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13 : 18歳だった  平川綾真智 '06/06/20 23:59:34  [Mail] [URL]


  オミアイデモシテヤッテクネ
  ジッカニカエルヨ   
  バイバイ。 アリガト
通り雨は止み、しゃがむ身体を 
苔蒸す土の匂いが包む。
PHSのメール着信、音は枝を震わせて
滴の群れと梅の実が落ち 濃い匂いへと転がって行く。
空気と擦れを増す木の葉達
幹の脇、止まる青い実を撫でる滴が 陽を纏う空を映し出し、
私は、
カコさんの荷物を手放す部屋で
再び枕を抱えて眠る 
明日からの思いを握り締める 

― 教壇でも一人、家に帰っても一人
  布団の隙間から
  私を夜が掴んでさ
  安堵の寝息は吐けないや
その言葉が漏れ出て来たのは 高校中退後、すぐで
私は独りの部屋の中 けばだつ枕に汗ばみ暮らし、
カコさんの肢体にすがり付く。
残る時間に擦れる私 汗を引かせるカコさんの体温
強くすがれば肢体は汗ばみ 腕に伝わる小さな震え
体温の奥、投げたい荷物が 羨む私に汗を引く
  2個の携帯、オーディオが整うMT車、二輪免許とカーマインのメット、
  揺らぐこと無い過去の学歴、古文担当高校教諭職、
  元生徒へと整う口調、乱れる本音、
     私に重なる 柔和な体温、、 、   、
            。
木の葉が擦れを増していく
荷物を手放す部屋はまた、けばだちを抱え汗ばんでいく
全ての羨みを投げたカコさん 
滴の中に映った姿は 陽を纏い空に包まれそして
今夜から 小さく開く布団の隙間
夜が掴むのは、
私だけだ


土の匂いが奥を刺す。
通り雨はもう止んだ
濃くなりいくら包み込もうと、実の艶は水水しいままで
還っていくにはまだ遠い。
苔蒸しが上げる着信音に、私は震わす枝も無く
電源を切ったPHS。
今も握れば 拡がるジタリが
掌の中に 
残り続ける

>> permanent URI: http://bungoku.jp/pbbs/20060620_148_13p

  • 平川綾真智 :
    よろしくお願い致します。

    是非ともガンガンどうぞ。  ('06/06/21 00:03:14)

  • atsuchan69 :
    、そうだったのか。いろんなキオクが 風にさらわれて しかしハッキリ残っている。
     僕には 句読点の まるで 汚し みたいな効果が だんだん
    滲みてきた。 派手なパンチじゃない、じわじわと撃ちひびくブローだ。 だんだん
    効いてきた。 倒れそうだ、
    しかし負けない、負けたら 終わりだ。

            。

     僕もつよく生きなくちゃ、と思った。 、、  ('06/06/25 03:44:52 *2)

  • 平川綾真智 :
    批評ありがとうございます。

    うーん、この批評はどう読み取ったらよいのでしょう・・・。

    取り合えず句読点についてですが、私は詩で呼吸をどうにか表したく、
    間を書くことを今は考えています。

    間が、呼吸が、その時の思いの多くを占めている気がしたので。
    作品を作り出す時に句読点で楽譜での休符を書き込みたく、今はこうしています。

    自らの狙いは少なくとも心には留まるということを確信できました。
    ありがとうございます。
    失礼致します。  ('06/06/26 00:48:28)

  • ダーザイン :
    レスポンス遅くなってすみません。草臥れていました。私小説か創作か知りませんが、物語としてよくできた作品で、特に全体的に注文を付けたくなることは無いのですが、アスキーとしての見た目がまず汚いなと。試しにワードに入れて縦書きで見てみましたが、その印象は全面的には減りませんでした。この構文であることの内的必然性が私には一読では伝わらないということです。

    「ジタリ」というのが何のことなのか私は知りません。坑不安剤か坑鬱剤か酒かな? 

