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作品 - 20200706_430_11992p

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月兎の聴躍 4

  

幸福が平和を追い越して月光は鞍に跨って暗雲に燐光を掻き分けて過去は諸手に翼を授け乱反射する星達を散りばめたターフの上で見下ろす街の空に神様の落書きは装うあつあつご飯もゆらゆら揺れる廉直なかつお節も踊りながら水屋に眠る夜に茶碗の夢をみる幸福の為に死ねないけれど幸福だからこそ死ねた御納戸色(おなんどいろに生まれ短冊に育つ言葉を数え切れない今で引き止め詩に綴じ込めた願い溢れる部屋の扉を開け出てゆく大切な思い出の塊が大き過ぎて切れない唯それだけの理由で笹の葉サラサラ今と祈りに挟まって兎の腸がはみ出している明日こそ晴天を探しに一緒に出かけよう。

文学極道

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