文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

2015年5月分月間選考雑感(スタッフ)

2015-07-07 (火) 01:17 by 文学極道スタッフ

8094 : タオル  れたすたれす ('15/05/26 21:26:43 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150526_309_8094p
(1)観念性と比喩の両立が成されている部分が多々見られます。「日の丸」などを出さずに表現しきることも可能だったのではないでしょうか。もったいない作品だと思います。

(2)はじめは言葉遊びが主体となってぽんぽんとリズムを楽しませて頂きましたが、改稿後はただただ難しい作品でした。

8085 : 侵食  イロキセイゴ ('15/05/18 03:24:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150518_181_8085p
(1) 詩のフーガを知って居る
は必要でしょうか。ない方が作品のヘタウマな中に人間味が溢れてくるキャラ的様相が立ち上がっていくように思えます。ところどころの変な綴りの使用が予定調和になりがちな詩作品の形態化を打ち破っていると思います。いろいろな作風を扱いこなす作者の腕には驚かされます。

(2)頭でひたすら捻られてねじられてかたーくなったような作品ですね。
 好き嫌いでは計れませんが、見逃せないものを感じました。

8074 : turn  あおむら ('15/05/08 16:37:39 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150508_967_8074p
(1)上手くない綴りのあり方が作中主眼に見事にあっていて、
詩情を獲得しています。
作者が、その詩情を自分の力のみで操作できるようになると、
作品に、もっと深みが出てくるのではないでしょうか。

(2)目線の移動がぜんたい、少し唐突かもしれません。
郷愁に溢れた作品ですね。

8079 : キャラメルポップコーンの冒険  はかいし ('15/05/11 19:53:56)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150511_070_8079p
(1)いろいろな作風を実践していくエンタメ作品として力を持っていると思います。
作者の作品は、どこにあり作者は作品を自身から、どのように対話し紡いでいくのか、
そこが気になりはしました。

(2)あれっ、終わっちゃった。って感じでした。

8063 : き、き、  atsuchan69 ('15/05/06 02:43:18)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150506_870_8063p
(1)「き、き、」と振り子っぽい音に振り幅を期待してしまいました。扉を次々と開ける夢のような不連続の連続でそれはそれで悪くないのですが。

8080 : 恋なき恋のうた  鵜戸口利明 ('15/05/12 18:58:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150512_085_8080p
(1) 「まるで〜のように」
の使用法や最後の行を妥協している点など様々な粗さが見えますし詩としての粗さに、それは直結していますが、
取り扱った主題が、その粗さがあっても良いものなので作品としての力は、
きちんと持ててはいます。
もう少し丁寧に、その粗さを扱えば詩作品としての強度を確固たるものにできるのかもしれません。

8095 : 苺  草野大悟 ('15/05/26 21:49:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150526_313_8095p
(1)視線移動が苺に対して蔕の緑、果実の赤(近)→痩果(超近)→白い皿の上で溶けそうな果実(中)→練乳をかけるわくわく(近の中の遠)と続くように思います。そのどれもがタイトルにしっかり引き寄せられているので分かりやすい。
 完熟した苺が傍らにある作中主体の生活の一こまを描いた(と思われる)最終連が難解でした。
>歓喜に震える
>吸引器、の
>明るさを
>挿入する、鼻腔は
>卯の花腐し
 卯の花腐し(ウノハナクタシ):五月雨の別名、走り梅雨。初夏の季語。
 読み取れなかったことを羅列していくと
 ・「歓喜に震える」がどこにかかるのか。
 ・「吸引器」は比喩なのか。
 ・梅雨が訪れた鼻腔は誰のものなのか。
 ・苺はどこへいったのか。
 といったところです。
 全てを読み下せるのが良い詩だとは思いませんが、もう少し整理が必要なのかもしれませんね。

8097 : 海辺  吉晴 ('15/05/30 16:11:38)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150530_345_8097p
(1)二連目、三連目が無い方が作品として高まると思いました。

(2)>壊れた漁船が塀に傾いている
  >それらの相性は良くないと思う
 このあたりの英訳文体めいているのは、どうやら天然の産物みたいですね。そのあたりを意識してコントロールすると
  >ずっと潮騒は
以降にうまく絡まりそうな気がしています。好きな方の作品でした。

8068 : おじさんおばさんおじさん  赤青黄 ('15/05/07 03:37:06)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150507_932_8068p
(1)内容と共に、きちんと作られていることが解るので最後の勢いだけで何とかしようとしている部分が非常に勿体なく感じます。