    >苔蒸しが上げる着信音に、私は震わす枝も無く
    >電源を切ったPHS。

    細部の粗探しで申し訳ないが、湿性、水性を帯びていることを現すために使われたのであろう、この「苔蒸しが上げる」という言葉、日本語として不備があるように感じました。この古い言葉の使用は、作中に於いて唐突に感じます。かかる言葉が現代的な携帯電話ですしね。何か違う言葉を捜した方が良いような気がします。

    私とカコさんの関係、失われた関係、主情的になりすぎず、抑制されすぎもせず、ほど良い描写で描き表されていて、良い作品だと思います。  ('06/06/28 00:32:47)

  • :
    批評ありがとうございます。

    アスキーの点、なるほどな、と思いました。
    この作品では楽譜を文字で現すことを念頭に創っていったので、そこがひっかっかったのかもしれません。
    少し今後の作品に一読で伝わるよう考慮する必然がありますね。

    「ジタリ」は、どう読んでいただいても構いませんので。

    古い言葉、なるほどですね。
     苔蒸す土の匂いが包む
    初めにあげている言葉からの連続性で流し伝えることを思ったので、その視点からは見ていませんでした。
    ありがとうございます。

    うん。
    これは6月の中旬に出来上がった作品です。
    横書き様にかなり書き換えもしましたが、アスキーの点、五感からの言葉の新旧。
    多くのことを学び取れました。
    ダーザインさん、ありがとうございます。
    次の作品への課題とやりたいことが見えつつあります。

    勉強になりました。
    ありがとうございます。
    失礼します。  ('06/06/28 12:57:55)

  • 平川綾真智 :
    平川綾真智です↑
    失礼しました。  ('06/06/28 12:59:53)

  • コントラ :
    平川さんこんにちは。審査員ご就任おめでとうございます。

    過去のイメージというのは、水の中に置いた小石のように、現在の立ち位置によ
    って姿を変えるものですが、そんなかで見えるのは、たぶ過去の、或る時期にい
    つも頭を苛んでいたテーマ、(たとえばここでは、「学歴」という問題なのかも
    しれません)とか、その当時身近に置いていた、自分を取り囲むモノたち。描写
    と回想が、「ジタリ」と肌に吸いつく夏の布団というモチーフを軸としてきれい
    に配列されていると思います。

    一歩すすんでコメントすれば、この詩を語っている「現在」の作者の気持ちが投影されているともっとよいかなと思います。これは作品世界にとっていわば「外部」の環境ではあるのですが。
    作者がどんな感情でこの過去と相対してるんだろうか。そう考えるとこの文章はちょっとドライすぎるようにも見えてきます。

    以上です。それでは。  ('06/07/03 03:53:54)

  • 平川綾真智 :
    コントラさん、批評ありがとうございます。

    発起人の件に関してもありがとうございます。
    一時期、眠れずにいたりもしましたが、酒の量を増やしたので完璧です。
    勉強していこうと思います。
    髄まで吸収したいです。

    さて。
    なるほど、そのように読まれたのだな、と自らの空間軸と時間軸に関しての視点を介して見ることが出来ました。
    「現在」の視点は、最後の連までに紡いだつもりではいました。
    伝わらなかったのは力量不足です。

    私は、この過去と多分ドライに接しているんだと思います。

    立ち位置からの接触を考えさせられました。
    勉強になりました。
    ありがとうございました。  ('06/07/03 13:01:29)

  • sakutaro :
    平川さん、こんばんは。私がここで発言しても良いのでしょうか?
    良いと仮定せねば、発言出来ない。

    この作品、良いね。現代音楽のような不協和音は無い。
    突き抜けた感じで、調性としては長調。ハ長調と私は判断する。

    >PHS

    この単語が二度出て来るから作者の強調したい物(私的な意味で)だと思う。また、金属的な叫びを象徴する効果も狙ってるのでしょう。

    ちょっと花鳥諷詠に重点が掛かり過ぎかな?
    私小説を短詩にした感じ。イントロの片仮名表記を中盤あるいは終盤に
    繰り返すか、転調するか、せっかくの序曲(序章?)が生きてこない。

    ソナタ形式で書けという意味では無く、カタカナを生かして欲しかった。
    題名も内容に合致しており、これで充分だと思う人もあろうが、
    音楽形式を(どういうタイプでも良い)取れば、「詩」になった。
    惜しい。

