10921 : 奉公記 南雲 安晴 ('18/11/30 23:54:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181130_923_10921p
(一)導入とそれが示唆するメッセージ性がある作品だが、少しばかり拍子抜けしてしまった。メッセージのさらなる強化が欲しい。
(一)分かりやすい内容。構成も上手いかもしれない。演説になってしまっていないかどうか。もう少し比喩化できるのではないか。
10920 : 感じ イロキセイゴ ('18/11/30 21:20:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181130_919_10920p
(一)感覚を拡張を持った言語で表現できていると思う。
10917 : 嫌になるくらい陳腐な恋、でも僕が陳腐だから いけだうし ('18/11/27 07:08:07 *4) [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181127_870_10917p
(一)内容はともかくタイトルが出オチというか、あざとさを感じる。でも後半はけっこう良い。特に「AIみたいな愛情」というフレーズは個人的にツボ。
(一)2の方は無くても作品として立脚していると思った。
10916 : たったひとりで伸びていったクレーンへと捧げる詩 渡辺八畳@祝儀敷 ('18/11/27 04:49:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181127_867_10916p
(一)「青空へまっすぐ伸びるクレーンのアーム」というビジュアルが鮮やかに浮かび上がる。青空を殺し新たな神になるという、神殺しの物語。「白痴」という言葉を普通に使っているのも良い。ただ「あの子は全くの白痴なんです」の部分は別の表現の方が良いと感じた。ドラマチックかつスピード感があり、最後まで一気に読ませる技量がある。
(一)とても丁寧な比喩で描かれているし、映像的な美しさも強い。筆者のこれまでの作品の中では、奇をてらおうとした作品より素直に好感が持てる。
10912 : 騒ぐ言葉 atsuchan69 ('18/11/23 07:31:38) [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181123_798_10912p
(一)「部屋中を這い回る声」がミキサーのパンポットを調整して行われるパンニングのように、言語だけでリアルに表現されている。言葉の内容は英国調に統一した方が良かった気もするが、こういう俗っぽいものを混じらせるのもありかも知れない。とにかく作者の技術力を評価したい。
(一)滑らかな流れで構築されていく詩の豊穣な世界。
(一)非常に惜しいとしか言いようがない。文末処理がもう少し丁寧であれば優良に推していたと思う。
10915 : 情動 anko ('18/11/26 23:30:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181126_859_10915p
(一)「五月の嗚咽/六月の慟哭/七月の告別」という部分はがちょっとありきたりで残念だが、全体的に若々しい情熱を感じる。
(一)導入部分は非常に巧みだと感じたが、「狂う」「赤いドレス」などの安直な比喩がもったいないと感じた。
10918 : BLUE 青島空 ('18/11/27 09:44:54 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181127_872_10918p
(一)初連が少しまとまりきらない印象。第2連のテンションで最後まで走りきってくれればと思う。
(一)二連目まで良い流れで詩が続いていく。最終連を更に広がりが持てるかもしれない。またタイトルが勿体ないと思った。単語選択は重要だと思う。作者は、すぐに傑作を書くと思う。
10913 : 氷塊をみがいて流す トビラ ('18/11/23 16:01:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181123_800_10913p
(一)タイトルにもなっている語り手の執拗な行為が、読み手の心の奥にある不安のようなものを刺激する。この反復が催眠術のような力を持ち、こちらに迫ってくる。
10903 : Out of the Blue 氷魚 ('18/11/17 18:50:34 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181117_651_10903p
(一)良くも悪くも安定している感。語り手、どれだけマゼンタ好きなんだよという感じ。それなのに強調されているのは青色系。小魚の群れのように目まぐるしく移動する言葉たち。最終行の抒情プラスおとぼけも良い。
(一)伸びやかな作品です。内面が柔らかに描かれている。粗さも含めて十分に気になった。
(一)配色センスを感じる。色言語がそれ以外の言葉からそれそのものの色を想起させる機能を持っている。
