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作品 - 20200608_846_11944p

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月兎の聴躍 2

  

瘤の有る生物に跨る敦煌の空はカシュガルへ降り立つ古風な仕来りに昇る使い古された月に鮮度を与える魅惑的な道は光を放つ交差点に殺到する足跡に擦れ違う文化は実り多く寛容なオアシスを夢で覆うタリム川の濁りや澄んだ水を押し流す星群を清浄の地の国の山肌へ跳躍する明け方の幻想に銷する肉の希望が言葉遊びに満ち欠ける観念の死に費用を掛けない愛の庭師は魂を先頭にエベレスト山頂を飛翔するアネハヅルの翼に明滅する瑕疵を放棄しながら炎と酸欠と心咎めだけを道連れに硬質な骸の間近に訪れる偉大な子供や遠く離れた老人に生きる理由を尋ねるシャイネスなおっさんのドロドロしたおばはんの時の糸を手繰り凧を浮かべ現実を覆う山脈の麓で瘤の有る生物に跨り天竺より御座ある三蔵法師や玉龍が鳴沙山の砂を踏み鳴らす此処は生首からひょろりとひ弱な足が生えた化け物が呻きながら往来する渋谷のスクランブル交差点のド真ん中に一人立ち止まり指先を空より高く突き上げこの指止まる世界中の孤独をバネに月に向かって杵をぶん投げ46億年分のあいいろはとば(藍色鳩羽)でよいしょー!クラクションが人の間に挟まってぺったーん!信号が青になりました潰れた兎の腸が食み出している。

文学極道

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