つむりつむりゆめを踏みしめている
午下り牛は果樹園へと裸足で歩んで
変わりばんこに口をつけ水をやり
過日をひとつ、ひとつつみ、耳を
澄まして草を食んでいる草枕食む
まことに良いお日柄で、と
空は猟師に撃たれて死んだ
果実酒に酔う我ら猿か牛か
牛は午下り消えていくゆめ
果樹園から果実を盗みかけていく
あの猿がいまのわたしであるのだ
つむりつむりあたまをふり裸足で
裸足である事ぐらいしか、牛であった
まったくみえないが猿は、牛であった
つむりつむりあたまふる、牛であった
そんな午下りの牛にあった午であった
酔いも出来ねぇ、猿たちが、礼儀ただしく
午の牛を食べもせずに殺して楽しんでいる
猿でもいい、俺は反芻してぶち撒けてやる
下呂だって朝陽に輝いて、見ろよ
雀たちが啄んでいる、生きるために
戯れに殺す猿たちよ、痩せて死ね
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作品 - 20200814_214_12056p
- [佳] 牛になりたいだけ、ただそれだけ - キリン堂 (2020-08)
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牛になりたいだけ、ただそれだけ
キリン堂