●2019年3月分選考雑感(Staff)
11122 : 命日 白紙 ('19/03/16 15:48:56)
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(一)最後の文章は作品を小さくしている。
(一)結論の部分以外は楽しく読むことができますが、全体としては神と悪魔と人間との関係、感情が短絡的に語られている部分も目につきます。短絡的であっても良いのですが、ストーリーの発想で読ませるのではないのであれば、表現の仕方の面白さがもっと必要になるのではないかと思います。
(一)「神」「天使」などのモチーフは大変危険だと思います。古典の時代から使い古されているからです。古典作品のその言葉の重みを越えられなければ、結局霞むだけなのでは。また、西洋宗教が筆者にとってもっと身近で日常的であればそこにリアリティも生まれるのではないでしょうか。
11133 : 詩 第十四 舟鷹 ('19/03/25 21:15:24)
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(一)空行が気になる。一つひとつ来るものはあるため、もっと形式などを整えたものも読んでみたい。
(一)比喩が別の本当の意味の単語で置き換えて読めてしまいます。昔のラブソングのような雰囲気の冒頭は好みの人には合うかもしれませんが、詩としてはまだ工夫のできる余地があると感じました。
(一)印象的な断片が光る作品であると思う。
11123 : 火は鎮むにつれ饗宴になり 屑張 ('19/03/18 00:26:21)
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(一)作品の凝集性が高い。高密度であるがリーダビリティも高い。優れた作品である。
(一)夕景から始まる火と死の物語。それぞれの短詩は共通したテーマに沿っていて良い意味で読みやすい。東京という都市の未来への不安感が国家と個人という正反対の方向へ拡散していくのを感じる。
11138 : 冬の墓 帆場 蔵人 ('19/03/30 02:26:57)
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(一)心地よく作品が進んでいく。悲しみを置いていく在り方が胸を打つ。
(一)辛いことや停滞したイメージに冬はよく使われますが、その対比として命の芽吹く春を描き、最終的にその春も刈り取られてしまうという展開ではありますが、対比がわかりやすいのにも関わらず結論がまだきちんと出ていないようで、更に描き切れることがあるのではないかと感じます。
(一)抒情詩として非常に美しいと感じた。
(一)最初の一行が良いです。三連目、少し力が抜けていて長いので、間延びしていると感じました。
(一)生きるということの過酷さと儚さという点においては、植物も人間も同じであると改めて考えさせられる作品。春に届かず冬に消えていく命。それは四季という単純な括りではなく、人生に例えることもできる。最終連における無情さは、しかし同時に生きることの尊さと解釈することも可能ではないだろうか。最初の2行における「枯れてゆく」の重複を、選者はマイナスポイントとした。この部分がなければ文句なく優良であった。
11137 : コテツ 玄こう ('19/03/29 21:59:44)
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(一)音の流れが印象的である。
(一)音、オノマトペと意味の関係は形式として読者に衝撃と影響を与えるもの、途中のフレーズにも心打つものがありますが、これを全体へ拡げて欲しいと感じました。
11136 : 文学が襲いかかってくる。 いけだうし。 ('19/03/29 10:45:02 *1) [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190329_400_11136p
(一)いろんなところに文学が潜んでいて発見すると影響を受けそうになる、誘惑に負けそうな自分の弱さまでも一歩手前まで見つめています。感情の言葉に流されて心情の吐露に陥っているような説得力に欠けているところがあります。
(一)「文学が襲い掛かってくる」いいフレーズだが、文学の暴力というもう少し押しが欲しかった。ただ、「バイトを休むのも文学が襲い掛かってくるからである」というくだりは、非常に人間的であり狂おしいほど好きです。
11135 : 泡 イロキセイゴ ('19/03/28 02:01:31)
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(一)私には掴むことが出来ず、読み込んでみても強く訴えるものが見つけられませんでした。
11108 : 開拓村 山人 ('19/03/07 06:02:39)
