●2019年1月分・月間選考雑感(Staff)
11029 : 姉妹たちに 渡辺八畳@祝儀敷 ('19/01/31 02:54:10 *1)
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(一)アニメ「ケムリクサ」の二次創作詩。内容を知っているとその考察力に感心するが、知らなければ逆に制約なくイメージできるかも知れない。作品と切り離した詩として読んでも、骨格がしっかりしているので強度を失わない。
(一)癒し系としての力があります。
世界観空気感を醸し出し、改行が空気感に作用。表現そのものが植物的であると、樹というものを使って伝えてきます。
11033 : ちんちんのポジションを気にしながら、 泥棒 ('19/01/31 23:58:39)
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(一)天国と地獄という本来なら対局にあるはずの場が、実は紙一重の位置関係にあるのではないかという発想の転換が面白い。語り手のちんポジは、果たして天国と地獄どちらに位置しているのだろうか。
(一)とても笑わせていただけました。
男の哀愁をあたり一面に放射しつつ、その反響で実像を結んでいる。
(一)いきなり気になるような言葉から入って来、何でもない生き物としての感覚を上手く表現している箇所、普通の語りっぽい言葉で読み手に親近感を与えつつ中だるみはしていません。
11028 : 茂り始める初夏 イロキセイゴ ('19/01/31 01:04:44)
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(一)クロウカードを調べてようやく、ガーター勲章やタオイズムが出て来た理由がわかりました。勢いの良いところがあるので、口調と文節に一貫するイメージがあるかを突き詰めたり、心情の部分がもっと情熱的だとぼんやり見過ごせないものになったのではないか。
11030 : 台所の廃墟 帆場 蔵人 ('19/01/31 09:07:30)
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(一)叔母の形見分けでたくさんのピクルスの瓶と犬の首輪を選んだ語り手。それぞれの瓶を「王族の墓」と表現する視点と、それを使い犬の首輪で輪投げをするという行動がユニーク。主の居なくなった台所の廃墟を歩く猫。叔母と犬は死の世界、語り手と猫は生の世界に隔てられている。台所という日常的な場が、その2つの世界の境界線になっている。詩人の目を持っていなければ書けない作品だと思う。
(一)一連目が説明になってしまっていないかどうか。他の連とのバランスが悪いことが非常に気になった。瓶と廃墟の比喩は面白く立ち上がっていた。
(一)古めかしい中に比較的新しい単語が入っていたり、バランス良いと思います。懐古趣味的世界観を表すことと亡くなった人物への大袈裟でない感傷で、亡くなった人の部屋に漂う哀愁がさっぱりと出ています。
11027 : そこには戻れないが、どこかには帰る。 空丸ゆらぎ ('19/01/29 21:30:34 *1)
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(一)「回転」、「流転」、「反転」をテーマに展開する3編の詩。構成に工夫が見られ、ちょうど良い歯ごたえになっている。宇宙飛行士の部分は人によって評価が分かれるかも知れない。
(一)三連画のように結びつきが振りあがっていく。書き言葉を直接だしていくことに関して上手く作品を、まとめている。
(一)まずタイトルに深みを感じさせます。
小タイトルも普遍的メッセージを感じさせるものです。
2連目の流転は分かりやすく書いてはあるけれども説明的ではなくて、詩の文章になっています。気になりつつわからないままのものがあり、最終連で何か違ったまま断定されるような若々しさ。修正前も熱気を感じさせるものです。
11032 : ●月〇日 山人 ('19/01/31 16:00:07 *1)
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(一)実存としての編み方が立脚している。上手い。
(一)出だしは凡庸ではあるけれどもインパクトがあり、途中の口語も何気なくて良い印象です。共感を呼ぶフレーズもあり説明的になっている箇所もあります。
彼女らの存在が謎なまま終わり、ここで表現しているところの何なのかについて、想像を促す記述が少なく、掴み所がありません。
11019 : 円形劇場 鷹枕可 ('19/01/24 09:44:58)
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(一)鷹枕可さんの作品は漢字の多用もあり一見すると読みにくく、内容も難解であると感じる人が多いのではないだろうか。それでも四苦八苦してながら最後まで読んでしまうのは、作品の個性と力量ゆえだろう。
(一)作者の作品は独自路線を走っており心地良い。
(一)1連目、エヴァンゲリオンの世界のようなものを連想しますが、単語の連なり方イメージが想起できず。しかしところどころにあるあるのような、わかると言いたいようなイメージが配置されています。短い時間で気付かされることは難しい。
11012 : 変なおじさん 自由美学 ('19/01/18 05:37:03)
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(一)タイトルで自嘲的に作品を進めていっており、だからこそ綿密に紡がれた自己の駄目な部位が詩として昇華されていく。名作かもしれない。心を掴まれた。
(一)共感を呼ぶ素直な吐露や情景描写は良く、おじさんのキャラクターも良いですが、急な展開で置いて行かれます。