(2)作者がとても楽しいんだろうな、とこちらまで楽しんで読んでいましたがラストは筆が滑りすぎていませんか。

8098 : ガラス  イロキセイゴ ('15/05/30 16:47:55)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150530_346_8098p
(1)三連目の一行目と二行目は本当に必要なのでしょうか。一気に日記的メモにすぎなくなってしまったように思えます。詩作品内部でドキュメントをするのは非常に難しいので注意が必要なのでは、と思います。

(2)詩に悩みながら書く詩というのは人様にお見せするものではないのでは。

8092 : 瀬頭さんに  MELTEX ('15/05/25 23:24:45)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150525_293_8092p
(1)気取るのか劣情を誘うのか、どっちか決めた方がいいのかも!

8088 : 少女  草野大悟 ('15/05/18 22:23:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150518_211_8088p
(1)何が言いたかったのかまでたどり着かせない作りを目標にされているのかな、と感じました。

8073 : 白い教会(タリタ・クミ) ねむのき ('15/05/08 00:04:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150508_957_8073p
(1)この作りだとなんで死にたかったのか書かないと、奇跡にむせび泣いている作中主体がただの変性意識状態の人になっちゃうんじゃないかなぁと思います。

8084 : 不思議な愛のさようなら  黒髪 ('15/05/16 17:13:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150516_158_8084p
(1)不思議というか、むせび泣くことも出来ない錯乱、といった印象を受けました。
 どっちかに決めないと時間がもったいないと思います。

8053 : 連祷:farewell  どしゃぶり ('15/05/01 15:34:22)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150501_801_8053p
(1)あと何作品か読みたいです。上手すぎますが、それは偶然なのか必然なのか。

(2)むちゃくちゃかっこいい作品だなとおもいました。無駄が全然ない研ぎ澄まされた言葉がたたみかけられていて、繰り返し読まされました。

8049 : コピー。  田中宏輔 ('15/05/01 00:01:01 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150501_783_8049p
(1)わかりやすくて楽しくて、読後感もよくて好きです。

(2)改変されて都市伝説になりそうな。

8093 : 夏休み  山人 ('15/05/26 06:11:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150526_297_8093p
(1)子ども時代は逃げて行くものが多いですね。とても好きでした。

8056 : 火だるまパンツ事件。  田中宏輔 ('15/05/04 00:00:27)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150504_835_8056p
(1)身もふたもない大事件ですね。

8081 : 四月某日  鈴屋 ('15/05/14 01:06:10 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150514_115_8081p
(1)とてもいい作品だとおもったんですが、洋梨ということばだけは、なんだか気になってしまいます。

(1)作者は洗練された筆力のある方と思います。
>わたしはわたしと平行している
というような表現には個人的に違和感がありますが、最後まで引っ張られるように読み進めてしまいました。同時にここを作者が別の表現で書いたらどうなるかな、読んでみたいな、と思いました。

8075 : 山林の詩五篇  山人 ('15/05/09 17:27:27 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150509_987_8075p
(1)良い作品です。
  〜のように/ような
 を無くした方が力を持つ箇所も、いくつかあると感じますが比喩の使い方と描写、
 作者の距離感が見事なのではないでしょうか。

(2)通低する思想が力強いですね。
「山林へ」の「心地よげ」というのは、タイポでは?

8066 : 来週の女子会メンバーリスト  泥棒 ('15/05/06 20:03:01)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150506_895_8066p
(1)面白かったです。もうちょっと根性が悪そうな感じを強めたほうが好みかもしれません。

(2)もう少し批評的な目線があったらもっと面白くなるんではないでしょうか。

8089 : らりぃ・アリス  atsuchan69 ('15/05/18 23:52:02)  [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150518_215_8089p
(1)展開がとても楽しかったです。下品じゃなくきれいなところがいいなとおもいます。

(2)単語の羅列が夢占いみたいで面白かったです。

8087 : 宵のはたらき  回 ('15/05/18 21:50:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150518_207_8087p
(1)言葉の感触が素敵だと思いました。

(2)いろいろなものが突然出て来て並べられるのでそれを順を折ってみていく、廻り燈籠をみているような感覚でした。

8090 : 詩集を燃やしに  泥棒 ('15/05/22 20:21:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150522_247_8090p
(1)比喩・描写が、もっと上手く扱えていたら風刺が効いたのかもしれません。作者の挑発的な作風が冴えていて確固たる強度を創り出しています。裏打ちされた実力が見えることが面白いです。

