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大ちゃん - 2011年分

選出作品 (投稿日時順 / 全5作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


レディオウェーヴ ブラザーズ

  大ちゃん

昨日テレビで
熊田Yが
俺を好きだと言った
口は動いてなかったけど
ダイレクトに伝わる
彼女の気持ち

朝早く街に出て
足早に歩いていると
自転車にのぼりを立てた
作業服のおっさんがいた

「小沢元代表に車で3回轢かれた。」
そう書いてあった

おっさんは
「お前、熊田Yのとこに行くのか?」
無表情に荷台を指差した

口は動いてなかったけど
電波的にわかり合えた
俺達
レディオウェーヴ ブラザーズ

そういう訳で今
高速道路を二人乗りで
テレビ局に向かっているところなんだ


糞迷宮

  大ちゃん

激しい雨が降っていた
土曜の昼下がり
娘を塾に送る車中
便意をもよおした

「お父さんお前の塾のトイレ、借りてもいいかな。」

「絶対ダメ。却下。キモイ。」

年のせいなのか
若き日の男色行為のせいか
僕のバタフライバルブは
待ったなし
したくなったら
すぐ緩む構造だった

塾に着くと娘は
すばやく降り
「ウザイ、行け。」って
力任せにドアを閉めた

仕方なく家路についたが
すでに限界が来ていた
意識が遠のいて行く
なぜこんな目に遭うのか

猛烈な雨の中
苦し紛れに
アクセルを踏んだ

出る 出る 出る 出る 出る

もやの中に
白い建物が見えた
引きずられるように
その駐車場へと入って行き
来客用スペースに止まった

シートから立てなかった
完全な金縛り状態だ

その時
お尻に風を感じた
僕の下水管から吹く
生温かい滅びの風

初弾は蛇の頭ぐらい
ニュルッと飛び出してきた
蓋が取れた感じ
この時
少し圧力が
下がった気がした

動ける
よし
ここで止めてみせる
いや止めるんだ
トイレを借りて
そこでするんだ
僕は腰を浮かせた

ああダメだ
止まらない
バタフライバルブは
酸欠のイソギンチャクみたいに
大きな口を開けて
ベロンベロンにめくれあがった

次から次へ
いやらしい音を立てて
汚臭のする半固形物が
パンツの中に溜まっていく
同時に僕の尊厳が
崩れていくのだ

ほとんど出し切ったところで
降りしきる雨の中
外に出た
いきなりずぶ濡れになり
さざんかの垣根に飛び込んだ
少し泣いた

すると非常ドアの影から
一人の老婆が
おいでおいでと
手招きをしている

垂れ下がった
ジーンズを揺らしながら
彼女について行った

部屋に招かれると
僕はトイレを借り
後始末を始めた
幸いにもパンツの
タイトな形状と
ヒートテック素材のおかげで
外には漏れていなかったが
ジーンズのその部分には
汚いシミが広がっていた

パンツを脱ぎ
裏返して
汚物を便器に捨てていると
パシーンと
ケツを引っぱたかれた

「よしお、このウンコたれが。」

老婆だった
顔に僕の糞の
跳ね返りが付いていた

「こっちに来い。」

彼女は僕を風呂に連れて行った

「つらかったやろ。悲しかったやろ。」

柿渋石鹸で隅から隅まで
念入りに綺麗にしてくれた
排水溝に昨日食べた
ニンジンのカス混じりの
便が溶けては消えて行った

老婆はパンツも
洗ってくれて
おまけにジーンズのシミも
全力でふき取ってくれた

「よしお、次はいつ来るんや。」

「おかあさん、またすぐ来るよ。」

僕は泣きながら答えた

手渡された
大人用のオムツを
キュッとはいて
その白い建物を後にすると
何食わぬ顔で
塾に娘を迎えに行った

僕は、よしおじゃないけどね


後日お礼に行ってみると
そこは介護付きマンションだった
管理人に適当な理由を言い
例の部屋に案内してもらうと

「ここはもう半年、誰もいないよ。」
との事

鍵を開けてもらい
中に入ると
がらんとして何もなかった

ただ
トイレにはかすかに
僕独特の油っぽいウンコの
匂いが漂っていたし

お風呂の排水溝には
ニンジンのカスと
磨り減った柿渋石鹸が
ピッタリ
へばりついていたんだ


蝮のピッピ

  大ちゃん

ピッピの鳥篭に
とぐろを巻いた蝮が
静かに佇んでいる
消化が進まないので
脱出できないでいる

昔抱いた女の
内股に彫られていた
タトゥーのそれと
良く似ていた

ああなんて
可哀想な俺
唯一の話相手を
丸呑みにされてしまった

いつも
「ピッピ、俺のこと好きか?」
て聞くと
「ピッピ ダータンノコト トゥキ トゥッキー ピヒョルルリラー。」
て鳴いてくれてた
そんなピッピを食らいやがって