11020 : 削って削って削って削って削っても私が私が私が私が私 泥棒 ('19/01/24 15:07:04)
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(一)初読時は特定の投稿者を皮肉ったものかと思ったのだが、実際は読み手だけでなく作者ですら語り手の中に含まれていることに気付いた。創作だけでなく批評やそれに対する返信など、すべてにおいて肥大気味の自意識が見え隠れしている。そのことを思い出させてくれる作品。読みにくい文字配列にも関わらず、最後まで一気に読ませてきちんとオチを持ってくる文章力も評価したい。
(一)自我意識が肥大した部位を突いてくる皮肉を描き出している。巧いしエンタメに富んでいる。
(一)問題提起として読みやすい。手紙のようなスタイルは読む人が受け取りやすい効果があり、途中から笑わそうとするような要素もあります。理解できるとは言い切れないものをテーマにし、負けないゲームをしかけるため、振り回されることを楽しむことができれば。
11013 : ミセモノ 井上 紅華音 ('19/01/19 15:57:59)
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(一)比喩に昇華されきった作品。更なる踏み込みが大切かもしれない。
(一)マザーグースや数え歌のように見るとリズムがあり面白いですが、世界観の設定がはっきりとしていない印象がありました。
11018 : Good-bye 鴉 ('19/01/23 23:39:51)
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(一)個人的にこういう難解な詩は好みなのだが、難解な中にもひとつの方向性が示されていなければならないと考えている。この作品は各フレーズが魅力的なのだが、それぞれが勝手な方を向いてしまって統一感に欠けるのが残念。
(一)手法と技巧が、しっかりとした手腕によって結実している。
(一)タイトルから、孤独と孤独を癒す関係とその終わりに導かれるように詩が続きます。
言葉の並びが非常に美しい連がありましたが、イメージははっきりとはしない。
最終連は突然雰囲気の違うようなイメージになりますが、全体的には生を感じさせます。
11025 : 嘘 kale ('19/01/28 14:52:29)
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(一)悪くないと思う。最後の連が、もっと上へと行けるのではないか、と思った。
(一)抒情的な空間を、一言一言区切るような語り口で切り取っている。
(一)演歌的悲しい詩ですが、全体で分かりやすく、小さいドラマのようになっています。
状況を見て、感覚を楽しめれば。
11021 : 『蟲』 尾田和彦 ('19/01/25 20:17:10)
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(一)実存がある詩である。これこそが詩なのでは、と思ってしまった。
(一)紋切口調が諸処に置いてありますが、説得力にはつながっています。
身近な出来事も配置して、日常生活に心情や考え事のようなつぶやきも足すことで、文章を身近に感じさせます。最終的に感情的な部分が出て来ますが、化けると熱い詩の予感がします。
11016 : 藍色ドライ・シロップ 鈴木歯車 ('19/01/22 20:08:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190122_393_11016p
(一)選者の世代だとN.S.Pの歌詞などにある微かな病的さや、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」のラストなんかを想像する。青春は青い春と書くが、この詩においては藍色の冬といったところか。スピッツなどイメージを特定する単語を出してしまったのが残念。
(一)「,」を「、」もの方が良いかもしれないと思う。ただし、その細かなところを省いても丁寧に紡がれている良作だと思う。
(一)陰鬱な空気を纏いつつ、清涼感を感じる作品である。口語体の形をとりつつ、句読点で変化をつける。
美しい作品。
(一)圧倒的熱のなさ。時代の一つの様態と云えばそうです。悪い意味とは限らず、青臭さ、現代の若者の感性も感じます。
10993 : つきみるつきみつきみは まじまっ ('19/01/10 03:34:51)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190110_004_10993p
(一)この作品もタイミング的に特定の投稿者を意識したものかと思ったが、内容的にはそうではないようだ。少女、あるいは若い女性と月、子宮、堕胎といった組み合わせから、性的なイメージが立ち上がってくる。語り手と「もう1人の人物」の関係性から色々と不穏な妄想が膨らんでいく。描写力も文句ない。
(一)12chの部分など上手い。
(一)ひらがなの多さは、柔らかく女性的な印象も持たせますので、文章から発せられる薄いピンク色のような空気とのバランスも良いです。女性的な雰囲気で終わっているため、刺しに来る箇所が欲しくなります。
11022 : 意見と豚 反 ('19/01/25 21:38:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190125_424_11022p
(一)意見を言わなくなっている人への意見、演説という形になっています。
自らの深みをここに足して行って頂きたい。
11024 : RE:123123123 123123123 ('19/01/26 14:09:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190126_432_11024p
