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いかいか (New order) - 2014年分

選出作品 (投稿日時順 / 全4作)

  • [佳]  もこもこ - にゅーおーだー  (2014-02)
  • [佳]  感性 - にぃーおーだー  (2014-03)
  • [優]  枕元に、 - New order  (2014-08)
  • [佳]  技術 - にゅーおーだー  (2014-11)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


もこもこ

  にゅーおーだー

なるべく、
ゆっくりと、
あるいた、
雪道を、
ヒバリや、
スズメ、
ツバメ、
達と、小さな、
足跡を、
互いに競って、

詩的な、
言葉は、
昨日、夢の中に、
全部忘れてきた、
から、
また、一羽、
また、一羽と、
鳥たちが、
集まって、

花の名前を、
寄せる、
知らない鳥の、
くちばしに、
スミレ、
ヒマワリ、
アジサイ、
と、名付けては、
増えていく、
くちばしの、
数だけの、
足跡が、小さく、
小さく、
増えて、

春を知らないのは、
雪だけで、
また、雪も、
春を知らない、
ことを、
鳥たちに告げては、
悲しむ、

知らないことだけが、
降り積もり、
溶けあっては、
滲んで行った、
後を、

生活に切り取る、


感性

  にぃーおーだー

『雪の日』

雪の、
歩き方だけが、
早くなっていく、

雨の中、
駆け回るように、
固まった、
体の、関節を、
一つ、一つ、
外していく、
熱を、込める、
冷えないように、
押しては、引いて、
祖母に、教えられたように、
向かい入れるのは、
隙間を、ぬって、
歩いてくる、人達、

外では、
野豚が、三回転半の、
宙返りを決めて、
光すらも、凍らせた、
風景の中を、

恩寵や、
重力、または、
罪や、罰、
よりも、
深い、生活の言葉は、
乱れたままで、

花瓶に、いける、
一輪の、花に、
本の中でしか知らない、
失われた、人々の、
優しい、手を、見つける、

外に出て、空を見上げる、
雪、手、雪、手、
無数の、手が降っている、
冷たい、冷たい、
と、手が触れるたびに、
肌が、小声で、囁く、

その隣では、
まだ、野豚が三回転半の、
宙返りを、決めて、
現代を、駆け回っている、
この、雪で、手で、
覆い尽くされた、
光り輝く、風景の中を、



第一章 昼下がり、舌の上で、ひかりは、

昼下がり、
ひかり、は、
しぜんと、やいばに、
なって、
夕闇、みみなりのする、
この、とちの、
におい、

けものたちだけが、
つめたい、むれをなして、
わたしたちを、
おそってくるまえに、
わたしたちは、
あたたかいむれを、
はなれて、
また、
(もういちど、はじめから
 やりなおさなければならない)

つちを、巡る、
かぜの、冒険、
それは、病、
次から、次へと、
私たちの、間を、
通り抜けて、
切り刻んでいく、

あなた、たちは、
あたかかい、
としで、汗だくで、
働くのだろう、

私は知っている、
あなた、たちが、
食べる、凍えた、
まずしい、しょくぶつや、
どうぶつたち、の、
こわれていく、
たましいの、かずかずを、

このとちは、
貧しさばかりで、
うめつくされているというのに、
あなた、たちは、
このとちで、生まれた、
ものを、よろこんでたべる、

ひとりのともが、
しぬたびに、
ひとつの、ものがたりが、
うしなわれていくなかで、
おおくのものが、しんで、
失われていく、この土地だけは、
かわらない、

古事記で、
記される、ここから、
向こうが、
さばえなす、神々の、
領土なら、
今、私は、
境界にいる、

(また、もう一度、
 初めから、語りなおさなければならない)

三日前に、
芽吹いた、
それでは、まだ、
幼い、
手の中に、
収まる、ような、
魂の中で、
朝、
凍えた、
ばかりの、
小さな、
雨の、群れ

手は、
遠くを、知っている、
足は、
遠くを知らない、
耳だけが、ちかく、を、
教え、
教え込まれた、数だけの、
叫びが、わたしのしらない、
人の、顔を、呼び覚ます、

夢は、冒頭で、
熱を持って、眠りの中で、
体中に、溶け込んだ、
(千度の、高温に、
耐えられるように、
私たちの、体は、
できているんだ、)

「いつか、
 貴方が救おうとした、
 むれは、
 腐り果てるだろう、けんじ」

獣、たち、
の、あしおとだけが、
雨を引き連れて去っていく、
の、を、追う様にして、
早くなる、
あなたの、ちいさな、
たましいが、
つまった、
しんぞうの、中に、
みをよせあって、
ふるえる、
むれ、を、

