文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

2013年9月分月間選考寸評

2013-10-31 (木) 00:34 by 文学極道スタッフ

総評(ケムリ)

===============================

「正直なところ、僕の感想は「相変わらずひでえ不作だな」
なのですが。

なんというか、今月は悪い意味でレトロというか古臭いというか、字面だけで読む気を失くすタイトルが多いですね。
るさんが評価しているにねこさんは、リズムが悪い印象。凝ったレトリックはそれなりに手慣れを感じさせますけど、読ませる能力に乏しい。途中で「イメージすんのメンドクセ」になりました。

前田さんなんかも相変わらず手は動いてるみたいですが、なんていうか観念ブン回し過ぎじゃないかなー、と。もうちょいストレートに書いた方が伝わるよ?と。装飾的な語彙と定型的な表現振り回し過ぎじゃないか?と。なんか、書ける部類の人たちみんな手癖の袋小路にハマってる気がします。まぁ、新しい表現を模索して汗流すほどのモチベーションを引っ張り出せる場を提供できてないってことですかね。」(ケムリ)

他さまざまな意見がありました。

===============================

【優良】

14.
7028 : -2  しんたに ('13/09/13 02:38:52)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130913_998_7028p
(1)
まず音読して心地よいというのがこの詩の最大のアドバンテージなのだと思う。意味を為さないと思われる言葉が、知らず知らずのうちに現象しているような。また作者の作品にはどうにも隠しきれない「少年性」のようなものがあり、それをどう調理していくのか。今作品では犬/英雄という対比が語られているが、「木の棒でも売っていれば良かったのだろうか?」とか「トリュフォーの短編映画を観ながら、最近、目の隈が濃くなってきたの、と言う人の横腹を掴み、引っ張る。挨拶の代わりに哀しげに微笑むから、眠いの? と嘯いて」とか、目を惹くフレーズがあるにもかかわらず、その対比がどこまでも結実しないのが逆説的に作中主体の「迷い」を表しているようにも思える。トリュフォーの短編映画とは『あこがれ』だろうが、作中主体の「愛に関する」宙ぶらりんの思いをよく表していると思う。ただこの作者のことを知らないと、途中で投げ出されてしまうようなまどろっこしい記述も目立つ。

(2)
現代詩以降を冷徹な眼差しで透過し、くるみ描き出していく。
詩という手段と目的を切り離していく解答である。

(3)
タイトルがよく分からなかったですが、初恋のような無防備なイメージ群です。
この読みやすさと、分かった気にならせる筆力がうらやましい。

(4)
この書き手はキライじゃない。ただ、一行目からぶっ飛び過ぎた印象。最後まで読んで、もう一回読み返してやっと自分なりの楽しみ方にたどり着けた。多分、この書き手の作品じゃなければここまで読まなかったと思う。構造やイメージや物語性はそれほど作りこまなくても読ませる手腕を持ってる書き手だけど、導入だけはもーちょい力入れてもいいんじゃないだろうか。ほら、アニメとかOP微妙だと見ないやん?

21.
7034 : 虚空に繁る木の歌  前田ふむふむ ('13/09/18 05:25:19 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130918_064_7034p
(1)
作者の作品として最高峰にあると感じた。
圧巻。
作者の自然客体に存在する事象を認識抽象へ敷きなおし新たな事象として別の空間と時間へ産みなおしていき、それを描写により読み手の中で更に産みなおさせる。
このジャンルの作品として高レベルの位置を獲得している。

(2)
好きです。

26.
7022 : TUMBLING DICE。  田中宏輔 ('13/09/09 00:06:48)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130909_947_7022p
(1)
思考と現下現象にある言語とは何か、そこへと向かう自己とは何か、そこを提示し嫌悪まで呼び起こす恍惚として引き出していきます。
引合される際に産まれる磁場が口語の裏に存在していた認識さえも露わにしていく作品。
アイコンとして作用する言語の可逆性が今作品にも、きちんと立方しています。