(一)不快感を与えることに成功している。気怠い消費財になっている(一)メタな詩なのかもしれない。
対話形式で読みやすくはなっています。内容はネットで詩を書いている人がこじらせた状態を「体現」している。そういう読み方をすれば、有意義かもしれません。
11000 : 檻 まじまっ ('19/01/14 00:07:06 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_162_11000p
(一)一読して頭に浮かんだのは「慰安婦」という言葉だった。あるいはそう誤読させるための罠が仕掛けられていたのかも知れない。そもそも「ぺぶ」という人物は本当に存在していたのか。そんなことまで考えてしまうほど、この詩には仕掛けがいっぱい隠されているような気がする。それは、わくわくする仕掛けである。
(一)国を対象化しており美しさと悲しさが詩情を持って立ち上がる。
(一) 素直に上手いと思う。テンポも歯切れがよく、人物が「意識を持って」動いている。
長い文面であるが、読者を引き込むだけの筆力を感じる。
(一)シモの話をしている文章です。暗い感じの、アゴタ・クリストフの小説のような世界観があり、文章は上手ですがそれだけにハードルが上がります。感動とか、心が動くとかいうものではありませんが、文章の一つのスタイルとしては味が強めですので、影響力を持てる可能性が隠れています。
11023 : ありふれた邪神 響真 ('19/01/25 22:32:14) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190125_427_11023p
(一)幼さ、弱っている。好んでくれる相手から去ったり、好んでくれる相手を邪険に扱うことができる。愛されているから、執着されているから持つことができる残虐性を表しています。
このテーマにはもう少し深度が必要かとおもいます。
11017 : (無題) 玄こう ('19/01/22 21:51:41)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190122_394_11017p
(一)純粋に美しい。自然の描写が風のように駆け抜けてゆく。
(一)非常に美しい。雰囲気、空気を醸し出すための文章。ことんと上品に置かれた言葉。
11004 : flight 白犬 ('19/01/14 20:27:15 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_207_11004p
(一)作者独特の世界観が美しいが、最後の部分がオチ的にも表現的にも平凡なのが惜しい。好きなものだけでなく、色々なものを吸収すると良いのではないだろうか。
(一)筆者の作品は歌詞の構造をテンポよく組み込んでゆくのが上手いと思う。詩的文面の中にアクセントとしてリズムが浮かび上がり、ロックの炎がチラチラと燃えている。
11005 : やわらかいおり 渡辺八畳@祝儀敷 ('19/01/15 06:31:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190115_242_11005p
(一)自らの身体から出た、「スライム」という柔らかい牢獄に包まれるという発想はいかにも作者らしい。表現は文句ないのだが、基本となる設定はやや新鮮みに欠ける。
(一)作為的でありながら作者の素直な部分が染み出しており作品にかける思いすら前に出てくる。良作。
(一)冒頭の強さがいい。鬱屈した哀愁の中にありながら、自らの化身であるスライムを指先でつついている。それは肉体的対話のようである。
(一)とじこめられなさそうなタイトル。二連は余興的。自分の孤独感から身を守るための心理的作用を起こす人間の心情が物質的に不思議に書き表されている様子が不思議。
10978 : ニューヨーク天神駅「2002年金星または人類は衰退しました」 オオサカダニケ ('19/01/01 11:16:00) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_706_10978p
(一)言い方が面白かったり、言い切る口調に疑いを感じさせたり、する箇所がありますが、訴える文としては共感性に欠ける部分があります。
10989 : 昨日の夜の絶望 いけだうし ('19/01/08 00:05:20 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190108_898_10989p
(一)男子学生のダサいとも言える哀愁が見事に具現化されている作品。読んでいて惹きこまれる。
(一)眠れない人のあるある話から始まりますが、ペットの悪口を言い、ペットからいつの間にかそれが彼女になり、最後の落とし方はどうだろうかと思いますが、心情、話の流れなど、目を惹くものがありました。
11011 : 窓に夕日の反射するアパートに帰宅する ゼッケン ('19/01/17 19:27:34)
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(一)児童虐待をテーマにした詩だが、単なる告発や倫理観の押し付けではなく「親になれなかった親」の心理状態まで踏み込んでいるのが良い。またギャグとシリアスのバランスも絶妙。あと蛇足ながら付け加えさせてもらえば私は選考に参加した時点で(中略)なので今回の評価は忖度の結果とかではないということを、はっきりと伝えておきたい(鼻息
(一)世相を反映しながらエンターテイメントへと昇華していく作品。苦々しさの先にある作品の奥深さが光る。
(一)生活感あるノスタルジックな題名から、意外なぶっちゃけ、非常に大掛かりなシーンで描かれておりスケールも大きく、技術のある書き方です。こんな児童相談所があったらびっくりという内容で、物語や演出としてとても上手です。影響を与えるならもう一声。
