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作品 - 20200101_627_11657p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


存在の冬空(VII)

  アンダンテ

雲                               
   
霧芝の山では人が焼かれていた 
うつろな心に刻まれた雲が
文字より先の歌を奏でる
            
花                              

師走の朝が山へはいる                       
鶫が忙しそうに冬のゆくえに花卉を放る               



the poetry of the Japanese,by the Japanese,for the Japanese
なんて浅ましい冬の目覚めだ

調べ                               

自分の中から意味やイメージが取り払われる
他者との出会い                          
そして言葉の素材だけ残る 

雲隠れ




存在の冬

足早に追いついた冬の扉をあける
すべてのものが存在の中で
遠い記憶となる

inscape

空のくちくらを破る
もうひとつの空が落ちてくる
そうだけどちがう祭囃子がちらばって
親水性の生き物の影をおびやかす
 Pourquoi une apparence de soupirail blemirait-elle au coin de la voute? (rimbaud〜)

時間

Time present and time past
Are both perhaps present in time future,
And time future contained in time past.
If all time is eternally present
All time is unredeemable.
[Four Quartets‐Burton Norton 〜 Thomas Sterns Eliot 〜]

ショパン

ショパン嫌いのグールドを嫌う遠山一行のショパン好き
ピアニストたちが好むショパンを好まないピアニスト
ききわけのない耳を持ったあ〜たとあ〜しの円舞曲
濡れ衣を着た聴衆のおべべが乾くまで弾き続けた

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 *註解
・鶫:つぐみ
・花卉:くさばな
・放る:はふる 
・the poetry of the Japanese,by the Japanese,for the Japanese:母国語の、母国語による、母国語のための詩
・雲隠れ:源氏の物語四十一帖
・足速:あしばや
・inscape:interior + landscape(造語です)
・くちくら:検索ワードを入力してください
・Pourquoi une apparence de soupirail blemirait-elle au coin de la voute? 〜rimbaud〜:ひとつの空の片隅に、またひとつの空が蒼ざめてあるのは、如何いうわけだ? 〜ランボー[少年時‐V]
・型:かたち
・Four Quartets‐Burton Norton 〜 Thomas Sterns Eliot 〜 :四つの四重奏‐バ−ント・ノートン 〜トーマス・スターンズ・エリオット〜(訳はご自由に)
・グレン・グールド:1982年(50歳没)
・遠山一行:2014年(92歳没)
       

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