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(一)描写が上手く黎美であり臭気に満たされた現実世界が立ち上がってくる。眼前にあるかのようだ。
(一)きちがいのようになどのインパクトのある言葉をパターン化して出すという技がこの場合詩の質を落とす方に働いてしまっているようで残念です。使い方に依っては面白いものになる筈ですので自然に発せられているともっと素敵です。
次の段階へのステップかなという印象です。
(一)詩情は表面的に装飾された言葉ではなく、リアルによって立ち上がる。そのことを緻密な筆致で描き出していると思う。
(一)他の作品と同様にノンフィクションとして読んだが、仮にフィクションであってもその価値が損なわれることのない内容である。開拓者の悲惨な物語は数多くあるが、本作においては単なる嘆きに終わらず最終行を選んだ所に作者の年輪を感じた。
11134 : 朝、ホオジロは鳴いていた 山人 ('19/03/26 06:59:16 *3)
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(一)作者の作品として一歩、先へと踏み出していった作品である。難解な部位と実存の融合。
(一)春の狂乱。凄まじい命の勢いを感じること。移り変わる不安定さや痛みを実感出来るよう、分かり易く描くことに成功しています。
(一)季節の描写が非常に美しい。第二連が秀逸。
(一)「発狂」という単語をこれだけ連呼すれば普通は安っぽい作品になってしまうのだが、この詩においては「父」の飲酒行為とそれに前後する心の動きを圧倒的な迫力でむしろ必要な配列だと納得してしまう。「リノニュームから逃れたところに田園はある」等、作者の技巧的な成長を感じさせられた。このレベルを継続していけるのか注目していきたい。
11129 : ラーメンと日本人 atsuchan69 ('19/03/21 12:49:18)
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(一)ラーメンというグローバル化していく概念と食から日本を見いだしていく問題作。ユーモアも炸裂している。
(一)ストーリーの繋がりは曖昧ですが、文章から滲み出る温かみのようなものは有ります。
対比が少々安直に感じられます。今一つ文化についても深味が欲しいところです。
(一)読み物として面白い。最初の「お前はもう死んでいた」で引き込まれる。ずるい。ただ、日本の魂であるとか、そういったものを表現するのであれば、安直と言わざるを得ない部分がある。第一連ですでに詩の核を見せてしまっているので、後の展開ではだらけてしまった印象。
(一)ラーメンもカレーも他国の食文化が日本特有の進化を遂げたものであるが、この詩においてはアメリカナイズされたはずのラーメンが新しいタイプの「日本的ラーメン」になり、それを愛するアメリカ人が自らを「日本人」だと言う。一見、日本文化の勝利かと思えるが実際は「日本」や「日本人」そのものが曖昧な存在となり、他国の文化に吸収されて変質しているという2回転捻ったオチが面白い。
11127 : 進学や就職 渡辺八畳@祝儀敷 ('19/03/20 00:09:30)
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(一)胸を打たれた。エンタメテイストではなく作者の内面と距離が近い作品。綴りも丁寧である。
(一)受け身でありながら扇情的でもある言葉の選択によって、意見的な印象が強めに感じられます。
(一)まんまである。まんまであるから、そこが良い。胸の奥の軋りを感じる。
ご就職おめでとうございます。あなたの明日に幸あらんことを祈っています。
(一)浜田省吾が「MONEY」を歌っていた頃には、まだ都会に夢を見る余地があった。現代ではこの詩のように「少しでもマシな方へ移動する」という程度の「張りぼて」になってしまっている。それがこの国の現状であり、その事実がこの詩に説得力を持たせている。
11103 : 陽の埋葬 田中宏輔 ('19/03/04 22:19:51 *6)
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(一)ゲシュタルト崩壊していく作品の世界が、美しく花開いていく。
(一)古き佳き言葉を新しい形式に流し込むことによってまた別の新しい好感覚を導き出そうとする形の詩となっています。古の怪談話のような印象があります。
(一)水というものの美しさとある種の恐ろしさを巧みに表現している。視覚的イメージだけではなく、張り詰めた沈黙と時折それを破る微かな水音まで伝わってくるようである。作品の向こうに神的なものの存在を感じる。
11130 : 詩 第二十一 舟鷹 ('19/03/21 15:15:40)
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(一)神というワードが大きすぎる印象。君との落差が上手く利用できていないのではないか。個人的な孤独感と世界を想う時の孤独感、そのどちらをも表現しようとしたのだとすれば更なる深い考察と洞察が必要に感じます。