「昼下がり、
 舌の上で、
 たましいは、」
「たましい、だけは、
 みをよせあわない、
 ために、
 この、からだをつくった」

たましいを、
手放すようにして、
花に、名を与える、
その時、
たましいは、
舌の上で、
昼下がりの、
眠るような、
輝きの中で、
優しい雨を浴びて、


第ニ章 土地の名前を、忘れるための、夕闇

土地に、
踏まれた、
足に、つく、
泥、の、
泥の、
また、足に、
踏まれた、
土地に、つく、
つく、泥の、
色、と同じ、
夕闇だけが、
残された、残された、
と、口にする、
人の、背中を、
やっと、捕まえる、
蝉の、背中が、
ゆっくりと、
割れるような、
速度で、
この、夕闇の、
赤が、
黒く、裂かれていく、
時に、

指を切った、
契るための、
唇は、
病に、
切り刻まれた、
風、の、
傷となって、
届くでしょう、
(眠りだけが、
 この、土地に、
 名づけられた、
 病から、
 唯一、
 逃げるための、
 瞼は、凍えを、知らない、
 だから、
 夢だけは、近い場所で、
 遠く、凍える
 凍えた、ものを、
 温める、手は、
 指は、)

(指を、切るのだ、
 病に、犯された、
 風が、
 契りの、ための、
 唇を、
 切り裂いていくのなら
 けもの、たちの、
 後、を、追って、
 私達は、
 ばけもの、になるんだ)

比喩が、
世界に、与えられた、
雨なら、
(降らせられるはずだ)

土に、剥ぎ取られた、
あなた、の、
からだ、から、
わたされた、
少しの、毒が、
私の、言葉を、
滲ませて、

夕闇、
切り裂かれるようにして、
夜、


第三章 涅槃、

切り刻まれた、
言葉が、ちぐはぐに、
発話されて、
貴方の、切り刻まれた、
体の、
色を、白く、させる、
日に、

明るい、部屋で、
明るい、色、
の、中に、
横たわる、
群れから離れて
、けもの、の、
ように、けもの、
たち、のように、
夕闇に、染まる、
前に、失った、
たましい、だけが、
よびもどされない、
まま、

投げかけられる、
言葉が、多いほど、
貴方は、また、
傷つけられ、
病に、犯されたまま、
唇は、契るために、
ようやく、赤く、
なって、
指先は、
硬く、名を、
拒絶しては、
閉じられた、
瞼が、軽い、
剥ぎ取られた、
あらゆるものが、
物語で、
また、物語で、
力で、剥ぎ取られた、
明るい、死、
笑っても、
悲しんでも、いない、
顔に、閉じられた、
瞼と、
契りの、ための、
唇だけが、

(閉じられているだけで、
 なぜ、貴方が、
 この、けもの、たちの、
 群れを、離れたって、
 誰がわかるんだろう)

閉じられているだけで、
言葉だけが、多く、
多く、何度も、
強く、弱く、
投げかけられて、

言葉は、
きっと、貴方の、
閉じられた、重みに、
耐えられないから、
逃げ出すよ、


第四章 骨格と、

手をとれ、
とれ、と、
摘み取られた、
手の多くが、
雨戸に、投げ込まれ、
幸い、外は、
晴れている、

正座、した、
横顔、
私は、二度、
その、姿を、
見た、

その話を、
ずっと昔に、
祖母にした、
時、祖母の、
手が震えていたのを、
覚えている、
覚えている、

震えていた、
のは、小さな、
ざわめきで、
それが、災い、
となって、
土に、埋もれるまでに、
後、何年かかるでしょう、

土に埋もれた、
災いの、
後に、花咲くのは、
小鳥の、名前を持った、
野花、であることを、
願う、

縁側に、
咲いていた、
アジサイ、
そして、松に、
雨が、当たる、
夕時、の、
暗闇の、中で、
仏間に、掲げられた、
写真の、いくつかの、
後ろに、差し入れられた、
手紙、

黄色く、腐敗したんだね、
と、手紙に、告げる、
後、少しで、
暗闇が、やってくるだろう、
その時、真っ赤に、
燃える、炎を、
蝋燭に、灯して、
浮かぶのは、
浄土の、輝きを、
もった、仏の、
体ぐらいで、

手にとられ、
とられた、手だけが、
また、雨戸に、投げつけられ、
瓦の、落ちる音を、
聞くたびに、雨の、
香り、


第四章 吃音、

木の葉を、
千切るようにして、
契った、
未だ、声をかけられない、
こごえだけが、
残ったままの、
手、
て、てと、
手を、取り合うように、
そこに、擬音が、
降り注いで、
初めての、
発話だけが、
飽和した、

