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作品 - 20200909_837_12102p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


sex dream

  白犬

痛い、から始まる
意識が重なって壊れてる
貴方を引き付けるのが怖い
どうか 夢を見せて

いつも私の中の幼さを刺激するから怖くなった
暗がりの中で目に当たる凡てが嫌だから
目隠しをして貰った
貴方が噛む場所から種が植えつけられていく 花達が芽吹く 伸びる
私はいつだって獣で無くてはならないのに
貴方が植え付けた花の種 がうら まりーごーるど そふとみゅーじっく すとろべりーあいす ぽーちゅらか 痛い
熱い
呼吸が
皮膚の上と下を這い回る夏の植物の魂
這い回る 貴方の指はいつも優しくて
心地が良い

それがどうしようも無く優しい行為だから
私は常に苦しくて飢える
もっと奥に刺して

ころして の準備はもうとうに済んでいるはずなのに
生かそうとする指は拷問だ
貴方を殺そうとしたはずの18歳の私が服従する時
小さな地獄が蜜に溺れてしまう

掻き回す その指が

私の35年間を貴方が犯す時
(ねぇ、これ以上私はどうやって生きれば良い?)

(懇願)
嫌いだ
やつらは私達の顔をして居ない(ほんと?)
やつらの性器は私達と同じ形をしている(ほんと?)

愛?

愛なんて無いよって
知ってるのに
知ってるから
私の舌をなぶる貴方の舌が嫌いだ

暗がりで何度
日の下で何度

服を着る暇が無い
丸裸にされた私にはもう私をまもるものがなにも無いのに

目を反らしたくなる

剥ぎ取られた目隠し
濡れた貴方の目が映る
豚と狼のように易々と食い破られていく
ずっと私は狼だと信じていた
狼に化けた貴方の牙が肉を穿つ感覚は甘い

豚肉なら
遺さず食べて欲しいだなんて
私の執着をこれ以上引きずりださないで欲しい

35年をかけて紡いだ私の羽根を貴方はへし折って食んでく
太腿が震えているのが恐怖か なにかの前兆か 私には判断がつかない

こんくり性のふぁんでで形作っておいた私の顔を剥がさない
この笑顔を殺さないで
ずっと全身の1番深い場所に閉じ込めておいた救いの無い液体を
貴方が舐めとる時に
私は死んでしまう
これ以上生きていけない

意識を取り戻す度に

否定し続けた私が女にされて/なってしまう時に

貴方は包帯であり貴方は獣であり貴方は花であり貴方は容器であり貴方は光であり貴方は夜であり貴方は(私の)過去であり貴方は(私の)未来であり

貴方は
ただ
酷く優しい魂だった

苦しい

(身の内に宿した弱さにおいて共犯の関係を結ぶ時に
 私達のした絶望の婚約の夢を
 受け入れる私は
 確かに貴方を愛していた?)

裸のままでこーひーを淹れて飲んだ
べっどはもうべちょべちょだ
途切れ途切れの意識が失せたり戻ったりする合間に
貴方の声が優しくて
半分眠りながら
私は泣いてしまう

暴風雨のようなものを
体にたくさん受けた
貴方の腕は私の首に絡まったまま


目が覚めると午後の3時だ
体が軋んでいるけれど
気分は悪くはなかった
私は乱雑に服を纏って
扉を開いて外に出る

日常の光と音が私を包む
息を殺していた私は
そっと息を吐き出す
帰って夕飯作らなくちゃ

貴方が私の身の内に宿したものがまだ消えない
嬉しい





全部嘘だよ。
貴方へ

文学極道

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