文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

●2018年10月分選考雑感

2018-12-01 (土) 18:06 by 文学極道スタッフ

10851 : テレビジョン  ゼンメツ ('18/10/31 14:12:07)
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(一)テレビ、一家団欒、家庭崩壊、ラーメンのCMといったキーワードは真新しいものではないが、「熱湯イッパツで都合よくフッカツ」という、56億7千万年後の救済に等しい乾いた絶望感が光っている。
(一)抜群に良かった。内面との絡み合いが比喩化されていく中で描写と共に昇華されている。考えさせられた。

10852 : 123123123  123123123 ('18/10/31 23:11:17)
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(一)前口上が狭い。

10853 : 心が壊れている  いかいか ('18/10/31 23:13:46)
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(一)三連目まで傑出している作品だと思った。作者の途中で飽きてしまう癖は、どうかならないものだろうか。

10849 : 極北を見た  トビラ ('18/10/29 13:17:33)
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(一)極北とは作者も言っているように、北の果てという意味ではないだろう。短い文章で描かれた情景は厳しさと寂しさに満ちていながら、なぜかたまらなく魅力的で美しい。

10813 : つまらない愛だよ。(大きく書き直しました)  いけだうし ('18/10/12 19:32:46 *5)
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(一)「崩れかけランプ」という単語は個人的にイメージしにくいものだが、おそらくは語り手が愛した女性の象徴であろう。全体的な設定や展開はありがちなものだが、後悔に満ちた愛の記憶が読み手の心に苦い余韻を残す。
(一)書き直して、良い作品となっている。書き直して再投稿した方が良かったのではないか。
(一)絵画のような作品。油彩のような濃厚なタッチ、そして躍動。静物の尊厳。

10847 : ill-defined  完備 ('18/10/29 10:57:44 *1)
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(一)作者らしいタイトル。恋人たちの視界は不鮮明で、発語した瞬間に、大切なものが失われていく。恋愛をテーマにこれだけの解体と再構成をやってのけたのは見事。

10841 : 花束とへび  田中修子 ('18/10/27 10:16:44 *1)
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(一)言葉の選択や配置は実に上手いのだが、それだけに最終連の終わり方が教科書通りという感じなのが残念。もう少し思い切って冒険しても良かった気がする。
(一) 上手く作品化されている。「へび」という使いきられた比喩へと更なる美を見出している。

10845 : スパゲッティ野郎への葬送  鷹枕可 ('18/10/29 08:05:14)
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(一)決して悪くはないのだが、この作者ならもう少し飛躍できるだろうと思ってしまう。微妙ではあるが感性の衰弱を観測した気がする。 スパゲッティがテーマだから辛口になってしまうわけではなく、選者の期待が大きすぎるせいかも知れない。
(一)作者の世界と最後の分かりやすさで作品が更に奥へと開いた。大衆性にまで届く作り。
(一)プロレタリアでありつつ、それを俯瞰した視点を感じる。遠くにありながら主観を持つことは、逆に難しいことなのではと思った。素晴らしい。

10846 : ニューヨーク天神駅32「バナナフィッシュにうってつけの日」  オオサカダニケ ('18/10/29 10:48:33)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181029_309_10846p
(一)悪くない。面白いとさえ思った。もっと読みたいと感じさせる魅力がある。それは文体のことに限らず。

10836 : 夜行列車  氷魚 ('18/10/24 00:23:45)
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(一)光るものがあり目を奪われる。原石なのかもしれない。

10826 : 傘泥棒  ゼンメツ ('18/10/19 16:18:52 *6)
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(一)何というか後半に進むほど良くなっていく。それだけに前半が残念な感じ。最初からこの勢いならと思う。

10843 : いちごみるく色のマフラー  つきみ ('18/10/29 00:08:57 *225)
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(一)読みやコメントがとても丁寧な作者だ。レッサーとして優れている。自作の粗も、きっと本当は見えているはず。どんどん書いていって欲しい。

