読後感でした。
(二)「背骨」という比喩が奥行きを持って機能しています。音的な流れも良い。
途中の一文字ずつになる部分が、縦書きにしても機能的であるとは思えませんでした。
もう一展開あると素晴らしい作品になりそう。

2.8534 : 川  イロキセイゴ ('15/12/31 23:59:07)
(一)情景だけでなく、作者の内面的な世界観もよく表現されていると感じました。
(二)要素の絡まり方が興味深く楽しめました。
  「恋うた」文語であれば「ふ」で構わないと思うし、文法的には促音にするのも良いのかもしれませんね。

3.8509 : 九つの死骸への彌散曲に基づく擬態の花々に於いて/アレンジ  鷹枕可 ('15/12/17 22:50:39)
(一)「つまり」「すなわち」って言葉を多用し過ぎな気がします。説明すると壊れてしまうものを扱ってそうなのになーって。

4.8527 : landing  重山サチカ ('15/12/29 23:17:01)
(一)一行いちぎょうの必然性に驚きます。
甘さが目立ちもしますが、それが味になっています。
(二)一連目の離人感がすごいなー、と思いましたが、二連目が何のことをいっているのかさっぱり分かりませんでした。

5.8520 : クリスマス考現学  オダカズヒコ ('15/12/25 18:52:53)
(一)うまいのですが、深さが足りないと感じました。メリハリのある方が読みたくなる作品になると思います。
(二)突然の本気に驚愕するばかりです。

8.8533 : OVER THE SEA, UNDER THE MOON  熊谷 ('15/12/31 17:50:18 *1)
(一)詩の形では扱いにくいものが作品になっていると感じています。まとめる手腕に拍手ですね。二連目に書かれている不安と、五連目の不安はまったく別のものですが、それを意図しているのかしていないのか? 分からなかったです。
(二)物語が程よい強度で、詩的表現とうまく絡まっていました。

9.8523 : かっくかくしかじかっ!  泥棒 ('15/12/26 23:59:26)
(一)途中冷めそうになりながらも、うっかり最後まで読んでしまいます。
エンタメとしての技術が、そうさせるのでしょうか。
読んだ後に評的なものが浮かんでくる不思議さもあります。
(二)ポップ。わっしょいを飼ってるお姉さんて確か……と、過去作をひっくり返してしまいました。泥棒スターシステム? 

10.8524 : 残像  牧野クズハ ('15/12/28 16:51:57)
(一)書き方模索中の感じがしますが詩にする情景にセンスを感じます。
これからも読んでいきたい作者だと思いました。

11.8531 : 表象反転  僕 ('15/12/31 15:06:15)
(一)タイトル以上のことが伝わってこないので戸惑いました。

12.8525 : ジャンピン  ゼッケン ('15/12/28 16:52:42)
(一)迷ったのですが、力強さがよかったのでとりました。詩作品の中でSF的設定をどう扱うかは難しいと思うのですが、それを越えて登場人物の関係性を感じさせるところがあったので、よかったです。

15.8528 : 夜明けの晩  夢音 ('15/12/30 04:02:23)
(一)書きたいことと書けていることが胸を打ちました。
何作か詩を読んでいくうちに素晴らしい作品を書く作者となるのかもしれないと思いました。

16.8522 : こころ  代理人 ('15/12/26 14:16:03)
(一)夏目漱石が泣いていますよ。

17.8516 : 融解  本田憲嵩 ('15/12/21 15:01:58)
(一)わたしの読みが違うのかもしれませんが、喧嘩して(主体のあやまちで)「君」が出て行って、追いかけて行って雪のふる駐車場で抱きとめたっていうことですよね? 作中の主体、客体ともにてのひらが水平になる場面をどうしても想像できなかったのでした。
(二)奥底からの愛が、感触が伝わってくるかのようです。
詩にするだけの情感は伝わるので、それを詩世界で更に結実させていくと傑作となるのでは、と思いました。
作者は上手いです。技術ではなく中身を剥き出しにできる詩人の強さがあります。

18.8515 : 僕の道  油井陽向 ('15/12/21 11:28:25)
(一)自由:不自由=軽:重、自由→不自由という発想はわりとありきたりかも。

19.8513 : 逝く前に、鮨だ!   atsuchan69 ('15/12/19 11:13:56 *1)
(一)落語のような面白みを感じました。エンタメとしてよいのかもしれません。

20.8503 : 冬の詩人  丘 光平 ('15/12/15 10:03:29)
(一)非常に洗練されていると感じました。淡々としているのですが、一連ごとに主張のある詩です。少し恐ろしさのような、影を感じるところもよかったです。
(二)自覚的に古風で平易な言葉を用い、まとめきっています。
作品領域として作者の哲学は結実していると思います。
(三)若干「あなた」「わたしたち」の消化不良を起こしそうでしたが、読んでいてほっとする作品でした。