10914 : きみのやわらかな 白犬 ('18/11/24 23:51:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181124_818_10914p
(一)いつもの毒気が少し抜けている感じで、それが良い方向に作用している。あと、もう少しでスタイルが確立されそうな予感。
(一)筆者の「美」への希求が、現実とリンクされはじめたように感じる。これまでは現実と創作がどこか乖離したような印象を受けていたが、ここにきて耽美な言い回しが叙事的なリアリティを持ち始めたのではないだろうか。言葉が想像から抜き出たというか、これは筆者にしかできない試みであるように感じる。
10909 : Evil Holy Raspberry アルフ・O ('18/11/19 21:39:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_723_10909p
(一)短いながらも淫靡さと神々しさが入り交じった高揚感が心地よい。セリフだけにしたことで、よりシャープな感じになっている。考えるな、感じろ系の傑作。
(一)会話の文を主体とするフォーマットとしている作品では一番、輝いている。更なる先が気になる。
10907 : footprints 完備 ('18/11/19 00:07:11)
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(一)あきれるほど無駄がなく、短いながらも大切なパーツはすべて収まっているという感じ。マイスリーという言葉が、かろうじて語り手を地上につなぎ止めているように思える。それが救いか絶望か、読み手によって見え方が違うかも知れない。
(一)短いセンテンスが効果的に働いている。
(一)>あなたのくれた比喩でない不等式を証明できないままカルバリの丘に立てる
これを読むに、やっぱり固有名詞を入れるタイミングのセンスが絶妙だと思う。別作品の「大阪湾」も絶妙なタイミングでぶっこんでたけど、この「カルバリの丘」の位置も最高だと思う。
10910 : 光滲/Blau syndrome/ kale ('18/11/21 22:36:04)
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(一)タイトルが的確かつ読み手に対して親切。光というものの表現と取り扱いに作者の技量を感じる。後半の構成が特に美しい。
10873 : 何も知らないけど 黒髪 ('18/11/05 09:23:49 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_985_10873p
(一)基礎力は非常に高い作者だと思うが、自己の持つメッセージ(主張、思想、思い)をもう少し俯瞰的に提示してほしかった。
10908 : 耳鳴りの羽音 帆場 蔵人 ('18/11/19 06:24:13)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_712_10908p
(一)蜂を用いた描写は志賀直哉の「城の崎にて」を連想させる。淡々とした中に作者の死生観がはっきりと刻み込まれている。少し描写が冗長なのが惜しい。
10898 : 一)読んでいて不快な気持ちになりました。 書ける書けない以前の問題で、読んだ人がどういう気持ちになるかという配慮に欠けた文章は作品として絶対に認めたくありません。 いかいか ('18/11/13 23:16:58)
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(一)運営批判は上等ですが、「面白い作品」で覆してほしい。
我々が黙ってしまうような作品をお待ちしております。
10892 : 海水浴場から帰って 南雲 安晴 ('18/11/12 21:20:22)
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(一)丁寧で面白く読めた。気になる作品である。
10911 : 吸血蝶を呑む 鷹枕可 ('18/11/22 19:55:44)
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(一)印象的な造語も含め、作者が独特のスタイルと美学を手に入れたことを確信させる作品。個人の生死にとどまらず、模造された歴史の中での国家と戦争の記録ではないかという気がしてならない。
(一)更なるブラッシュアップが、かかった作者の最新の形式。圧倒的な美である。
10883 : Violet pumps, stompin' the floor アルフ・O ('18/11/07 20:18:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181107_250_10883p
(一)安定飛行と思われるいつものスタイルなのだが、なぜか読んでいて説明できないもやもや感があった。作者自身を作品から完全に切り離せていないような、そんな感覚がつきまとう。
(一)詩的構造の中で女性言葉になる部位などが映えています。更なる発展を見せていきます。
(一)(……ド畜生、
(LEDで失明するくらいなら
(流砂に眼球ごとくれてやる。
非常に秀逸!