(2)
小室哲哉が華原朋美に歌わせた曲を思い出しました。

33.
7016 : 等間隔であるのに、むしろ不均衡  あ ('13/09/05 22:50:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130905_912_7016p
(1)
終盤から流れるような文体に心惹かれる詩でした、このような文体があってはじめて読者はその意味を考える契機を持つようになるのかもしれません。散文調の詩を書く人は参考にして欲しい。

(2)
医療人の端くれとして感じ入るところが多かったです。
少しよろめいた部分も目につきますが、正三角形がかならずしも正しくないという人間を教えてくれる作品だと思います。

(3)
無理に「いわゆる詩」じゃなくていいんじゃないかなぁ、って印象。いや、いい書き手だと思うんだけど、ムリに概念的にして少ない手数でやっつけてしまうより、端正でささやかな描写から物語性を立ち上げるのが得意な人なんじゃないかなぁ。なんか、悪くないデキと言えるけど、圧縮し過ぎていいとこ失くしてるんじゃないかな、この作品。この書き手、もうちょい味のある人だと思う。作品の持ってる雰囲気や文体の感じはいいし、もーちょいよく書き込んだ作品が読みたいな。

22.
7025 : 黄色い紙で種を包んで  深街ゆか ('13/09/11 21:33:34)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130911_990_7025p
(1)
将来もっと面白い作品を書くのかもしれないという部位を匂わせる可能性が秘められてはいる。
三連目から綴りの内部へと引き込まれる距離をもった文章となるが、
それまで、
そして四連目以降、非常に説明的。
単語一つひとつのつながりを明示的に提し過ぎているために最初の「わたしどこまでも祖母を踏みたい」の一文が作用し過ぎてしまい、その後の綴りが薄まっていってしまう。
「わたしどこまでも祖母を踏みたい」が「黄色い紙で種を包んで」という綴りを越えてしまっているので、
タイトルの役割と一文目の役割が逆転し二連目の説明的距離感を決定的にしてしまっている。
ただし距離感さえ掴めば作者の良さが十分に発揮されるだろう、これからを感じさせる作品でもある。
これからの作品を読んでいきたい。

(2)
「わたしどこまでも祖母を踏みたい」
のインパクト!
タイトルに組み込んでしまってもよかったんじゃないでしょうか。
作者が意図しているかは分かりませんが、理由を理解する前の苛立と言う感じでとても女性らしい詩だと思います。
思わせぶり、と受け取られることも多いかも知れませんね。

菊西さんのレスはやはり面白いですね。

(3)
一発はある。それに、イメージの連鎖もそれなりに上手い。フレーズを持ってくる能力も高いと思う。ただなー、なんていうかバラけてるんだよな。「お?」「おお」「いいね」って感じのがポコポコ積みあがって、「で、総体としてなんだっけ?」って感じで、コクはあるけど味はないというか。歌詞だったらすごく光りそう、でも音楽が足りない。僕もフレーズ勝負からスタートした書き手なので、この状態って辛いだろうなーって思う。もう一個武器が要る時期なんじゃないかな。過渡期しんどかったのを思い出す。

10.
7043 : 喪失少女。  にねこ ('13/09/26 03:20:42)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130926_182_7043p
(1)
とても真摯に向き合い書いてあります。
この作品を、もう少し細かく掘り下げると20作品くらい傑作が生まれそうです。
少し今作品は全部書いてしまい分裂している傾があります。
とても上手いものを孕んでいる作者だからこそ、それが際立ってしまう部分があるので、これからも作品も読むのが楽しみです。

(2)
「秘密だらけだった紐解かれるはずの指の絡まりが世界の全てだった頃/自分の歪みに合わせた姿見にあなたを探していました」
ものすごい緊張感を持った出だしで、上に引用させていただいた部分の他にも素敵な表現がたくさん出てきます。
そのぶん最終連のつきすぎな表現が惜しい気がしました。