21.8519 : バーター  イロキセイゴ ('15/12/24 02:33:12)
(一)面白いです。
言葉のイリュージョンにしては(いや、作者がそこを狙っているかはまた違う話ですが)飛び方が足りないように見えるし、核となるような事象に根が生えていないように感じています。差し出されているものをどう受け取って良いか戸惑っているのが正直なところです。
(二)世界観は楽しいです。あと一歩の紡ぎを求めてしまうかもしれません。

22.8474 : (無題)  生活 ('15/12/04 23:13:02)
(一)もう少し読ませて欲しいですね。

23.8512 : 飛べなくなったひと  ねむのき ('15/12/19 03:34:34 *5)
(一)もう一つ突っ込んでかけるのではないかと思いました。「置きにいっている」感じがしました。
(二)個人的に非常に好きです。最終連にかけてが非常に良いですね。「おとなになる」の有触れたテーマを、そのまま出さずに比喩へと転化できたら、より良い作品となったのではないでしょうか。
(三)作者が自分のなかのなにかに向き合って書かれた作品だというのが伝わってきました。

24.8504 : 志賀直哉のパクリのような  泥棒 ('15/12/15 13:45:27)
(一)半沢さんあたりのユーモアテクニックにはびっくりしますねぇ。
さいきんやたらと「普通の人間」押しのジャルジャルを思い出しました。
ちょっと自家中毒起こしている印象で、突き詰める所を作者は思いあぐねているのかな、あんまり良くない意味で怖さを感じました。

25.8517 : 球の世界  黒髪 ('15/12/22 22:08:05)
(一)1行1行の表現は素敵です。なのに読んでいて、最後まで作者が言いたいことが分からなかった。そして最後「どうするべきかもう私は知っている」と来られると、しょんぼりしちゃいますね。

26.8518 : 立ったまま寝る  つばめ ('15/12/23 00:32:21)
(一)タイトルから気になる作品でした。空白の使い方を変えることで、後半に盛り上がりがあります。終わり方もよかったです。
(二)寺山修司が泣いてますよ。

27.8473 : 初夢  sample ('15/12/04 02:44:11 *1)
(一)タイトルが「初夢」だという効果が最終行まで行き届いています。

28.8511 :  DIARY  GENKOU ('15/12/19 00:12:40)
(一)手法が傷になっている気がしました。
(二)作品単体で「作品と気付けない」ため選外としました。内容に関しては注目作です。
(三)最終行などが気になりましたが、まず読ませようという意志と、それへと引き上げられていく言葉が、
生活の中をリアルに歩いていくことに敬意を表したいと思いました。
(四)フォントの色は要らなかったと思います。
それでもテキストが読むに値するものだと判断しました。
こういう小細工は必要ないので普通に投稿したらよいのに、と思いました。

30.8479 : 詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日  田中宏輔 ('15/12/07 00:02:18 *2)
(一)いい箇所もあるが、どうしても全体の中で平凡な場所が目立ってしまいます。「小さな冒険を挟み込む」という一定の「冒険しなさ」がマンネリになっており、全体を通して一つのコンセプトを貫く必要があると感じます。それでも詩の技術は素晴らしいので、読ませる作品ではあります。

31.8510 : 声と笑顔を失った人たちの未来へ  黒髪 ('15/12/18 23:33:07 *5)
(一)まっすぐにいい作品でした。これ以上手を加えてもバランスが崩れてしまうと思います。
(二)タイトルが違う気がします。自分の為に書くことは、そう悪いことではないですよ。

34.8484 : 潮騒  丘 光平 ('15/12/07 10:59:14)
(一)非常にスムーズな表現の作品で、完成度が高いです。ただ、どこかに引っかかりがあるともう少しインパクトのあるものになったと思います。

35.8464 : 詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日  田中宏輔 ('15/12/01 00:06:32 *3)
(一)区切れば優良だと思う日は幾つかあるので、大変惜しいです。連続する日々をどこで区切るのかもまた、意味を持たせなければならないと思います。

38.8507 : ときには花となって  山人 ('15/12/17 18:28:06)
(一)すごく素敵です。一読目は素直に読むと「花の鼻先」、あれ、ユーモア? という戸惑いがありました。

39.8506 : ペスト考(2)  あ ('15/12/16 15:30:07)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151216_711_8506p
(一)引用部分とタイトルが必要なのかな、と思ってしまいました。普通に良い作品なので引用部分が、どのような意味があるのかわかりませんでした。
(二)考というよりインスパイア? もしくはオマージュでしょうか。よく分かりませんでした。

40.8497 : 封筒  ねむのき ('15/12/12 21:54:04)
(一)最後の文字でしか表現できないカタルシスをもっと高めることが出来たように思います。

41.8502 : 続・地図に無い町  紅茶猫 ('15/12/14 22:17:32 *5)
(一)途中からだんだんとよくなってきました。音頭を控えめに書くことで、物語の難解さあまり感じさせず言葉を追っていけます。