11010 : 自称詩人の詩(うた) 田中恭平 ('19/01/17 10:08:15 *1)
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(一)作品自体は良質なのに「自称詩人」を冠の一部に被せてしまうことで狭めてしまっている。
勿体ないと思う。
(一)語り口と情景のバランスが良く、与える印象がきちんとあることも感じ取れます。
深いところや、当たり前だけれども共感を呼ぶ言葉などが主張しすぎず並んでいます。
11003 : 個人 反 ('19/01/14 14:23:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_197_11003p
(一)良い考えのとっかかりをしていると感じさせられます。自分へのメッセージのようなニュアンスがあると説得力が増すでしょう。突き抜ける姿勢で破り切るまで。
11006 : 怖がらないで 黒髪 ('19/01/15 06:42:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190115_244_11006p
(一)個人的な感想ではあるが作者はとてもゆるやかに、しかし確実に成長するタイプだと思う。今回、その成果がはっきりと現れたと言える。「書けないやつはどれだけ努力してもダメ」という意見もあるようだが、こういう実例を見れば「そんなことはない」という気になる。この感覚を忘れずに書き続けてほしいと願う。
(一)素直で腹を割った率直な言葉遣いが見る人に警戒心を与えない効果を持っています。
急な語りかけは目を引き、説教臭さや演説臭さがなくなっています。
言葉がストレートすぎて捻くれている人が見ると小っ恥ずかしいような印象もあります。
10986 : 偶像(眠りにつくための覚書) アラメルモ ('19/01/07 04:25:57 *15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190107_861_10986p
(一)大作であり作者の作品として高い位置にある。このスタイルで何作か書いていって欲しいと思った。
(一)描写が上手く、人の中での重いテーマに対峙する気持ちの文章を講じることが出来ています。呼びかけや語り口調も効果的になっている。
11008 : 銀白の鱗 は ('19/01/16 01:32:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190116_266_11008p
(一)人に心を許させる、なつっこい文章。はぐれ者、変わった人、アウェーでありつつ、普通の人の感傷のような文章。最後に脱力して凡庸な結論に陥ってしまった感があります。
10996 : rivers 完備 ('19/01/12 00:14:04 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_099_10996p
(一)この詩における「ラブソング」は「最終兵器彼女」の最終話におけるそれと同じ意味と重さを持つのではないかと考えた。読んでいるとDonovanの「The River Song」が頭の中で流れはじめた。次に読むとドアーズの「水晶の舟」が聞こえた。どもる、どもらない。記憶と忘却。川面と川底。色褪せてしまった、あるいは永遠に色褪せない、恋。作者の力量が遺憾なく発揮された作品。特に最終連の美しさは特筆に値する。
(一)短い言葉でスタイルよくして詩として昇華されている。上手い。
(一)やさしい言葉を使ってストレートな表現をすると陳腐になりがちですが、これは上品にしっかりと情感があります。
10997 : (無題) あーちゃ ('19/01/12 00:53:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_104_10997p
(一)オマージュするにはオリジナルとの熱量が圧倒的に異なってしまうのを、署名によって適当にカバーしている作品。
10998 : 普通に暴力と 黒髪 ('19/01/12 04:33:50)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_111_10998p
(一)比喩として昇華されていた以前の詩作品を懐かしく思います。もっと跳ねても良いかも。
(一)詩情と言葉のバランス。独特の言葉の切れ方が良く作用しています。ところどころ理屈が強引で説得力に欠けますが、独自の書き方。真っ直ぐさを感じられます。
11001 : オリオンを超えて 朝資 ('19/01/14 00:14:53)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_166_11001p
(一)とても上質で上手い。三文目が更に飛躍できそう。
(一)落とし所がロマンチックすぎるために前の二行が勿体無いことになっています。
10994 : Alone and satisfy 青島空 ('19/01/10 23:10:37)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190110_056_10994p
(一)分かるという感覚が充溢している。若さのまま、このまま書き続けて欲しいと思う。
(一)情景を浮かぶように描くのが細密で上手です。
布団がもっと強烈に来てくれると面白く、情感も盛り上がりそうです。
10992 : 不純のスープ 帆場 蔵人 ('19/01/09 23:39:16 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190109_991_10992p
(一)詩的純度の高い作品である。ただし「"」で区切られる「私」という存在を、もっと滑らかに出来たのかもしれない。