11131 : strip trip ! 白犬 ('19/03/21 18:31:45)
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(一)作品が、纏ってきている。以前は自己を全て出し尽くしているから詩情はあるけれども断片的になっていた。詩篇になっている。
(一)このテキストは朗読すると一味違うであろうと想像させるものがありますが、テキストのみで読ませるにはパンチが弱いかもしれません。描き出そうとするイメージがありがちになっていないか、色っぽさを表現する際の言い回しに癖が付いていないか確認するともう一回り面白い詩が書けそうです。
(一)詩としての体裁が整っている分、ひりひりした剥き出しの情熱や毒素が少し薄まっている気がする。最終行にもう少し工夫がほしい。でも方向性は間違っていないと思う。
11132 : 霞を求める眼 横山不飛 ('19/03/23 04:46:43)
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(一)雨水の雫が落ちた瞬間を写真のように捉えている詩ですが、もっと自身の感覚に起こったことを書き込んで良いと思います。
11128 : 花 水漏 綾 ('19/03/20 20:47:57)
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(一)小品として美しい作品。優しい慈愛に満ち溢れている。
(一)与える印象よりもっと自分勝手に書いてみると面白い書き手ではないでしょうか。
思い方や感性に光るものを感じます。
(一)生活の中の命を浮き上がらせる静謐な筆致。連の切り替わりがページをめくるよう。
(一)テーマを明確にして、長すぎず簡潔に表現できているのが良かったです。私と花という関係性がありながら、目指すものが孤独であるという点も面白かったです。
(一)無駄がなく美しい言葉選びによって、語り手と一緒に心地よい空間にいる気持ちになれる。ただ出だしが良かった分だけ後半がやや失速しているように感じる。最終連は最初の4行だけにするか、最後の4行を残すなら表現にもう少し工夫がほしい。
11116 : 百年前の夜か、千年後の朝に、姉を殺す。 泥棒 ('19/03/13 13:07:00)
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(一)リズムが非常に軽快。読んでいて楽しくなる身体反応に近いリズムをした作品であり、並べられている言葉も興を醒めさせない具合になっています。
意味で内容を追うより、それを超えて単語の連なりとリズムで一定の刺激を得られる面白さがあります。
(一)展開の美しさが際立つ。言葉数は決して多くないが、だからこそそれが余白を語らせているように感じる。
「四月にカーディガンをかける」ここに慈しみすら感じた。
11110 : アナウンス 拓馬 ('19/03/08 15:29:47)
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(一)現代美術のように後から後から衝撃を持って心を締め上げてくる。巧みな作品でありエスプリも効いている。
(一)一つでは物足りないので、いくつかオリジナルのセンテンスも含めてこのようなものを連ねて行ってみると良いのではないか。
11125 : (無題) まひる ('19/03/18 12:23:55) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_306_11125p
(一)分かりやすく纏まっている。ここから先が必要かもしれない。
(一)まだ思想、思いが強く出すぎていて詩の言葉とは異なると感じます。ボタンを押す本人の恐怖をもっと。
11126 : 土の下と上 〜何のことやら〜 空丸ゆらぎ ('19/03/18 23:30:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190318_310_11126p
(一)#の使用と形式が面白い。始まりを、もっと気を付けるか長めに取ると更に面白いかもしれないとも思った。
(一)表現したいことがあり、そこから逸れずに詩全体を纏めることが出来ているのではないか。人目を惹く文体を導き出すセンスがあるように感じられる。意図的に感ぜられる部分が全くないと感じさせることが出来れば更に魅力が増す。
(一)知性を感じる筆致である。展開しているようであって冒頭のメッセージから揺らがない。視点は常に定まっている。そういった意味ではミニマルの途中のような作品であると感じた。
(一)実験的で面白いが、それ以上の何かが足りないように思える。技巧、ストーリー、詩情、何でも良いからどこか突出した部分がほしかった。