10888 : 8月31日 青島空 ('18/11/09 11:48:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181109_376_10888p
(一)書き始めの良さがある。内実にある光と不安が同居して輝いている。
10891 : かたぶく、かたむく(「古今和歌集」巻第8/離別歌より) 中田満帆 ('18/11/12 12:01:03 *3) [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181112_470_10891p
(一)筆者の失望と諦め、客観と主観、混然一体となっている『ある意味では』意欲作。本人は否定するだろうが、わずかにもなければ書けないし投稿できない。その点は高く評価したい。
10901 : Lapse 泥棒 ('18/11/15 19:18:31)
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(一)長い空白の溜めの後の「めっさ深くて」で笑ってしまった。その後に続く連が少し硬さを感じてしまったので惜しい。「めっさ」がポップな口語体だと感じたので、軽い言葉で静謐さを纏めてほしかった。
10865 : 戦艦パラダイス号 atsuchan69 ('18/11/03 08:58:24) [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181103_826_10865p
(一)物語として大変おもしろいのだが、詩作品としては詩情というか詩であることの必然性に欠ける気がする。
10906 : 月精(あるいは湿原精) 本田憲嵩 ('18/11/19 00:05:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181119_704_10906p
(一)潤沢な詩文が流麗に綴られている。作者の上手さが光る。
10896 : 落葉の色 松本義明 ('18/11/13 18:13:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181113_512_10896p
(一)流れと引っかかりが非常に綺麗。巧い作品。
(一)傑作。切れ味も鋭く、無駄な言葉が一つもない。そぎ落とされ、研磨された日本刀のような作品。
10905 : たとえ偽りに終わったとしても 三浦果実 ('18/11/17 23:48:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181117_658_10905p
(一)詩を愛しているのに詩に愛されていない人っていますよね。他人事ではない気がします。この作者も、なぜか詩に愛されていないと思えてしまいます。それは単に技術だけの問題なのか。ただ、この作品に関しては単なる哀しい自分史に終わらない、作者の決意のようなものが感じられます。
10900 : 不在を訪ね歩いて 空丸ゆらぎ ('18/11/14 22:56:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181114_582_10900p
(一)途中の感覚が、まさに不在。この立方は見事である。更なる実在を対比させていけたらと思った。
10897 : 正風亭 つきみ ('18/11/13 20:06:59 *84) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181113_518_10897p
(一)基本的な技術があるのでこの長さでも何とか最後まで読みきれた。しかし、それでも長く感じる。物理的な長さだけでなく、作者自身はテクニックだと思っているであろう構成が無駄に長く感じさせている気がする。もう少し読みやすさを工夫してほしい。
(一)圧倒的な傑作である。
(一)文句なく上手い。長い文面を一気に読ませるよう、丁寧なオノマトペが組み込まれている。料理の描写も細かいが、レシピだろうかと思ってしまう。どうせなら次回はぜひ、クックパッドに載せるようなレシピ詩を読んでみたいと思う。
10868 : いつまでもあいさつをしてゆく「上段スマフォ版。下段パソコン版」 つきみ ('18/11/05 02:16:29 *683) [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_956_10868p
(一)単なる実験作品に終わらず内容も含めて完成度が高い。端末による見え方の違いの問題が、いまだに解決されていないのが残念。そのことに対して誠実に対応している作者の姿勢も評価したい。
(一)抜群に上手い。うますぎて不気味なくらい上手い。視覚的なデザイン性の高さが、女性的な受動を縁取っている。
(一)もしかしたら世の中には色んな作品があるのかもしれないけど、これは既存のロックというジャンルという意味ではなくて、主流に対して起こるカウンターパンチ的な意味合いとしてのロック魂を感じた。この新しい文体がどうなっていくのか見るのが楽しみです。
10881 : あらかじめ、喪われた《角》へ。 なゆた創 ('18/11/07 08:28:31)
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(一)詩としての完成度は問題ないが、どうしてもスタイルに既視感がある。そのことは作者自身も自覚しているのではないだろうか。
10890 : ポエムでチクショー イグサ太夫 ('18/11/10 07:10:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181110_427_10890p
