#目次

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白犬

選出作品 (投稿日時順 / 全25作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


オートマ・タ

  白犬

疾走するオートマタ
右手に自動小銃
左手にナイフ

かけろ

螺旋状の火の上のエンジェルの濡れた翼
獣のアジテーション
魂の頭ん中の牢獄

かけろ

流れていく風景
田園から都市へ
無数の目で編まれた眠レナイ・バビロン
硝子とダイヤモンドの硬度を
網タイツに編みこんで
eye eye eyes
によって普遍化する不変の不夜城の月

景色は常に夜
眠る子の脳髄まで・犯して
サイレン・レーザー
インソムニアの石・インポテンツの念(粘)・アムネジアの花

僕ヲ犯シテ

疾走するオートマタ
降り積もる機械人形達の無数の肢体
堆積する匂いのない記憶
静かな降下
食べることも出すことも眠ることもない魂
今夜はあの塔を墓標に眠る烏
不眠の悲しき醜悪たち
春を売った少女と血を望んだ少年の成れの果てが行き交う
etc etc etc
硝子越しの風景
オートマタ、お前の目は何も見ない
かける
だ・だ・だ・だ
かけろ
だ・だ・だ・だ・だ・だ・だ

(エレクトリックレス 君は無表情 /シークレットG 凛として時雨)

心持たずに
螺子を回し
螺旋が回り
螺旋を駆け
疾走するオートマタ
月に落ちろ
お前の発条仕掛けの肢体は
走り続ける(ろ)
壊れるまで

あらゆる愛着の嘘に
人間の温かな柔さを見出して
お前の白くて冷たい肌は
発熱のないまま燃え続ける

片頭痛の雲と少女の涙と犬の涎と男性器と女性器と螺旋の上の火と冷蔵庫のハニーミルク
全部お前の螺子

心を探せよwwwwwwwww

だ・だ・だ・だ・だ・だ・だ・だ・だ・だ

かけろ

* メールアドレスは非公開


ash

  白犬

星の煌く黒い瞳
指先をギターケースに這わせて
あぁ、得た
祝福しろ 鳥 犬 辺りに泣き交わす獣ども
海辺を走る風 山霧

音も無く地表を舐める光線が
静かに ひそやかに 僕を追う
従順な犬のよう
撫でてやろう
うたかたの夢

汚水塗れの絶望
ドロップにして
舐め 噛み砕き 飲み続け
今 目を細める
月から生まれ
夜を臓器にして
陽光の温かさに
今 目を細める

得た
届かない
得た
千切れていく指先を庇い
得た
僕は太陽を見つめる
無数の原子核の融合
何億光年の果てに
一時照らされ
干からびつつある言葉の死骸達
僕は干からびたそれを舐め 噛み砕き 飲む
飲む

叶わぬ夢をしゃぶり
幼子は泣く
僕は 得た
痛みと共に
老人は倒れていく
僕は 得た
苦痛と欲望のしくみ
汗と垢でべたつき匂うベッドの上で
まだ見えてない?
凡て、見たいんだ
お前もそうだろう?
もっと深く、深く、深く
深く

ギターの弦は
張り巡らされた電線で
ギターホールは君の瞳孔(瞳孔が穴だって知ってた??)
その音色は月光の滴りで

ら・ら・ら

瞳の照準を太陽に合わせる
射るように
燃える僕の瞳

わかるか?
わかってくれよ
愛してる
祝福してくれよ
僕は 得た

(そして永久に得られない
 飛散させろよ)


sex tribute

  白犬

女の肉
男の肉
トルソ
sex

黙れ

沈黙の中の
性的な香り

豊穣な
繊細な

幾万の香りの粒子を

貴方はその不細工な舌で
押し潰し 蹂躙し 押し込める
言葉という呪いで 言葉という呪いに


(その日曜日に、私達はある川沿いで出会う
 燕が黒い小さな俊敏なナイフのように空を舞っている
 白い陽光が降り きらきらと水面で細かく砕かれていく
 そんな時空で
 柔らかな黒い果実のように
 あなたの存在を私は受け取った
 匂いが 漏れていた
 あなたの微笑みの中の苦悩は
 子栗鼠の目をした私の中に
 ただちに、ゆっくりと、反響を始めた)

無数の 乱反射する 沈黙の 柔らかな 温かな 瑞々しい 冷酷な 香り
私は2対の(あるいは無数の)目を綴じ

それらを思う 殆ど夢見るように


性的な 夢


(私達は川べりを歩いていった
 ホオジロの艶々とした囀りが響き
 私達の会話は 楽しいものだったと記憶している
 その間も ずっと
 あなたの苦悩は ちらちらと影の中に揺れていた
 そう、最初に目に留まったのはそれだったのだ
 それこそが 常に白い私の視界の中で
 あなたの、存在を指し示す 唯一の )


(木陰に佇んだあなたは
 遠い水面の先に目をやった
 私は黒い目でその視線を追った
 そこには有り触れた 街の 穏やかな風景が
 白い 光に 包まれ
 影の織る絵画のように あった
 その時 私の中に起きた感情を
 私はまだ名づけることが出来ない)

私の不細工な舌は
美しい無限の匂い達を
押し潰し 蹂躙し 押し込める
私という呪いで 私という呪いに

生の懊悩だとか言ってみたい、と
性の懊悩だと嗤っていたい、と


(いつの間にかあなたは
 私の傍から姿を消していた
 川と街の風景はまだ思い出に残っている
 あなたのその黒い苦悩が
 私の傍からあなたを去らせたのだと
 私は直感している
 あなたはそれを留めることが出来ない
 あなたはそれを留めることが出来ない?)

