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作品 - 20190530_142_11234p

  • [佳]   - 田中恭平  (2019-05)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


  田中恭平


どれだけ酷いかなんて
聞かなくても知ってるだろ
俺たちは名前のない花
或いはエイリアン
椎間板の形状変化は生活に影響する


来るって言っていたのに
行くって言っていたのに
スマートフォンは雨で濡れていた
記憶を辿って雨から滴して浄化槽へ
俺は歯ブラシで排水口を磨きつづける
神の日がいつ来るか知れないから
おまえさんのように


弱いヤツを狙えよ
持っていないヤツは最初から見切れよ
と男は言った、男は言った、男は言った
と三回言う
ピザが余って
腐臭を出しはじめている
俺は愚かで、変われなくて、利用されるんだろう
付き合うなら賢いひとがいい
コバンザメのように俺に離れる理由はないのさ


労働の放熱が寝室を満たしている
とりかからなくちゃ
でもなんで風景が変わっても
ひとを信頼できないんだろう
吐きそうなくらい
昔はひとが好きだった
今は本のなかの人間が好きだ
考えとでもいうのかな
ひとの考えが好きなのは
肉の温かさがしないからさ
といって今日も肉を求めてしまうんだろう

 

文学極道

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