糞垂れ蛇め!
篭ごと燃やして
分子レベルで
リサイクルしてやる

険しい顔で
蝮を覗き込むと
蝮のほうでも
俺を覗き込んでいた

「大ちゃんノコト、トゥッキー シャシャシャシャシャー。」
「ピッピ、生きていたの。」
「大トゥッキー シャシャシャシャシャー。」

それからまた
俺とピッピの
愛の暮らしが始まった

俺は生きている蝿の
手足と羽根をもぎ取り
舌の上に盛って
口移ししたり

ネズミの煮汁を
筆一杯に含んで
乳首に塗りたくって
舐めてもらったりした

「大ちゃん、ウレシー シャシャシャシャシャー。」
ピッピも喜んでいた

仕事が辛い時でも
ピッピのあの
愛しげな眼を見ると
みんなぶっ飛んでしまった

ある日
逆鱗に触れぬよう
優しくワンウエイに
背中を撫でていると
うれしい変化があった

「もうすぐ羽根が生えて来るよ。うまく飛べるといいね。」
ピッピは少し戸惑っていた

「明日お祝いに、あそこにピアスをしてあげる。」
「・・・大ちゃん、ウレシー? シャシャシャシャー。」
「ついでにタトゥーも入れてあげるね。」
「・・・・・・・・・・。」
ピッピも喜んでいた

次の日の朝
ピッピはいなくなってた
きっと
ドラゴンだとか
スカイフィッシュになって
飛び立って行ったんだ

大空の自由を堪能したら
また帰っておいでよ

それまで俺は窓辺で
口をアングリコ
ピッピの大好きなアレ
メガ盛りにして
いつまでも待っています

日本晴れの空から
君の声が聞こえるようだ
可愛いピッピ
俺のピッピ
小鳥のピッピ


大ちゃんの国際秘宝館

  大ちゃん

             
         WELCOME TO 大ちゃんの国際秘宝館


                 E N T E R


               Morning          

               7:30 AM         
               コンクリートの巣穴から   
               ヒトがうじゃうじゃ     
               這い出してくる       


  Wet                          Ruin

  順繰りに                        廃院の
  卵の黄身を口うつし                  ベッドの上に捨てられた
  我慢しきれず                     注射器の山
  君が潰した                      眼に刺さる針


               Long tall Sally      

               長身の          
               Sallyのカラダ、後から 
               ジェットスキーを     
               操るように        


  Baby                         Symmetry

  朝日射す                       マネキンの
  新生児室の保育器に                  首、大鉈で叩き割り
  くの字に折れた                    床に並べて
  老婆が眠る                      口づけさせた


               Blood          

               見せてくれ        
               男ダイリン血の花火    
               バンジージャンプの    
               紐なしバージョン     


  Over drive                      Magic

  アクセルを                      芯削り
  床に着くまでベタ踏みし                デスクに立てた鉛筆を
  殺す殺すと                      ヘッドバンギン
  ホーン鳴らした                    眼に刺し隠す


               Third eye        

               恋人の          
               第三の眼を覚ますため   
               むなぐらつかみ     
               頭突きの連打     


  J’s torture                     Shinjyuu

  ラップ越し                      胸はだけ
  脛毛が透ける君の足                  装飾ナイフの刺し違え
  万力で締め                      強く契った
  バキバキにした                    ハートのKISS


               Bait           

               釣り針を         
               アヌスの皺に引っ掛けて  
               リールで巻いて      
               フジツボにする      


  Milk                         Crimson 

  たぎる精                       寝室を
  義眼はずして受け止める                濃い紅に塗り染めて
  熱くて白い                      蝋燭を燈し
  涙アフレル                      君とまぐわう
  

               S・hell?          