11106 : 蛙の交尾 星野純平 ('19/03/05 22:28:15)
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(一)一見凡庸ですが言葉を飾るよりも熱情をストレートに表現する言葉を使うことで情熱的な作品になっていると感じます。適した表現の仕方を選択したのかは不明ですが表現と言葉の在り方の一致。
(一)愛とはシンプルなものである。最後の鳴き声が全体に響き渡り、命と心、存在の軽妙さを表しているように感じた。
11124 : 都市標本『現在形』 鷹枕可 ('19/03/18 04:47:24)
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(一)標本という冠を付けることによって成功した作品。作者自身の難しさを、そのままに包括してラミネート加工を施してある。
(一)纏まりで考えると惜しいものがあります。単語の作り方には文脈の中でみても面白いところがあります。
(一)昭和詩が持つ独特の文学的空気が漂う良作。突き詰めてほしい。大変美味でした。
11112 : 死体がみつかる 宮永 ('19/03/09 20:01:46)
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(一)優良や佳作という概念を、越えている作品である。抒情的で美しい。一単体の作品として完成度も高い。
(一)改行の仕方やリズム、最終の言葉のパンチ力など褒められるところが沢山あります。ただまだ深く入って来ないところもあります。ダメな人間と言うにはダメなところに衝撃が足りなかったり等。
(一)幼い頃の失敗や挫折。隠したかった秘密を暴かれてしまったというトラウマ。それが「死体」という形で夢に現れる。誰でも心の中にいくつかの死体を埋めているから、最終連の恐怖が生々しい夢のように迫ってくる。
11119 : あ る く や よ い 玄こう ('19/03/14 21:11:08)
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(一)最終連の畳み掛ける良さがそれまでの謎かけのような文章から効果的であったのか、判断が付けにくく、しかし最終連の春の土の肥えてゆくようなイメージは炸裂しています。汚い語感の単語を使うことによって春の強い力がより鮮明に表れています。
(一)最後の連で春が猛烈に芽吹き、殴りかかってきた。
11118 : 衝動 まひる ('19/03/14 16:45:08) [Mail]
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(一)将来、傑作を書くのではないかと少しだけ期待してしまう真っすぐな作品。書き続けて欲しい。
(一)情熱や衝動が本当に失くなってしまったのか想像させられました。最後の正直な吐露によって希望が残され、救われている作品。最後に吐露を乗せたことも力量のうちとして評価します。
11121 : 「猫」 アラメルモ ('19/03/16 01:00:38 *15)
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(一)センスの光っている部分もあり、文章の上手さも理解できてはいましたが、読み方の糸口が最後まで見つけられませんでした。
(一)非常に美しいイメージとセンテンスの配列。ファンタジックな夢の中で、老いた猫の見る幸福な家族。美しくも儚い。
(一)淡々としていますが、随所に気になる表現が出てきます。読んでいて楽しいです。
11120 : you need love? 白犬 ('19/03/15 15:07:29 *1)
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(一)テンションが良い。消えてゆくイメージ。blueの血というのは嘘くさいものですが、そこから嘘の文章への繋がりは説得力があります。良い塩梅で言葉を連ねテンションを高めてありました。
(一)むちゃくちゃかっこいい。ハードロックの歌詞として耳から聞きたい。
11100 : Sylvie with the light brown hair 深尾貞一郎 ('19/03/04 00:01:51)
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(一)形式などに美がある。
(一)難しい詩ではありませんが、何処か新しい感覚があります。終わり方など読者に世界観を残しイメージを持続させる効果があります。リフレインが効果的だったかは不明。意識の逸れてしまうような単語があると目に付く程度には読者を集中させる力があります。
(一)過度なイメージの装飾はなく、階段を下りてゆくだけのシンプルな構造は遺伝子を遡ってゆくよう。
