【第7回】即興詩枠内優美な死骸
文学極道公式ツイキャスも開始から一カ月経過しました。
文学極道ツイキャスでは隔週おきに「自作詩朗読枠」と「即興詩枠」を行っております。
【第5回即興詩枠】にてイベント「優美な屍骸」の告知をし、Twitter上で一行詩を募集。二週間の間にDMやリプライで多数の作品が寄せられました。
参加者は詩を書き始めて間もない若者だけでなく、第一線で活躍する詩人の方など、大変幅広い層となりました。
先日8月8日放送の【第7回即興詩枠】冒頭にて、MC瀧村鴉樹がシャッフルと開示、朗読を行いました。先の読めない展開は大変スリリングであり、予期せず成立していく詩情に、驚きと興奮を隠せませんでした。
その内容をまとめさせていただきました。(改行は筆者の判断によるものです)
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「第7回即興詩枠:優美な屍骸」
でんぱ、ガ、ガ、伝える、宇宙飛行士の「君が好きだ」す
夜毎に憂う大きな羊は人の夢の中では死骸です
淵を行き瀬を行けば◯乃ち日盛りの◯清き河原の百千鳥◯百千草
別れの言葉は
結び方を忘れた指たちの標本
群青の海より来りしは、海神(わだつみ)となり散りし者の魂か。
(酷い色ね、)(そうかしら、あたしは好き、
斜めになりながら朝がくるまでに
羽があるなら 鴉のがいいな ずっと貴方の光を 吸って飛びたい
夏時雨、梅雨も負けじと降りしきる
湖に浮かぶセロファンの異界
真夏の葬列を見送るブーゲンビリアの紫
涙袋に隠しているのは午後に落とすあたたかい爆弾
花束は海のかけらで出来ていて
二丁拳銃のジュリーを打ち抜くアイドルと老い
その背中は「勝手にしやがれ」と囁く
目が眩むアスファルトの逃げ水貴方の後ろ姿
猫よりも少し賢き扇風機
かぶれ爛れた左腕に亡き者の顔が浮かぶ
火葬後、水・木・土後空想で頼むわ
死んでいるように生きるくらいなら、いっそ屍である方が清々しいとも感じるほどの水の上
蒼白く固い皮膚に止まったヤブ蚊は月の光を吸って
白木の額縁に収めて、美術館に寄贈するつもりです
しずく枯れ果て、巡りて、やまないしずく
海面から海溝に向かって蒼ざめた塔が立っている
銃身を咥える君の面影が酷く哀しい。
私から3分、絞り出すグレープフルーツ
。 泳ぐのは 、 胴無し乳児の束だ 。
夏に負けたゼリーの液体が自分だけにため息を漏らす
カモメがしきりに太陽を演奏しているのを幻視していた、
私は、私にすら知られていない場所で、ひっそりとゆっくりと枯れて朽ち果てたい
まだ百葉箱に世界の秘密が隠されていた頃
子供は殺す 優しい死体を 美しい死体を
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私たちは普段、孤独に詩を書いております。これらの言葉もまた、一人一人が満身の力を込めて放たれたものです。それらが一つになり、うねるように展開していく時間は、とても有意義なものでした。また企画いたしますので、その際は是非ご参加頂ければと存じます。
また、次回8/15の自作詩朗読枠では、「ブランコ」をお題に新作を書き下ろしていただきます。一つのモチーフをそれぞれがどう解釈し、利用し、展開するかを共に観賞しあい、学ぶことを目的としております。
こちらも是非ご参加下さい。
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