        蝉しぐれ記憶流してしまひけり  さく 「一草庵」より。

    追伸

    某ツリーでの発言についてはお詫びいたします。しかし、あの程度の
    煽り行為は、現実の句会でも常に有る。どこの句会でも私が最年少
    であるから、ヴェテランに挑発される。
    私の挑発を無視して、けろりとしていた平川氏は聡明であり、鍛錬されている。さすがだ。  ('06/07/18 22:40:49 *1)

  • 平川綾真智 :
    sakutaroさん、早速ありがとうございます。

    楽譜は意識していますし、それは最近の自分の楽しくなってしまった作法なんですが、音楽を描こうとした意図は無かったので、ハ長調に思えたのかぁ、と少し驚きました。

    イントロのカタカナ表記はメールなのでなんども出すPHSに閉じ込めています。
    伝わらずに残念です。

    音楽形式をとる予定は今のところありませんが、いずれやってみるかもしれません。
    もう一つ言いますが、これは「詩」です。

    いろいろな読み方があるのだな、と新たな視点を手に入れられた気がします。
    ありがとうございました。

    追伸:
    私はsakutaroさんのことをあまりなんとも思っていなかったので、平静でいられたのだと思います。
    一条さんに言われたらこたえた気がします。

    以上です。
    ありがとうございました。  ('06/07/18 23:54:02)

  • sakutaro :
    平川さん

    あなたが、この作品で

    >音楽を描こうとした意図は無い

    これは当然でしょう。私が音楽性を認めただけだ。

    >イントロのカタカナ表記はメール
    >PHSに閉じ込めています。

    そう読むと安手のトレンディ・ドラマ(いわゆる)ですね。

    あなたは、文芸商売人だ。良くも悪くも。

       商品は大事にせねば金魚売る  さく

                     つつしみて。  ('06/07/19 01:07:30)

  • 平川綾真智 :
    批評ありがとうございます。

    >イントロのカタカナ表記はメール
    >PHSに閉じ込めています。

     そう読むと安手のトレンディ・ドラマ(いわゆる)ですね。
    とのことですが、
     ・
       オミアイデモシテヤッテクネ
       ジッカニカエルヨ   
       バイバイ。 アリガト
     通り雨は止み、しゃがむ身体を 
     苔蒸す土の匂いが包む。
     PHSのメール着信、音は枝を震わせて
    で十分それは伝わると思ったんですね。
    PHSを握り締めているので読めば解ると思っていました。
    甘かったかもしれませんね。

    文芸商売人ですか。
    お金も払わずにそんなこと言われちゃ嫌ですよ。

    商品という思いはありません。
    ただ、苦しんで作った思いは多く残っているので、自信作になるであろう次の作品に活かしていきたいです。

    以上です。
    ありがとうございました。  ('06/07/19 01:41:27)

  • Shohei Haraguchi :
     ストーリーテリング的な構成や流れがよく練られているなあと思いました。
     
     試みに、以下のように散文調にリライトしてみます。
     
    ---------------------------------------------------
    『18歳だった』リライト版
     
     
    「オミアイデモシテヤッテクネ
     ジッカニカエルヨ   
     バイバイ。 アリガト」
     
     通り雨は止み、しゃがむ身体を苔蒸す土の匂いが包む。
    PHSのメール着信、音は枝を震わせて、滴の群れと梅
    の実が落ち、濃い匂いへと転がって行く。空気と擦れを
    増す木の葉達。幹の脇、止まる青い実を撫でる滴が、陽
    を纏う空を映し出し、私は、カコさんの荷物を手放す部
    屋で再び枕を抱えて眠る。 
     明日からの思いを握り締める。
      
    「教壇でも一人、家に帰っても一人。布団の隙間から、
    私を夜が掴んでさ。
     安堵の寝息は吐けないや」
     
     その言葉が漏れ出て来たのは高校中退後、すぐで、私
    は独りの部屋の中、けばだつ枕に汗ばみ暮らし、カコさ
    んの肢体にすがり付く。残る時間に擦れる私。汗を引か
    せるカコさんの体温。強くすがれば肢体は汗ばみ、腕に
    伝わる小さな震え。体温の奥、投げたい荷物が、羨む私
    に汗を引く。
     2個の携帯、オーディオが整うMT車、二輪免許とカ
    ーマインのメット、揺らぐこと無い過去の学歴、古文担
    当高校教諭職、元生徒へと整う口調、乱れる本音、私に
    重なる、柔和な体温、、 、   、        
     
