2014年1月分月間選考寸評
【優良】
2.7262 : no title 紅月 ('14/01/29 07:12:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140129_154_7262p
(1)
上手だなって思います。センテンスがひとつひとつ凝っていて捻りがきいていましたが、読むのが辛くなかった。
(2)
現実の事象との相関を欠いたこのような詩は、言葉自体を物として、その組み合わせの創造性や精妙さを
鑑賞したいと思っているのですが、その点では、この詩は、とても優れていると思いました。
21.7249 : グラウンド・ゼロ MANITOU ('14/01/20 17:10:05)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140120_979_7249p
(1)
タイトルにちょっとびびっちゃうかなぁ。
プリキュアを観た事、ないんですがセーラームーンみたいなものだって考えて読みました。作者にまんまとはめられた! くやしいです。
(2)
荒唐無稽な設定なのですが、なんとなく「私」に共感できてしまうのは、作者の上手さゆえでしょう。
プリキュアの部分は、無いほうが良いと思いました。
3.7268 : return かとり ('14/01/31 23:46:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140131_220_7268p
(1)
一連目のほとけ、は誤字かな。それともこの作者どくとくの表記でしょうか。
作語は読み手の好き嫌いの分かれるところではありますが、今回はかなり抑えてきましたね。
意味ではなく雰囲気を重ねてかさねて、ミルフィーユみたいにふわっふわ!
切なさが主題だと感じました。
20.7248 : タクシー uki ('14/01/20 00:45:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140120_964_7248p
(1)
かなの多い表記は好き嫌いのわかれるところでしょうか。
>運賃はワンメーター、ろっぴゃくはちじゅうえん
>わたし、ろっぴゃくはちじゅうえんで移動してる
>切手ははちじゅうえんだから、
>ことばはそんざいよりかるいのだ
このあたりの捩じれたふしぎ理論が全編に効いていて面白かったです。
30.7242 : 階段 前田ふむふむ ('14/01/14 01:30:21)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140114_905_7242p
(1)
息を詰めて読んで、最後、音がしたところに希望が見えたようで、ほっとしました。
(2)
日常にふと舞い降りる死の観念。観念は横溢すると日常の隙間にじわりと滲み出す。
35.7230 : 陽の埋葬 田中宏輔 ('14/01/06 00:01:46)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140106_821_7230p
(1)
字面が怖いです。とても上手です。
(2)
今月のukiさんの作品『タクシー』では、「ことばはそんざいよりかるいのだ/かるい かるい かるいのだった。」
「でも わたしは ことばよりかるいはず/いのちさえ きっと」というフレーズあり、前田さんの『階段』では、
死者に弔われる私を見ている私というイメージがありました。死という未知へのアプローチはいろいろあるのですが、
この田中さんの作品は、人が死んでも言葉は残る、という当たり前だけれども奇怪な現象を、SF的構成で解き明かす
面白い作品だと思いました。
33.7235 : テレスドン(『ウルトラマン』より) 角田寿星 ('14/01/09 00:44:13) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20140109_854_7235p
(1)
ウルトラマンはよく分かりませんが、読んでいてにこにこしてしまう詩でした。
36.7227 : ハンドジャンプ はかいし ('14/01/03 15:49:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140103_786_7227p
(1)
ハンドジャンプひとつで最後まで通したところに敬意を。
(2)
馬鹿馬鹿しいのに細部まで神経が行き届いた良い作品だと思いました。
7.7265 : メアリー・ブルー 熊谷 ('14/01/29 23:23:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140129_171_7265p
(1)
うっすらとした不吉な予感を丁寧に重ねていって出てくるオチが「marry me」だとは。
結婚して! って女性から言われるのって、男性にとってゼクシーの角で殴られるくらいの衝撃だってきいた事があります。
この彼女と彼氏の「marry me」は養って! だったのか、一生離さないわよ! なのか、ずっと一緒にいようねだったのか今ひとつはっきりしませんが、作中主体にとっては離人感を高めたようですね。
火事すらも心象風景と感じさせるような、うっすらとした不吉の記号の群れに怒れば良いのか怖がればいいのか今ひとつ決めかねる読後感でした。
(2)
プロットが巧みで惹きこまれるような読後感がありました。それぞれの物語に論理的なつながりはなくとも、象徴的に何かを意味しているようでしていないようで、そういった距離感がとても心地よく思いました。
【次点佳作】
29.7243 : 待ち惚け 腰越広茂 ('14/01/16 14:46:24)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140116_916_7243p
(1)
♪ある日せっせと野良仕事〜。
漢字の開き方や表記にフェチズムを感じると、身構えてしまう読者が多いのではないでしょうか。
9.7266 : 隅田川ランドスケープ NORANEKO ('14/01/30 08:18:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140130_180_7266p
(1)
「何mSv/h?」で笑っちゃいましたけど、作者の意図とは違うだろうなって思います。
(2)
この作者には、明らかに過剰な何かがあり、明らかに欠けている何かがあります。
ゆえに、作品は不安定であり、作者自身も試行錯誤の最中のようですが、今後も期待したいです。
16.7256 : ソクラテスのアイロニー 二○一四 ハァモニィベル ('14/01/22 17:54:28) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20140122_025_7256p
(1)
リーダビリティの高さが光る作品だと思います。小気味良いジャブの連打のような文章で、あと一発、ストレートがずどんとくると気持ちよくなってしまえるんだけどな、と思いました。
(2)
文章書きとしての実力は素晴らしいと思いました。風刺という点でも的は外れていないと思います。
