あの日乾いた夏の言葉のように
水源と発火してくぐる
銅線の隙間から
絶え間なく広がる行方不明の青い空
___カナリアが一通届いた、海に。
空気ごとまとう紙を掬う
一片の断片の断面の反転の散り散りの雪
まるで
海に積もるというふうに
庭の海に投げ捨てられている子等をよそに
祈るしぐさの砂の満ち欠け
ある日遥か見渡す限り
とほくの空が鳴っている
手にした速度に合わせ
泉を
箱に入れて
箱にしまう
ポケットにたくさん集めた
カタチの違う時計を蝕む夢を
ひたすら積み上げる
音の無い世界の囀り
この層のどこかに僕が居ると
そう言い訳しながら歩く
風の内に宿る
風と僕
風の奥
風とほく
風ノート
___カナリア
このペンは こちらに
この方角に
この方向に
ほんの少しだけ違っていただけなのに
カタチの違う時計を積み上げる
草むらを分けて
扉の前に立つと
向こうに風が鳴っている
行方不明の空のような
音の前に
黒い夜を拭き取って
三面に揺らいでいる
星の楽譜
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選出作品
作品 - 20191102_712_11538p
- [佳] 星の楽譜 - 紅茶猫 (2019-11)
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紅茶猫