(一)安直かとおもう表現もありましたが、殴り合う激しい愛を描くには適切なものなのではないかと思わされました。スープ作りのリフレインもとても面白いのですが、もっとスープを迸らせることができるのではないか。
10999 : 月刊詩 紅茶猫 ('19/01/12 18:22:51 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190112_119_10999p
(一)「詩」という単語を使ってしまう際の脆さを同時に抱えてしまっている作品である。これまでの形式と同等の在り方の作品を模索していく過渡期なのかもしれない。
11002 : 好きなもの(2004) 中田満帆 ('19/01/14 00:30:13) [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190114_170_11002p
(一)2004年の「なにもかもに孤立したい/なにもかもを敵にしてやりたい」と、2019年の「いずれにせよ、ぼくはあたらしい詩を書くつもりだ」という言葉を個人的に支持したい。作者に関しては成長より熟成という言葉が似合う気がする。この荒削りな手法を信じてこれからもサイクロン号で突っ走ってほしい。
(一)文章表現が独自のものであり読みやすい。その上で更に先へと行けそうでもある。
10995 : (無題) コテ ('19/01/11 04:13:03) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190111_082_10995p
(一) 「小石」と「エッチ」という言葉の選択に驚きを隠せない。
10977 : 全ての読み手へ 環希 帆乃未 ('19/01/01 00:24:06 *64)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_684_10977p
(一)構成の仕方が上手い。最後まで平面性の中に存在している状態が続いているようにも思える。しかし、それも上手く作用している。
10985 : 陽の埋葬 田中宏輔 ('19/01/07 02:28:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190107_859_10985p
(一)作者の筆力に変わりはなく、相変わらずのクオリティを保っている。だが同名の連作として考えると今回は少し驚きが足りない気がした。
(一)精巧な文章の綴りが実話をも全て詩として昇華されていってしまう美しさ。麗しさがあります。
10990 : アポロン 朝資 ('19/01/09 02:08:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190109_964_10990p
(一)体言止めの多さが非常に気になる。もう少し言葉の現代性を持って行って良いと思う。
10984 : 詩的殺人事件 松本義明 ('19/01/07 01:55:42 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190107_858_10984p
(一)もう一歩、工夫が必要に思える。
10981 : echo 完備 ('19/01/03 01:26:41 *6)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190103_755_10981p
(一)タイトルのエコーは本文の内容から「胎児エコー検査」のことだと勝手に読んだ。その上で胎児にとって悪影響を与える「タバコ」の意味についても色々と考えさせられた。位相ゆえに噛み合わない会話。書き出しと最終連のセンスが光る。
(一)傑作である。人間の光と闇を淡々と書いている。
10983 : 居ない 玄こう ('19/01/04 01:40:38 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190104_798_10983p
(一)ある日、いきなり居なくなった近所の犬。おそらくは虐待されていたのであろう犬と語り手の関係が切ない。「したるみず」が「したたるみず」の間違いでなければ方言なのだろうか。
(一)描写も丁寧であり、最後のまとまりへと流れ込むテクニックも見事。あと二連目が気になった。
10976 : 陽の埋葬 田中宏輔 ('19/01/01 00:03:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_683_10976p
(一)作者はすでに他人が簡単に真似できない技法を確立している。この作品などが良い例だが、やはり創作者にはインプット(教養)が重要であるということをあらためて認識させられた。美しい文体は読んでいて勉強になる。
(一)()からのフォルムと旧仮名遣いが「。」の引用にまで繋がっていき大傑作となっています。技巧も上手く詩情の放たれ方も見事。
10982 : 善悪の相続 コテ ('19/01/03 09:33:01) [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190103_764_10982p
(一)序文のようなものを一歩、前に進めて行ったほうが良い。『戒と律』は読みごたえがあった。
10979 : the play 白犬 ('19/01/01 12:34:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190101_722_10979p
(一)作者独特の世界観が美しいが、最後の部分がオチ的にも表現的にも平凡なのが惜しい。好きなものだけでなく、もう少し多様なものを吸収すると良いのではないだろうか。
(一)一行空白に慎重になっても良いのかもしれない。言葉の新鮮さが刺さってくる。