その香りは
今も空中を舞っている 恒常的に その有限性に
警察犬よりも素早く
私はそれを嗅ぎ付ける

その脆く美しい香りを
私はまだ名づけることが出来ない

香りに呼応するように
血が 私の中を激しく巡る

女の肉
男の肉
ちぎり合う生の
奪い合う性の
触れない夢の
トルソ の 見えない頭部 から 滑り落ちる涙
硝子のsex

黙って
静かにして
今は 感覚を 澄ませて

逃してはいけない
貴方はそれを逃してはいけない

散る 香り 萌え る 光 のよう な それ  を  あ な た は


喪っては いけない



夢を見るように
名づけたいと思うのだ



ほら、美しい

(反吐が出る寸前の)

捧げもの

sex tribute


a party

  白犬

そして薄く蒼づく空気が街に降りて、夜の濃度を増していく頃、僕らは街を歩いて行った、君の瞳に揺れていた、オレンジの灯



密輸
砂と骨
君と僕

自由について とか ?

始めようか party

フェイク・ファーと鳥の羽毛とバルーン、チープな電飾で部屋を飾りつけよう
地球色の石をてーぶるに置いて
夜 地球が密かに回転を止めることを僕らは知っている
違う ?
僕らの骨 砂
27℃の温い涙ならゴミ箱にぶち込んだよ、
僕の薄い微笑みは炎から出来てんだよ、
誰でも良いと僕の唇が言ったんだ、
君の目玉を舐めてあげる
その涙を飲んであげる

始めようよ? party

君は男のコだけど
マニキュア塗ったげる
ダーク・ブルー、それともカナリア・イエロー?

ひりひりするpartyにしたいね
彼らの自意識をびりびりさせる音楽が欲しいね
犬と猫も呼ぼう、りぼんをつけた虎と熊を部屋に放とう
狼は僕のお気に入りさ
彼の骨の入ったペニスの美しさを君にも見せてあげたいな

ほら、玩具の兵隊は全員配置についた
ピストル型のクラッカーが鳴り響いて
鳥達は笑い
花が踊り
間抜けな女がカシス・ソーダを零すのさ

君の骨の柔らかな緻密さを僕は気に入っているよ
その間抜けな微笑みも。

そして何処か戦場で血が流れ
僕はワインを飲み干す

×××÷
−+−+
愛なんて棄てちまえ、ね ?
君の骨を抱きしめてみたいな

そして夜が更けるころ
ピストルを何丁か用意して
僕らは革命家ごっこを始めるんだ

革命 その世界で最も下劣な欲望の捌け口を

そして
君の骨を砕いて
僕の骨を砕いて
それは白い砂丘に交じり抽象の一握りの砂になるだろう
そしたら その砂丘の上に掘っ立て小屋を建てよう
そこで演奏すんのさ
君はピアノ弾きで
僕はボーカル
そんで
この世で一番悲しくて
この世で一番素敵な
恋の歌を歌うのさ

砂 人骨を砕いた砂の丘 風が滑らかにその白に風紋を描き形を変えていく

そして夜の濃度が一番高まるとき 地球がそっと回転を止めるのを僕らは知っている

君は息を詰めて 息を吐いて 弛緩する

その喉元に僕が突きつけるのがキスかナイフか、
僕は知らない、まだ

魂 魂 繁殖する魂の蔓を切り裂いて切り落として

やっと僕らは人間になるだろう

産まれる前から死んでいたとしても。

だから 今 僕の涙にキスしてくれよ

明日には消えてしまうだろうから



風の音 磁気嵐とオーロラ 君の瞳に揺れていたオレンジの灯



good bye see you good bye しーゆー?


言語のロジックを解体して
君を解体してみたいな
僕とおそろの歌をあげる



そして僕らは朝焼けの陽が空を薔薇色に燃やす中、静まりかえる郊外を抜けて歩いて行った、何処までも歩いて行った


ハルピュイアの柩

  白犬


刺す

透明な柩に

全ての 形式の形骸に
射す
静かに

柔らかな内蔵は
温かかった
啄む

高い
高い空は
とても冷たい

でも 私には翼があるから

あなたの内蔵は
生温く 温かだった

ハルピュイア
予め穢れた唇
喰らい
撒き散らす
糞尿を

ハルピュイア

密猟された魂よ
密猟する魂よ
傷と傷は癒着している
切り離せないそれを
私の嘴で
つつく
啄む
抉る
貪る

あなたのシャンデリアに
糞を落とし
きぃきぃと笑う

私 は ハルピュイア だから

風と同義
羽根を毟って
足を折って
私を殺して
息の根を止めて

きぃきぃきぃきぃきぃきぃきぃきぃきぃ

鳥の躰に猿の顔で 甲高く笑う

この世界は汚穢の花です
私の魂の奥深くに流れ続けるそれを
私の黒目は見つめ続けている
逸らすことは許されていない

あなたの
胸を抉り
血と汚物に唇を濡らし
晩餐を
微笑みながら
微笑みながら

糞まで喰らい尽くしましょう

そしてあなたの骨に 糞をして
私は飛び立つ
満月が美しかった
形式の形骸の空を飛んだ
散る 羽根
撃ち落とすあなたはもう居ない
私が食べてしまったから

交錯線
私の唇は歌を吐かない
私の嘴は笑いを吐く

ふいに
哄笑が止まらない
空を飛びながら
がぼがぼと
笑う喉から
血が溢れる
これは、あなたの血?
私の血?
私はハルピュイア

哄笑
哄笑
哄笑
白い花が胸から咲くよ
乳房を突き破り
あなたを食べたからだろうか

あははきぃきぃあははははきぃきぃきぃきぃあはははははきぃきぃきぃきぃきぃきぃきぃきぃ
キィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィ

地に 落ちる
空は 私の柩だった
もう 要らない

花が咲く
私は吐瀉物と血と泡を口から溢れさせ
裂けた内蔵から半消化のでろでろを垂れ流す
空に踊るウロボロスにキスをしようか

青い空を見上げて
柩が閉じていく
捻れた羽根で
千切れた羽根で
形式の形骸の頭蓋を撫でた

幸せだよ

柩の蓋が、閉じる

ハルピュイアの柩


a dream

  白犬

血に満ちた海を 光れ

彼らの汚れた腕は 一片の愛を希み
漂流の中で 互いを刺し合う

血に満ちた空を 光れ

私らの汚れた足は 一片の愛を希み
漂流の中を 歩み続ける


貴方の涙を 私は水のように飲みました
貴方の刻まれた胸を 私は巣のように休みました
貴方の痩せた肉を 私はたった一つの食糧としました
返礼 私は私を差し出しました

