道端を見ながら歩いてると
色んなものが落ちていて
一つ一つのものが
無価値な雰囲気を漂わせている
丸い形の何かの部品を手に取り
少女はポケットに入れた
私は物かもしれない
机の上の本や引き出しの中の文房具は
何も語らない
これらに私は愛情を感じた
物である私と物の一体化
人や自然や動物が
息を吹き込んだ霊的な動く物体に見える
それに比べて物は静かだ
この静けさしか私を理解してくれるものはいない
私は生き物を感じる物はなるべくさける
顔のない身体のない物がいい
私は物なのである
来世は物に生まれたいなどと思う
外の建物の静けさを味わう為に
少女は窓をいとおしいという人間的な感情を抑えながら
いとおしそうに撫でながら窓辺に立つ
最新情報
選出作品
作品 - 20200318_465_11766p
- [佳] 窓辺の少女 - 陽向 (2020-03)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
窓辺の少女
陽向