2017年2月分月間選考雑感(スタッフ)
(スタッフ数名が地震被災のため作業に乱れが出ています。ご容赦ください。)
27.9431 : 余裕は無い 祝儀敷 ('17/02/06 19:24:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_752_9431p
(一)ところどころ説明を入れるのが気になる。説明を入れなくても、つきはなしても十分、詩として高まるはず。もっと他者の中で完成する詩を思って自分の作品を突き進んでよいのかもしれない。十分うまいので勿体ないと思う。
(一)ドライブ感があるというか、読み進めていくのが心地よい作品でした。そして、光景に徹しているのが良いです。
18.9437 : 血と血 3P ('17/02/10 06:13:25 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170210_031_9437p
(一)言葉からはみ出す並びの効果。文字という現象を根本から問い直していく配列が重力を増している。音韻として読んでいく際に吃音と感じられる部位だったり、そこの抵抗感がすれすれのところで紡がれている。無機質になりそうでタイトルに、はっきり有機を刻んでいる部分も見事だと思った。
2.9460 : (無題) 匿名 ('17/02/27 13:31:23)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170227_519_9460p
(一)実に現代詩「らしい」作品だと思います。幾何学的イメージの配列は、モードでミニマル。大変好きな作品です。
9452 : (無題) 匿名 ('17/02/21 17:26:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170221_411_9452p
(一)えぐられる生活の情景に自己を同化させてしまう力があります。不可思議な欠損があるけれども、それが作用しています。
22.9429 : Another Day。 田中宏輔 ('17/02/06 13:34:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_735_9429p
(一)コンセプトの強さ。創作過程の過酷さが見えてくるようです。
31.9428 : 五十雀 玄こう ('17/02/06 01:32:02 *8)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_731_9428p
(一)単語の意味だけでなく、音読したときの音の配列がとても美しいです。黙読ではなく、朗読で楽しみたい作品。しっとりと春の雨に濡れる風景が、情緒的です。
6.9445 : 鉛の部屋部屋を抜けてゆく彫塑と彫刻家の影像にまつわる七つの噂に附いて 鷹枕可 ('17/02/18 10:52:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170218_311_9445p
(一)きちんと自分のスタイルを追求し続けていると引力が増してきます。
13.9442 : 夜空の皿 玄こう ('17/02/14 21:28:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170214_208_9442p
(一)文量の少なさが詩の量の少なさに直結してしまうことは非常に勿体ないこと。
これまでの良作を読んでいると、どうしたのだろうと思ってしまった。
書き込むと傑作になる芽も見えてきた。
5.9459 : つめたく燃えるもの、そは椅子のうえの花壜なるとも 鷹枕可 ('17/02/27 12:04:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170227_514_9459p
(一)「たとえ」や最終連が、作品世界を薄めていて勿体なく感じました。突っ走っていって欲しいと思いました。
ただ分かりやすく仕上がっていて作者との距離を測るには最適の作品なのかもしれないとも。
(一)詩が筆者の行為であるならば、その言葉には筆者の皮膚の下にある肉の感触を感じるものだと思います。この方の作品には多くそれがあるように感じられます。言葉で虚飾しようとせず、ただただそこに立ち指先を指し示しているようなリアリティがあると思います。 今月の作品の中では一番好きでした。
9.9439 : 語る死す、語る生まれる kaz. ('17/02/11 00:34:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170211_084_9439p
(一)タイトルひっかかったが作風に合っているのかもしれない。どんどん変化していくカメレオンのような作者。どんどん書いていき自分自身しか書いていない作風を見つけて欲しいとも思った。読んでいて快感も得た。
(一)長い!でも読める! 詩はどうしても単語(というより、言語細胞とでもいうのでしょうか)の一つ一つにまでエネルギーが強く充満しているものですから、ある程度コントロールできるスキルがないと最後まで読ませられないものが多いです。長いものが決してダメだという訳でなく、長くしてもダラけさせないものがあるものは大変好きなのです。この作品に関しては、筆者の日記であって詩である。というより、日常とイマージュが程よく同化していると思われます。とても大好きです。
8.9450 : 六花 atsuchan69 ('17/02/21 12:37:11) [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20170221_403_9450p
(一)あえて選んでいる世界観と作風が強度を獲得している。荒々しかった作者の過去の作風を思うと、
ずいぶん上手くなった姿へ変貌したことに尊敬さえ抱いてしまう。
21.9426 : 雪と少女 Jupiterから来たンゴ ('17/02/03 00:48:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170203_684_9426p
(一)怒りとあきらめの皮肉がやる気なく絶妙に合わさっている。肩の力が抜けていて良い。
14.9444 : TOMBO 湯煙 ('17/02/16 02:31:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170216_259_9444p
(一)面白くて読ませる部分が多いので、さらなるものを求めてしまった。
もっと読んでみたい。
24.9428 : 五十雀 玄こう ('17/02/06 01:32:02 *8)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_731_9428p
(一)今までの実験作品がウソのような作品。作者は、この作風のような側面もあったのだと驚かされる。これからも読んでいきたい。