永遠に渇くようにと
手を放しました


物語からの追放を
私は私の物語を追放し
私は貴方の物語から私を追放しました

漂流の中で私は永遠に渇きながら 殺人を犯すでしょう

徴を 歌います

それでも あの光がこの目を満たすというなら

私の手は 青白い 輝きを抱き

手放した希望の数々をそっと食みながら

染まりゆく翼を 発芽させるのです


私達を分かち それが幸福であることを祈る

あの数々の嘘達を殺しましょう



瞳は黒から 赤へ そして銀に至りました 次は恐らく白でしょう

この瞳は白夜の輝きを宿すでしょう 永遠でしょうか? 循環する色彩の

望みません

この物語を 私は断ちたいのです
この物語を 私は行きたいのです


血に満ちた海を 光れ
血に満ちた空を 光れ
あの夢に ふれ



永遠の春が 貴方の額を撫でるよう 願います

私は咲いていますか
私は囀りますか
淡く飛び立つ 雲雀の瞳の凍結を
貴方は 忘れて欲しいのです

白夜が貴方を 守ることを祈ります

やがて行く季節に

血の臭いを辿る白い瞳の獣を

貴方は殺してください


その血は空に昇り 1mmのオーロラを咲かすでしょう



この幻光 が 貴方の 目に 映るならば



夢のように


煌く


血の色を



オーロラと白夜へ


ぬふふ

  白犬

戦場は膝小僧に宿っているから、あたし言葉遊びなんて嫌いー今日一日新しいすにーかーでときお歩いたら靴擦れ出来たんだよ凹凹凹よーぐるとあいすに鮮血かけて食うとはにかんだ君の味たまらんすてれびで目と魂を陵辱するのも悪く無いけど雑踏のかおすは更に良ーわ、不快なはーもにーにへっどふぉんから漏れ出す高周波、びるでぃんぐを犯している青い空さいくるさいくるさいくるされるから君も泣いてばかりいちゃ駄目だよって言葉さえないふないふないふならいっそ刺してあげるから、道端にへばりついたげろをからすが突いてるそのつぶらな瞳の中にも宇宙があって星が渦まくんだよってこと思い出すとあたしなんかまだ飛べるんじゃないかって気がしちゃうから傍観で耳じゃっくして脳でイくいつか罅割れ泣いていたあたしへ世界は残酷だよって生傷にげろをすりこんでやりたい首を絞められたい瞬間は確かにあって白と青の幻が揺れる度感応するあたしの脆い桃色も鋭さを増していくから彼らに彼らに彼らに粉々のきらきらを突き刺してやりてーわこんなんじゃまだ足りない最初に言ったよね言葉遊びは嫌いだって引き剥がして溺れろよもっと窒息しろよあんたらの言葉を爆破したいなその辛子ぶっこんだ生くりーむ塗れのだーざいんとれーぞんでーとるに、を、ぶっ刺して反逆しろ判るか私達に差異は無い子供にも大人にも男にも女にも獣にも人にも貧者にも金持ちにも差異は無いお前らの言葉遊びはくだらない壁を作るばかり築くことさえ無くお前達はその壁に囲まれた囚人としてそこで眠れぬ夜を過ごし恐怖に怯えて倦怠と薄く引き伸ばされた絶望を飲み込むばかり新しい包帯ばかりを探してもお前らのぐちゃぐしゅの傷は完治することは無いよ、生涯ね お仲間でも探してろや

! 濃度1000% の絶望 を さ いっそ 食お? あたしなら何回殺しても良いから まだ判んないの?


あなた達の両腕は ちゃんと 抱きしめることが 出来るんだよ


あたしは渋谷の路上に立っていて 今 君にキスするように煙草に口をつける   紫色の夜に 煙が 白く一筋 立ち昇って   花が開く瞬間 の ピストルの音




震える指に どうか 勇気を




耳が祈りの形をしていること(キミに教わった)


悪魔の子供

  白犬



月翳 静寂に身を曝し



百合の花弁を散らして、
また無垢なふりをして、

once more

健気な傲慢、
その退屈なファッション、
眠たくて微笑んでしまう、

ジャスコの3階でペペロンチーノとダンス、
スタバのソイラテを笑いながら飲み干して
タワレコで探す聖域のcopy


.

トキめいた、から、舌噛ませて
脳髄に泡立つ黄金のmellow
sadisticで無いと甘く無い、

.


蘇らないように沈めて、
逆立つハックルに身を撫でさせて
水色の堕ちる先を そっと 踏んで、

波紋の 波紋 の 波紋の ゆらゆら

角の生えた子供、
青白い牙で柔らかを穿って、
緋色の目を細める、

今宵 湖水は子宮
ノイズは幾度も白く散り
濡れた体 で
産まれ直す、何度でも、君/僕

シャツを脱ぎ捨てて

産まれ直すから 滴らせ 舌足らずに口を合わせて

痛みを飲み合わせて、

いつかの涙

月翳 静寂に身を曝し

湖水の中から、笑いながら、君に手を伸ばして 誘う

「溺れよ、、?」


きみのやわらかな

  白犬

緩やかに溶ける場所で息を/白いベッドに身を投げて/世界を嘲笑う癖。

あたしの魂は吐き出される煙に入り交じり昏い空へ昇って行く。

冷たい温度で君を抱くとき 君の柔らかな心がそっと崩壊していくから

愛してあげるよ、愛してあげるよ、愛してあげるよ、と、耳に擦り込む

愛してあげるよ





.

.

.