(2)何度も読み返すかというと分からないのですが、なんか創作意欲がかきたてられる作品でした。

8076 : 理由  zero ('15/05/11 07:00:19)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150511_042_8076p
(1)もうすこし言葉に出して韻律を確認してみてもいいのでは。
どこから読んでもいい、ではなくてきっちり作りこむ姿勢に感銘をうけました。

8051 : 体液  ねむのき ('15/05/01 10:09:32)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150501_795_8051p
(1)涙が体液であることは疑いようもないのですが、クラゲとなると飛躍が過ぎるように思います。そこを埋めるものが読んでいて自分にはなかったです。

(1)比喩の紡ぎ方が丁寧です。ただし比喩に寄りかかりすぎている危うさもあります。綴りの抒情性を、もっと深めると更に良い作品になりそうです。

8058 : kadanbanavanasanchara  lalita ('15/05/04 09:49:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150504_839_8058p
(1)声に出すとなかなかいいんですが、ブログ文体ではない作品も見たいですね。

8078 : 28.73がお好き  蛾兆ボルカ ('15/05/11 19:02:12)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150511_066_8078p
(1)なんでだかすごく納得しながら読めました。

(2)オチを最初に言ったら魅力が半減するんではないでしょうか。

8065 : うんこ  陽向 ('15/05/06 17:36:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150506_883_8065p
(1)作者は良い詩作品も書いていることもありました。客観的な目で見て、作者自身は、
この作品を良いと思っているのか疑問です。作者は他者が、この作品を提出し読んで、
どう思うのか気になりました。

8050 : 人間の挑戦  にしふ ('15/05/01 00:21:10)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150501_784_8050p
(1)主題を、そのまま書いているので作品としての上昇性が読み手の中で広がっていきません。
誰もが書いている主題なので、他の人は、どう書いているのか、
是非たくさんの作品を読んでみて欲しいです。
そして自分独自の書き方を獲得し、読み手の中で広がっていく作品を獲得して欲しいな、と思いました。

8070 : 心の中に涙  にしふ ('15/05/07 18:38:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150507_945_8070p
(1)こういう作品を書いてしまう時期というのは誰にでもあることなのかもしれません。
詩というものは、こういうものだという思い込みがあるのかもしれません。
この内実を比喩や言語の擦れで表してみて欲しいと思います。
他の方の作品なども、たくさん読んでみて欲しいな、と思いました。

8062 : 帰省  こし代 ('15/05/04 21:11:04)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150504_854_8062p
(1)無理に見送られる側に成り代わろうとしなくてもいいと思います。

8071 : (無題)  マグロ ('15/05/07 19:03:18)  [Mail] [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20150507_947_8071p
(1)最後の方の裏切りがそう機能していないように思います。

8059 : 蜘蛛の糸  So_air69 ('15/05/04 18:48:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150504_846_8059p
(1)作者のコメント欄でのレスなどを見ていると消費財としてのように若い人に読まれる作品を書きたい、とのこと。作者は若い人(若い作者)が今どのような作品を書いているのか追えているのか気になりました。若く詩に興味がない方でも読める作品(消費財的詩)には広義の意味があると思いますが実践していく姿を、これから作者に学んでいってみたいと思います。この作品は、消費財としての役目にいけているのか疑問に感じもしました。作者のスタンスが見えにくい作品だと思います。

8067 : 喪失  黒髪 ('15/05/06 23:16:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150506_925_8067p
(1)書きたいことが、きちんと書かれています。ただ、そのままの言葉で書かれていることが気になります。
黒髪さん独特の言葉で書かれていた不思議空間のある作品を、ときどき読み返しているので、
また、そのような独自の作品に出会いたいと思わさせられました。

8064 : (無題)  反町 ('15/05/06 13:31:33)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150506_882_8064p
(1)Chim↑Pomに勝てますかね?

8054 : ニケツチャリダー車道も歩道も邪道も外道も冥府魔道をブッ飛ばす  ヌンチャク ('15/05/01 20:54:58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150501_804_8054p
(1)楽しい感じはあるんですが、自棄というか、ちょっと自家中毒気味なのかなと感じました。

8055 : PS3も古くなった  陽向 ('15/05/02 17:08:49)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150502_820_8055p
(1)現代人の現代病ではなく作者の今現在のモヤモヤした気持ちを羅列しているに留まっている気がします。それなら、それでもっと突き抜けてみてもよいのかな、と思いました。

8052 : ardhanarisvara  lalita ('15/05/01 10:28:35)
URI: bungoku.jp/ebbs/20150501_797_8052p
(1)格言ぽいのの連なり→別れを切り出す段階で甘えん坊さんになる、というのは人間臭くて面白いですね。

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