                             。
     
     木の葉が擦れを増していく。荷物を手放す部屋はまた、
    けばだちを抱え汗ばんでいく。全ての羨みを投げたカコ
    さん。滴の中に映った姿は、陽を纏い空に包まれ、そし
    て、今夜から、小さく開く布団の隙間。
     夜が掴むのは、私だけだ、
     
     土の匂いが奥を刺す。
     通り雨はもう止んだ。濃くなりいくら包み込もうと、
    実の艶は水水しいままで、還っていくにはまだ遠い。苔
    蒸しが上げる着信音に、私は震わす枝も無く。
     電源を切ったPHS。
     今も握れば、拡がるジタリが掌の中に残り続ける。

    ---------------------------------------------------
     
     上のリライト版に目を通していただければ、リライトされる前の原テキストのほうでは、書き手の息遣いを伝える(あるいは読み手が読んでいく際の息遣いを制御する)ものとしての改行や句読点の省略及び配置がかなりマメになされていることに誰もが思い至るでしょう。
     ぼくの作成したリライト版でもストーリーの流れに破綻はありませんから、もし単にストーリーを伝えることに重心を置くとすれば、こちらでも短篇小説として充分成り立つでしょう。けれどあくまで原テキストのようなスタイルが選択されている以上は、書き手はストーリーよりも改行によって生まれる語りの息遣いに重心を置いていたと考えることができます。
     この作品をぎりぎりのラインで短篇小説ではなく詩たらしめているのは、この息遣いに対する心配りではないでしょうか。  ('06/07/21 21:56:56)

  • Shohei Haraguchi :
     もうひとつ付け加えておくならば、回想としての語りの部分に出てくる動詞がすべて現在形になっていることに注目すべきです。本来なら回想、過去でしかないものが、いまなまなましく現在形で生きなおされている。過ぎ去った記憶が「いま・ここ」で進行しているような時間を、「私」は生きている。  ('06/07/21 22:02:47 *1)

  • 平川綾真智 :
    Shohei Haraguchiさん、
    ありがとうございます。

    息遣いに気付いてくださりとても嬉しいです。
    ここまで読み込んでいただけるとこの作品も嬉しいでしょうね。

    叩かれる気満々で批評を読みましたので、驚きました。
    次回作も頑張ります!

    ありがとうございました。
    失礼します。  ('06/07/22 11:29:58)

  • ディドラ :
    こんにちは、平川綾真智さん、発起人の方々初めまして。
    未熟者がここに文章を書くのは許されない事だと想うのですが
    平川綾真智さんに、批評していいよ、と言われたので書かせていただきます。 僕は難しい詩の用語は分からないのですが;なにせ詩を始めて2カ月にも満たないので;;この詩は、とても想像力を掻き立てさせられ、情景が脳裏に浮かんで来ました。句読点は間や空気感を描いていたんですね!すごいです。尊敬します。出来れば詩の用語などなど、教えていただけたら嬉しいのですが…出来ればお願いします!  ('06/08/08 13:54:39)

  • 平川綾真智 :
    ディドラさん、ありがとうございます。

    みんなの歌詞でもお世話になりました。
    句読点はどのように読まれても結構ですよ。
    ありがとうございます。

    難しい詩の用語などの話は得意ではありません。
    私もこのサイトで、かなり勉強させていただいています。
    フォーラムの方にトピック立てられたらいかがでしょうか?
    私もどの方が、どんなことについて述べるのか、とても興味あります。

    叩いて良かったのに、少し驚きました。
    あまり妥協しないでくださいね。
    未熟者と自分で言う方の作品は、あまり読みたくはないので、
    早くその地点から抜けて創作されてくださいね。

    では、失礼致します。  ('06/08/10 16:19:00)

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