昏がりの中では凡てが自由だから

肉が放つ芳香を嗅ぐ犬

あたしたちの断片を彼らは瞳に吸収し 抉り取り 持ち去っていく

良いんだよ、持って行きな

抉り取られる時 抉り取る、の

魂に刺す 染めるの、

それは等価だと「私は思ってるんだよ」



昏い天の中で、あたし達は自由

宇宙の黒に胎児のように 今 身を縮める 君を背中から抱き締め 絡める

夜の透き翅と白い羽根を隠しておこう

てん てん てん と

星々は燃えあがり

あたしは焼けていく

あたし達はくったりと

身を横たえて

スピーカーから流れる声

ねぇ 好きにして良いんだよ


flight

  白犬

飛翔する空に陰りは無く
あたしはあたしの切っ先を噛んで 「あたしの」空を飛ぶ

嫌悪の爪15℃

運命の音楽が生ぬるく頬に張り付く

その退屈さを牙で食んで あたしはあたしの焦燥を食らう
彼らの言う運命を 煙草を吸いながら 15℃の目を細めて眺めてる

何度も訪れる春に死を見ていた
彼女らの陣痛は死ぬことの出来ない者の呻き
あたしはがりがりと地を掻いて 一匹の幼獣を産む
幸福、と言った
あたしは嫌悪のままに幼獣に食らいつく
幼獣は白い牙を剥いて あたしをばりばりと喰らっていく



彼の腕を 足を 首を探して
あたしは教室を彷徨っていた
彼は涙を落としているに違いない 絶望しているに違いない
あたしは駆けていく
彼の指を 腰を 頭を探した
校庭を 三叉路を 鴉の巣の中を あたしは探し歩く
あたしが抱きしめてあげなきゃ
彼は震えているに違いない

飛翔する空に限りは無く
あたしはあたしの両腕を翼に変え 幼獣の血を飲み 運命に抗う
「うんめい?は?殺してやる」
スピーカーから流れるjesus and mary chainの「I Hate Rock'n'Roll」



あたしには影が無い 凡ては運命の成すがまま
あたしは呼吸を殺して 探している サーチライトの瞳
凡てが焼き付けられているのなら 言葉は浮遊するべきだ
死ぬことの出来ない者達の呻きが春を呼ぶ
あたしはがりがりと地を掻いて 嫌悪を膨らませて 鳩のように震える
あたしの襟足は逆立ち
瞳は凪いでいく

あたしはここに巣を作れないと思った
空を目指す
あの少年は病むべきものの王だった
あたしの掌は彼の感触を忘れることが無い
凡てを涙に変えて あたしは血塗れの瞳を見開く
バールのようなものとカンテラを装備して
あたしはあの聖堂を壊しに行こうと思う
あたしの血と肉と骨は あたしのためにくべられる
決して癒されない血と肉と骨の果てで 貴方を抱きしめたい
野犬達を引き連れて

あたしは野の百合を抱く

彼はあたしの血と涙を知っていた

空に建設されるカテドラルで会お?

凡てが壊れていくのなら

あたしはこの両腕を翼に変えて 偽りの無い空を飛ぶ
飛翔する空に陰りは無く
無音の果てに

いつか撃ち落されるまで flight


sweet erotica

  白犬

password key 「世から炙れたありふれた言葉達」

りぼん で 結ばれた

言葉達が 私を笑わせ まさぐる時

冷えた肉の 懊悩 の 焼き 爛れた 匂い が 香ばしく脳に沁みつく時

あたしは思い出している 幾千、幾万 の トルソ (の修作達の あの青褪めた表情)

海のような彼らの色彩を 花のように纏めて 単純な言葉を印す

「you」


悪意を束ねた花束で 擽る

りぼんで束ねられた貴方の手足は巧く動くことが出来無いから

僅かな痙攣があるだけ、冷えた空気の中で その肉から 熱だけが 白い粉のように 漏れ始めてる

「you」

いつか縛り上げられた真実が きうきうと 声を漏らし始めた時

あたしの口は弧を描いている ねぇ そんなに 涙 垂らして 「気持ちい、の?」

「me」

「me」

「メ?」

目って 何をいつも吸収しているのかな そんなに吸収して パンクしちゃわないのかな ねぇ、君から漏れてる それ 何?

それは何処から来たの? ちゃんと記憶辿れる? 遺伝子レベルの悪戯のこと、 私の手は速さを増している イジワル な 微笑みを浮かべて だって わたしは運命とやらが大嫌いで あたしの魂はもうこんなにも藍色になってしまった

「責任取ってね」

貴方の感情の瘤を いつの間にか鴉の羽根に変わった元花束で 執拗に嬲ると 貴方はべそをかいている 零れ落ちる汗 あたしは現実とかゆーのを煙草の煙でふぅっと払う

だってリアリティはいつだって宇宙の波長の波間に打ち上げられた嘘だから 最後まできちんと虐めてあげよう

いつしかいつかあたしがされた最上の歓びを写し取るようになぞっている あたしは今だけ機械仕掛けのバレリーナだ チュチュの上に狼の顔 細長く生臭い舌で 貴方の顔をべろんと舐める 貴方の顔が歪むのが好き


「you」

「me」




君がちゃんと孕むように 記憶を少し壊して上げる あたしたちの目玉はいつだって現実の外側へは行けないから 記憶を壊すことは現実を少し殺すことだ あたしはもう狂っているかもしれないけれど そんなことはたぶんどうでも良い 貴方の付け根のりぼんをきゅ、ときつく縛り直す

痛いならもっとちゃんと泣いて。ね、まだだよ

シュプレリヒコールが鳴り止まない窓に乾いた笑みを投げかけて 夜は静かに冷えて 君の体は熱い ずっとずっと 嘘 だ から 彼らの嘘を壊してあげよう sweetな黄金の蜜を降らせてあげよう 君 ら の 絶望は シンプル過ぎる よ だから

「も…と、ぜつぼ、して…?」

熱源 から 有り触れた 殻 を 取り除いて もっと もっと 君の 君の 君だけの 有り触れてない 声 聴かせて

(縛り上げられた現実がひゅうひゅう喉を鳴らして解放をせがむ頃 あたしは深く突き入れて笑っている これは貴方達の狂気だと私は言うだろう ねぇ 君の 私の 愛しい嘘)

あたしに 聴かせて 世界がどんな風に組み上がっているのか あたしの手の中で組み立てられたジオラマの中を 奔る 電車 の 中 から 君 が覗く 虹 で 君の目が 潰れる ように もう 明日が 来ないように そうして それから そしたら

