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作品 - 20190624_759_11283p

  • [優]  Dryad - アルフ・O  (2019-06)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


Dryad

  アルフ・O

 
 
 
自ら朽ちようとする意志に
用意していた毒舌の多くはその毒性を
ありふれたものに変えて沈む
赤紫の闇へ
疲弊したモチーフにスラップバックを
産まれたばかりの絵画に祝福を
「やーいやーい、にんちてきふきょうわー。
『やーいやーい、にんちてきふきょうわー。
「やーいやーい、にんちてきふきょうわー。

……そっかー。
ポンコツは俺/ボク/あたしのほうだったかー。
あっはっはーだ。
「で、ともかく最後まで付き合うけど、
 危うく死にかねないプレイは別料金だからね?

「そう、延々と降ってくるのは貴方がたの不始末。
 そしてあたしたちは、無遠慮に蔓延る
 それらを、
 消化しきれないまま延々と生を全うするのだと、
無言で拡散し続ける。
センセイたちの真顔が少しだけ崩れて
ものすごい勢いで顎を掴まれる
あたしたちは平然と分裂を繰り返し、
都合のいい真実で一斉に敵の呼吸を止める

鐘を13回打った彼女が
外套を翻してこちらにゆっくりと跳び降りてくる
「綺麗な、ブーツ、
「せめて声帯だけでもシャッフルできたらいいのにね。
 技術ならあるのに、
「時空だけじゃ不足?手厳しいなぁ、

「早くしないと、
 こいつも裸なのがバレちゃうって、
「それって致命傷かな?
朦朧とした意識で
枯木に繋がれたまま犯されたあたしは、
最後の抵抗で犬笛を吹く
時がこのまま凍りついてしまえばいい、と

「どうすれば上等の太鼓持ちになれるか、
 せいぜい俺を見て学ぶんだな。
「心配すんな、
 今に貴女の偽られた墓標だって
 お仲間達の記憶から葬り去ってやる、

あぁ、おめでとう。
───そして遺された僕たち/あたしたちは、
次々に望まれざる鬼子を孕みました。
産んでは棄て 産んでは棄て
いつしかそれらは勝手に親の体積を
追い越していきました───。

 
 
 

文学極道

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