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作品 - 20201121_717_12233p

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十七歳

  月屋

指先から血液。
優しい星あかりが燃え尽きる頃、春が来るんだって。冬の雲は柔らかい土になってあなたを育てる。私の瞳の奥の視覚野を突き抜けた先にはきっと天使がいて、つまりは私、天国に行けるんだって思っています。
指先から淡雪。
紅葉が地面に落ちる前に崩れていくのを太陽に透かして見ていた。からから回る風車の持ち主はきっともう成人している。どこかで鈴がはねている。帰ってこないね。甘いサイダーの美しい泡の音を聞きながら頬を冷やして、あなたを待っていた夏がもう懐かしい。私のブレザーの襟が風に煽られている。
赤い頬の、青い睫毛の、その行く末は過去だけ。今が美しくなるためのおまじないのような祈りのようなただの未熟。何も無い、春を待っている。終わらない、冬を願っている。暖かな光を、握りしめていたかった。

文学極道

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