歌声に導かれプロペラが回っている
悲しいことの数だけ歌声が溢れだし
微細に振動してる唇に共鳴するのは
なぜだろう、プロペラが勢いを増し
シャツも靴もネクタイも脱ぎ捨てて
三角屋根に跨がって月を跳びこえる
月面では兎が華麗に宙返り、俺はと言えば
zigzag、zigzag、地面に刺さってdigdoug
兎たちは指差して笑ったり泣いたり忙しい
プロペラが回ってる夜は長いから
愛してると殺したいを繰り返して
掘り出した真実を磨き夢をすてる
三角屋根から滑落する戯れの夜たちが
悲しみを絞め殺してしまう前に静止した
プロペラに巻きついたネクタイを締めた
最新情報
選出作品
作品 - 20200222_109_11719p
- [佳] 宙返りも出来やしない - キリン堂 (2020-02)
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宙返りも出来やしない
キリン堂