11105 : 雪 2019 渡辺八畳@祝儀敷 ('19/03/05 02:50:27 *1)
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(一)単語と単語の関係、情景と情景の繋がり、これらが悉く遮断されている風に読めますが読者の気を散らしてしまう方に働いてしまっていないか。
(一)雪の白と斎場の壁の黒、そして焼かれた仏様やマルボロの灰……と、そこまで作者が意識していたかどうかは不明だが、喫煙という行為の終わりに漂う無常感が良い。最終2行の「明日も」の重複は不要だと判断した。
11115 : screen 完備 ('19/03/12 21:04:30 *10)
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(一)上手い。言語とヴィジョンの取捨選択に迷いがない。
11117 : いつも。あの人。向こう側にすわってる。 屑張 ('19/03/13 21:53:57)
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(一)タイトル良いです。心の中の呟きや内緒話の良さがありますが、いくら読もうとしても核心が出て来ないもどかしさもありました。
(一)単語の羅列が美しく、それでいて空間は透明に広がっている。
11113 : 自転車 水漏 綾 ('19/03/12 00:13:50)
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(一)分かりやすい表現の中で、ちょっとした捻りを加えて行っている。作品として上へと向上している。
(一)前半が詩のようで、後半がその設定を使った理論のようになっている為、読者がいるようでいない印象。
(一)第二連で自転車そのものとしての存在、三連ではそれを漕ぐ人への視点の切り替わりが素晴らしい。爽やかで、それでいて微かな疲労と悲しみに満ちた愛のヴィジョンだと感じた。
(一)概念的な部分、表現的な部分、共にとても良いです。きっちりまとまっているし、考えさせられます。
(一)最初は「上手く書けているな」くらいだったのが「じごくの道」からハッとさせられて、そのまま最終連で投げ技をくらい地面に叩きつけられる感覚。谷山浩子的な狂気を含んだ愛を感じる。
11114 : Artery&Vein 鴉 ('19/03/12 18:21:17)
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(一)技巧として正しく真っ直ぐに構成されている。言語芸術とは何かを運動の中から捉え直している。
(一)ダークファンタジーな詩。性愛や恋の暗い部分がテーマになっているとして見ると胸の苦しさやもどかしさが比喩として見えて来ます。
(一)抜群に切れのある筆致。要所要所に仕掛けられたレトリックが弾けている。
11111 : キャベツ君 atsuchan69 ('19/03/08 21:23:31 *1) [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190308_159_11111p
(一)作品の世界の中での展開が絵本のように面白く動いていく。作者の最近の作品は、非常に面白い。
(一)キャベツ君がきゃべちきゃべちと言っている方が弾き語りよりも選挙よりもゴスロリ少女の朗読よりも人の興味を引いて面白くなってしまうということが、そのままでなくあくまで詩としてきちんと昇華できています。皮肉で本当のことをズバリ上手に表現できており痛快。
(一)キャベツ君の独自言語が可愛い。「ぎゃべつんぱぉ!」で笑ってしまった。
社会の在り方をやさしく提示しているよう。
11107 : 闇の静物史_1:贋物について 鷹枕可 ('19/03/06 13:58:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190306_122_11107p
(一)読み応えがあり独自の世界観を貫き通していることに創作としての輝きを見る。
(一)独自のスタイルであり戦争を思わせる記述や険しい語りはこのスタイルと調和しているのですが、衝撃が物足りませんでした。
(一)作者でなければ描けない世界観と手法は健在であり、難解な単語やオリジナルな組み合わせが読み進める妨げとならないことに驚かされる。
11093 : Future 深尾貞一郎 ('19/03/01 00:01:00 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_010_11093p
(一)純粋に面白い。現実世界を昇華させていく新たな形式である。
(一)引用元の説得力の足りない部分。この人でなければ発さなかったであろう言葉を見つけるのが難しかったのではないかと感じました。
11095 : 陽の埋葬 田中宏輔 ('19/03/01 00:06:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_013_11095p