30.
7020 : ローカル線  ヌンチャク ('13/09/07 22:27:29)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130907_935_7020p
(1)
固有名詞を出しながら短くも背理にある生活とこれまでの時間を負わせた綴りが一つひとつの物語と感情を想起させていきます。
「トミカ」「さっくん」と焦点を当てているのに「ローカル線」とぼやかしていることで「靴」「春」に幅を持った寓意が生まれている。
平坦ではない場を反復し続ける相互作用と愛情の連綿が踏みかたまることのない足元へ残忍な温陽射を浴びせている。

(2)
「ガタコンガタコン」に眠れない違和感がありました。
ローカル線って、もう少し慎ましやかな音をしていて欲しいなぁなんて。

29.
7011 : みずについての二つの詩  前田ふむふむ ('13/09/04 12:04:10 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130904_895_7011p
(1)
実在する自然客体と、そこへ名づけられた言語への描写は主観と客観の交差でありながら包括する抽象的思弁に解体されていく現化です。
「水」という実在し流れる客観的事物から「みず」への抽象的観念に昇華し、
新たな地平である所在に「みず」を作り上げ伝えきっています。
方法論としては非常に昔ながらの作品ですが、
だからこそ難しいジャンルで立脚していく在り方は見事だと思います。

(2)
水をみず、と開くのはイメージがつきすぎていますし、言葉フェチっぽくなってしまったように思います。
最後までそのイメージを超えて来るものを受け取れませんでした。

(3)
この作品は不思議ですね。水に対するアプローチとしては凡庸なのですが、自己の内部の水という暗喩の部分では、

そして
わたしがそのことに自覚する頃
あたらしい勾配ができると見るや
すべてを忘れるように
勢いよく
おのれ自身の内部から
撹拌して
きれいに
洗い流していくのである

というような驚くべき詩句が出てきたりします。
ここに作者の深い長い内省があることは確かに感じられます。
また、

うやうやしく 神社にぬかずいて
神に祈るときですら
重力に逆らって
その両手を合わせて
柏手を打つのだ

という部分、確かに、水の中で拍手は打てないですが、
それが重力に逆らう、という発想は、作者独特の発見であり、
共感する部分があります。

【次点佳作】

32.
7021 : ノルウェーの猫  鳥 ('13/09/09 00:04:33 *58)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130909_946_7021p
(1)
推敲できることも文学極道のいいところだと思います。

39.
7005 : 歌仙『悪の華』の巻  田中宏輔 ('13/09/02 00:02:15)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130902_879_7005p
(1)
ボードレール、歌仙。
不勉強の身としてはどう読めばいいのかしらん、と戸惑ってしまう作品でした。
好みの575が多かったです。

24.
7033 : あのこ  鳥 ('13/09/17 11:53:29 *3)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130917_056_7033p
(1)
筋書きを書くのは小慣れている感じがするのだけども、詩として、文体や、語彙単位で、もっと推敲すべき表現方法があると思われる作品。

(2)
書けば書くほど懸命にダサさを生きざるを得ない悲哀というエンターテイメントになっていく。
人間が描けている。
作者は技巧や詩的抽象性を持つ作品よりも、このような作品の方が向いているのではないか。

(3)
詩を読んで誰かを思い出す、その友達を思い出す。
そういう体験をさせてくれる類の詩だと思います。

27.
7015 : 親父の遺言  草野大悟 ('13/09/05 22:37:39)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130905_911_7015p
(1)
作者の手を離れて勝手に伸び上がるようなタイトルとスタイルで全てが隠喩になるようになっている。

(2)
読み手に委ねすぎでちょっとずるいなぁって思っちゃいました。

11.
7040 : 君へ  NORANEKO ('13/09/24 23:25:30 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130924_162_7040p
(1)
見事な種/原石としての綴りです。
ここからスタートすると圧倒的傑作を何作品か作者なら書けそうだと思わさせられます。

