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作品 - 20200603_754_11937p

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さようなら、なみだ

  なまえをたべたなまえ

瞼から落ちていったものが音を立てない朝と舌に泊まる湿度と言う羽虫が柔らかいからパンを食べる手を伸ばしてどこまでも弔う道を振り向かない横顔。声とライオンの深い谷。鬣と少しの震えが伝わる足もまた伸ばして。鳥のように群生している雨と鉱石、心拍数とベランダから見下ろす人の数。呼吸と孤独は虫と鉱脈に似ているから許さない。体を庭に降ろす神の些細な一手が羊みたいなハンドクリームだね。ここで猫が鳴きます、世界が一度滅びます、敬具。だから、果実を向いてね、台所から繭と麻の世界へ、霧と1回だけね、忘れていたことを思い出して。瞼を落として、床に手を伸ばして、死んだふりをして魂を逃がさない。台所では産卵しないでお母さん。兄弟は皆死ぬ。生きることは辛い。だから、天気予報を裏切りたい。硬質な電話、カタツムリみたいな人、話しても咲かない花と魚。料理はすること、また私みたいな人が出来て、落ちていく視線。きらきらしたら全部ぶっ殺す、だから、列に並んで、手を洗って、また、髪を梳いて、携帯電話が私を着信しない夜は、私を見ないで、機関銃と現代詩、皆、死んで、さようなら、なみだ。

文学極道

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