               どうしても         
               欲しかったのさ、君の腕     
               貝殻つなぎの         
               クルージングナイト         


  Hall clock                       Black dog

  白い君                        わたくしを
  死体それとも時計なの                 不安にさせた罰として
  振り子揺らすと                    車で轢いて
  ボーンて鳴いた                    ペシャンコにする


               CT              

               知りたいな          
               君の内面、輪切りして     
               閲覧自由の          
               スライドにする        


  ばーすでい                      漆器

  年の数                        バスタブで
  バースデイケイク指を差す               漂白済ませ、漆塗る
  炎の代わりの                     あなたに金の
  赤いマニキュア                    蒔絵が似合う


               9in nails

               我が儘で
               独りよがりな心臓に
               9インチの
               釘を打ち込め


  チューリップのトリプティク

  (1)
  チューリップ
  たかたか指でかき回し
  おしべとめしべ
  グチャグチャにした

               (2)
               チューリップ
               まん中指でかき回し
               おやゆび姫を
               グチャグチャにした

                             (3)
                             チューリップ
                             兄さん指でかき回し
                             オオハナムグリを
                             グチャグチャにした


  ビリヤード                      (財)

  この俺が                       組み替えた
  突きたい物は球じゃない                足の付け根に垣間見る
  直腸破裂の                      リングピアスが
  ブレイクショット                   ぬらぬらしてる


               ケンタウロス       

               男色の
               ケンタウロスの恋人は
               人にはあらず
               猛き雄馬


  エナメル                       サイン

  エナメルの                      イク時は
  ミニスカートから這い出した              足の指曲げ骨鳴らす
  タトゥーの蛇の                    嘘か本気か
  餌になりたい                     見分けるサイン


                 E X I T

              ありがとうございました


ドクターモロダシ島  後編

  大ちゃん

前編までのあらすじ

最悪の毒婦、ばばあの言葉責めにより嬲られた俺は、復讐鬼と化し、
自らのペニスと足首を付け替える改造手術を施した。しかし、
ようやく探し当てた女は、尾羽打ち枯らし、老醜を晒していたのだった・・



               本編


「おビールでも飲みはる。」と                      
ばばあ                          
「うん。」と                            乾杯の後
俺                           彼女は三つ指をついて
なんか調子狂うな                    畳に額をこすり付けた

 
          「今日一日、夫婦の契りを結ばさせていただきます。
          不束者ですが、よろしゅう御願いいたします。」


             だってさ・・・


土下座した後
実に自然なアプローチで
スルスルと
俺のズボンを下ろすと
パンティに手をかけた


          「ちょっと待った、ここは俺じゃないと。」 

     
彼女のリードに
任せていたんじゃ
何の為の復讐劇だか
判んなくなっちゃう                         そ れ っ


             ばばあは少し仰け反っただけ

             
         「あ足首ですか、OK・OKやで、いける、いける。
          親指がペニスなのかしら?分かった、じゃぁ、
          ここフェラするわな。」


総入れ歯をはずし                        こそばいような
半分ビールの残った                     良い気持ちのような
コップに投げ入れた後                   むかし高校の池の鯉に
俺のアンクルサムを                  足の指を吸わせていたのを
パクってくわえた                        想い出していた


            とろける様なファンタイム
            今 過ぎて行きます
            ああ ここは
            天国に一番近い島 
   

                           ばばあはフェラをやめると
                               従順な犬のように
                                 仰向けになり
                                ベットベットに
                              ローションを塗った
                             性器を剥き出しにした


          「どうぞ、カムインや!」


ついに来たリベンジの時                            
おれはやる
やってやるぞ
前戯などはお構い無しだ                                                                                                         
                           ウラミハラサデオクベキか
                               いざ つかまつる
                                ジャンケンポン     
                                          
           足指じゃんけんはグーの形で
           いきなりインサートした
           ズボズボって音を立て
           一気に踵まで入って行く
           休まずにじゃんけんはグーとパーを
           交互に繰り出していた
               

ああ良い按配だ                          冒険だったが
今までは                          バックにも挑戦した
素股だかなんだか                        彼女を回転させ
ワカラナかったのが                     背後から腕をまわし
嘘みたいなグリップ力                   干し葡萄を摘みながら
やっぱり俺                         高速でピストンした
オペして良かったかも


             はずれない
             外れないよ
             いくら試しても
             すぐに外れていたバック
             それがどうだい
             自由自在だ


プレイ中の彼女                     「大丈夫。」って聞くと
死にかけの猫みたいに              「あんさん、気持ひウィ〜〜。」
グーって唸っていた                     嗚咽を漏らしている
痛いのかな?                       どうやら俺の取越苦労


             しかし 
             ちょっと待って
             俺 今
             大人の女性を
             満足させている?
             こうなったら絶対
             イかせてみたい


             もう少しだハニー
             最後の体位は決めてある
             人類49番目のラーゲ
             究極奥義その名も
             ヨ シ ム ラ


