七月選考は、とにかく割れに割れました。
そんな中、
積み上がる子供 辻
は、満場一致で群を抜いた得点をたたき出しました。明記しておきます。
さて、優良作品はどれもレベルの高いもので、次点佳作作品も非常に上手く、現代詩病の蔓延も感じましたが、勉強になりました。
次点佳作作品に選出されました、
rainy,rainy はるらん
は、決して上手くはないのですが、描く本質というか、中核をきちんと持った作品に感じます。技術に走りがちな投稿作品の中で、ひょっとしたら芯をしっかりと示した唯一の作品なのかもしれません。良い部分は残したまま、合評で受けた指摘を汲んで伸びて言って欲しく思います。
[ sister(s)/石の視線 ] 枷仔
は、はるらんさんの作品とは対極にあるのですが、個人的にとても好きな作品です。次点に留まったのは作品と読み手が浮き出す差異があまりに顕著だったからなのかな、と思っています。優れた書き手なのは間違いがないことなので、作品をあまり客観視しすぎずに、自分の言語世界にもっと溺れ、その上で読み手を引き寄せることが必要なのかもしれません。次も楽しみにしています。
さて、惜しくも選には漏れてしまいましたが、
ウィリー、ウィリー、きみの名は、 Canopus(角田寿星)
が私はとても好きでした。エンターテイメントとしての詩はもっと書かれるべきだと思うし、その多くの可能性を提示した見事な作品だと思います(中間集中を途切れさせたのが難点なのかもしれません)。
林檎 灰人
も、詩としての芯を捉えているという点で、注目しました。
書き手としては、ワタナベさんにかなり注目しています。富んだ詩情の今後が気になります。
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2007-08-28 (火) 22:29 by
hotaru
選考を終えてみて、選に漏れてしまった作品の中には、とても惜しいと思う作品が7月にもやはりいくつかあって。
そのなかでも兎太郎さんの「土のなかから」 が特に私は惜しかったと思います。この作品、私はかなり好きでした。
ただ、文章的には推敲されるべき箇所がいくつかあるのではないかとは思います。
ケムリさんがコメントしていたことと重なりますが、「まほうつかいの学校」ではなく、普通の学校にしたほうが良かったように思います。現実的な日常において展開されたほうが、この作品のもつ独特のニュアンスがもっと活きてくる気がします。
あと、タイトルが「土のなかから」なのに作中では砂になっているところもちょっと気になりました。
ですが、こういう細かいことも補ってなお余りある作品の世界感。読後の余韻は不思議な感覚でした。
8月に投稿された「舞妓さん」もかなり印象的です。
この書き手さんの今後の作品を私はとても楽しみにしています。
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2007-08-21 (火) 21:27 by
ダーザイン
2007年7月分月間優良作品・次点佳作発表になりました
7月分月間優良作品・次点佳作
8月26日(日曜)、札幌での朗読イベントの御案内です。
19時30分より、焼き鳥やジャンボとバナナボート(バー)主催で、
詩の朗読イベントが行われます。
会場はバナナボート(電話011-231-1368)
(札幌市中央区南3条西6丁目長栄ビル3F)
チャージ500円。
今回はジャズとかいった縛りはありません。
何かバンドは来るようですが、まだ決まっていないとのこと。
酒飲みの方、聴衆もどしどし来て下さい。
朗読出演人員によっては特に時間枠を決めないかも。
ただ、10分とか延々とやると聴衆が疲れるでしょう。
直接会場に来てくださってかまいませんが、
事前に「出るよ」と、ダーザインにメールか電話くださると
状況把握できて助かります。
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2007年6月度。
今月を総括すれば、概して、優れた作品に恵まれなかった月間では、
なかっただろうか。と思いました。
安定した筆力をもって書いていられる方々が、やはり一定の方に、
限られて仕舞っているからでしょうか。そういう月間優秀作品常連の方が、何名か、今回は投稿を見送ったようです。今回では、一条さん、宮下倉庫さん、りすさんが名を連ねていますが、
あまり多くはなかったようです。
まあ、そんなところが理由かもしれません。
地道に投稿される多くの常連の方でも、時々、月間優秀作品、佳作に選ばれる方もいますが、どうも安定感がないようです。
良い作品もあれば、完全にはずれている作品もあるので、
はやく、常に一定のレベルの詩を書けるような、安定した筆力とセンスを身につけてほしいと、切に思っています。
今月、私が◎を付けて、優秀作品候補に選んだものが、下記の二作品です。
「きみが生まれるずっと前から、ぼくはその国境線を知っていた」 - 葛西佑也 さん
「キャベツ畑」- 辻 さん
「きみが生まれるずっと前から、ぼくはその国境線を知っていた」
は、閉塞した心境を、特徴ある繰り返しのフレーズや、たどたどしい言い回しを、
効果的に使って、叫びようなこころのうねりを見事に描き出しています。
けれども、言葉は、良い意味で、決して重々しくなく、
逆に、軽いくらい心地よいテンポで読めてゆけます。
筆者のまなざしも、凛として前を向いている、
良い詩だと思います。
「キャベツ畑」
は、文学極道に初投稿の詩だそうですが、この方は、詩をグイグイと読ませる筆力があります。
また、ゆったりとした非凡な文章力、安定感は、
久しぶりに「当たり」の方であるようです。私のなかでは、とても注目の方です。
一発屋でないことを願っています。
次作が、とても楽しみです。
それと、月間優秀作品のなかで、私が推したのは、上記二作品のほかに、
「Red 」 ふるる さん
「5 」 宮下倉庫 さん
「悪書 」 りす さん
「Station 」 いかいか さん
でした。
若干難点もあり、色々と指摘した、
「雪の交信」 田崎さんと
「夏の骨」今唯ケンタロウさんを
わたしは、優秀作品候補に入れましたが、
及ばなかったのは、少し残念でした。
次回も、月間優秀作品に選ばれた、また選ばれなかった、皆さんの、
野心作を期待しています。
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