10848 : .  泥棒 ('18/10/29 12:33:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181029_317_10848p
(一)なぜか「かってに改蔵」の最終回を思い出してしまった。この贅沢な余白の使い方は、紙媒体ではなかなか出来ない。つーか入りきらない。これだけ短い詩の中で、読み手の中に豊かなイメージを再生させる力量に敬服する。

10802 : Yellow?  アルフ・O ('18/10/08 21:32:32)
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(一)決して力量が衰えているとかそういうことではないのだが、最終2行がちょっと大人しすぎる。もっと驚かせてほしい。

10835 : ニューヨーク天神駅  オオサカダニケ ('18/10/23 23:55:34)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181023_977_10835p
(一)ひとつひとつのイメージがとても美しく洗練されている。特に第3連の神話的な描写が素晴らしい。無駄に長くせず、ちょうど良い密度でまとまっている。

10840 : 群青の群青による群青のための群青  Fe ('18/10/26 05:30:19)
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(一)ノイズがあるのに読める。詩情も立ち新たな作品世界を提示している。

10828 : 遺影  渡辺八畳@祝儀敷 ('18/10/22 00:55:14 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181022_856_10828p
(一)相変わらずのアイデア詩人ぶり。目の付け所がシャープすぎて、なかなか正当な評価をもらえないという諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない。 ただ、最後にもう少し何かオマケ的なものを付けてほしかった。

10822 : サオラ―  青島空 ('18/10/17 00:23:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181017_736_10822p
(一)自然への脅威を目の当たりにしてしまったことが描写と共に丁寧に描かれている。これからも読んでいきたい作者だ。

10832 : 遺影  いかいか ('18/10/22 17:02:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181022_888_10832p
(一)インターネットの中で記憶も存在も生ける屍となってしまったことへの悲しみが在る。

10798 : 或る比喩  鷹枕可 ('18/10/08 07:48:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181008_319_10798p
(一)タイトルが作品を低めてしまった。

10831 : ジャングル・ボブ  atsuchan69 ('18/10/22 14:57:53)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181022_885_10831p
(一)不思議にハマってしまった。エンタメとして優れている。

10824 : 黒い百合  泥棒 ('18/10/18 22:48:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181018_780_10824p
(一)上手い。スクロールの活用が光る。
(一)余白と詩文(イメジ)のバランスが良い。一連一連の精度が高い。素晴らしい集中力だと思う。

10811 : 神の蕾  atsuchan69 ('18/10/11 13:03:04)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181011_438_10811p
(一)作品の質を保ちながらの密が光る。しかし、ここから作品が始まるという感覚も持てる。

10801 : 名も知らぬ国  田中修子 ('18/10/08 20:19:04 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181008_341_10801p
(一)第1連から最終連まで文句の付けようがない。語り手の中にある幻の美しい国が、そのまま読み手の頭の中で正確に再構成されていく。最終行の終わり方は誰でも真似できるものではない。

10817 : ころして君  渡辺八畳@祝儀敷 ('18/10/15 00:15:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181015_624_10817p
(一)良い具合に肩の力が抜けていて書かれている。

10777 : 星星  本田憲嵩 ('18/10/01 00:09:35 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181001_037_10777p
(一)今月、投稿されている作品の中で一番、心に残った。短い中に細く痩せた言葉でも成していく詩の実景がある。

10803 : コこロさん  湯煙 ('18/10/09 01:42:47 *11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181009_359_10803p
面白い。丁寧に編まれており真っ直ぐに立ち上がっていく。最後の流れだけが疑問に思った。

10797 : 読点。  田中宏輔 ('18/10/08 06:19:49 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181008_318_10797p
(一)読点をテーマにしてこれだけの質量で展開できるのが驚き。空白の開け方にも隙がなく、意味を離れた文字としても美しい。
(一)読点からの膨らましが尋常ではない。次は、どうなるのだろうと思いながら読んだ。面白い。
(一)文句のつけようがない。イメージが肉感を持って本当に跳ねた。

10819 : 岸和田  さなろう ('18/10/15 20:57:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181015_673_10819p
(一)次の作品も読み込んでいきたい。