老女体をもう一度                      さらに彼女の身体を
180度回転させ                   ややリクライニングさせた後
こちら向きに騎上位にし                俺はベンチプレスのように
仰向けになった俺の               荒々しくその両足首を掴み挙げた
曲げた膝の上に                            今ここに
手を付かせた                       ヨシムラは完成を見る


                                
             高射砲の強度で下方から
             白髪混じりの陰部めがけ
             何度も腰を振り続けた
             「タカイ、タカーイ。」
                                               
                         
ゾンビみたいに
白目をむいている彼女の
だらしなく開いた口から
次々に涎が流れ落ち
キラキラと輝いていた


             つま先までタトゥーを入れた足が
             俺の気まぐれ次第で
             閉じたり開いたりしているのは
             まるで孔雀の羽根


俺は今このヨシムラで
霊鳥と化した彼女を
涅槃の神々への贄とするのだ


             カーム
             限界点が見えた
             往こう一緒に
             好きだ
             好きだ
             好きだ


         エンジェルズ カーム, ウイアー ヒィィィアー

    
             暗黒が訪れた





波止場への帰り道
二人寄り添って歩いた


「ねぇ、ハニー、質問があるの。         「実はな、若い時分、レズ仲間に
どうしてあんなにズッポリ、巨足を        尼サンがおっての、その娘の頭を
入れることが出来たの?」            入れていたんや。せやからあんさ
                        んのは、わて史上2番目かな。」


             100%解(ゲ)シュタポ


思うに彼女
腕の良い女王様だったのだろう
何人のM男達に
至福の時を与えてきたのか


             しかし寄る年波には勝てず
             思うようなプレイが
             出来なくなった頃
             心に1匹のマムシを
             飼うようになった
             プライドという名の
             えげつない神経毒を持った


                          そんな時とても不幸な事だが
                         ピュアだった俺は彼女と出会い
                      完膚なきまでに地獄に突き落とされた


その後は
彼女自身も
転がり落ちるように
風俗の奈落に
沈み込んで行った


             風俗に慣れているから
             風俗でしか働けないから
             そしてやっぱり
             風俗が好きだから
             生きる為に
             生き残る為に 
             プライドすら
             かなぐり捨てたのだろう


                               ああ哀れなおんな
                                    そして
                              なんて哀れなこの俺


彼女は下垂した瞼の奥から
ぼろぼろと涙を流し
こう言った


          「あんさん堪忍やで、うちがあんなこと言わなんだら、
          こんな身体には・う・う・。」


気付いていたのか
でも
もう良い
もう良いんだよ


             おしゃぶりな口をKISSで塞いだ


さっきのプレイだって
ただ
気持ち良いだけじゃなかった
恐かったし
しんどかっただろう
だけどじっと
我慢していてくれたね


             息も歯茎も
             もう何もかも
             臭かったけど
             愛しくて
             愛しくて
             舌を絡ませ
             チュウチュウと
             吸い上げた


          「君に、取って置いて貰いたい。」


俺はミイラになった
足の親指を差し出した


                                 彼女はそれを
                              ティッシュに包むと
                             シワシワの胸の谷間に
                                捻じ込みながら


         「肌身離さず持っています。火葬される時も一緒やで。」

おお!
ディア・グランマ
その心意気や良し


             今の貴女は性格美人
             愛され度200%の
             ダーリンウーマンだ



船の上から俺は
小さくなっていく彼女に
千切れんばかりに
手を振っていた


                                 さよなら俺の
                                伊豆の踊り子よ
                              (MIE県だけど)
                            もう逢う事もないだろう


           「俺達、良いSEXが出来たね。」





エピローグ


あれから男としての
自信を手に入れた俺
それなりに順風満帆


             おもしろ半分
             You tubeに投稿した
             股間の巨足で
             サッカーボールを
             リフティングしている
             セミヌード動画が超受け


                               見る見る火が付き
                         その道の指南書「JUON」の
                              カリスマ読モとなり
                      「呪怨スーパーボーイ」にも選ばれた


最近ではTVにも進出し
お茶の間のサポーター達からは
「魔羅ドーナ」と呼ばれている


             プライベートのほうも
             ぬらりひょんガールの
             「貞子ちゃん」と
             ヨシムラできそうな
             良い雰囲気だ

 
                                    だけど
                                一つ難を言えば
                                  あの日以来
                               ジョニーの指の間
                         ジュクジュクの水虫が治らない


             ふふふ
             まったく
             あのババアって奴は
             いったい・・・



                   完






参考文献

女がたまらずヨガリ泣く、SEX新体位「ヨシムラ」驚異のアクメパワー
週間大衆2010年11月29日号

ポーの一族 小鳥の巣   萩尾望都著

文学極道

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