(自分を嫌うことは最も簡単な自己へのしがみつきだろうか)
足先の、あなたと世界の境目に私は張り付く。
あなたを私の物にしてしまおうと爪の間に忍び込み、靴下を脱いだ時、そこに夜を作り出す。
不確かなつながりを信じ、絡め合った足をほどいた時、そこに夜を作り出す。
(
(かがみのようなものだ
生きるということは足の裏に凍りつく春の痛み
)何かを踏みつけて形作られた自己の痛み
)
*ふと、ゆびとゆびのあいだから、
暖かな花畑が顔をみせた
それは、じっと耐えながら、
今も脱出の機会を伺っている。
)
私は足の裏に凍りつく春の痛み
あなたの柔らかく艶やかな肌を刺して、靴下を履いた時、あなたはあなたでなくなる。
冷まじい秋の体温に惑わされ涙を流し、足を絡め合った時、
豊かな花畑が溢れ落ちる。
(忘れないで) 私は
*足の裏に凍りつく春の痛み
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選出作品
作品 - 20191015_485_11509p
- [佳] 足の裏に凍りつく春の痛み - 夢うつつ (2019-10)
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足の裏に凍りつく春の痛み
夢うつつ