19.
7039 : 風光  腰越広茂 ('13/09/21 17:01:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130921_096_7039p
(1)
「光」の言葉に「影」は含まれているので、
丁寧に扱わなければなりません。
じっくりと途中まで編み込まれているのですが、
終盤、急ぎ足になり「影」への説明が目立ちます。
「回旋塔の葬列をみおくる」ここを活かすためには「影」の部分は必要だったでしょうか。
別の綴りが必要だったのではないでしょうか。
ただし序盤とても丁寧で、この綴りとジャンルとしては高い位置にあります。

(2)
綺麗なイメージが「ごちそうさまでした」に回帰していくようで心地よかったです。
ただ、「観念」って言葉が出てくるとすこし緊張しちゃいます。

35.
7017 : Tokyo  コーリャ ('13/09/06 01:20:25)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130906_914_7017p
(1)
昭和のフォークソングみたいな詩、この本文から「Tokyo」という文字列を削ってしまうといい詩になるのが不思議。終連いかにも「詩」っぽい終わり方にしてしまったのが残念。作者にしては核を剥き出しにして書いてきたという印象がある。実際最初の2連の描写はTokyoという文字が邪魔しているきらいがあるが、巧いとは思う。

(2)
疲れ果てた終電で読みたいですね。
最終連はどうでしょう、いらないかも。

9.
7008 : 流産  かとり ('13/09/03 23:07:26 *2)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130903_888_7008p
(1)
作品として技巧を使用していることが透けていることと「流産」という言葉が高め合えていないことが、とても残念。
技巧を映えさせるための言葉選びに慎重に大胆になって欲しい。
しかし一連目と二連目、三連目と最終連、それぞれ上手い箇所が際立っている。
連ごとのまとまりではなく繋がりを意識すると、よりよい作品になるように思える。

(2)
かとりさんは、注目している書き手の一人です。
「スパニングツリー」もでしたが、読んでいてなんとなく分かった気にしてくれます。
しかし私にはヘリコが分かりませんでした。

6.
7047 : waterproof  WHM ('13/09/27 23:57:38 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130927_213_7047p
(1)
ちゃんと作品の構造が取れてて、そこから飛躍しようとしてる点に好感。ちゃんと書いてる人が好きです。あと、田中さんのコメントも正しい。確かに、最後の一文は蛇足。どーしても、作品を終始させたいって欲望が書き手にはあるんだけど、それが悪い方向に働いた典型例。あと、イメージの飛躍自体はあまりうまくない。でも、しっかり書いているからちゃんと読める。

12.
7023 : 塩時計には音がない  るるりら ('13/09/09 09:34:16 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130909_954_7023p
(1)
少し風景描写が煩雑としている印象。『塩回廊』以降の連に関して、観覧車、ヘリコプター、厳島神社、虫、船、と、いろいろ出てきますがもう少し整理できたのではないか。音/無音という対比で詩を描きたいなら、雑多に並べ立てるのではなく、一つでいいから胸にすっと落ちるような具象的な対比が欲しいところ。亀の寓話はなかなか読みどころもあったかと思います。

(2)
作者の作品としては十分な上達が見える。
最後の【】に向かうにつれて引力を失っていく。
広島を包括した動文は非常に注意が必要。
少しだけの失速もあってはならないのでは。

(3)
これを書かなくてはいけない、という気持ちが今月一番伝わってきた作品でした。
そういう作品にありがちな攻撃的な部分もなく、読みやすかったです。

36.
7012 : (無題)  板尾創路 ('13/09/04 16:55:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130904_899_7012p
(1)
シュルレアリズムの技法を駆使し預言的小品にまで高めている純度のある作品。作品の長さが詩の少なさにつながっていることだけが残念。

(2)
お名前と無題でハードルをあげすぎていませんか?