あとは詩作品として「理屈」を越えて読者を惹き込む部分をどう創るか、そこが課題だと思いました。
13.7240 : ブルー はかいし ('14/01/13 18:39:18)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140113_898_7240p
(1)
ブルーという言葉がもはや読者に意味を感じさせないくらい繰り返され、それが散文的な気持ちよさを齎していると思いました。青という言葉とブルーという言葉を使い分けていますが、ブルーで統一してしまってもかまわなかったのではないか、と思います。
4.7236 : Tristar 白河 蓮実 ('14/01/09 23:40:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140109_867_7236p
(1)
好きな作品です。
はたして「あなた」と「てめえ」は一人称が「ぼく」である人物(作中主体)の中に同時に宿る二人称なのだろうか? と考えてしまいました。
(2)
書くことへのエネルギーが満ちていて好感が持てました。
あと少しだけ技術が追いついてくれば、しなやかな詩が生まれるような予感がします。
27.7250 : ショッピングモール 山人 ('14/01/20 18:18:03 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140120_983_7250p
(1)
端正で美しい散文でした。さりげない日常しか描いていないのですが、歳月の陰影を二人の男女の
所作や都市の郊外風景の中にさりげなく織り込んであり、味わいのある作品でした。
【落選】
8.7260 : えいえん uki ('14/01/27 00:02:40 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140127_117_7260p
(1)
中原中也の「港市の秋」と武田聡人の「えいえんなんてなかった」を読む事をおすすめします。
10.7258 : テレビ さぼ ('14/01/23 09:44:10 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140123_045_7258p
(1)
リズムが良いから、もっと長いのを読みたくなりました。
11.7257 : 幸せをくれるあなた 深尾貞一郎 ('14/01/22 22:22:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140122_036_7257p
(1)
特に悪い部分があると思わない。
ただしタイトルとの整合性が詩篇として語られている部位を凝縮し再提示し過ぎています。
タイトルも詩の一部ですから注意が必要なのではないでしょうか。
15.7241 : 20分後の未来 无 ('14/01/13 23:28:01 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140113_901_7241p
(1)
恐怖を煽る表現をする人は、詩人ではなくて予言者と呼ばれます。
18.7255 : こども の ねんぶつ とむ ('14/01/22 10:49:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140122_017_7255p
(1)
マッシュアップっぽいですね。
おもしろそうな雰囲気をびしびし感じます。
最終連に収斂させる形ではなくて、上り詰めてく構造の方があってるかも!
19.7252 : Vanity Blue Blues 草野大悟 ('14/01/21 21:58:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140121_008_7252p
(1)
蝶がキャベツを背負ってるなんて愛らしいですね。
韃靼海峡を出したのは「てふてふが一匹〜」という詩句を下敷きにしておられるのでしょうけど、ブルースってタイトルなので、ちぐはぐになった印象です。
23.7238 : まばたき ちんすこう ('14/01/11 09:38:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140111_884_7238p
(1)
ハンドルネームからもっとふざけた作品かと思っていたらリリカルさにまいったなぁ、おみそれしました。
手から視線、呼吸、唇って、頭だけで恋してるみたいですねぇ。
34.7239 : 永遠と水曜日のネコのBlues 草野大悟 ('14/01/11 22:17:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140111_889_7239p
(1)
比喩に溺れすぎた印象。
空豆が空を奪われるっていうのと永遠と、水曜日のネコとひとつひとつはとても面白いのですが、絡まり合わないっていうか。
37.7223 : ゆき 鳥 ('14/01/01 00:00:20 *5)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140101_753_7223p
(1)
タイトルのゆきを「雪」で読んでいたのですが「ひまわり」が出てきて混乱しています。
>今夜
>世界中が返信
はちょっとぐっと来ました。
40.7228 : (無題) 今吉 ('14/01/04 17:21:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140104_799_7228p
(1)
阿部貞を思い出しました。
無題で出す覚悟が感じられません。
(2)
内臓を取り出して、代わりにビー玉を入れてください。100均に売ってる安っぽいビーズとゲームセンターのコイン。つぎはぎだらけのうさぎのぬいぐるみ。
などの部位が非常に興味深く存在しています。ギターの弦も非常に効果的。
いつかあの空き地に立つ、家に住んでください。
この跳躍も、これからの伸びやかさを感じさせるものが綴られているように感じられます。
「わたしを殺してください」
この素直すぎることばを最後にも持ってきたことは詩作品構成上の膨らみを持たすことができなかったようにも思えます。
新たな場へと様々な綴りで掘り下げて見出していくと、よりよい作品になるのかもしれません。
そして、
一連目に比べると三連目など、ありきたりな平易なあり方に留まってしまったことが残念です。
それだけ一連目が面白かったのかもしれませんね。
いかにも書き始めて模索中ということが伝わってきて素直な位置で書いていることに好感を持てました。
これからが楽しみです。たくさん書いて内省して時には他者からの意見を受けて強固な作品へと伸ばしていって欲しいです。
44.7224 : 汽水域 深尾貞一郎 ('14/01/01 13:28:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20140101_758_7224p
(1)
タイトルが違う気がします。
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