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黒澤さん、返信遅れてすみません。この作品にはおそらく僕自身の脱出願望みたいなものが投影されていて、そのぶんすごくパーソナルなものにとどまっているんだと思います。南米文学は、「100年の孤独」を読破した以外はつまみ食いのみですが、もちろん南米育ちの作家の自らの土地や歴史への対峙の仕方と比べれば、深みを欠いた作品になっているかもしれません。この作品ではどちらといえば、パン第三世界的な視点に重きを置いています。たとえば、カルカッタでもラゴスでもサンパウロでも、国際資本の展開とか都市の急速な膨張とかいった現象は水平的に同時継起していて、それはスライスチーズのセロファンのように奥行きのない薄っぺららい現実だとも言えます。しかし現実に旅して街のなかを歩いていくとき脳裏に刻まれていくのはこんなハイブリッドな面白さで、あんがい博物館にきちんと整頓されている歴史や「文化」の問題とは接点がなかったりします。南米という文脈で言えば、古典的な意味でのアメリカナイゼーションよりも進化した新自由主義によるより容赦なき弱肉強食的な経済の吸い上げというものも最近感じます。なんだったか、購買者物価指標というんでしたっけ?要は物価水準を現地住民の収入との関係でチャート化したものを見ると、メキシコは世界一位らしいです。つまり、庶民の収入は昔のままなのに物価が軒並みあがってしまって、表面的な風景のアメリカ化に比例して庶民の豊かさの実感はどんどん下がっていると。だんだん何の話か分からなくなりましたが、丁寧なレス、感謝いたします。
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