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作品 - 20200930_262_12131p

  • [佳]  bird - 白犬  (2020-09)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


bird

  白犬

イメージの葬列に穴を開ける
葬列の中を流れていく
彼や彼女の
手足が私の頬を掠める時
すごく冷たい気分

膨らんだものを見て
触れたいと思わない
ただ見てる
萎んだものを見て
醜いと思わない
ただ見てる

私の傷口を貪る蛆達が
開花して
エメラルド・グリーンの翅とインディゴ・ブルーの複眼を輝かせて
うゎんうゎんうゎん
永遠の夏空

私の魂について
語れることは今は無い
照らされた心は無いから
肉を少しあげた

春のように巡る心に
付きまとう影達に
ビールを浴びせる
「酔ッパラッチャエヨ」
私もブラを外してビールを頭から被る
ぷるぷる…っ

子犬が頭を振って胴を揺する

影を飲む
額に垂れた優しい貴方の指
私は首を傾け
舌を伸ばして
懸命に貪ろうとする
影がお腹に溜まると少し、熱い

爛れた皮膚から羽軸が伸びて
イメージの葬列に空いた穴からにゅっ と しゅっ と
私を私は確かめてしまうから
水面に映った君を何度も乞い
羽軸から展開する細やかな1枚1枚が死者の風に撫でられて ざわ と

私の1対の黒い目が
悲しいアナタの文字を撫でて

鉤爪
変容する腕 腹 夜 朝
形式達を飲み下していく 影達を飲み干していく
(ずっとぴちゃぴちゃと寂しい音をたてる影達は
子犬の水を貪る音に似ていて)
私の瞳に貴方が映り込む時
(寂しい凍りを口に含んで)
小さな地球を飛び立つ
空はイタイイタイイタイケナ光でいっぱい

「ここに居るよ」


羽音

文学極道

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