詩投稿掲示板 - 過去ログ [482]

8982 : 地球の上でうたふ歌  石村 利勝 '16/07/23 17:27:15 *2



  歌をうたつた


  真夏の昼さがり

  地球の上に立つて


  おほきな声で

  背筋をのばして

  素直な力で


  うつむいてゐる誰かに

  目をとぢてゐる誰かに

  道に投げ捨てられた誰かに

  いちにち天井を見つめてゐる誰かに

  ひとりで誕生日をすごした誰かに

  昨日飲み過ぎたひとに

  彼氏と別れた彼女に

  絵の具を買へない画家に

  お盆灯篭を見送る母親に

  脱走した兵士に

  また逆上がりに失敗した少年に


  まつすぐに届く


  祈りではなく

  癒しではなく

  慰めでもない


  強いものでもなく

  弱いものでもない


  まつすぐな歌を


  地球の上で わたしは

  美しいものではない


  みにくいものでもない


  花ではなく

  鳥ではなく

  空でもない


  真実ではなく

  嘘でもない


  真夏の昼下がり

  地球の上に立つ それは

  小さくもなく

  大きくもない

  うたふものとして

  そこにゐる


  背筋をのばして

  素直な力で

  いのちのかぎりを越え

  ひと筋の光となるまで

  うたふ


  空に入道雲


  野に風




(7月24日・一部を改訂しました。)

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20160723_403_8982p


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