10812 : きらきら  宮永 ('18/10/11 23:07:49 *1)
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(一)構成も見事でありキラキラネームの中に立ち上っていく詩情の圧と輝きが鼻垂れていきます。

10820 : 鉛の塊り  中田満帆 ('18/10/15 21:26:56)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181015_675_10820p
(一)こういうストレートに言葉をぶつけるスタイルの詩を、最近はあまり見かけなくなってしまった。奇をてらうこともなく、斬新なフレーズが出てくるわけでもない。だが一見して荒削りな文体の向こうに、作者の叙情性が透けて見える。
(一)迷うけれども文章で自身に密着し泣いている作品。それは重要な根源的な文学だと思う。

10783 : antinomie babies  白犬 ('18/10/01 10:44:26 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181001_057_10783p
(一)惜しいと思う。不安定な文体が不安定な詩情を高めていく怪作だが「詩」という言葉を出したほうが良いのかどうか。比喩へと昇華しても良かったと思う。

10781 : 2012年の林檎   朝顔 ('18/10/01 02:06:28 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181001_043_10781p
(一)生活の中を、ありありと克明に描き出している。詩情と共に描き切った手腕にも唸ってしまう。
(一)朝顔さんの素晴らしいところは「御飯がとても美味しそう」だと毎回思う。心象を描く際、必ず食べ物があり、それは命と心の流れを表している。
 今回SSという形でしたが、その詩的センスがとても光っており、大変楽しく読めた。

10776 : カタコラン教の発生とその発展  田中宏輔 ('18/10/01 00:04:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181001_036_10776p
(一)この作品は一体なんなのだろうか不思議な魅力が立ち上がって離さない。上質なユーモアであり緻密に構成されているのに大胆である。

10784 : thanx,bungoku  田中恭平 ('18/10/01 11:56:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181001_059_10784p
(一)ありがとうございました。これからも活躍を応援しています。最初の二連が非常に素晴らしく感情を揺さぶられました。

10792 : 「行きし思い出に追悼を」  Charlie ('18/10/05 03:58:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181005_239_10792p
(一)書き始めの方という感覚が全面に出されている。悪くないと思う。どんどんと書いていって欲しい。前に投稿されていた自分の半生を描いた作品も、もっと推敲して再投稿されるのを待っている。

10793 : Peeping muzzle  アルフ・O ('18/10/05 21:29:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181005_257_10793p
(一)圧倒的な存在感と共に作品の破壊と再創造が止まらず続いていく。これまでの作者の作品の中で一番、印象的な作品だ。

10795 : 涙の味  線 ('18/10/08 01:19:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181008_314_10795p
(一)タイトルと「ああ」には改善点があるのではないかと思わさせられる。しかし硬質な言語を用いながら迫ってくる世界開拓が見事である。

10780 : けだもの  ネン ('18/10/01 01:13:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181001_040_10780p
(一)最初の二連は非常に良いと思う。その後が、そのまま書いてしまっている感が否めない。

10796 : 大丈夫。本当に大丈夫だから  北 ('18/10/08 02:05:16)
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(一)エンタメとして昇華された生の叫びが痛く突き刺さる。

10782 : 接岸  霜田明 ('18/10/01 02:39:33 *88)
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(一)途中が、やきもきする気持ちがあったが最後に見事にまとめた。上質であり自分自身の信念を貫いている。

10787 : 廃園  北 ('18/10/02 07:56:57)
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(一)作者は幅広い作品を一定以上の筆で必ず書いてくる。今回も心を突かれる作品である。

10779 : 五感  黒髪 ('18/10/01 00:40:20)
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(一)書きたかったことは分かる。しかし詩情が最大限に引き出されているかどうか疑問。

10790 : 9月下旬〜収束の果て 次への:〜  空丸ゆらぎ ('18/10/02 22:01:35 *1)
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(一)惹きつけられるものがあった。作品として、もっと伸びあがれる粗削りな部位が面白いと思った。もっと整えられる作品であることは確実だと思う。

Posted in 月間選考, 雑記 | Print | URL