42.8500 : 移りゆくものたち  鮎 ('15/12/14 02:06:03 *1)
(一)すごい良くなってる! と思いました。
 >見た目いびつで
 のあたりの口語の崩しを、全体的に入れられるともっと良くなりそうだなっていう印象も持ちました。

44.8493 : 小汚い太郎  陽向 ('15/12/11 13:03:41)
(一)もっと下世話になってもらえると、読んでいて楽しいのかも。

45.8488 : 続【点子が、行く。】  点子 ('15/12/08 13:12:00)
(一)強力な変な作品で、とても印象に残りました。何度も再読するに値する変な作品です。
(二)作中の主体と、読者との距離感が適切に感じられました。物語の力だけではなく、世界の中にあるギャップを生かしていると思います。
(三) 最終連の
>少年はとても愛されているらしい。そりあよかったよかった。
>わたしが 旅をするしても 桃色の鈴を捨てられないです
「そりゃあ」「旅をするとしても」に直したくなります。
内容は、小話のオチに気を取られてしまったのかな? という印象。

46.8496 : 折ること、祈ること  熊谷 ('15/12/12 17:00:36)
(一)>神様、今夜は悲しみにくれるあなたのために、あなたが気がつくまで流れ星を何個も流してあげて下さい。
 この「あなた」の使い方はなかなか攻めていますね。

48.8494 : 闇路  のら ('15/12/11 17:59:16)
(一)ただただ病んでいる僕の心象風景と言い切るには一連二連がとても良くて、それ以降失速してしまった感じ。
「のら」というペンネームなので、てっきりネコの視点だと思っていました。

50.8498 : (無題)  匿名 ('15/12/12 22:40:39)
(一)書くという営為を掴んだ方の作品的萌芽に出会えた思いです。これから作者が作品を多く読むことで、
表現がより良い方向へと行くのではないでしょうか。

53.8483 : 皆殺しの比喩  赤青黄 ('15/12/07 01:10:50 *5)
(一)良い意味で怖さを感じました。投げ出さずに最後まで走りきる体力、タフですね。迫力があった。
(二)最初、意外とありきたりな表現と思ったのですが、途中からぐっと良くなってきました。タイトルを全力で表現しているようでよかったです。
(三)発想は凡庸ですが、やりたいことが出来ている作品になっていると思います。

54.8491 : #07  田中恭平 ('15/12/10 06:24:23 *1)
(一)日常を詩にするというのはこういうことだと感心しました。それぞれの連も単品としてよく、関係性も抜群だと感じました。
(二) 人間って散文だよなーって思いました。

55.8482 : 無題  zero ('15/12/07 00:29:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20151207_469_8482p
(一)好みの問題かもしれませんが、タイトルがはっきりしている方が詩の色も感じられてよかったかと思います。
(二) 僕は壊れてしまいました、
から始まり、ここまでの作品が書けるということに驚きました。
これは、よほどの力量と勇気がないとできないことです。
領域としてのぎりぎりを打ち出しながら貫いている見事な作品だと思います。

56.8486 : NHK老人の主張:テレビとわたし  裏階段に腰掛けて ('15/12/08 11:03:58)
(一)作者の作品の中で一番、出来が良いです。作品名が、しかし作品に追いついていません。作品名は詩の一部以上のものであると思うのですが。

62.8466 : 宇宙人が来た  北 ('15/12/01 08:29:05 *3)
(一)物語の軽さと、学園という舞台が宇宙人という非日常をうまく包み込んでいます。詩にしかなしえない物語の活かし方ができていると感じました。

63.8471 : たわいない会話 ―悲劇をよむこと―  鮎 ('15/12/02 20:48:28)
(一)タイトルの枠を出ないのですが、出る必要もないのでこれでいいのだと思います。しっかりと主張も入っていますし、くすりとする感じも悪くありません。

65.8476 : ドライブ  少年B ('15/12/05 09:59:23)
(一)敵がいなかった、とするにはやはり敵を書き込む必要があるのでは。

66.8475 : 島  山人 ('15/12/05 07:49:50 *2)
(一)作者の詩集に入っているとしたら良いアクセントとなる作品に思えます。
単品としては今一歩なのかもしれません。

68.8463 : 百合 #1  アルフ・O ('15/12/01 00:00:04)
(一)未来を選別した両腕は
この綴りだけが抽象性を排していて随分と、そのままなので非常に気になりました。
作者は随分とうまくなり作品世界を高めているので、もうすぐ傑作が産まれるのかな、と思いもしています。

69.8468 : 世界が終わる日  水から生まれた女 ('15/12/02 14:21:31)
(一)書きたいことは、とても良く分かります。
90年代や80年代に書き尽された題材であることや、
重ならないためには独自の一歩進んだものが必要であることなどを理解した上で書くと、
もっと面白いものになる気がします。

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