【落選】

1.
7045 : 海  コーリャ ('13/09/27 02:29:11)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130927_198_7045p
(1)
非常に距離感が取りづらい作品に仕上がっているが、
技巧と構造の狭間にうっかり酔橙となる芯は見えている。
そこが、もう一歩進めそうなのだけれども、
それだけでも十二分に読む価値がある。

(2)
5連目が良いです。

2.
7041 : 階段の裏側  大江匡 ('13/09/25 01:54:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130925_165_7041p
(1)
非常に惜しい産出を抱えた作品に思える。
一つひとつの背景に潜む感情感覚の同調、他者との関係性からの思い、すべてがこれから、というところで終わっており、
醸し出されたはずの詩情を掴み損なっているように思える。
階段の裏側、世界の反転、それを昇華させるための綴りが浅い部分で進んでいくため、
この作品が目指したと思われるところまでは作品を到達させられていないように思える。
一つひとつをもっと深めていくと(例えば徹底的な描写)、もっと良い作品になったのではないか。
やりたいことは解るし作品になってもいる。
そこからの一歩を望みたくなる可能性に溢れているため惜しいと感じてしまう。

(2)
中原中也の「港市の秋」を思い出しました。
ちょっとつかみ所がありませんでした。

7.
7036 : 水葬  ヌンチャク ('13/09/19 18:52:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130919_080_7036p
(1)
すべてが書いてある以上のことをもたらさずに始まり続き終わる。
文章の行間というものは何か作者に問いかけてみたい作品です。
今月の、もう一作品の行間は果たして偶然なのか。
気になるところです。

8.
7019 : 清掃人  中田満帆 ('13/09/07 22:09:30)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20130907_933_7019p
(1)
脱字があったりするのだけれども、それが妙にリアル。
作者の作品は叫びであり上等な技巧とは縁遠くあるが、その姿勢が等身大の深淵を見つめる人間を触らせてくる。

13.
7004 : 幸せに生きることができますように  深尾貞一郎 ('13/09/02 00:01:26)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130902_878_7004p
(1)
平易な綴りで丹念に解りやすく紡いでいる。
しかし詩作品の一部であり詩文の綴りであるタイトルと一連が昇華に蓋をしているのではないか。
平易さが活きてくるための客体的推敲を身に着けていくと、これから素晴らしい作品を多く書いていくようにも思える。

18.
7026 : スパニングツリー  かとり ('13/09/12 11:16:24 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130912_991_7026p
(1)
音韻の流れがスムーズでセンスある印象を受けます。
綴りからの想起のザッピングが連ごとに更にザッピングを引き起こしています。
一連の情感が質の高いものなので、それを拡散しているので、
そのザッピングを使いこなし高めていけば、より素晴らしくなるように思います。

(2)
雰囲気がとってもいいです。
私はIT的なものに全く興味がないので知らない国の言葉を読んでいるような気分でした。

20.
7027 : 「名前未定詩人会-文極評価部」2013年7月分の結果報告  お化け ('13/09/12 17:23:06)  [Mail]
URI: bungoku.jp/ebbs/20130912_994_7027p
(1)
面白がれませんでした。

23.
7029 : 寄生虫  深街ゆか ('13/09/16 00:27:54)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130916_027_7029p
(1)
丁寧に描けているが、どこまでも自分の中に内在するものしか描けていないのが残念である。放り投げるような表現、フレーズがこの作者にはまだ足りていない。

(2)
摂食障害の思考的ザッピングは、それだけで詩になってしまいます。
興味深く面白く心理の深淵さえも時に描けてしまうでしょう。
そこへと「味蕾」の言葉遊び、最後の自傷切断の回収が作為を浮かせ、
表題も含め惜しさを感じます。「ミライ」からの作為、
そこを中心に推敲しなおすと、もっと良い作品に化けるかもしれません。
十分に面白い作品が書ける作者だと思うので化けさせることは出来ると思います。