一つの空間を、
押し込めるようにして、

世界、
と、名指した、
時の、顔は、
青ざめている、

アダージョ、
アレグロ、

よりも、

ひばりや、
すずめの、
名が、音が、
今は、懐かしい、

生き抜いていくことが、
一つの、信仰なら、
あなたに、降った、
二つ目の、戒めは、
乖離で、
剥ぎ取られた、
み、は、
もう、こうべをたれない、

あなたが、
また、この家に、
生まれてくること、
そしてまた、
この家が、
あなたから生まれてくること、
背筋を、這い上がる、
身をよじるようにして、
青ざめている

海の彼方でも、
山の彼方でもなく、
うみのあなた、
やまのあなたに、
宿るようにして、
集う、
身を寄せ合うようにして、
寄り集まる、

生きているものは、
皆、悲しい、と、
教える、声の、
小ささだけが、
大きい、のは、
体だけで、
小さくなっていくのは、
雨、あめ、
あめ、と、
やめることなく、
ふることなく、

とち、とち、
土地、と、
家々に、

『雨の日』

水道を、ひねる、
真昼、水の音の中に、
流れる、体、
を、またひねる、様にして、
生活に、浸す、

硬い言葉、
やわらかい、言葉、
数を数える、
声に出して、
小さく、大きな身振りで、

林の奥で、
奥だけで、雨が降っている、
また降っている、
その音を、聞きに行く、
これは、生活の音ではない、
(そして、それは、生活の、
 言葉でもない)

荒々しい、人の、
優しい言葉、
物静かな人の、
怖い、言葉、

(それは、生活の言葉)

比喩は、福音の、様に、
降っている、
(だから、それは、
 生活の言葉じゃない)

詩を、書いている時は、
林の、奥で、
雨が降っている、
その、音が聞こえる

第五章、世界中の、豚ども、醜く、わめけ

雨が降る度に、
春が近づいて来る、
生活が始まる、
あなたが生まれるようにして、


枕元に、

  New order

床に災いを敷き、
枕元に病を、
口は光を囀り、
音は夕べの窓際に、
丁寧に、
配置された、
優しいもの、
今から、白く、
多くを、食べる、
夢の中で、友人たちを、


黒く、浮かぶもの、
背骨を、折る、
二日目の、手に、
持たされた、
また、夢、

地獄は、明るい、
と、肘を、ついて、
遠くを指さす、
顔が、微笑んでいる、

白く、また、
食べる、多くを、
くべる様な、手つきで、
燃えていくように、
落下する、
そう、落下する、

凍える様な、
科学の、時間だけが、
すぎて、
また、一人、
また一人と、
白く、食べられては、
夢の中で、

花の名前を、
伝える、新しい、
水素、だけが、
私の、体を、
突き抜けて、

見たままの、
手だけが、
遠く、伸びていく、
この、角を曲がれば、
永遠の、終末で、
明るい、と、
また、顔だけが笑っている、

意味が分からないから、
怖いでしょう、
だから、大嫌いだ、
と、口を滑らした、
夜、
その背後で、
待っているものは、


技術

  にゅーおーだー

夕方、
夏に、
早く、も、
蚊帳を被せ、

手で、鳴らすのは、
うちわで、

ふゆ、ふゆ、ふゆ、
と、三度口にしては、
赦し、だよ、
と、毛糸を、施す、

振る舞いが、
とても、ゆっくりだ、
と、ふゆだから、
なつだから、と、
話し合っては、
だんろに、手を伸ばし、
また、伸ばされた、
尻尾で、結ばれる、
季節が来た、と、
たわいもない会話をする、

アルビノノート、
深い、白は、
浅くて、浅い、白は、
まるで、雪のようだ、
朝早く、駆け抜けていく、
神の、子供達が、
幼い、マレビトだ、
まだ、幼いぞ、
と、鬼の面をかぶって、
赤い、

赤く、充血するのではなくて、
白く、充血したまま、
の、手と足で、
浅い、雪、
深く、足を入れて、

ねじまがった、
優しさ、
と、奇形だ、
奇形、だ、
と、扉をたたく、
声が、
ボタボタと、
屋根から落ちて、

そして、
ポタポタ、
なみだ、を、
雪に、添える、

悲しいことばかり、
しか、書けない、
言葉は、また、
うれしいことばかり、
しか、書けない、
ことばは、
滅んでいくばかりで、
だれも、書けないような、
言葉で、駆け抜けていくような、
私の、貴方の、
言葉だけが、
書かれることで、ねじ曲がる、

文学極道

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