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作品 - 20190316_273_11121p

  • [優]  「猫」 - アラメルモ  (2019-03)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


「猫」

  アラメルモ


小さな瓶の蓋を開ければ読める
レモンの香り
ラベンダーかミントで後始末する(するする)
どこにもトイレがないので大きな息を吐く
するするが、たまに気にはなる
山盛りになった餌と糞を見て
人形が膝を抱えて笑う/午前零時
階段の音に聞き耳を立てて辺りを見回している、母親
これは時間の擦れ、という腹違い
そこにネズミが現れたので箒を持って追いかけた、その
少し前、姉が始末書の匂いを引き連れて倶楽部活動から帰宅した
横向きで円くなる妹のあまがみ、根もとから噛み、誇示を示す髭から
藍の眼が向かう先、いつものように
うたた寝で父が手枕に落ち着けば
土曜日の夜を兄がまた犬と散歩に出かけた
義理を巻く、などと頼もしい時間は確実に帯を縮めてやってくる
滑らかな感触の復讐の色合い
予習を始める人々が血気に目覚めるときの準備だ
(わたし)居場所がないのでそろそろと二階へ上がる
暗くなれば人工呼吸器をつけた猫
ずるずると糸がほつれて
微かな息を吸う
絨毯の滲み襤褸の切れ端
片隅から、取り残された夢を見る

文学極道

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