文学極道 blog

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前田ふむふむ

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雑感・9月(前田ふむふむ)

2007-11-03 (土) 04:13 by humuhumu

詩を書いたものにとって、読者から、顕在的に、あるいは潜在的に、
賞賛の言葉を受けたいと、一度は願うものであろう。
書かれた詩が、一読されただけで、文字の墓場に埋もれてしまい、
二度と、省みられることがない。
如何に、その詩の構成、技術、表現が、優れていようとも、
そのようであっては、書かれた詩も、単なる観賞物にもなりえない。
実際、現代詩と呼ばれるものの中には、そのようなものが、
うず高く積まれているのである。
優れた詩であるならば、読者の、やむにやまれぬ感情がわきあがり、
ふたたび、同じ詩を読ませる力が、なければならないだろう。
文学極道は、そういう詩を求めているのである。
他者が、全く見えない現代詩ではなく、同時に、安易なポエムでもない、
こころの琴線に、深く触れる、
広義の現代詩、(読まれるべくしてある、現代を先駆ける詩)が、
投稿されることを願っているのである。

今月9月は、選考者全員が、月間優秀作品候補に推したのは、
宮下倉庫氏の「seashore」,1作品だけであった。

来月の投稿される皆様方の、健闘を祈ります。

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雑感(前田ふむふむ)

2007-08-01 (水) 22:44 by humuhumu

2007年6月度。
今月を総括すれば、概して、優れた作品に恵まれなかった月間では、
なかっただろうか。と思いました。
安定した筆力をもって書いていられる方々が、やはり一定の方に、
限られて仕舞っているからでしょうか。そういう月間優秀作品常連の方が、何名か、今回は投稿を見送ったようです。今回では、一条さん、宮下倉庫さん、りすさんが名を連ねていますが、
あまり多くはなかったようです。
まあ、そんなところが理由かもしれません。
地道に投稿される多くの常連の方でも、時々、月間優秀作品、佳作に選ばれる方もいますが、どうも安定感がないようです。
良い作品もあれば、完全にはずれている作品もあるので、
はやく、常に一定のレベルの詩を書けるような、安定した筆力とセンスを身につけてほしいと、切に思っています。
  
今月、私が◎を付けて、優秀作品候補に選んだものが、下記の二作品です。
「きみが生まれるずっと前から、ぼくはその国境線を知っていた」 - 葛西佑也 さん
「キャベツ畑」- 辻 さん 
「きみが生まれるずっと前から、ぼくはその国境線を知っていた」
は、閉塞した心境を、特徴ある繰り返しのフレーズや、たどたどしい言い回しを、
効果的に使って、叫びようなこころのうねりを見事に描き出しています。
けれども、言葉は、良い意味で、決して重々しくなく、
逆に、軽いくらい心地よいテンポで読めてゆけます。
筆者のまなざしも、凛として前を向いている、
良い詩だと思います。
「キャベツ畑」
は、文学極道に初投稿の詩だそうですが、この方は、詩をグイグイと読ませる筆力があります。
また、ゆったりとした非凡な文章力、安定感は、
久しぶりに「当たり」の方であるようです。私のなかでは、とても注目の方です。
一発屋でないことを願っています。
次作が、とても楽しみです。
それと、月間優秀作品のなかで、私が推したのは、上記二作品のほかに、
「Red 」   ふるる さん
「5 」    宮下倉庫 さん
「悪書 」   りす さん
「Station 」  いかいか さん
でした。
若干難点もあり、色々と指摘した、
「雪の交信」 田崎さん
「夏の骨」今唯ケンタロウさん
わたしは、優秀作品候補に入れましたが、
及ばなかったのは、少し残念でした。

次回も、月間優秀作品に選ばれた、また選ばれなかった、皆さんの、
野心作を期待しています。

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