(一)作者の中では短い詩篇に分類されるため興味を惹かれた。高密度に凝縮されており、うなってしまう。
(一)イマジネーションが炸裂しています。ゲーテのファウストからの引用をモチーフにすることで更に詩の面白さが補強されています。リズムも勢いも面白味を感じさせるものとして作用しており均整が取れています。
(一)生に付きまとい、時としてその道の上に大きく四肢を広げる死のヴィジョン。三途の川でしょうかね。文句のつけようがありません。
(一)星を吸い込んでは吐き出すイソギンチャクというイメージは、坂田靖子の「星食い」の世界に通じる硬質の美しさがある。作者オリジナルの部分と引用部分の調和も見事。
11099 : グローバリズム孤児 星野純平 ('19/03/01 07:59:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_031_11099p
(一)錯乱していく方向を含めて内面と世界を攪拌していく面白い作品。
11109 : 働くにはいい日 黒髪 ('19/03/07 18:50:28)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190307_146_11109p
(一)音が良い。そして素直。一方で比喩を、もう少し使って良いとも思う。
(一)ピュアな視線が詩に表れています。言葉のリズムを整えるということをしているのですが態とらしさの無いところが良い。もっと言葉を深めて行けると感じます。
(一)タイトルから第一連の流れは最高だったが、最後の連が蛇足のような気がした。必要なかったのかもしれない。
11104 : 朝 ネン ('19/03/04 22:47:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_093_11104p
(一)真っすぐに書いていき詩と向き合っている。あと一歩だけれども具現化されている。
(一)意識が表層から離れていないまま書いている感があります。
11102 : 目次 空丸ゆらぎ ('19/03/04 20:40:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190304_086_11102p
(一)最後の方にかけて上手くまとまっていっている。始まり方が、もう一歩に思える。
(一)芯のある詩です。絶望を現実の中で自身の心でありのままに捉えて言葉に変えることに成功しています。何気ない力強さが希望を感じさせ、姿勢のあるメッセージが込められています。
11101 : 芸術論 コテ ('19/03/04 03:32:00)
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(一)芸術の中で芸術を考察し、体現する際のもう一歩の工夫が欲しいと感じた。
(一)真面目な語りです。芸術について考え始めたり、芸術的なことをしたいと思い始めた人などにとって、一度は考えたり提示していくことが大切なお話。強引な部分もありますので、その点でこの評価です。
11098 : memories 完備 ('19/03/01 07:25:56)
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(一)視覚にまつわる失念との切ない思い。恐怖と諦観が漂い必死な希望も見える。
(一)優良でも良いのではないかと迷いました。三連目四連目、確かにあるけれども誰も言わないしかし良くあること、読者を安心させるような記述があり、七連目は文章の切り方が内容とマッチして辿々しく何とか大切なことを話しているようなリズムになっており非常に効果的です。
(一)読み進めて行きたくなる作品でした。多くのことを書き足さないことで、伝えたいものが伝わりやすくなっていると感じます。
(一)「あの頃」を振り返るというスタイルの詩は多いが、この作品は単なる自分語りにならず語り手の感情が自然に染みこんでくる気持ちになる。手術をすればクリアな視界を取り戻せるのに、もう少し今の状態で友だちを見ていたいというのは進行性の病を持つ者にとっては複雑な気持ちになるが理解は出来る。
11097 : 光 黒髪 ('19/03/01 06:05:08)
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(一)良質で光り輝く言葉を用いている。更に独自の比喩が欲しいと思う。
11096 : 湖畔に住んだ最後の二人 コテ ('19/03/01 04:24:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190301_025_11096p
(一)作者の作品として一番、今までで良いと思った。綴りが丁寧になっている。アウトラインも上手く伝わってくる。