11.9458 : テレパシー イロキセイゴ ('17/02/25 23:58:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170225_482_9458p
(一)文中速度が上手い作者ですが速度以外にも、なにかしらが残らないと今までと同じ感覚のみを得ます。
無理にでも何かを作り入れるとよいのかもしれません。最後の変わった文章が前から出ているともっと面白かったのかも。
3.9436 : #02 田中恭平 ('17/02/09 17:59:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170209_014_9436p
(一)これまで独自の作品を強く打ち出してきた作者の膿だし的な過渡期の作品に思えた。その先にある作品は、きっと傑作だと思う。読み続けていきたい。
(一)詩は改行しただけの文章であってはならない訳ですが、詩として成立して入れば文章形態を取っても良いと思われます。そこに大変近いと思いますが、まだ抜けきっていない感を覚えました。
35.9434 : きみはおれのなまえを知ってる 中田満帆 ('17/02/06 22:28:41 *1) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_777_9434p
(一)詩での対話ですが、筆者の感情が「そのまま」漏れてしまっています。ですが、「俺に謝罪しろ、〜」以降の追い上げは流石でした。
9455 : 拍動 花一匁 ('17/02/22 10:25:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170222_432_9455p
(一)「詩であろう」とする意識が強いのか、わかりにくさが目立っています。表現を工夫する力はあると思うので、次作に期待したいと思います。
(一)技法として見事に強度ある作品に仕上げています。
(一)全体的にとても美しいですが、中でもとりわけ「薬漬けの春という季節」ここにやられてしまいました。濃密な花の香りの陰から、一気にハルジオンの匂いが鼻腔の奥で燻った感覚でした。
14.9452 : (無題) 匿名 ('17/02/21 17:26:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170221_411_9452p
(一)詩を通しての対話がきちんと分離がなされた上でできています。蜜柑、食べてください。
9456 : すみれ 泥棒 ('17/02/25 19:38:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170225_472_9456p
(一)とぼけた中にも深みのある、不思議な作品でした。
(一)この形での提示で抉り泣かせる力に衝撃を受けます。
(一)改行しただけの文章に陥りそうな危うさを孕んでいるのですが、安心な綱渡りをしていると気分でした。なぜだろうと思ってよく見てみるのですが、一片のやる気も感じないのです。それが肩の力をいい具合に抜いた感じがしています。
7.9451 : 緑衣のレースに被われた切り箱 アラメルモ ('17/02/21 14:02:00 *9)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170221_404_9451p
(一)頑張って書いているのは分かる。他者への批評を自己にも当てはめると傑作となるのではないか。
(一)詩人っぽいー!なんだか素直に詩人っぽいー。理屈っぽくで偏屈で、鬱屈してて。 読み終わった後「Let it Go」歌ってしまいました。
9462 : 津川と俺 イロキセイゴ ('17/02/28 23:59:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170228_545_9462p
(一)読んでいる最中、文中速度に操られている感覚になりました。速度が上手い作者です。
津川の用い方が上手く今回は作用しています。
(一)このルビ(覿面)は本当に振る必要があったのでしょうか。
24.9441 : sarvai kalvidam brahma lalita ('17/02/14 13:05:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170214_197_9441p
(一)詩としてどうかは置いておいて、なんか妙にこの先を見たいと思える凄惨なギラつきを秘めた人だなと思います。とっても楽しみな人。
9438 : 労務の顔 霜田明 ('17/02/10 23:08:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170210_072_9438p
(一)無理をせずまとめていると思います。
(一)労務の際に被る仮面との乖離していく自己存在や、それに関わる交差が分断されながら記されています。分断されるだけの意味がわかる題材だったので詩情が保てていますが、もっと分断に終わらないものが、もともとあったのではないかとも思いました。
29.9432 : 即興テキトウ児童書気 野良猫ニャンコ ('17/02/06 19:33:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_755_9432p
(一)フォーラムに投稿されている百円均一詩の方がレベルが高いと思う。
19.9433 : 流星ーー揺れる銀河の中でーー Jupiterから来たンゴ ('17/02/06 22:09:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170206_774_9433p
(一)熱は感じる。表層的に特化できていないので、どちらかに振り切ってもよいのかもしれないと思う。
11.9443 : こわれた日 无 ('17/02/15 20:14:36 *1) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20170215_255_9443p
(一)はっきりと突き刺さります。最後の行、予想がつくためもう一ひねりできそうです。
「こわれた」という言葉を正面から使って、ここまでの詩情を出すのは達人の域だと思います。
9453 : 自責 霜田明 ('17/02/21 17:52:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20170221_413_9453p
(一)つたない部分もあるのですが、テーマにストレートに向かっているのが生きている作品だと感じました。「より良く苦い私であろうとして」というのは、いい表現ですね。
(一)直球の底力を観ました。感情を読み手にまで編み込んでいく昇華の在り方は見習うべきものがありました。
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