クロニクルが逆走をはじめて
あたりまえであったことが
眩しいものにかわり
遠く離れた喧騒になる
冷たいスローモーションの中を
音もなく歩く
葬列に参じ
喪服に身をつつむ日、
私たちは、
寄り集まり、
世を捨て去って
片道だけの旅路へ向かう
懐かしい亡き人を
舟にのせる
落日に
照らされて
首を
突き立てて
洗った
三途の川原が
やさしい黄金色をして
小石を積むことも
束の間に忘れて
きやきやとした
思い出が、編み継がれ
舟を飾りますように
ここが、
はじまりとなりますように
新しい世界が
広がりますように。
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作品 - 20200208_002_11703p
- [佳] 葬列 - たこ吉 (2020-02)
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