(昔昔 あたしがされたこと 存在論の基本的ループ なら 君に酷くしてあげる あたしの心臓の羅針盤が好色な涙を垂らして あたしの虹色の理性は真面目な涎を垂らしている 君につける傷が いつか 君を導く護符に変わるよう)

「ほんとう」

がね もう一度 あたしたちを殺しに来てくれるように

(記憶を白銀に変えて 貴方達が散っていく時 私は不定形の笑みを浮かべて 宇宙を歩いている頃だろうか ねぇ、覚えてる?)








password lock 「訪れる死と共に あたしはもう1度自由になるだろう」





燃えるように熱い




もう 限界かな

解き放つりぼんに 君が震えるのを あたしは笑いながら見てる

白目を剥く君

疲れたね 少し休もうね 窓の外に 白い朝の光 password key 「世から炙れたありふれた言葉達」 あたしたちは透明のばらばらになりながら さよならを何度も響かせている から いつか君が迷ったなら あたしの肉を目印にして 甘いミルクを覚えていて 迷わず殺して良いよ。







藍色の海を漂う透明な花束 ひとひらの白い羽根


strip trip !

  白犬

壊れるか ら

strip show

見えないとこまで 視て
見えないとこだから 視て

最後まで悲しい を
美しい音で
満たす一瞬に

残酷が 覗き視ても

あたしは脱ぎ捨てて って
存在のひらひら 最後になっても
もう 目を反らさない

醜い私を視て

君達のゲームを
私 は 裸足で踏みにじる

宇宙の上のベッド で 裸 で 煙草をふかす

血飛沫で綺麗に青い空

ねぇ、もっと視たい?
私は まだ、視たい よ

視たい な

君はまだ いたい?


sea and sky knife exit

  白犬

深い 深い 海に潜った 私は

持てる翼を用い

鳥の眼 で 詮索する


(私は神様を信じない)


あぶく 白く 醜い 美しい 光を失った 罪無き 罪そのものである 生物達

(奇妙に枝分かれしていった はらからよ)

黄色い嘴に牙を 胸毛の中に隠した爪を 意味を喪失するまで 記憶を喪失するまで 壊し尽くせ

尖らせた私を

深い海に

放て




はらからよ 私達を捉える 言葉を   むげんに眠る人々を 突き刺す 言葉 を

はらからよ 私達の楽園は何処に あったのか

叫べ 歌え





血が

あぶく

泡 と ナルマデ 君の真実を 私の嘘を 君の 嘘 を 私の 真実を 刺して



舌を用いて



私は叫ばない

私は呼ばない


(私は叫ぶ 深く 深く)

(呼んでる? 深く 深く)





はらからよ


(翼をはためかせ)

アナタタチヨ

(水面を叩き)

私は

(言葉を)

ふいに浮上する

水上へ

言葉無き

神無き

光の飛沫が言葉として千切れる世界へ



鱗を光に曝せ

翼を光に曝せ





殺せ お前の命だよ

歌え お前の命だよ




私は踊る

神を踏みつけて


判るか?


私は踊る

運命を踏みつけて



さぁ、睨めつけるknifeのメ

光を孕んで

踊ろうぜ。


がらくたを頂いた

はらからタチよ

歌え 踊れ

貫け

血を

綺麗に飲み下してあげるから

綺麗に刺してあげるから。


rec.

  白犬

私の肌の亀裂から漏れる花、しろ、あか、ぴんく、きいろ、あお 悲鳴をあげるギター 公務員のオナニー 路上を歩く羊頭 狗肉 渋谷 肺から吐き出される灰 プロジェクター でスクリーンに映し出される巨大な2つの肺 に 奔る雷光 猫の仮面を被らないと笑えない女 犬の性器を持つ男 24時の情事 れんびん じぇらしー? そこいぢ 腕にナイフで書いたあいらびゅ 言葉を持たない言葉で鳴く人達 感情の地下茎 メビウスのブレイン 白化した血 白痴化する街 いいぞもっとやれ 囚われのバグ が 何度もシステムエラー エラー エラー エラー 「私が幸福ならそれで良い」? 幸せだね。 四角い空 の 下 穢れた水を吸って咲いた花もどき 貴方もきっと私だわ 飴ちゃんあげる 青空を舞う鳩の群れ 公園の黒ラブ 真昼間のビール 風景職人の穏やかな午後 からの夜 は リアリティのダンス 酔っぱらいダンス 切断された歴史 煌くナイフ 藍色の双眸 くびすじの匂い どうか君を慈しめ(簡単にゆーわ) 歴史を凌辱する人 よ しどけないふしだら いつだって私の骨を持ち出して遊んでる しを以てして私を犯して。 それでしか私を壊せない よ? たぶんね

私の左目に咲くあなたという空想 私は想像する あなたの声 あなたのくび あなたの毛皮 あなたの性器 あなたの夜 あなたの光 あなたの翼 あなたの苦しみに似たなまなましい生の羽音のなまめかしさ
私は製造する あなたへのラブレター あなたへの怪文書 あなたへの死亡通知 あなたへの密告文 あなたへの抒情詩 あなたへの宣告 あなたへの歌

いつだって光のへりを歩いて来た 感応したい って願ってる 私を 脱いで 髪をドライヤーで乾かして 闇に 溶けながら 光 感応したi そんなにびびらないで 迷わず絶望して その先だってば ずっと見てる

まだ足りないデショ? 「君ってそんなもんじゃないデショ?」 まだ視えない ビジョンをrec.る


a boy

  白犬

掠めてく風に目を眇めて

煽られた短い髪の毛の中で 渦巻く宇宙

ある視点

失われたハイウェイへの侵入を許して 指先の言語で 旋風生んで

も 少し

ナゾルよに 駆けてく 夜光が 君の足首

ぺらいTシャツの中に隠した骨格 が 崩壊するまで 何度も

夢のよに謎った裸の肉 齧る



夢の中まで 会いに来て



悲劇の中で生まれた僕(ら)の 腐敗し続ける傷口を

君の淡く光る夢で撫でて くすぐって

断面に映る穢れと綺麗 メビウス


乳白をしたたらせ


発火への焦がれ を 何度も重ねて


瞳孔の奥へ侵入 額の奥 焼いて


君の首元へ辿る運命を巻きつけた くすくす笑う 諦めて る よなもの 空き缶に詰めた煙草の煙が充満したら 始めたい


(始めたい)


