日差しのなかで時間が解けてゆくね 桜が咲くと雨が降り風が吹く 日々を哲学しようなんて考えていないさ ただ、誰かの夢の中で僕が生きているのなら 眠りの持ち主に届けてみたい ほろ苦い恋の言葉 酔うために綴った詩 さようならを繰り返す君へ 手作りのおはようを 青空に抱きしめられて蝶が舞っている 自由を押しつけるつもりはないんだ 懐に広がる野原で君は花を摘み冠を編み、妖木の枝にかぶせると 王はひとりでに生まれてくる 僕の手に触れる逃げ水もなく 君は意味のお妃さまになる 白く霞むドレスのなか 光に透けた細い足首のことを 山の麓では春と呼んでいるんだよ
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作品 - 20200411_808_11808p
- [優] あかるみ - 北 (2020-04)
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