(一)エンタメとして非常に酷くて楽しい作品だと思う。酷さが良い。
10870 : unconfessed 完備 ('18/11/05 07:20:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_969_10870p
(一)正直、ここまできっちり書かれると「大変よくできました」的なことしか言えない。本当に美味いものは「美味い!」しか言えない的な。決して選者の語彙力の問題ではない。そういうことにしておいてください。
(一)一連目が気になる。
(一)一番良かった箇所は、大阪湾という固有名詞をこのタイミングで入れた一連。
最初に、>踏み切りのむこう平凡な交差点に海を探している
と海を出しておいて、後になってそれが大阪湾だと読者に認識させることで、読み手は一気に抽象的な概念から現実的な場所に意識が飛びます。ここの読み手に対する意識の動かし方は上手いなあと思いました。
10879 : 死物 鷹枕可 ('18/11/06 11:36:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181106_115_10879p
(一)この作品は存在の死の鏡であるように思える。
10878 : 夢魔 氷魚 ('18/11/06 00:38:19 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181106_086_10878p
(一)一連目からの流れが美しい。最後を引き上げている。
10882 : 隔離病棟/見世物小屋 いかいか ('18/11/07 12:41:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181107_207_10882p
(一)「しね」という言葉はネットにおいて使用頻度の多い言葉だからなのか、どうにも薄っぺらいのにとても棘のあるので、個人的に使うのが苦手としている言葉のひとつ。それをさらっと「死ね」じゃなくてひらがなの「しね」を文中に組み込んできていて、文章全体から漂うぼんやりと霞ががかっている世界観を壊さずに、読み手の現実世界を壊す一言としてきちんと機能していて、正しい「しね」の使い方を垣間見たような気がしました。
10877 : ケルンのよかマンボウ。あるいは 神は 徘徊する 金魚の群れ。 田中宏輔 ('18/11/05 19:45:36 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_038_10877p
(一)この作者の膨大な読書量の成果の1つと言える作品。まるで尽きることのない泉のように言葉が湧き出してきて、詩という器を観たし溢れ出している。たぶん見当違いだろうが、タイトルがデヴィッド・ボウイの「屈折する星くずの上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」を連想させる。
(一)こんなにも独自の世界を構築し展開していく磁場が凄い。惹きこまれて読み進められた。
(一)相変わらず長い。長すぎるくらいに長い。だがそれが癖になる。「読んでやったぞ」という爽快な読後感がある。
10875 : 義母 北 ('18/11/05 17:33:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_022_10875p
(一)義母という存在に対する語り手の複雑な感情は、おそらく本人にも咀嚼しきれていないのではないかと思われる。イメージは豊富だが、少し散らばりすぎてしまったのが残念。
(一)包み込むような父母の情と悲哀が漂っている。とても人間的だと思う。
10884 : 灰 紅茶猫 ('18/11/08 09:40:33 *21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181108_306_10884p
(一)詩の中で詩を出されると身構えてしまう。が、この作品は、そのハードルを越えていっていると思います。
10863 : 月精 本田憲嵩 ('18/11/02 12:23:31 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181102_733_10863p
(一)近代詩の良さを得ている作品。空白が作為的に見えすぎてしまうところが惜しいと思った。
10856 : 寛解 北 ('18/11/01 00:31:14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181101_533_10856p
(一)文章の濃密さが非常に素晴らしい。後半が、もう一展開あっても良かったのかもしれない。
10872 : スカースデイルあるいは世界の終わり オオサカダニケ ('18/11/05 09:08:55) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20181105_981_10872p
(一)テクスト本文は力がある。タイトルは本当に、これで良いのだろうか。
10855 : Mr. Bojangles。 田中宏輔 ('18/11/01 00:01:31)
URI: bungoku.jp/ebbs/20181101_529_10855p
(一)これまで本の宇宙を旅してきた作者による、書物や読書という行為に対する解釈がユニーク。本を読み続けることによって、語り手は言語的進化を遂げたのだろうか。ラストの蜜に対する説明は、実に上手いまとめ方だと思う。