鈍麻した舌に果汁の味 君を脱がせて剥いでく 微かに狂暴 が 興奮




お願い、

だから

(永遠に傍に居て)




獣めいて飢え 痩せた体は病巣 それでも それでも それでもって 伸ばした腕を絡める いつかと伏せた瞼を震わせて


仮想を脱ぎ捨てて 汗で濡れた服を着替えても 何度でも君に縛られる 空 の 先



何度でも君を見る

a image

a boy

君はそこに居たはず 凡ての絶望を体内に隠し持ちながら 機会を窺う 冷えた目 乾いた舌

濡らして

君の掻き鳴らす音が宇宙だって (気づけよ)

意味を成さない言葉の群れを書き連ねた紙切れに 頭を垂れて君 は 眠れない夜をやり過ごす


悲しい星の声に耳を傾け

飲み干した藍色のペンキ

魂をスライスした夜の断面





ま白い腕

噛んで みなよ


ほら


瞬く間に


裸足のまま


宙に浮く


観覧車&メリーゴーラウンド

  白犬

「茶髪の女は全員権力と寝てるから嫌い」

って煙草の煙と共に吐き出す私を

そんな目で視ないでよ !

観覧車の天辺 景色は サラウンド & ホログラム

平面/鉄塔の街できゅう・きゅう・きゅう するなら たまにはきゅう びのきつねになって

するり 「こん」 馬 ん なって 「ひひん」

猫んなって 鳥んなって 蝶んなって 蛾んなって 花んなって ゴリラになって 象になって


犬に 成って?


駆け巡るちっちゃな部屋 で 君の手はまだ小さいから 掻き分けて 絶望と欲望を存分に掴む / くぅるなバナナ。

リズムめかして追いかける のーせんすだから恥ずかしく無いもん!

まるでこの世の絶望を集めた光みたいな景色の色 (この世の光を集めた絶望みたいな風景)

くるくる回るmerry-go-round

君の薄い肩を掴む

「わんっ」


私の黒髪が夜風に溶けて / 時雨 る

土 深く 埋められ 濡れた花びらになる 鉛 温い風の吹く街 別に嫌いじゃー無いよ 君のことを少し考える      (一方方向にしか流れない血) (逆流)

冷えた涙 強かな痛み 深まる呼吸 その喉を通過して落とされる言葉 欠片

幽かな匂い 駆け巡る馬達の鬣の靡き 欲望の目で追う 獣

萌え出ずる感覚と振動 石化 浅ましく息する私の heart が heat / vison を ちょうだい ?


囁くように雪崩て バタフライ・エフェクトでフェアリー・テイルが メロディを奏でて 沈黙 に 深く口づけて


痛みで記号して 血塗れの記号に咲く花 私は好き !


観覧車に這い回る蔓 幾億の光 錆びた木馬達が一瞬の快楽に呻く時 冷えた目で微笑む私 走り出せ 作り物のウマ達 形作られた 偽物の野生 野に生きろ (遊園地は野原 野原は遊園地) お前らの生の美しさをそこで視ろ その酷く青に染まった瞳で


メリーゴーラウンド 回れ 観覧車 回れ 私達を乗せて   私は夜に開かれる 意識が 回り 巡り だす


夜景 & 君 / 石のように沈黙する 君の澄んだ瞳 こじ開けたい


観覧車から降りて 裸足で駆けてく私を追いかけて もし捕まえてくれたらコーヒーおごったげる それから私達は花のソテーを食べて ねぇ。違うの?

夜の遊園地 を 裸足で駆けて く


i am you

  白犬

錆びついた螺旋は失われた私で 失われた私は肉の中に封されていて だから冷たい空気は心地良くて 目を綴じそうになる のに 貴方は錆びついた二重螺旋 だから 私は貴方だった から 妄想で構わない 引っ掻き傷を残したいと彼/彼女らが言う 私は透明に溶けたい そこには貴方が居るから ぴちょん と 落ちた体液の中で 私は妄想を夢見ている 貴方と私が存在しない世界の夢 悲しかった が少し 消えて 幸せ って 思う 君の髪が揺れる時に 凡てを祈れと言われているみたいで 私には寂しい少年が見える 星を眺める 貴方が私の胸にキスしたから 剥がれていく 錆びついた螺旋を回して どうしてと問うのは 悲しいね 悲しいね と 吐息を混ぜて 沈む意識 白いベッド 君は何処に居たの? キスしてあげるよ と 私は呟く 二重螺旋が空に昇れば 灰色の空に美しい 偽りが 映し出されて 青空が好きだな 願う 寂しい少年 その大切を手放さずに 殺してごらん 私を? 君に幸せが来ることを願うよ 私の肉に封した貴方が溶けた 私は貴方だった 世界の裏側 愛してる


れいぷ&しふぉん

  白犬

記憶の砂に似ている 白い膚の下に蒼い痣が霞む ゆっくり 首 を 絞める みたいに描く 、 貴方の味


交差点の真ん中で猿が交尾してる 揺れる茶金の毛並み 内密に仕舞われた骨格から赤紫の舌を取り出して

貴方の涙をちろりと舐める 憎悪より なお深い 脳漿の滴り

(欲しい 貴方 を シフォンで 巻いて)


しめる


燃え尽きぬようにと内奥に閉じ込めた インディオの末裔よりも狂暴な夢 彼ら が は・は・は、と (あまりにも どうして xい) 剥き出して笑っている 私の静かな視線

