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作品 - 20200701_300_11984p

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月兎の聴躍3

  

寂れた町の隅っこに吹き溜まる葉や木屑のスラングに無縁仏が風を発す(おこす露骨な色の衣装を纏い逸れ者は子供のまま大人になって腐れ縁を結えたお父様とお母様に離婚を宣告出来る権利を強請る何も決めていない時間が流れていればそれでよい学校で富国強兵や経済成長を学び行進して歩いたり整列したり前に倣え(ならえしたりした指先の爪はよく研いてあるから何時でも後ろから君の背中を串刺しにできる血まみれの二十歳は社会に徴兵されてしまう浅緋(あさあけいろの雑草をまいにち間引いているけど託児所の根っこは全く機能しない子供は大人の先輩なのに兎の腸がはみ出してしまって四方八方に広がる赤い瞳の裡側に散らばった褪せたビルの谷間に食い下ってでっかい太陽の前で小数点がコロコロ零れる曖昧な人生を隔てなく食べて肥大し続ける真心が眩しくて誰も振り返えられない無縁仏の誰かが名前から脱皮する呼んでいる私は事実の集合体ではない。

文学極道

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