(3)
未来と味蕾/ミライで押し切るには歯ごたえのありすぎる題材ではないでしょうか。

25.
7030 : 覚書ⅱ  Lisaco ('13/09/16 10:48:37 *4)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130916_031_7030p
(1)
表現の妙は微妙に感じられるが、作者独自のものではなく借り物の抒情、詩っぽい詩に留まっていると思う。「夏の匂い」「白い断片」「土の匂い」など。

(2)
夏の光と影を切り取ったようなモノクロームに青がすっと切り込んできて読んでいて気持ちがよかった。
やっぱりタイトルがもったいないです。

31.
7018 : 帰り道  无 ('13/09/07 22:01:30)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130907_932_7018p
(1)
平易な綴りだけれども、多くのことを想起させる。
特定の年、日時まで含んでしまう詩作品なので流れていかないか大切に紡ぐ必要がある。
一連、二連での「過去は砂糖菓子に姿を変えて」「星雲を撹拌する」と拡張していく後での三連以降、言葉の跳躍が縮む印象を持つ。例えば四連などは一連の拡張の前ならばもっと強度を持ったように思える。
ただし全体として丁寧。やりたかったであろう情感を紡ぎ出すことには成功している。

(2)
一連目がすごくいいです。

34.
7014 : 暗闇の中の虹  黒髪 ('13/09/04 20:14:59)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130904_903_7014p
(1)
作者は少しずつ上手くなっているのだけれども、そこへの自覚がないために良い作品を書いた後に後退してしまう癖が顕著に見えてしまいがち。
その癖は非常に、もったいない。
作者が面白い作品を書く時は大抵、非常に天然な驚くような単語の組み合わせで優しくも文意の節を越えている。
「暗闇の中の虹」の「暗闇」と「虹」この単語を天然さで歪めること、それが作者にしか出来ない作品への第一歩に思える。
「闇の中に焚き火が見えた、小枝が燃えてパチパチはぜている。
 こんばんは、と砂男に声をかけ、当たらせてもらってもいいですかと、
 どうぞどうぞ、と、これをご覧に入れましょう、と。」
「砂男は、砂粒の中に隠されていた砂漠の薔薇を売りに町へ行くという、
 砂漠に植える苗を代わりに買い求め、それを運ぶ犬を数匹手に入れたいと言っていた。」
この部位は面白い可能性を感じさせる歪みがあると思う。
「設えられた現実の中に、どこかへ続く道が伸びている」
「闇の中でうじ共は、もはやすべての地に湧いている。」
「求める糞、もはやここには神はいない。」
この部位などは作者でなくても書けるし、だからこそ詩としての力が無い。
思いつきにくい(しかし解りやすい)単語を天然に、うっかり選んでしまい変に歪み組み合わせてしまうことが作者の持ち味に思える。
初投稿からは、それでも上手くなっているので、
そろそろ自覚的に書いていって欲しい。

(2)
独特のリズムが面白かったですが、何についてのことか分からなかったです。

37.
7013 : まりお流  大ちゃん ('13/09/04 18:30:50 *14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130904_902_7013p
(1)
タイトルは好みではあるが、それに対して作品全体が説明的すぎる。

(2)
作者の作品としてエンタメになっています。
とても久しぶりのことです。
このくだらなさは、なかなか真似できない。

(3)
嫌/否 につまずいてしまいました。

38.
7010 : 偶像  みやちか ('13/09/04 03:43:43)
URI: bungoku.jp/ebbs/20130904_892_7010p
(1)
もう少し、言葉の使い方を覚えるといいと思う。ストレートに表現することは悪いことではないが、読者の視点で見るとそれは紛れもなく陳腐でしか有り得ない。作者は、いかに読者の読みを想定し、言葉を配列するか、という点にもう少しこだわるべき。

Posted in 未分類 | Print | URL