(何度も 熱く 注がれ

喉奥に閉じ込めた 縛られた箇所が痛んだ 振り向かないで欲しかった 絡みつくように手放した 手放すように絡みついた 貴方の単色の夢が 可哀そうだ 暖かかった 氷みたいで 酷く脆くて シフォンより柔く

xxxされたい桃色の歪み 言えない言葉が何度も 引きずり出された子宮に刺さる剃刀みたい、に、777 666 999   000

脈を打つ箇所を抱き締めて噛み締める 記憶の砂だから崩れてゆけば良いと願ってた こそばゆいようななぞり方 いつからか 私には獣の牙が生えて 居て

噛む 噛む 噛む 毛むくじゃらの体 青い痣 嘘と嘘の交尾 殺すための首筋 夢のよう な 衝動 私と貴方 いつか見た 踊る 単純なメロディ へ


貴方の味だった


何故 醜い 未だ目に映る。


貴方の味を繰り返して


私と貴方の残照 が 酷く 。 痛くて 。 嬉しいよ 。


記憶の砂に似ている


poolで燃える火

  白犬

ゆらゆら ぱちゃぱちゃ 左目で燃えてる言語 右目で捉える揺らぎ キトキト シュワシュワ 絶望が喀血されて また燃え盛る水の火 水の日 ゆらん ぱちゃん 水底 少年の瞳入りスープ 放尿 むず痒く濡らした 肌 に 夜に溢れる灯 を反射して 寂しいと硝子の切っ先を撫でてる、 ギギギ 突き立てて 夜の詰まった肉を開いて 紫の唇 肉の詰まった夜を裂きたい 遊び半分 ちゅぱちゅぱ きるみ? な いるみねぃしょん と いみてぃしょん 消えちゃうよ それが良い 尾を揺らして 歪んだ彼らの顔を撫でる お腹に刺さった? 平日のpool 海のようなpool 水を含んだメ ケモノのメに暗示されるシ 喉から咲くハナのようなウタ ウタのようなハナ 暗色 / 暗室 平日のプールの水底 を ナゾル その指 は 哀れな程に 白く 強張っている 鏡の中 で ケモノが笑う 殺したはずだった あのナイフが刺さって 大きな口だな 飲んでしまう 食べてしまう 乾いてしまう 飢えてしまう 殺せないよ そんなんじゃ 殺す前に 歌わせてあげるよ 水の上を這う風 貫いて と 退屈な焦らしぷれい 目隠し テレパシィ かくれんぼ で 鬼ごっこ 光と闇も 柔らかく滲む セックスの痕跡 羽瞬きの音

幾つかの 記憶 を 繋いで

光の中で笑う

この目が 笑ってるように

見えるかい?

おいでよ。


cry so radical

  白犬

涙が流れ無い
意識の醜さを永遠に嫌悪する
肉の器に溢れる
感情をどんな風に料理して良いか判らなくて
難しい
衣服を剥ぐように
銀紙を剥いて
チョコレートを舐める
神様の肉片みたいに
口の中で柔らかくなり始める
舐め尽くして
溶かして
味わう
卑猥に
テレビをつければ
ハイエナ達の顔が映る
ずっと昔に生き別れた姉達、兄達だ
意識がチョコレートのように歪んで 肉が跳ねて 彼/彼らが揺らぐ
時に
意識を出産したいと思う
テレビを消して
暗い画面に
私が映って居る
赤い目
まるで誘うみたいに
おいで
おいでよ


天気雨、俄か雨

  白犬

セカイについて
教えて貰えなかった
コドモタチは
泣きながら
死んでく
ある子はノロイを吐いて
ある子はメを血走らせて
ある子は笑ってた
私は彼らを弔おうとは思わない
弔うという行為の中に孕まれた卑しさが
まだ酸っぱ くて?
或いは
肉塊としての
私の中の
魂のヨゴレを
理解していて
彼らに触れてしまっては
イケナイと思うから?
判らない
彼と私に
同時に刃を突き刺す
さよならの代わりに
愛しくて
ナミダが出る
クウソウの
おハナシ
ズット
こうしたかった
2度と離れないで
セカイを契って
良く噛んで
食べていく
オハナで
イッパイにしよう
体中に
オハナを咲かせよう?
全部枯れるまで
全部干からびるまで
もう判るから
スコシ、判るから
手についた
君の血をナめる
とても
美味しい
大切だ
もう判るから
スコシ、判るから
ばいばい

踊れ


sex dream

  白犬

痛い、から始まる
意識が重なって壊れてる
貴方を引き付けるのが怖い
どうか 夢を見せて

いつも私の中の幼さを刺激するから怖くなった
暗がりの中で目に当たる凡てが嫌だから
目隠しをして貰った
貴方が噛む場所から種が植えつけられていく 花達が芽吹く 伸びる
私はいつだって獣で無くてはならないのに
貴方が植え付けた花の種 がうら まりーごーるど そふとみゅーじっく すとろべりーあいす ぽーちゅらか 痛い
熱い
呼吸が
皮膚の上と下を這い回る夏の植物の魂
這い回る 貴方の指はいつも優しくて
心地が良い

それがどうしようも無く優しい行為だから
私は常に苦しくて飢える
もっと奥に刺して

ころして の準備はもうとうに済んでいるはずなのに
生かそうとする指は拷問だ
貴方を殺そうとしたはずの18歳の私が服従する時
小さな地獄が蜜に溺れてしまう

掻き回す その指が

私の35年間を貴方が犯す時
(ねぇ、これ以上私はどうやって生きれば良い?)

(懇願)
嫌いだ
やつらは私達の顔をして居ない(ほんと?)
やつらの性器は私達と同じ形をしている(ほんと?)

愛?

愛なんて無いよって
知ってるのに
知ってるから
私の舌をなぶる貴方の舌が嫌いだ

暗がりで何度
日の下で何度

服を着る暇が無い
丸裸にされた私にはもう私をまもるものがなにも無いのに

目を反らしたくなる

剥ぎ取られた目隠し
濡れた貴方の目が映る
豚と狼のように易々と食い破られていく
ずっと私は狼だと信じていた
狼に化けた貴方の牙が肉を穿つ感覚は甘い

豚肉なら
遺さず食べて欲しいだなんて
私の執着をこれ以上引きずりださないで欲しい

35年をかけて紡いだ私の羽根を貴方はへし折って食んでく
太腿が震えているのが恐怖か なにかの前兆か 私には判断がつかない

こんくり性のふぁんでで形作っておいた私の顔を剥がさない
この笑顔を殺さないで
ずっと全身の1番深い場所に閉じ込めておいた救いの無い液体を
貴方が舐めとる時に
私は死んでしまう
これ以上生きていけない

意識を取り戻す度に

否定し続けた私が女にされて/なってしまう時に

貴方は包帯であり貴方は獣であり貴方は花であり貴方は容器であり貴方は光であり貴方は夜であり貴方は(私の)過去であり貴方は(私の)未来であり

貴方は
ただ
酷く優しい魂だった

苦しい

(身の内に宿した弱さにおいて共犯の関係を結ぶ時に
 私達のした絶望の婚約の夢を
 受け入れる私は
 確かに貴方を愛していた?)

裸のままでこーひーを淹れて飲んだ
べっどはもうべちょべちょだ
途切れ途切れの意識が失せたり戻ったりする合間に
貴方の声が優しくて
半分眠りながら
私は泣いてしまう

暴風雨のようなものを
体にたくさん受けた
貴方の腕は私の首に絡まったまま


目が覚めると午後の3時だ
体が軋んでいるけれど
気分は悪くはなかった
私は乱雑に服を纏って
扉を開いて外に出る

日常の光と音が私を包む
息を殺していた私は
そっと息を吐き出す
帰って夕飯作らなくちゃ

貴方が私の身の内に宿したものがまだ消えない
嬉しい





全部嘘だよ。
貴方へ


bird

  白犬

イメージの葬列に穴を開ける
葬列の中を流れていく
彼や彼女の
手足が私の頬を掠める時
すごく冷たい気分

膨らんだものを見て
触れたいと思わない
ただ見てる
萎んだものを見て
醜いと思わない
ただ見てる

私の傷口を貪る蛆達が
開花して
エメラルド・グリーンの翅とインディゴ・ブルーの複眼を輝かせて
うゎんうゎんうゎん
永遠の夏空

私の魂について
語れることは今は無い
照らされた心は無いから
肉を少しあげた

春のように巡る心に
付きまとう影達に
ビールを浴びせる
「酔ッパラッチャエヨ」
私もブラを外してビールを頭から被る
ぷるぷる…っ

子犬が頭を振って胴を揺する

影を飲む
額に垂れた優しい貴方の指
私は首を傾け
舌を伸ばして
懸命に貪ろうとする
影がお腹に溜まると少し、熱い

爛れた皮膚から羽軸が伸びて
イメージの葬列に空いた穴からにゅっ と しゅっ と
私を私は確かめてしまうから
水面に映った君を何度も乞い
羽軸から展開する細やかな1枚1枚が死者の風に撫でられて ざわ と

私の1対の黒い目が
悲しいアナタの文字を撫でて

鉤爪
変容する腕 腹 夜 朝
形式達を飲み下していく 影達を飲み干していく
(ずっとぴちゃぴちゃと寂しい音をたてる影達は
子犬の水を貪る音に似ていて)
私の瞳に貴方が映り込む時
(寂しい凍りを口に含んで)
小さな地球を飛び立つ
空はイタイイタイイタイケナ光でいっぱい

「ここに居るよ」


羽音


pistols

  白犬

rhythm 渦 のくたーん 僕は何処? 肉に封された夢魔の数々 嫌だな もっと解放しろ 「僕は無責任に笑う」 君達の愚かなだんす、笑えるよに。 花を撒く 蒔く また、笑えるように 九官鳥 dead copies 鳥達が地平を翔ぶとき 射精されたみたいな赤い夕陽がさ それをさ 穢さないようにそっと食む

意味の無い夜に
意味の無い言葉を
「あたしを殺して」
せっくすとあるこーると煙
優しさを撒き散らす
獲物のtaboo
退屈だなー。

愛があるから愛があれよ
理屈を積み上げては交われよ
鏡、断面、断層、愛しき獣面

だんす
疲れきった
君のこうがんを絞り上げて笑うのさ
僕はまだニンシン出来無いよ。

「僕はここだよ」
犬の目玉に赤く燃える丸点
睫毛が伸びて
君を屠った
赤い陽を浴びて僕は裸で立ってる
小鳥達、いつでも会えるよ?
退屈な人達。
でぃーぷきす。
何も産まないから
遊んでるんだろ?
もっと
深く、
落ちて来て

「まだ出来無いよ」
白いびーと 夜の魂を抱いて
したい
もっと

傷口に花を

もっと
深く、
落ちて来て


harpy

  白犬

風切り羽根を微かに震わす
風を目を細めて視る
内蔵に絡み付く野薔薇の刺が優しい
貴方のimageは風に溶けて
もう貴方の顔も忘れてしまう

届か無いと千切った腕が
いつか貴方に
届か無いと毟った羽根が
いつか地上に

啄み(孕む)のは言葉達です
うんざりと
海に漂流するそれらを

性器を掻き回した指を
口に入れられた時
生臭い潮に似た味がした

私のお腹の中に
まだ海が居るの



求めるものから
引き千切られて
寂しく発光する
醜い寄り合いに
いつか彼らに
柔らかく命の香りがする
春の光が
届くようにと

大きな風切り羽根を1枚引き抜いた

落とす





紛れもなく貴方と





もう名前も呼びたくない





地を駆ける毛むくじゃらの私は
はちきれんばかりに尻尾を振るのです
本当に、楽しかった


内蔵が求める獲物の連鎖を
誰も彼もがその時には泣いて居て
私達と私達は殺し合い
私の嫌いな正義さえ擦り切れて
野と水と記憶が残り


記憶


私は火を飲む


内蔵も脳も
てろてろ融解する朝に
零れるものを掬い溢れるものを掬い
私は人面の鳥
火を飲んだ


私の中にしか無い空へ
羽瞬く
その太陽を突き抜ければ
また会える?

また、会いたい
貴方に
貴方達にも

空も
地も
海も

光が 溢れて

文学極道

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